発表年:2015年
ez的ジャンル:イタリアン・ポップ・ジャズ
気分は... :この夏の僕のヘビロテでした・・・
今回はイタリアを拠点に活動する女性シンガーEly Brunaの最新2ndアルバム『Synesthesia』です。
イタリアの人気ポップ・ジャズ・プロジェクトPapikの諸作でフィーチャリングされたことで注目を浴びた女性シンガーEly Bruna。
そんな彼女の『Remember the Time』(2010年)に続く2ndアルバムが『Synesthesia』です。
数ヵ月前に購入していたのですが、紹介する機会を逸していました。実は1st『Remember the Time』を今年の春先からよく聴いていた矢先に本作がリリースされたので、2枚セットで今夏の僕のへヴィ・ローテーションとなっていました。
『Remember the Time』同様、Papik(Nerio Poggi)がアレンジを手掛け、カヴァー曲中心の構成となっています。
カヴァーの選曲も70〜80年代のディスコ/ソウル/AORヒット、80年代、90年代のイタロ・ダンス・チューン、David Guetta、Pharrell Williamsといった近年のダンス・ヒット曲、さらにUSA for Africa「We Are The World」、Whitney Houston「I Will Always Love You」のようなベタなセレクトまで実にバラエティに富んでいます。
また、Papik作品でもお馴染みのイタリア人男性シンガーMatteo Brancaleoniや、実力派ネオソウル・シンガーFrank McComb等のアーティストがゲスト参加しています。
Ely BrunaのヴォーカルおよびPapikのアレンジの幅の広さで、1枚の中で様々なタイプのサウンドを楽しめるがいいですね。
有名曲をEly BrunaとPapikがどう調理するのか、楽しんでください。
(全曲カヴァーではありませんが)カヴァー・アルバムの楽しさを再確認させてくれるアルバムです。
全曲紹介しときやす。
「Sailing」
Christopher Crossの全米チャートNo.1ヒットをカヴァー。オリジナルは大ヒット・アルバム『Christopher Cross』(1980年)に収録されています。オリジナルとは一味違ったポップ・ジャズ・バラードに仕上がっています。Elyの伸びやかなヴォーカルと素敵なソプラノ・サックスが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=cLqr4iVfyhU
「More Than A Woman」
Bee Geesのカヴァー。オリジナルは大ヒット・ダンス映画『Saturday Night Fever』(1977年)のサントラに収録されています。ここではPapikらしい大人のボッサ・グルーヴで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NeQ8cLTK38k
「A Little Bit Soul」
本作のオリジナル。Nick The Nightflyの男性ヴォーカルをフィーチャー。ソウルフルな大人のポップ・ジャズにはAOR的な魅力もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=ktEnkpoXR-w
「Titanium」
人気DJ、David Guettaの大ヒット・アルバム『Nothing but the Beat』(2011年)からのヒット曲をカヴァー。EDMなオリジナルを感動的なバラードに様変わりさせて聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LCR5TJh0mdg
「We Are The World」
USA for Africa、1985年のアフリカ救済のための一大プロジェクトによる大ヒットをカヴァー。誰もが知るこの曲をWalter Ricciとのデュエットによるスウィンギーなカヴァーでさらっと聴かせてくれます。
「Good Times」
Nile Rodgers率いるChicの大ヒットをカヴァー。オリジナルは『Risque』(1979年)に収録されています。ここではブルージーなブルーアイド・ソウル風のミディアムで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=P1UNwDzHHDU
「Tomorrow Is Another Day」
本作のオリジナル。Reseauをフィーチャー。スウィンギン・ハウスなダンス・チューンです。
「I Will Always Love You」
映画『The Bodyguard』のサントラからWhitney Houstonの大ヒットをカヴァー。オリジナルは1974年の作者Dolly Partonヴァージョンです。お馴染みの大ヒット曲を素敵なメロウ・ボッサで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=s3nMuSurK6c
「American Boy」
UKの女性R&BシンガーEstelleがKanye Westとデュエットしたヒット・シングルをカヴァー。オリジナルはアルバム『Shine』(2008年)に収録されています。ここではNejaをフィーチャーし、オリジナルよりも少しテンポを落とした爽快ミディアムで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2AU5LP7WSrM
「Just The Two Of Us」
Bill WithersをフィーチャーしたGrover Washington Jr.のクリスタルな大ヒット曲(Bill Withers/Ralph MacDonald/William Eaton作)をカヴァー。Papikの本領発揮のメロウ・ボッサ・グルーヴにグッとくるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=mKzM_IM8vrQ
「Time Of My Life」
本作のオリジナル。実力派ネオソウル・シンガーFrank McCombとのデュエット。感動的なソウル・ラブ・バラードに聴き入ってしまいます。オリジナル曲ではコレが一番好き!
「Feel Like Making Love」
Roberta Flackの大ヒットでお馴染みのEugene Mcdanielsの名曲「Feel Like Makin' Love」をカヴァー。Marlena Shaw、Ricardo Marrero、George Benson、D'Angeloのカヴァーも有名ですね。ここではFrankie Lovecchioをフィーチャーし、都会的なファンキー・サウンドにグッとくる、落ち着いた雰囲気の大人のメロウ・ミディアムで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=m4XFKP9FjKU
「What'cha Gonna Do For Me」
Chaka Khanの人気R&Bヒットをカヴァー・オリジナルはChaka Khan『What Cha Gonna Do For Me』(1981年)に収録されています。妖艶なElyのヴォーカルにグッとくる大人のボッサ・グルーヴで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gEGaVB2l0F8
「Give Me Tonight」
US女性シンガーShannon、1984年のダンス・ヒットをカヴァー。正直、チープなダンス・サウンドのオリジナルはあまり好きではありませんが、ここでは重厚な哀愁チューンでしっかり聴かせてくれます。
「Found Love」
イタリアのダンス・ミュージック・ユニットDouble Deem、1990年イタロ・ハウスのヒットをカヴァー。疾走感のあるダンス・チューンで一気に駆け抜けます。
https://www.youtube.com/watch?v=8iiktRbwmEU
「Hold The Line」
Totoのデビュー・ヒットをカヴァー。オリジナルは『Toto』(1978年)に収録されています。Elsa Baldiniをフィーチャー。ここではジャジー&ブルージーな哀愁バラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pMJyvtan0fE
「Never Ending Story」
Limahlが歌った映画『Never Ending Story』(1984年)の主題歌をカヴァー。Elyの優しいヴォーカルに包み込まれる、ストリングスも入ったビューティフル・バラードに仕上がっています。
「Happy」
Pharrell Williams、2014年の世界的な大ヒットをカヴァー。この有名曲を少し60年代テイストを効かせたポップに弾けたカヴァーで聴かせてくれます。このあたりはPapikのセンスですね。
「Sweet Summer Feeling」
本作のオリジナル。Matteo Brancaleoniをフィーチャー。アコースティックな質感を重視したラウンジ感覚のポップ・ボッサに仕上がっています。この曲はまさにPapikって感じですね。
「Survivor」
Mラストはike Francis、1984年イタロ・エレクトリック・ダンス・ヒットをカヴァー。Alan Scaffardiの男性ヴォーカルをフィーチャーし、憂いを帯びたミディアム・バラードで聴かせてくれます。
1st『Remember the Time』(2010年)もセットでどうぞ!
『Remember the Time』(2010年)