2015年10月03日

Les Miladys『Les Miladys』

フレンチ・カナディアンのガールズ・コーラス・グループ☆Les Miladys『Les Miladys』
Les Miladys
発表年:1967年
ez的ジャンル:カナディアン・フレンチ系ガールズ・コーラス・グループ
気分は... :キュートだけではない!

今回はフレンチ・カナディアンのガールズ・コーラス・グループLes Miladysの1stアルバム『Les Miladys』(1967年)です。

Les MiladysDenise BironAndree LevasseurHelene Levasseurというフレンチ・カナディアン3名によるガールズ・コーラス・グループ。

1966年から1970年の期間活動し、アルバムとしては『Les Miladys』(1967年)、『Monsieur Dupont』(1969年)という2枚を残しています。

1stアルバムとなる本作は『Les Miladys』(1967年)はフレンチ・ポップ、ガールズ・ポップ、ソフトロック好きの人がグッとくるであろう1枚に仕上がっています。

侮ってはいけないのは、単にキュートなガールズ・グループではなく、コーラス・グループとしての素養がしっかりしている点です。

キュートな魅力で聴かせる曲と、コーラス・グループとしての実力を見せてくれる曲を切り分けて、アルバム全体にメリハリをつけているのがいいですね。ほのぼのしたフレンチ・ポップからスウィンギー調、ソフトロック調、R&B調までバラエティに富んでいる点もアルバムの魅力を高めています。

素晴らしいコーラスワークを聴かせてくれるFrance Gallのカヴァー「Jazz A Gogo」、キャッチーなガールズ・ポップ「Avec Toi Je Vivrais Ma Vie」の2曲が僕のお気に入り。

Simon & Garfunkel、The Supremesのカヴァー各2曲もなかなかいいです。それ以外にThe Sandpipersのカヴァー「Guantanamera」、素敵なポップ・チューン「A Cause De Toi」あたりもオススメです。

ガールズ・グループ好きの方は要チェックの1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Sugar Town」
Nancy Sinatra、1966年のシングル曲をカヴァー。オリジナル同様のほのぼのとした雰囲気で和ませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_0c7tA-ZFjc

「Un Enfant」
Gerard Jouannest/Jacques Brel作。Petula Clarkも歌っていた楽曲です。フレンチならではの語感の響きがいい感じのバラードです。

「C'est Bon La Vie」
オススメその1。Simon & Garfunkel「Feelin' Groovy」をカヴァー。フランス語で聴く「Feelin' Groovy」もなかなかいいです。ガールズ・コーラス・グループらしい透明感のあるコーラスワークにグッときます。

「Le Happening」
オススメその2。The Supremes、1967年の全米No.1ヒット「The Happening」をカヴァー(Holland-Dozier-Holland作)。キュートに弾けた好カヴァーに仕上がっています。

「Jazz A Gogo」
オススメその3。France Gall、1964年のシングルをカヴァー。本作のハイライトはコレでしょう。ピアノのみのバックで素晴らしいコーラス&スキャットを聴かせてくれます。彼女達のコーラス・グループとしての実力を確認できます。
https://www.youtube.com/watch?v=_vajTtuL3C4

「Avec Toi Je Vivrais Ma Vie」
オススメその4。Corrado Conti/Denise Biron/Francesco Cassano/Gianni Argenio/Mogol作。キャッチーなガールズ・ポップという点では、この曲が一番かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=BzYy-0HfhbU

「Trois P'tits Vagabonds」
Anders & Ponciaの別ユニットThe Innocence、1966年のマイナー・ヒット「Mairzy Doats」をカヴァー。ほのぼのしたフレンチ・ポップでコーヒーブレイクといった感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=FTAbQ_kCbjI

「Un Autographe S.V.P.」
オススメその5。Simon & Garfunkel「Homeward Bound」をカヴァー。S&Gで聴き慣れている曲ですが、キュートな魅力を吹き込んだ素敵なカヴァーに仕上がっています。

「Guantanamera」
オススメその6。The Sandpipers、1966年のヒットで知られる古典キューバン・ソングをカヴァー(Pete Seeger/Stephane Venne/Tony Roman作)。Denise Bironのヴォーカルの魅力を存分に堪能できます。The Sandpipersヴァージョンよりもいいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=_tkKRfEAyas

「A Cause De Toi」
オススメその7。Denis Pantis作。オルガンの効いたコーラス・グループらしい素敵なポップ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ryMzkQTHZkk

「Donne-moi Ton Amour」
オススメその8。The Supremes、1964年の全米No.1ヒット「Where Did Our Love Go」をカヴァー(Holland-Dozier-Holland作)。オリジナルに近い雰囲気ですが、フランス語によるR&B調カヴァーなのが新鮮です。
https://www.youtube.com/watch?v=Toa3zCbargs

「Garcon Manque」
カナディアン女性シンガーClaire Lepage、1966年のシングル曲をカヴァー(David Gates/Pierre Saka作)。ラストはフレンチ・ポップらしいキュートな雰囲気で締め括ってくれます。

英語曲のフランス語カヴァーは、オリジナルを調べるのが大変ですね(笑)
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2015年10月02日

Foster McElroy『FM2』

デビュー前のEn Vogueも参加!Foster & McElroy名義の唯一のアルバム☆Foster McElroy『FM2』
FM2 by Foster Mcelroy (1989-06-19) 【並行輸入品】
発表年:1989年
ez的ジャンル:名プロデュース・チーム系NJS/R&B
気分は... :嵐の前の静けさ・・・

今回はDenzil FosterThomas McElroyによる名プロデューサー・チームFoster & McElroyによるアルバムFoster McElroy『FM2』(1989年)です。

当ブログではFoster & McElroy絡みの作品として、Club Nouveau『Life, Love & Pain』(1986年)、The Nation Funktasia『In Search Of The Last Trump Of Funk』(1991年)を紹介済みです。

全米No.1ヒット「Lean on Me」(ご存知Bill Withersの名曲カヴァー)でお馴染みのClub Nouveau。二人は元Club Nouveauのメンバーです。また、The Nation Funktasiaは彼らが手掛けたP-Funkユニットです。

Club Nouveauで成功を収めた二人は、プロデュース業を手掛け、Tony! Toni! Tone!En Vogueを世に送り出したことで、一躍人気プロデューサー・チームの地位を確立しました。当ブログで紹介した作品でいえば、Pure Soul『Pure Soul』(1995年)も彼らが関与しています。

そんな人気プロデューサー・チームが自分たちの名義で唯一リリースしたアルバムが本作Foster McElroy『FM2』(1989年)です。

アルバムにはデビュー前のEn Vogue(Terry Ellis、Dawn Robinson、Maxine Jones、Cindy Herron)Vogue名義で参加しています。それ以外にもTony! Toni! Tone!Raphael SaadiqDwayne Wiggins、Foster & McElroyが手掛けたユニットChannel 2(Carl Nickolas、Trisha Nickolas)がバック・ヴォーカルで参加しています。

それ以外にも人気Hip-HopグループStetsasonicDaddy-OMC Delite、女性ラッパーMC LyteClub Nouveau時代の同僚Samuelle Prater、男性R&BシンガーDerick Hughes、人気サックス奏者Grover Washington Jr.等がゲスト参加しています。

アルバム全体としては、シングルになった「Dr. Soul」「Gotta Be A Better Way」をはじめとする80年代後半という時代を反映したNJS調の楽曲が目立つアルバムになっています。、Vogue(En Vogue)をフィーチャーした「Desperately」「Waiting On You」の2曲は90年代の女性R&Bグループ・ブームを予感させます。また、シングルにもなった「Around The World In 80 Beats」はエキゾチックな香りのするクラブ寄りの音作りで楽しませてくれます。

それ以外にも人気プロデューサー・チームならではの巧みなサウンド・プロダクションを随所で聴かせてくれます。

なかなか聴き所の多い、色々な楽しみ方ができる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Dr. Soul」
MC LyteのラップをフィーチャーしたNJS調のアッパー・チューン。シングルとしてR&BチャートTop10入りのヒットとなりました。リードをとるKareemの男性ヴォーカルにMC Lyteのキレのある女性ラップが絡みます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z5M0lCXhKi8

「Gotta Be A Better Way」
StetsasonicのDaddy-OとMC Deliteのラップ、Derick Hughesの男性ヴォーカルをフィーチャー。バック・コーラスにはVogue(En Vogue)も参加しているNJSチューン。華やかでハネハネのダンサブル感がこの時代らしいですね。L.T.D.「(Every Time I Turn Around) Back In Love Again」ネタ。
https://www.youtube.com/watch?v=hPZPxylKDx8

