発表年:1980年
ez的ジャンル:ドイツ産フォーキー・ジャズ
気分は... :美しき敗者・・・
ラグビーW杯は日本の予選ラウンド敗退が決まりましたね。
昨晩のスコットランド対サモア戦は生中継で見ていましたが、サモアがかなり善戦していたので「もしかして・・・」と期待しましたが、あと一歩及ばなかったですね。昨日のサモアの戦いぶりを見ていたら、"よく日本はこのチームに完勝できたな"と改めて感心してしまいました。
敗退は決まったものの、本日のアメリカ戦を有終の美で飾り、美しき敗者として大会を後にして欲しいですね。生放送で応援したいと思います。
今回は80年代ドイツ産フォーキー・ジャズ作品、Spinning Motion『Confidence In The Future』(1980年)です。
ベルリンを拠点に世界のクラブジャズ/クロスオーヴァーを牽引するプロデューサー/DJユニットJazzanovaが立ち上げたリイシュー専門レーベルNotes On Journeyからの第一弾リリース作品として最近CD化された1枚です。
Spinning Motionは、当時の西ベルリンで結成されたスタジオ・ユニット。メンバーはManfred Tappert(g、el-p、el-b、vo)、Stefan Thimm(ds、per)、Eddie Hayes(flh)、Joe Kucera(ss、lyricon)、Achim Hirsch(spoken words)の5名。Achim Hirschの呼び掛けでユニットが結成されたようです。
Achim Hirschがプロデュースも手掛けたグループ唯一のアルバムが本作『Confidence In The Future』(1980年)です。
当時100 枚だけ限定プレスされたレア盤をJazzanovaが掘り起し、めでたくCD化が実現しました。
アルバム全体としては、ビューティフル&パーカッシヴなフォーキー・サウンドが印象に残ります。全8曲中6曲がヴォーカル入りなので、ジャズのジャンルに囚われずフォーキー好きの人であれば楽しめるはずです。と言いつつも、要所でしっかりジャズしている点は、やはりフォーキー・ジャズと呼ぶのが一番相応しいと思います。
Jazzanova絡みのフォーキー・ジャズといえば、メンバーのStefan Leisering、Axel Reinemerとベルリンの女性シンガー・ソングライターSascha Gottschalkの3人によるフォーキー・ユニットThiefがあります。
Leiseringが本作を発掘したのが2000年代初めのようなので、当ブログでも紹介したThiefのアルバム『Sunchild』(2006年)も本作の影響を受けているのかもしれませんね。
時代がようやく彼らのセンスに追いついたといったところでしょうか。
高音質のリマスタリングも手伝い、今聴いても鮮度抜群の1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Blue」
メロウ・エレピとアコギが織り成すドリーミーなサウンドが印象的なオープニング。
「Devotion To You」
オススメその1。Jazzanovaが目を付けたのも頷けるフォーキー・ジャズ。70年代ジャズ・ロック好きの人とかにフィットする演奏家もしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=6lzD9AC_PRY
「Prisoner Of Life」
哀愁フォーキー。Manfred Tappertのアコギの哀愁フレーズと寂しげな歌声が秋にぴったりですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jayNnWP4sCU
「Confidence In The Future」
オススメその2。僕の一番のお気に入り。洗練されたメロウ・フォーキー。Style Councilあたりと一緒に聴いてもフィットしそうなオシャレな仕上り。
「Naze」
オススメその3。ソプラノ・サックスが先導するフォーキー・グルーヴ。パーカッシヴなフォーキー・サウンドはモロに僕好み!
「Answer My Questions」
オススメその4。澄み切ったアコギ・サウンドに惹かれる美しいフォーキー・ジャズ。中盤にマッドなパーカッション・ブレイクが入りアクセントをつけています。
「Playground Of Burial-Funds」
エレピの弾き語り。しみじみと歌い上げるシンプルな味わい深さがいいですね。
「Elegy」
ラストは哀愁フォーキー・グルーヴ。疾走するリズムと哀愁ギターの組み合わせは実に秋モードですね。
ご興味がある方は、Thief『Sunchild』(2006年)もチェックしてみては?
Thief『Sunchild』(2006年)