2015年10月31日

The Gentle Souls『The Gentle Souls』

Terry Melcherプロデュースの男女デュオ作品☆The Gentle Souls『The Gentle Souls』
Gentle Soul
発表年:1968年
ez的ジャンル:サイケ・フォーク/ソフトロック
気分は... :揺らぐハーモニー・・・

今回は60年代サイケ・フォーク/ソフトロックからThe Gentle Souls『The Gentle Souls』(1968年)です。

The Gentle SoulsRick StanleyPamela Pollandの男女デュオ。元々はバンド編成のようでしたが、その後2人が残りデュオになった模様です。

そんなThe Gentle Souls唯一のアルバムが『The Gentle Souls』(1968年)です。

Terry MelcherJack NitzscherVan Dyke ParksRy Cooderらが制作に関与していたことも手伝い、今日再評価が高まった1枚です。

Terry Melcherがプロデュースし、Jack Nitzscherがストリングス・アレンジを手掛けています。レコーディングにはMike Deasy(g)、Ry Cooder(g)、Bill Plummer(b)、Larry Knechtel(org)、Van Dyke Parks(harpsichord)、Paul Horn(fl)、Gayle Levant(harp)、Tony Cohan(tabla)、Ted Michel(cello)が参加しています。

メンバー2人の美しいハーモニーと素晴らしいバッキングによる美しいアレンジが絶妙に結び付き、独特の音世界を構築しています。

サイケ・フォーク/ソフトロックのような括りで説明されることが多い作品ですが、モロにサイケ、モロにソフトロックという訳ではありません。それでもフォーキーな中にサイケやソフトロックのエッセンスが効いているのは確かであり、その不思議な魅力の虜になってしまいます。

特に女性ヴォーカル好きの僕はPamela Pollandのエンジェル・ヴォイスにグッときてしまいます。

なお、CDには本編11曲に加え、9曲のボーナス・トラックが追加収録されています。

全曲紹介しときやす。

「Overture」
カントリー・フレイヴァーの美しいアンサンブルを楽しめるインスト。

「Marcus」
2人のソフト・ヴォーカルが美しく響くフォーキー・チューン。ハープシコードの音色がアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KcsTr6sJMak

「Song For Eolia」
素朴な味わいのようで、緻密に計算されたアレンジの妙に魅了されるビューティフル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=jKKnSw9Em_I

「Young Man Blue」
ほんのりサイケの漂うフォーキー・チューン。妖しく揺らぎのあるコーラスがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rM7NrIspHoU

「Renaissance」
美しいメロディ&ハーモニーを楽しめるフォーキー。フルートの音色が2人の歌声を優しく包み込みます。
https://www.youtube.com/watch?v=RRuWJCAGSi8

「See My Love (Song For Greg)」
Pamelaの天使のようなエンジェル・ヴォイスの魅力を存分に楽しめるビューティフル・チューン。何だかんだいって、コレが一番好きだったりして(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=eWDK2pI1hZw&index

「Love Is Always Real」
爽快コーラスながらもサイケ・フォーク風味をチラリと覗かせる不思議な感覚の仕上がり。

「Empty Wine」
Pamelaのエンジェル・ヴォイスを活かしたビューティフル・バラード。カントリー・フレイヴァーを巧みに散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=mUGzk9UVRGg

「Through A Dream」
デュオとしての美しいハーモニーを楽しめる1曲。フォーキーな味わいのながらもうまくメリハリが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=DuW5DTq4mVI

「Reelin'」
ここでのPamelaのヴォーカルは独特の雰囲気を醸し出します。シンプルながらもミステリアスな空気がいいですね。

「Dance」
ラストは美しいハーモニーを活かしたビューティフル・チューンで締め括ってくれます。

再発CDには「Tell Me Love (Mono)」「Song For Three (Mono)」「2:10 Train (Mono)」「Flying Thing (Previously Unissued)」「God Is Love (Previously Unissued)」「You Move Me」「Our National Anthem」「Tell Me Love (Previously Unissued Version)」「Love Is Always Real (Previously Unissued Version)」と盛り沢山のボーナス・トラックが収録されています。

「Tell Me Love (Mono)」
 https://www.youtube.com/watch?v=ISsnyFHCKkI
「Flying Thing (Previously Unissued)」
 https://www.youtube.com/watch?v=4MHdPKCOB2A
「You Move Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=p-mdPAu_FI8
「Our National Anthem」
 https://www.youtube.com/watch?v=VWhXAs_a-Dk

ご興味がある方はPamela Pollandのソロ・アルバム『Pamela Polland』(1972年)もチェックを!

パメラ・ポランド
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2015年10月30日

Shamek Farrah『First Impressions』

再評価の高いStrata-Eastからのブラック・ジャズ作品☆Shamek Farrah『First Impressions』
ファースト・インプレッションズ (BOM1408)
発表年:1974年
ez的ジャンル:Strata-East系ブラック・ジャズ
気分は... :美しくもダークな音世界・・・

今日はジャズが聴きたい気分!
セレクトしたのはStrata-Eastからリリースされたブラック・ジャズ作品Shamek Farrah『First Impressions』(1974年)です。

Shamek Farrahは1947年N.Y.出身のアルト・サックス奏者。

Strata-East Recordsの共同設立者であるStanley Cowellにデモ・テープを送ったところ認められ、Strata-Eastでのレコーディング機会を得ます。そして、Strata-Eastに『First Impressions』(1974年)、『The World Of The Children』(1977年)という2枚のアルバムを残しています。

さらに Ra Records からShamek Farrah & Folks名義でアルバム『La Dee La La』(1980年)をリリースしています。

本作『First Impressions』(1974年)はレア・グルーヴ方面からも再評価の高いStrata-East作品とお馴染みですね。音を聴いたことがなくても、印象的な本作のジャケを見たことがある方は多いのでは?

レコーディング・メンバーはShamek Farrah(as)、Norman Person(tp)、Kasa Mu-Barak Allah(p)、Sonelius Smith(p)、Milton Suggs(b)、Clay Herndon(ds)、Ron Warwell(ds)、Kenny Harper(per)、Calvert "Bo" Satterwhite(congas)です。

アルバムは全4曲ですが、聴き所はオリジナルLPのB面2曲である「Umoja Suite」「First Impressions」でしょう。このブラック・ジャズらしい魅力に溢れた2曲があるからこそ、本作の再評価が高まったのだと思います。

特にタイトル曲「First Impressions」のアフロ・ポリリズムが支配する呪術的な美しくもダークな音世界は、一度聴いたら病みつきになります。

また、ブラック・ピープルの結束を呼びかけるような「Umoja Suite」には、アフロ色と共にブラックスプロイテーションのような格好良さがあります。

ブラック・ジャズにご興味がある方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Meterologicly Tuned」
Shamek Farrah作。モード的な4ビートのオープニング。ライナーノーツにも書いてありますが、確かにEric Dolphyっぽい雰囲気もありますね。

「Watch What Happens Now」
Fredger Dupree作。Kasa Mu-Barak Allahのピアノの美しくも愁いを帯びた音色が印象的なバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=IOT5BF_40Jk

「Umoja Suite」
Norman Person作。タイトルの"Umoja"はスワヒリ語で"Unity"を意味します。ブラック・ジャズらしいアフロ色の強い演奏です。ブラックスプロイテーションのサントラのような格好良さもあります。Shamekのアルト、作者Personのトランペットのソロは同胞たちへの呼び掛けのようです。Sonelius Smithのピアノも実に印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=1YQJoApMTuE

「First Impressions」
Shamek Farrah作。本作のハイライト。Milton SuggsのベースとSonelius Smithの美しいピアノにアフロ・ポリリズムの打楽器隊が絡むミステリアスかつ呪術的な音世界の中をShamekとPersonのホーン・アンサンブルが浮遊します。この美しくもダークな音空間がクセになるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=vKzeV2k7x3w

Greg Osby「Hardcopy」 、Microphone Pager「病む街」等のサンプリング・ソースとなっています。
Microphone Pager「病む街」
 https://www.youtube.com/watch?v=3AClFHVQq7A

ご興味がある方はShamek Farrahの他作品もチェックを!