「Yum Yum」
Sean Rodgersのヴォーカルをフィーチャー。妖しい雰囲気の漂うダンサブル・チューン。こういうの嫌いじゃありません。

「Desperately」
Vogue(En Vogue)をフィーチャー。En Vogueの初々しい魅力を楽しめるダンサブルなガールズR&Bです。90年代の女性R&Bグループ・ブームを予感させる1曲といえるかもしれませんね。

「Was It Good For You」
Derick Hughesのヴォーカルをフィーチャー。NJS期らしい独特のマイナー調のダンサブル感が懐かしいですね。

「Wanna Make You Feel Real Good」
Club Nouveau時代の同僚でもあるSamuelle Praterのヴォーカルをフィーチャー。Foster & McElroyのプロダクションの確かさを実感できます。

「Around The World In 80 Beats」
エキゾチックな妖しさが漂うダンス・チューン。他の曲とは雰囲気が異なるアンダーグラウンドな香りのするサウンドが印象的です。Thomas McElroyの鍵盤に注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=wpkmYvuC8m8

「Waiting On You」
再びVogue(En Vogue)をフィーチャー。En Vogueの1stアルバム『Born To Sing』(1990年)にもCDボーナス・トラックとして収録されている曲です。彼女達のコーラスワークを活かしたバラードです。Grover Washington Jr.がアルト・サックスで盛り上げてくれます。

「When You Kiss Me」
Randy Wilsonがリード・ヴォーカルをとるキャッチーなエレクトリック・ファンクで締め括ってくれます。

Foster & McElroy絡みの作品の過去記事もご参照下さい。

Club Nouveau『Life, Love & Pain』(1986年)
Life, Love & Pain

The Nation Funktasia『In Search Of The Last Trump Of Funk』(1991年)
In Search of the Last Trump
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2015年10月01日

Eugene Record『The Eugene Record』

The Chi-Litesのリード・シンガーの1stソロ☆Eugene Record『The Eugene Record』
eugene record the eugene record.jpg
発表年:1977年
ez的ジャンル:シカゴ・ソウル系男性ソウル・シンガー
気分は... :巧みのハイ・トーン・ヴォーカル...

シカゴ・ソウルの名グループThe Chi-Litesのリード・シンガーであったEugene Recordの1stソロ・アルバム『The Eugene Record』(1977年)です。

Eugene Recordは1940年シカゴ生まれの男性ソウル・シンガー。The Chi-Litesの前身Hi-Litesに参加します。

シカゴの灯を意味するChi-Litesというグループ名に変更したグループは、1968年のBrunswickレコードとの契約を転機に成功を収めるようになります。

グループは1969年の「Give It Away」のヒットを皮切りに、「Have You Seen Her」「Oh Girl」「Are You My Woman (Tell Me So)」Beyonce「Crazy In Love」のサンプリング・ネタ)等のヒットを放ちました。

また、Eugene個人もプロデューサー/ソングライターとして活躍し、Barbara Acklin(後にEugeneと結婚)、Young-Holt UnlimitedJackie WilsonThe ArtisticsErma FranklinGene Chandler等の作品を手掛けました。

しかしながら、脱税問題のゴタゴタなどが重なり、Eugene Recordは1976年にグループを脱退し、ソロ活動を開始します。そして、リリースされたのが『The Eugene Record』(1977年)、『Trying to Get to You』(1978年)、『Welcome to My Fantasy』(1979年)という3枚のアルバムです。

1980年にはThe Chi-Litesに復帰し、80年代後半までメンバーとして活動しました。2005年に逝去。

1stソロ・アルバムとなる本作『The Eugene Record』は、フリーソウル方面やHip-Hopサンプリング・ソースとしても再評価の高い1枚です。先日、再発CDがリリースされ、入手しやすくなりました。

Eugene Recordがプロデュースを手掛け、アレンジにはEugeneとTom Tom 84が務めています。

レコーディングにはBernard ReedByron GregoryJohn BishopOtis GouldPhil UpchurchQuinton JosephRonald ScottTennyson StephensTom WashingtonWillie HendersonBarbara Acklin等が参加しています。

とにかくアルバム全体がメロウ/スウィートな空気に包まれています。それというのもEugene Recordにしか出せないハイ・トーン・ヴォーカルの魅力があるからだと思います。

