発表年:1974年
ez的ジャンル:Strata-East系ブラック・ジャズ
気分は... :美しくもダークな音世界・・・
今日はジャズが聴きたい気分!
セレクトしたのはStrata-Eastからリリースされたブラック・ジャズ作品Shamek Farrah『First Impressions』(1974年)です。
Shamek Farrahは1947年N.Y.出身のアルト・サックス奏者。
Strata-East Recordsの共同設立者であるStanley Cowellにデモ・テープを送ったところ認められ、Strata-Eastでのレコーディング機会を得ます。そして、Strata-Eastに『First Impressions』(1974年)、『The World Of The Children』(1977年)という2枚のアルバムを残しています。
さらに Ra Records からShamek Farrah & Folks名義でアルバム『La Dee La La』(1980年)をリリースしています。
本作『First Impressions』(1974年)はレア・グルーヴ方面からも再評価の高いStrata-East作品とお馴染みですね。音を聴いたことがなくても、印象的な本作のジャケを見たことがある方は多いのでは?
レコーディング・メンバーはShamek Farrah(as)、Norman Person(tp)、Kasa Mu-Barak Allah(p)、Sonelius Smith(p)、Milton Suggs(b)、Clay Herndon(ds)、Ron Warwell(ds)、Kenny Harper(per)、Calvert "Bo" Satterwhite(congas)です。
アルバムは全4曲ですが、聴き所はオリジナルLPのB面2曲である「Umoja Suite」と「First Impressions」でしょう。このブラック・ジャズらしい魅力に溢れた2曲があるからこそ、本作の再評価が高まったのだと思います。
特にタイトル曲「First Impressions」のアフロ・ポリリズムが支配する呪術的な美しくもダークな音世界は、一度聴いたら病みつきになります。
また、ブラック・ピープルの結束を呼びかけるような「Umoja Suite」には、アフロ色と共にブラックスプロイテーションのような格好良さがあります。
ブラック・ジャズにご興味がある方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Meterologicly Tuned」
Shamek Farrah作。モード的な4ビートのオープニング。ライナーノーツにも書いてありますが、確かにEric Dolphyっぽい雰囲気もありますね。
「Watch What Happens Now」
Fredger Dupree作。Kasa Mu-Barak Allahのピアノの美しくも愁いを帯びた音色が印象的なバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=IOT5BF_40Jk
「Umoja Suite」
Norman Person作。タイトルの"Umoja"はスワヒリ語で"Unity"を意味します。ブラック・ジャズらしいアフロ色の強い演奏です。ブラックスプロイテーションのサントラのような格好良さもあります。Shamekのアルト、作者Personのトランペットのソロは同胞たちへの呼び掛けのようです。Sonelius Smithのピアノも実に印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=1YQJoApMTuE
「First Impressions」
Shamek Farrah作。本作のハイライト。Milton SuggsのベースとSonelius Smithの美しいピアノにアフロ・ポリリズムの打楽器隊が絡むミステリアスかつ呪術的な音世界の中をShamekとPersonのホーン・アンサンブルが浮遊します。この美しくもダークな音空間がクセになるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=vKzeV2k7x3w
Greg Osby「Hardcopy」 、Microphone Pager「病む街」等のサンプリング・ソースとなっています。
Microphone Pager「病む街」
https://www.youtube.com/watch?v=3AClFHVQq7A
ご興味がある方はShamek Farrahの他作品もチェックを!
Shamek Farrah & Sonelius Smith『The World Of The Children』(1977年)
Shamek Farrah & Folks『La Dee La La』(1980年)