Shamek Farrah & Sonelius Smith『The World Of The Children』(1977年)
ザ・ワールド・オブ・ザ・チルドレン(紙ジャケット仕様)(BOM24114)

Shamek Farrah & Folks『La Dee La La』(1980年)
ラ・ディ・ラ・ラ
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2015年10月29日

Beto Caletti『Esquinas』

アルゼンチン人SSW/ギタリストによる至極のブラジリアン・ミュージック!☆Beto Caletti『Esquinas』
エスキーナス~街角
発表年:2004年
ez的ジャンル:アルゼンチン人ブラジリアンSSW/ギタリスト
気分は... :ブラジル人なアルゼンチン人・・・

今回はアルゼンチン人SSW/ギタリストBeto Caletti『Esquinas』(2004年)です。

Beto Calettiはアルゼンチン、ブエノスアイレス出身。さまざまな音楽に接する中でブラジル音楽に傾倒し、ブラジルに移り住み、ブラジリアン・スタイルに磨きをかけます。

音楽学校でレッスンを受け持ったり、ブラジルのギター奏法の教則本を出す一方で、シンガー・ソングライターとして自身の創作活動にも力を入れ、1997年には1stアルバム『Eu Quero Um Samba』をリリースしています。

その後も『Teavesia Brasileira』(1999年)、『Notorious En Vivo』(2003年)、『Esquinas』(2004年)、『En Vivo En Japao』(2005年)、『Tess』(2008年)、『Bye Bye Brasil』(2011年)、『Dios Tiempo』(2013年)といったアルバムをリリースしています。

「ブラジル人よりもブラジルらしい」という評価を得たアルゼンチン人アーティストという点では、Agustin Pereyra Lucenaの流れを汲んでいますね。ただし、Beto Calettiの場合、ギタリストというシンガー・ソングライターという色合いが強いですが。

そんなBeto Caletti作品の中でも日本で高い評価を得ているのが、本作『Esquinas』(2004年)です。本作の高評価を受けて、初来日公演を果たし、その模様はライブ・アルバム『En Vivo En Japao』(2005年)に収録されることとなりました。

Beto Caletti本人とGuido Martezがプロデュースし、レコーディングにはGuido Martez(b)、Diego Alejandro(ds、per)、Alan Ball(contrabass)等が参加しています。

サンバ、ボサノヴァ、サンバ・カンサォン、ショーロといったさまざまなブラジルの音楽スタイルを、Betoのギターを中心とした素晴らしい演奏で聴かせてくれます。さらにシンガー・ソングライターらしいフォーキー・チューンや、トロピカルなエッセンスまで取り込んだワールド・ミュージック的な演奏まで幅広い音楽性も披露してくれます。

ギターのみならず、Betoのソフトで澄んだ歌声や、彼の書く楽曲の良さもアルバムを魅力的なものにしています。

カヴァー3曲以外はすべてBeto Calettiのオリジナルです。

とりあえずオープニングの「Chegaste」を聴けば、本作の良さを一発で実感できます。

全曲紹介しときやす。

「Chegaste」
スティール・パンも鳴り響く爽快アコースティック・グルーヴ。サンバのリズムが心地好い本曲を聴けば、Betoが「ブラジル人よりもブラジルらしい」と評される理由が分かるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=4Ps1F1zuRRU

「Tua Chama」
Betoのシンガー・ソングライターとしての実力を発揮したビューティフル・フォーキー。また、Betoの美しいギターも聴き所です。
https://www.youtube.com/watch?v=NxVkYJxxC9I

「Faceira」
Ary Barroso作。当ブログでGal Costaのカヴァーも紹介したサンバ・チューン。ブラジル音楽に憧れ、そのスタイルを完璧に習得したBetoがそのギターの腕前を存分に披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=sCP18duUjgs

「Quando Voce Voltar」
少し寂しげなの雰囲気のボッサ・チューン。印象的なメロディカの音色とストリングスが愁いを帯びたBetoの歌声を引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=oJrAiPgEwCw

「Voce Nao Entende Nada」
Caetano Veloso作品のカヴァー。Guido Martezのベースが先導するメロディアスな中にも芯の通った骨太の演奏が印象的な好カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9GFVrZPLS_0

「No Mar da Cancao」
美しくもスリリングな演奏にグッとくるサンバ・カンサォン。この演奏も「ブラジル人よりもブラジルらしい」かも?
https://www.youtube.com/watch?v=EHi8MvfB06s

「Choro do Tom」
タイトルの通り、Antonio Carlos Jobimへの想いを歌ったショーロ。
https://www.youtube.com/watch?v=r4efO6Cvh3U

「No Cais」
Betoの美しいギターを存分に味わえるインスト。ギターに寄り添うメロディカの音色もいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=8b1O7U6jxdE

「Circular」
コンテンポラリーな味わいのボッサ・グルーヴ。メロウかつ開放的なブラジリアン・サウンドがお好きな人なら気に入るはず。
https://www.youtube.com/watch?v=TvhfmdYqDAw

「Avarandado/Triste」
Gal Costa & Caetano Velosoの名盤『Domingo』(1967年)収録の「Avarandado」(Caetano Veloso作)とAntonio Carlos Jobim作の「Triste」というカヴァー・メドレー。先人達への敬意を感じずにはいられない美しい演奏に魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=sgCQuN_lalo

「Paraty」
ラストは開放的なトロピカル・グルーヴで締め括ってくれます。彼の音楽性の広さを感じさせるワールド・ミュージック的な仕上りです。
https://www.youtube.com/watch?v=lCHsyqlkHBY

Beto Calettiの他作品もチェックを!

『Eu Quero Um Samba』(1997年)
Eu Quero Um Samba

『Teavesia Brasileira』(1999年)
Travessia Brasileða

『Notorious En Vivo』(2003年)
Notorious En Vivo

『En Vivo En Japao』(2005年)
En Vivo En Japon

『Tess』(2008年)
Tess

『Bye Bye Brasil』(2011年)
Bye Bye Brasil

『Dios Tiempo』(2013年)
Dios Tiempo
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2015年10月27日

Positive Force『Positive Force』

Sugar Hill所属のソウル/ファンク・バンド!☆Positive Force『Positive Force』
ポジティヴ・フォース<Free Soul SHM-CD Collection>
発表年:1980年
ez的ジャンル:Sugar Hill系ソウル/ファンク・バンド
気分は... :ポジティブで行こう!

史上初のHip-Hop専門レーベルSugar Hill Recordsに所属していたソウル/ファンク・バンドPositive Force『Positive Force』(1980年)です。

フリーソウルではお馴染みの本作の再発CDが先日廉価盤で発売され、早速ゲットしました。

Positive Forceはペンシルヴァニア出身、男女混合8人編成によるソウル/ファンク・バンド。

中心メンバーは、ギタリストのAlbert Williams、女性ヴォーカルのBrenda ReynoldsVickie Draytonなどです。

1979年にSugarhill Gang「Rapper's Delight」に続く、Sugar Hill Recordsの第2弾シングルとして「We Got The Funk」をリリースします。「We Got The Funk」はUKシングル・チャートTop20に入るヒットとなりました。

ちなみにグループはSugarhill Gang「Rapper's Delight」The Sequence「Funk You Up」といったSugar Hillオールド・スクール・クラシックのレコーディングにも参加しています。