Hip-Hopサンプリング・ソースとしても人気の「Here Comes The Sun」とフリーソウル人気曲「Overdose Of Joy」がハイライトだと思いますが、それ以外の楽曲もバラードを中心に素晴らしい曲が目白押しです。

楽曲は1曲を除きEugene Recordのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Laying Beside You」
Eugeneのハイ・トーン・ヴォーカルが栄える爽快かつポップなオープニング。Etta Jamesやジャマイカのレゲエ・グループTamlinsがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=HFfn71fjLw8

「Danger! Love Under Pressure」
ホーン・セクションが活躍するファンキー・グルーヴ。Eugeneのヴォーカルがクールなのがいいですね。

「Here Comes The Sun」
個人的には本作のハイライト。フリーソウル好きは必ずグッとくるメロウ・グルーヴです。Eugeneの魅力が凝縮された名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=nP71Sccd2hU

当ブログで紹介したDe La Soul feat. Ghostface Killah「He Comes」Spectac & Amiri「Invasion」をはじめ、Fusion Unlimited & Nickelus F feat. Little Brother, Skillz and Hall of Fame「The Sun」、Hit-Boy feat. Kent M$NEY, Travi$ Scott and Cocaine 80s「Enormous」のサンプリング・ソースとなっています。
De La Soul feat. Ghostface Killah「He Comes」
 https://www.youtube.com/watch?v=-cDEQKl2EWM
Spectac & Amiri「Invasion」
 https://www.youtube.com/watch?v=FczC8wP4kC0
Fusion Unlimited & Nickelus F feat. Little Brother, Skillz and Hall of Fame「The Sun」
 https://www.youtube.com/watch?v=__9Fr9zTx3s

「Overdose Of Joy」
フリーソウル人気曲である本曲も「Here Comes The Sun」と並ぶハイライト。スウィート&メロウな爽快グルーヴは聴く者をハッピーな気分にさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CR7D1zPhxsM

Funky DL feat. Ty「Worldwide (Hot Mix) 」、Curse & Pete Rock「Nimms Leicht」、Ray West and O.C. feat. A.G. and Milano「Go Back」のサンプリング・ソースとなっています。
Funky DL feat. Ty「Worldwide (Hot Mix) 」
 https://www.youtube.com/watch?v=WopgHqSATWI
Curse & Pete Rock「Nimms Leicht」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZNq13AxWkso
Ray West and O.C. feat. A.G. and Milano「Go Back」
 https://www.youtube.com/watch?v=ouP8qzbvknE

「Trying To Watch The Wind」
哀愁モードのミディアム・バラード。丁寧に歌い込むEugeneの感動的なヴォーカルに魅了されます。

The Alchemist feat. Devin the Dude「Where Can We Go」、Fiend「Clockin Doe」、Cliff Po「RKOI (Rich Kids on Instagam)」のサンプリング・ソースとなっています。
Cliff Po「RKOI (Rich Kids on Instagam)」
 https://www.youtube.com/watch?v=dxNN5wkx5og

「Mother Of Love」
シンセの幻想的な響きが印象的な感動バラード。エヴァーグリーンな魅力を持った1曲です。

「Love Don't Live By Sex Alone」
The Chi-Lites好きの人が喜びそうなスウィート・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=-8qhXm4qvhI

「Putting It Down (To The Way I Feel About You)」
本曲のみKen Goldがソングライティングを手掛けています。Eugeneのハイ・トーン・ヴォーカルの魅力を見事に引き出したメロウ・ポップなバラードです。バラード系ではコレが一番好き!
https://www.youtube.com/watch?v=J97L7N2bEmc

J.R. & PH7 and Trek Life「From La to the World」のサンプリング・ソースとなっています。
J.R. & PH7 and Trek Life「From La to the World」
 https://www.youtube.com/watch?v=3uS8JV6yTVw&spfreload=10

「When We Pull The Shades」
ラストは大人のラブ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SmkvEzUWEUk

Capone-N-Noreaga「Pizza」等ののサンプリング・ソースとなっています。

『The Eugene Record/Trying to Get to You』(1977/1978年) ※2in1CD
The Eugene Record/Trying to Ge

『Welcome to My Fantasy』(1979年)
Welcome to My Fantasy
posted by ez at 02:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする