発表年:2015年
ez的ジャンル:トークボクサー系モダン・ファンク/ブギー
気分は... :自由を勝ち取る!
今回は新作R&BアルバムからWinfree『Past, Present & Future』です。
Winfreeはオハイオ出身のシンガー/トークボクサー。オハイオといえば、トークボックスのオリジネイター故Roger Troutmanと同郷であり、それだけで期待してしまうアーティストですね。
これまで『My Diary』(2006年)、『Gotham City』(2009年)、『Somethin 2 Ride To』(2011年)、『No Negativity』(2014年)といったアルバムをリリースしており、トークボクサー好きには名の知れたアーティストといえるでしょう。
これまでもHip-Hopアーティストをフィーチャリングしたウエッサイ/G-Funk系のサウンドが印象的でしたが、本作ではフランス人ファンク/ソウル・プロデューサーWadzにプロデュースを委ね、さらに洗練された極上のモダン・ファンク/ブギーを聴かせてくれます。
Wadzが主宰するFonkfatherz Recordsからのリリースとなります。
アルバム全体としては、WinfreeのトークボックスやラッパーをフィーチャーしたHip-Hop色は控えめですが、その分、メロウに洗練されたモダンなファンク/ブギー・サウンドを前面に打ち出した内容となっています。キャッチーかつメロディアスな曲も多いので80年代ブラコン好きの人もかなり楽しめるはずです。
個人的には「Rocket」、「Shake It Tonight」、「Love Touch」、「Work It Out」といったメロウ・ファンクがお気に入りです。スロウ系では「Beautiful」、「Teardrop」がオススメです。
SFアニメ的なジャケもいい感じですね。
かなり僕の嗜好ど真ん中な1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Beautiful」
オススメその1。Joe Sample「In All My Wildest Dreams」をサンプリングしたメロウ・チューンがオープニング。2Pac「Dear Mama」、TQ「Westside」でも用いられたサンプリング・リソースを用いるあたりに、WinfreeやWadzのウエッサイ/G-Funk愛を感じますね。
https://www.youtube.com/watch?v=p4dhBIW33WA
「Love Touch」
オススメその2。流行のモダン・ディスコ/ブギー・サウンドに呼応するメロウ・ダンサー。トークボックスも実に爽快です。
「Blink Of An Eye」
80年代ブラコン好きの人が喜びそうなアーバン・メロウ。キラキラ感のあるシンセ・サウンドがいいですね。
「Rocket」
オススメその3。重心の低いグルーヴとキャッチーなメロディ、キラキラしたサウンドのバランスが絶妙なメロウ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=vmQVezcv0zo
「Somebody」
メロディアスかつセクシーなモダン・ソウル。Winfreeのヘタウマ・ヴォーカルが見事にハマっています。
「Work It Out」
オススメその4。Simply Whitneyの女性ヴォーカルをフィーチャー。華やかな女性ヴォーカルが加わり、華やかさが増したメロウ・ファンクに仕上がっています。
「Past, Present & Future」
タイトル曲はWinfreeのファルセット・ヴォーカルがハマったスロウ・ジャムです。
https://www.youtube.com/watch?v=OMR8vET5F2Q
「360」
オススメその5。軽快なグルーヴ感が魅力のモダン・ディスコ・ファンク。さりげないトークボックスもいいですね。Wadzの音作りの巧さを感じます。
「All That I Ever Dreamed Of」
この曲も80年代ブラコン調ですね。Winfreeのヴォーカルの声質がWadzのメロウ・ファンク・サウンドによくマッチしています。
「Teardrop」
オススメその6。小粋なセンスが光るメロウ・バラード。Winfreeがファンク一辺倒ではないことを認識させてくれる素敵な1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=K6sePVk8uQ0
「Afraid Of Love」
Wadzのシンセ・サウンドの妙にグッとくるミディアム・ファンク。
「Shake It Tonight」
オススメその7。Atomicのラップをフィーチャーしたスタイリッシュなモダン・ファンクで締め括ってくれます。アルバムの中でWinfreeのトークボックスが最も目立つ曲でもあります。
ご興味がある方はWinfreeの他作品もチェックを!
『My Diary』(2006年)
『Gotham City』(2009年)
『Somethin 2 Ride To』(2011年)
『No Negativity』(2014年)
また、本作を気に入った方は、本作と同じくWadzがプロデュースし、Fonkfatherz RecordsからリリースされたTim Jones『Everyday』も同時チェックするといいのでは?こちらはよりウエッサイ/G-Funk色の強い仕上がりです。Winfreeも参加しています。
Tim Jones『Everyday』(2015年)