その後、1980年に2ndシングル「Especially For You」をリリースし、同年には唯一のアルバム『Positive Force』をドロップしています。

やがてグループはPositive Expressへと発展し、Sugar Hill傘下のVictory Recordsからアルバム『Changin' Times』(1982年)をリリースしています。

さて、本作『Positive Force』(1980年)ですが、全6曲ですがすべてが良く、曲数の少なさなど忘れてしまいます。

代表曲「We Got The Funk」にはダンス・クラシックの風格が漂い、2ndシングル「Especially For You」「People Get On Up」「You're Welcome」あたりは女性ヴォーカル陣の魅力を活かした魅惑のディスコ/ダンス・チューンに仕上がっています。

また、「Tell Me What You See」「Today It Snowed」のメロウ・チューンはフリーソウル好きを歓喜させる2曲です。

アルバム全体として、予想以上に女性ヴォーカル陣の魅力に惹かれる内容になっています。また、随所で聴かれるキレのあるホーン・サウンドもいいですね。

グループを発掘したNate Edmondsがプロデュースを手掛けています。

このアルバムはかなり買いだと思います。
きっとポジティブになれるはず!

全曲紹介しときやす。

「Especially For You」
グループの2ndシングル。女性ヴォーカル陣のセクシーな魅力を活かしたディスコ・チューン。女性ヴォーカル・グループ系のディスコ/ダンス・チューンがお好きな人は気に入るはず!キレのあるホーン・サウンドも魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=Jn9mcgH4nZI

「People Get On Up」
パーティー・モードのディスコ・ファンク。「We Got The Funk」、「Especially For You」に劣らないキャッチーさ、格好良さを備えたパワフルな1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=65wwIaSKchU

「You're Welcome」
女性ヴォーカル陣のキュートな歌声と共に弾ける開放的なダンス・チューン。ここでもホーン隊が大いに盛り上げてくれます。キャッチーさという点ではこの曲もかなりいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=U7kTS8rp6DQ

「Today It Snowed」
メロウな雰囲気にグッとくる素敵なミディアム・バラード。フリーソウル好きの人であれば必ず気に入る黄昏系のメロウ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=ztAXfuF06TY

「We Got The Funk」
彼らの代表曲であるディスコ/ダンス・クラシック。前述のようにUKでヒットしました。Larry Levanらもプレイしたロングプレイ向きのダンス・チューンです。Albert Williamsのギター・カッティングに導かれ、Brenda ReynoldsとVickie Draytonの女性ヴォーカル陣がキュートかつパンチの効いたヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aiFsltGmVb0

サンプリング・ソースとしても人気であり、Alliance「Get on Down」、Black Traxx「Holiday」、Hustlers Convention「Chant」、Eric B. & Rakim「Let the Rhythm Hit 'Em (12" Vocal Version Remix)」、Digable Planets「For Corners」、Nightmares on Wax「Cruise (Don't Stop) 」、Butch「Got the Funk」 等で用いられています。

「Tell Me What You See」
僕の一番のお気に入りがコレ。ボッサ・フィーリングが実に心地好いメロウ・グルーヴ。コレもフリーソウル好きの人は歓喜するであろう1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=rx9tP7yTShw

DJ Die「Autumn」のサンプリング。ソースとなっています。
DJ Die「Autumn」
 https://www.youtube.com/watch?v=tIldsVGIEBI

ご興味がある方はPositive Express『Changin' Times』(1982年)もチェックを!

Positive Express『Changin' Times』(1982年)
Changin' Times
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2015年10月26日

Love Unlimited『Love Unlimited』

名曲「Walking In The Rain With The One I Love」収録☆Love Unlimited『Love Unlimited』
From a Girl's Point of View
発表年:1972年
ez的ジャンル:Barry White系女性ソウル・グループ
気分は... :無限の愛を・・・

今回はBarry Whiteに見出された女性ソウル・グループLove Unlimitedのデビュー・アルバム『Love Unlimited』(1972年)です。
※タイトルが『From A Girl's Point of View We Give to You... Love Unlimited』の盤もあります

Love Unlimitedは1969年L.A.で結成された女性ソウル・グループ。メンバーはGlodean JamesLinda Jamesの姉妹にDiane Taylorを加えた3名。メンバーのうち、Glodeanは1974年にBarry Whiteと結婚しています。

Barry Whiteに見出された彼女達はBarryの指導の下でヴォーカル・グループしとしての実力に磨きをかけ、1972年にレコーディングの機会を得ます。そして、Barry Whiteプロデュースでデビュー・シングル「Walking In The Rain With The One I Love」をリリースします。同曲は全米チャート第14位、全米R&Bチャート第6位のヒットとなり、大きな成功を収めました。同年に今回紹介するデビュー・アルバム『Love Unlimited』もリリースしています。

「Walking In The Rain With The One I Love」の成功は、Love UnlimitedのみならずBarry Whiteにも大きな転機をもたらします。1973年にはBarry White自身の初ソロ・アルバム『I've Got So Much to Give』が大ヒットし、彼自身が人気アーティストの仲間入りをします。さらにLove Unlimitedと自身のバックバンドとして総勢40名のLove Unlimited Orchestraを結成し、Love Unlimited Orchestra名義での作品もリリースするようになりました。

Love Unlimitedは、その後『Under the Influence of... Love Unlimited』(1973年)、『In Heat』(1974年)、『He's All I've Got』(1976年)、『Love Is Back』(1979年)といったアルバムをリリースしています。

『Under the Influence of... Love Unlimited』には、後にLove Unlimited Orchestra名義でシングル・リリースし、全米チャートNo.1ヒットとなった「Love's Theme」が収録されています。また、『In Heat』からのシングル「I Belong to You」は全米R&BチャートNo.1となりました。

ということで、本作はLove UnlimitedBarry Whiteの原点と呼べるアルバムだと思います。真っ赤な夕陽のジャケはグループ名の通り、無限の愛を感じますね。

現在CDは入手しづらい状況であり、中古相場もそれなりの高値になっていますね。僕自身も中古で本作を購入しましたが、ショップで購入前に値段の確認を見落とし、会計後に高値で購入したことに気づいた苦い思い出があります。それでも内容には大変満足していますし、今では手元に置くことができ良かったと思っています。

Barry Whiteがプロデュースし、BarryとGene Pageとアレンジを手掛けています。

前述のヒット曲「Walking In The Rain With The One I Love」以外にも、「I Should Have Known」「Is It Really True Boy - Is It Really Me」「If This World Were Mine」「Together」などドラマチックなストリングスをバックにした素敵なラブ・ソングが収録されています。

聴いているだけで、無限の愛を感じずにはいられない素敵な愛のアルバムです。

全曲紹介しときやす。

「I Should Have Known」
オススメその1。邦題「愛のフィーリング」。Barry White/Robert Relf作。聴いているだけで愛しい気持ちで胸が一杯になるラブ・ソングです。素晴らしいストリングスと切ないヴォーカルに涙腺が緩んできます。
https://www.youtube.com/watch?v=BDJrFZsPesY

9th Wonder「That Days Out」でサンプリングしています。
9th Wonder「That Days Out」
 https://www.youtube.com/watch?v=RbwItA5oteo

「Another Chance」
邦題「今一度のチャンス」。Barry White/Tom Brocker作。エレクトリック・シタールとストリングスをバックに、素敵なヴォーカル・ワークを聴かせてくれます。甘く切ない雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=MU-P0oTf8Ro

「Are You Sure」
Diane Taylor/Glodean James/Linda James作。メンバー自身のソングライティングです。女性コーラス・グループらしいヴォーカルを堪能できる素敵なラブ・ソングです。
https://www.youtube.com/watch?v=DJZg5fxKwfs

「Fragile - Handle With Care」
邦題「恋は"取扱注意"」。Barry White作。キュートなヴォーカル・ワークが強調された本曲を聴いていると、彼女達の歌声がバックに負けない魅力を持っていることを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=G3gRVHq5arQ

「Is It Really True Boy - Is It Really Me」
オススメその2。邦題「本気にしてもいいのね」。Barry White作。Barry Whiteの囁きと共に始まるドラマティックなラブ・ソング。Barry Whiteワールドを存分に楽しめる感動的な仕上りです。
https://www.youtube.com/watch?v=4StG-Af-gpI

Cyhi Da Prynce feat. Tate Dumonde & Crystal Renee「Is It Me」でサンプリングされています。
Cyhi Da Prynce feat. Tate Dumonde & Crystal Renee「Is It Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=9ENM8QEdIZs

「I'll Be Yours Forever More」
オススメその3。邦題「永遠にあなたのもの」。Barry White作。60年代ガールズ・ソウル的な魅力を持つポップな仕上り。エヴァーグリーン的なキャッチーさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vbUOCywEFO0

「If This World Were Mine」
オススメその4。邦題「すべて思うままになったら」。Marvin Gaye作。Marvin Gaye & Tammi Terrell、1967年のシングル曲をカヴァー。素晴らしいアレンジが冴え渡るビューティフル・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HGn_sl923YU

Jean Grae & 9th Wonder「This World」、Left Side「Cambiamenti」のサンプリング・ソースとなっています。
Jean Grae & 9th Wonder「This World」
https://www.youtube.com/watch?v=K8ZuYdj51j0
Left Side「Cambiamenti」
https://www.youtube.com/watch?v=p7H_9qKwGl4

「Together」
オススメその5。Kenneth Gamble/Leon Huff作。Intruders、1966年のヒット曲をカヴァー。彼女達のキュートな魅力を上手く引き出した好カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Pe2utmfBRtc

「Walking In The Rain With The One I Love」
オススメその6。邦題「恋の雨模様」。Barry White作。全米チャート第14位、全米R&Bチャート第6位となったグループを代表するヒット曲で締め括ってくれます。雨の効果音や(Barry Whiteとの)電話でのやりとりも含めて、1曲の中にドラマがある感動のラブ・ソングですね。聴く者を恋の主人公にしてくれる素敵な名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=TamdHlPm_IA

当ブログで紹介したStetsasonic「Walkin' in the Rain」Estelle「In The Rain」をはじめ、Masta Ace「Survival」 、Ice-T「Walking in the Rain」 、Strange Fruit Project「Hip Hop」 、Five Deez「Skinterlude」、O.C.「What Am I Supposed to Do?」、LeToya Luckett「U Got What I Need」、Termanology「22 Years」等のサンプリング・ソースになっています。 また、The Romanceers、Danny Pearson、Faye Wongがカヴァーしています。

Danny Pearson「Walkin' in the Rain with the One I Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=DQPwrpfAhDs
The Romanceers「Walking In The Rain With The One I Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=0r3u9Wrq20o
Estelle「In The Rain」
 https://www.youtube.com/watch?v=HqykhsFDtIg
Masta Ace「Survival」
 https://www.youtube.com/watch?v=6-PIR7eZyVM
Ice-T「Walking in the Rain」
 https://www.youtube.com/watch?v=XKNsy8DBUHY
Strange Fruit Project「Hip Hop」
 https://www.youtube.com/watch?v=YSQ2FGJia48
O.C.「What Am I Supposed to Do?」
 https://www.youtube.com/watch?v=8Q4frzGLS0I
LeToya Luckett「U Got What I Need」
 https://www.youtube.com/watch?v=wDJjNEawYyM
Termanology「22 Years」
 https://www.youtube.com/watch?v=vW4dCw4kA7c

Love Unlimitedの他作品もチェックを!

『In Heat』(1974年)
In Heat

『He's All I've Got』(1976年)
He's All I've Got

『Love Is Back』(1979年)
Love Is Back
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