2015年10月29日

Beto Caletti『Esquinas』

アルゼンチン人SSW/ギタリストによる至極のブラジリアン・ミュージック!☆Beto Caletti『Esquinas』
エスキーナス~街角
発表年:2004年
ez的ジャンル:アルゼンチン人ブラジリアンSSW/ギタリスト
気分は... :ブラジル人なアルゼンチン人・・・

今回はアルゼンチン人SSW/ギタリストBeto Caletti『Esquinas』(2004年)です。

Beto Calettiはアルゼンチン、ブエノスアイレス出身。さまざまな音楽に接する中でブラジル音楽に傾倒し、ブラジルに移り住み、ブラジリアン・スタイルに磨きをかけます。

音楽学校でレッスンを受け持ったり、ブラジルのギター奏法の教則本を出す一方で、シンガー・ソングライターとして自身の創作活動にも力を入れ、1997年には1stアルバム『Eu Quero Um Samba』をリリースしています。

その後も『Teavesia Brasileira』(1999年)、『Notorious En Vivo』(2003年)、『Esquinas』(2004年)、『En Vivo En Japao』(2005年)、『Tess』(2008年)、『Bye Bye Brasil』(2011年)、『Dios Tiempo』(2013年)といったアルバムをリリースしています。

「ブラジル人よりもブラジルらしい」という評価を得たアルゼンチン人アーティストという点では、Agustin Pereyra Lucenaの流れを汲んでいますね。ただし、Beto Calettiの場合、ギタリストというシンガー・ソングライターという色合いが強いですが。

そんなBeto Caletti作品の中でも日本で高い評価を得ているのが、本作『Esquinas』(2004年)です。本作の高評価を受けて、初来日公演を果たし、その模様はライブ・アルバム『En Vivo En Japao』(2005年)に収録されることとなりました。

Beto Caletti本人とGuido Martezがプロデュースし、レコーディングにはGuido Martez(b)、Diego Alejandro(ds、per)、Alan Ball(contrabass)等が参加しています。

サンバ、ボサノヴァ、サンバ・カンサォン、ショーロといったさまざまなブラジルの音楽スタイルを、Betoのギターを中心とした素晴らしい演奏で聴かせてくれます。さらにシンガー・ソングライターらしいフォーキー・チューンや、トロピカルなエッセンスまで取り込んだワールド・ミュージック的な演奏まで幅広い音楽性も披露してくれます。

ギターのみならず、Betoのソフトで澄んだ歌声や、彼の書く楽曲の良さもアルバムを魅力的なものにしています。

カヴァー3曲以外はすべてBeto Calettiのオリジナルです。

とりあえずオープニングの「Chegaste」を聴けば、本作の良さを一発で実感できます。

全曲紹介しときやす。

「Chegaste」
スティール・パンも鳴り響く爽快アコースティック・グルーヴ。サンバのリズムが心地好い本曲を聴けば、Betoが「ブラジル人よりもブラジルらしい」と評される理由が分かるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=4Ps1F1zuRRU

「Tua Chama」
Betoのシンガー・ソングライターとしての実力を発揮したビューティフル・フォーキー。また、Betoの美しいギターも聴き所です。
https://www.youtube.com/watch?v=NxVkYJxxC9I

「Faceira」
Ary Barroso作。当ブログでGal Costaのカヴァーも紹介したサンバ・チューン。ブラジル音楽に憧れ、そのスタイルを完璧に習得したBetoがそのギターの腕前を存分に披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=sCP18duUjgs

「Quando Voce Voltar」
少し寂しげなの雰囲気のボッサ・チューン。印象的なメロディカの音色とストリングスが愁いを帯びたBetoの歌声を引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=oJrAiPgEwCw

「Voce Nao Entende Nada」
Caetano Veloso作品のカヴァー。Guido Martezのベースが先導するメロディアスな中にも芯の通った骨太の演奏が印象的な好カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9GFVrZPLS_0

「No Mar da Cancao」
美しくもスリリングな演奏にグッとくるサンバ・カンサォン。この演奏も「ブラジル人よりもブラジルらしい」かも?
https://www.youtube.com/watch?v=EHi8MvfB06s

「Choro do Tom」
タイトルの通り、Antonio Carlos Jobimへの想いを歌ったショーロ。
https://www.youtube.com/watch?v=r4efO6Cvh3U

「No Cais」
Betoの美しいギターを存分に味わえるインスト。ギターに寄り添うメロディカの音色もいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=8b1O7U6jxdE

「Circular」
コンテンポラリーな味わいのボッサ・グルーヴ。メロウかつ開放的なブラジリアン・サウンドがお好きな人なら気に入るはず。
https://www.youtube.com/watch?v=TvhfmdYqDAw

「Avarandado/Triste」
Gal Costa & Caetano Velosoの名盤『Domingo』(1967年)収録の「Avarandado」(Caetano Veloso作)とAntonio Carlos Jobim作の「Triste」というカヴァー・メドレー。先人達への敬意を感じずにはいられない美しい演奏に魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=sgCQuN_lalo

「Paraty」
ラストは開放的なトロピカル・グルーヴで締め括ってくれます。彼の音楽性の広さを感じさせるワールド・ミュージック的な仕上りです。
https://www.youtube.com/watch?v=lCHsyqlkHBY

Beto Calettiの他作品もチェックを!

『Eu Quero Um Samba』(1997年)
Eu Quero Um Samba

『Teavesia Brasileira』(1999年)
Travessia Brasileða

『Notorious En Vivo』(2003年)
Notorious En Vivo

『En Vivo En Japao』(2005年)
En Vivo En Japon

『Tess』(2008年)
Tess

『Bye Bye Brasil』(2011年)
Bye Bye Brasil

『Dios Tiempo』(2013年)
Dios Tiempo
posted by ez at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする