2015年11月30日

Van Morrison『Moondance』

名曲がズラリと並ぶ不朽の名作☆Van Morrison『Moondance』
ムーンダンス
発表年:1970年
ez的ジャンル:孤高の男性シンガー。
気分は... :あの頃クレイジー・ラブ....

今日は孤高の実力派シンガーVan Morrisonの代表作『Moondance』(1970年)です。

これまで当ブログで紹介してきたVan Morrison作品は以下の8枚(発売年順)。

 『Astral Weeks』(1968年)
 『His Band And The Street Choir』(1970年)
 『Tupelo Honey』(1971年)
 『Saint Dominic's Preview』(1972年)
 『Veedon Fleece』(1974年)
 『A Period Of Transition』(1977年)
 『Into The Music』(1979年)
 『Avalon Sunset』(1989年)

年に数回、無性にVan Morrisonが聴きたくなります。聴くと、心がリセットできるというか、落ち着きますね。

今回紹介する『Moondance』(1970年)は、数あるVan Morrison作品の中でも不朽の名作として人気の高い1枚ですね。

「Moondance」「Caravan」「Into The Mystic」「Crazy Love」「Brand New Day」といった名曲がズラリと並びます。

そんな意味で、最初に聴くVan Morrison作品として最適な1枚だと思います。9枚目に紹介しておきながら、こんなことを書くと矛盾しそうですが(笑)

レコーディング・メンバーはVan Morrison(vo、g、tamb、harmonica)以下、John Klingberg(b)、Jef Labes(org、p、clavinet)、Gary Mallaber(ds、vibe)、Guy Masson(congas)、John Platania(g)、Jack Schroer (as、ss)、Collin Tilton(fl、ts)、Judy Clay(back vo)、Emily Houston(back vo)、Jackie Verdell(back vo)。Van Morrisonが自らプロデュースを手掛けています。

個人的には「Crazy Love」を聴いた回数がダントツで多いですが、音楽的にはタイトル曲「Moondance」に本作の素晴らしさが集約されていると思います。また、代表曲「Caravan」のコーラス部分はいつ聴いても盛り上がりますね・・・とアルバム全編に渡り聴き所満載です。

今回アルバム1枚、じっくり聴き直して、改めて自分がVan Morrisonというアーティストから大きな影響を受けていることに気づかされました。

真冬のムーンダンスも悪くない・・・

全曲Van Morrisonのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「And It Stoned Me」
コクのあるVanのヴォーカルが腹の奥まで沁み渡ってきます。このビターな味わいがたまりませんな・・・

Widespread Panicがカヴァーしています。
Widespread Panic「And It Stoned Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=yOVWrpoQo5s

「Moondance」
タイトル曲は1曲の中でジャズ、ロック、ソウルを見事に融合させた元祖クロスオーヴァーとでも呼びたく音楽センスに脱帽の名曲です。今聴いて、この小粋な雰囲気は格別ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Vo3JznMhpWc

数多くのアーティストがカヴァーしていますが、オススメ・カヴァーとして、UFO(United Future Organization)、Bobby McFerrin、Georgie Fame & Jon Hendricksの3ヴァージョンを挙げておきます。

United Future Organization feat. Abigail Grimsel「Moondance (Moon Chant)」
 https://www.youtube.com/watch?v=vx0izwH9Eg8
Bobby McFerrin「Moondance」
 https://www.youtube.com/watch?v=Yd9p_KqVCQs
Georgie Fame & Jon Hendricks「Moondance」
 https://www.youtube.com/watch?v=m9Wg9iOMMP4

「Crazy Love」
ミラクルなビューティフル・ソウル。武骨なイメージの強いVanがソフトリーなヴォーカルで愛を歌い上げます。昔、日課のようにこの曲も何度もリピートして聴いていた時期がありました。あの頃は愛を欲していたのでしょう(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=oeE7BOLB8Jc

数多くのアーティストがカヴァーしていますが、当ブログでも紹介したJesse DavisMaxi Priestヴァージョン、さらにはRita Coolidge、Kirka、Cassandra Wilsonのヴァージョンが僕のオススメのカヴァー5ヴァージョンです。

Rita Coolidge「Crazy Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=Oqr1CYFrszo
Jesse Davis「Crazy Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=Li11ZWwlVhk
Kirka「Rakkauden Sain」
 https://www.youtube.com/watch?v=CqcXNnfDYg8
Maxi Priest「Crazy Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=Iy8j20CwO2Y
Cassandra Wilson「Crazy Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=qqOHwJJsY_k

「Caravan」
これまたVan Morrisonを代表する名曲ですね。これぞVan Morrison節と呼べる歌い回しがサイコーですね。いつ聴いても♪ラ・ラ・ララ・ラララ♪の部分は思わず口ずさんでしまいます(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=nK2OCggoRHk

この曲といえば、『The Last Waltz』におけるVanとThe Bandによる演奏も忘れらないですね。
Van Morrison with The Band「Caravan」
 https://www.youtube.com/watch?v=j6yT1eJieDQ

「Into The Mystic」
この曲はシングルにもなりました。オーソドックスながらも、ジワジワと沁み渡ってくるソウルフル・フォーキー。
https://www.youtube.com/watch?v=CEvsDuJYEnI

Ben E. King等多くのアーティストがカヴァーしています。
Ben E. King「Into The Mystic」
 https://www.youtube.com/watch?v=sRFp4gSJAq8

「Come Running」
コンガとピアノとホーン隊と共に軽快に疾走します。
https://www.youtube.com/watch?v=C1I8oWvL89c

「These Dreams Of You」
Vanの歌声にピッタリなフォーキー・ブルース。ブルージーなオルガンがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=WapeKX1J1B0

「Brand New Day」
感動のソウル・バラード。♪きっとそうだ、心から感じる♪新しい1日がやって来ることを♪聴く者に勇気と希望を与えてくれる名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=AWou_m6MDOs

当ブログでも紹介したMiriam Makebaのカヴァーもあります。アパルトヘイトと戦っていたMakebaが高らかにBrand New Dayを歌い上げたのは涙モノです。
Miriam Makeba「Brand New Day」
 https://www.youtube.com/watch?v=JSSJWPkYOdE

「Everyone」
Jeff LabesのクラヴィネットとCollin Tiltonのフルートがサウンド面でいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=QewI_iNKcHg

「Glad Tidings」
ラストは開放的な躍動感のある演奏で格好良く締め括ってくれます。サウンドも含めて、いぶし銀のBruce Springsteenといった趣が好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=tPdShWevWoU

Merry Claytonがカヴァーしています。
Merry Clayton「Glad Tidings」
 https://www.youtube.com/watch?v=IfYj-z8BlpA

Van Morrisonの過去記事もご参照下さい。

『Astral Weeks』(1968年)
アストラル・ウィークス

『His Band And The Street Choir』(1970年)
ストリート・クワイア

『Tupelo Honey』(1971年)
Tupelo Honey (Exp)

『Saint Dominic's Preview』(1972年)
Saint Dominic's Preview

『Veedon Fleece』(1974年)
Veedon Fleece (Reis)

『A Period Of Transition』(1977年)
A Period of Transition

『Into The Music』(1979年)
Into the Music

『Avalon Sunset』(1989年)
Avalon Sunset
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2015年11月29日

JR & PH7 & Chuuwee『The South Sac Mack』

ジャジー&メロウHip-Hop好きは要チェックな1枚☆JR & PH7 & Chuuwee『The South Sac Mack』
THE SOUTH SAC MACK
発表年:2015年
ez的ジャンル:ジャジー&メロウHip-Hop
気分は... :グッドライフ!

今年出たHip-Hop作品からJR & PH7 & Chuuwee『The South Sac Mack』です。

JR & PH7はドイツ、ケルン出身のJRことJorg Rottgardtと、デンマークはコペンハーゲン出身のPH7ことPeter Harleがドイツで結成したHip-Hopユニット。

これまで『The Standard LP』(2009年)、『The Update』(2010年)、『The Good Life』(2012年)といったアルバムをリリースしています。

そんなJR & PH7がUS西海岸サクラメント出身のMCであるChuuweeと組んだ最新作がJR & PH7 & Chuuwee『The South Sac Mack』です。

『The Update』(2010年)の頃から気になっていたユニットであったJR & PH7ですが、最新作『The South Sac Mack』は、見事に僕好みのジャジー&メロウHip-Hop作品となっています。

やはり、Chuuweeの参加が大きいですね。何処となくQ-Tipあたりとも共通する声質のChuuweeのフロウが、JR & PH7のキャッチーなジャジー&メロウ・トラックに加わることで、トータルな魅力が大きく向上していると思います。

一時期に比べて、新作Hip-Hopアルバムを聴くことがめっきり減っていますが、こういうアルバムに出会えるのであれば、もっと頻繁にショップのHip-Hopコーナーに足を運ぶべきかもしれませんね。

全曲を紹介しときやす。

「Begin The Mack (Intro)」
アルバムのイントロ。

「Meadowview Morning」
オススメその1。Bueno、Sean LaMarrをフィーチャー。Manchild「We Need We」をサンプリングしたキャッチーなジャジー&メロウHip-Hop。やはり、このタイプのジャジー&メロウはいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KiYIyYbEX1E

「Powder Inn」
哀愁モードのトラックにのって、Chuuweeがリリックをていねいのせていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Hoim24e8A_w

「Florin Light Rail」
オススメその2。メロウ・ソウルなトラックが僕好みです。キャッチー&メロウな雰囲気は何度もリピートして聴きたくなります。終盤の擦りも盛り上がります。
https://www.youtube.com/watch?v=PiujwUQisnU

「Regional Transit」
オススメその3。少しフューチャリスティックなトラックがクセになります。アルバムの中でいいアクセントになっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=7WbFiYAWxDg

「DueYuu」
オススメその4。カリフォルニアを拠点に活動するMC、Bluをフィーチャー。The Manhattans「Just One Moment Away」をサンプリングしたソウルフル・トラックにChuuweeとBluにスムースなフロウをのせます。
https://www.youtube.com/watch?v=lOMU6NLwkZg

「James Rutter (Swim Center)」
オススメその5。Carol Douglas「We Do It」をサンプリングした僕好みのジャジー&メロウ。中盤の擦りもいい感じです。メロウ・サウンドと歌心のあるフロウが心地好く響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=oui2uFSYrF8

「Lime Lights」
美しくも切ない感じが印象的な哀愁トラック。

「Florin High Flirt」
オススメその6。ATCQ好きの人は気に入るであろう1曲。ChuuweeのフロウがまるでQ-Tipのように思えてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=D7S53SHlfJQ

「Riverside Ransom」
ダーク・トーンのピアノの音色が、それまでのトラックと異なる雰囲気で印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=JB4kPUz1x_s

「Hide & Seek」
オススメその7。St3wart KooLをフィーチャー。ヴァイヴの音色が印象的なジャジー・トラック。グッと落ち着いた大人のジャジーHip-Hopといった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=U_DoxVIuy6g

「Lonely In Land Park」
オススメその8。The Manhattans「Just the Lonely Talking Again」をサンプリング。「DueYuu」に続くManhattansネタですが、少し浮遊感のある素敵なメロウ・トラックに仕上がっています。Chuuweeのフロウも含めて、アングラ・ジャジーHip-Hop好きにはグッとくる仕上がりなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=xKnoMvBNIag

「Meanwhile Off Mack」
哀愁トラックをバックに、Chuuweeが情感の込められたフロウで訴えかけます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wv7zmqivDzE

「What We Started」
哀愁ジャジー・メロウですが、飽きさせない工夫が見られます。
https://www.youtube.com/watch?v=JQOi9HPcE6U

「South Sac Get The Money」
Eddie Kendricks「The Newness Is Gone」をサンプリングした哀愁トラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=2iJyubAM4Rk

「Greenhaven Blues」
オススメその9。何処かで聴いたことがありそうなトラックですが、ジャジー&メロウHip-Hop好きにはグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=xaCHcg6lFF4

「Save The Last Dance (For Someone Who Cares)」
Tom Browne「Charisma」をサンプリング。少し早回しにしてシャープかつキャッチーなトラックに仕上げています。 トラックとChuuweeのフロウがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=C7fLhAhygqQ

ご興味がある方はJR & PH7の他作品もチェックを!

『The Standard LP』(2009年)
THE STANDARD

『The Update』(2010年)
THE UPDATE

『The Good Life』(2012年)
THE GOOD LIFE [輸入盤CD] [JAKARTA044CD]
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2015年11月28日

The Jumping Jacques『Sugar & Spice』

ミラクルなフレンチ・スキャット・コーラス☆The Jumping Jacques『Sugar & Spice』
jumping jacques sugar & spice.jpg
発表年:1969年
ez的ジャンル:フレンチ・スキャット・コーラス
気分は... :甘くて、スパイシー!

今回はミラクルなフレンチ・スキャット・コーラス作品The Jumping Jacques『Sugar & Spice』(1969年)です。

The Jumping Jacquesはフランス出身のJacques Hendrixによる男女スキャット・コーラス・ユニット。

The Jumping Jacques名義で『The Jumping Jacques』(1968年)、『Sugar & Spice』(1969年)という2枚のアルバムをリリースしています。

また、Jacques Hendrixは自身の名義でも60年代に何枚かEPをリリースしています。

サバービア好きにはお馴染みのジャケなのでは?
僕もジャケだけ見覚えがあり、中古ショップで中身もわからぬままジャケ買いしてゲットした1枚です。僕の中ではジャケの雰囲気から勝手に映画のサントラだと思い込んでいました(笑)確かに中身は60年代サントラに通じるスキャッチ・コーラスを楽しめますが・・・

さて、中身の方ですが男女スキャッチ・コーラスによるジャズ・コーラス作品と呼ぶのが一番妥当なのでしょうね。

60年代ガールズ・ポップ/ラウンジ・ポップ/ソフトロック的な魅力を持つ一方で、The Swingle Singersのようなクラシックのエッセンスも取り入れたヴォーカリーズを聴かせてくれるコーラス・グループとしての確かな実力も兼ね備えています。

この手のサウンドがお好きな人であれば、かなりハマる1枚だと思います。

楽曲はすべてJacques Hendrixのオリジナルです。

全曲を紹介しときやす。

「Mississippi Mischief」
オススメその1。本作のキラー・チューンと呼べるラブリーなスィンギン・ハッピー・スキャット・グルーヴ。スウィンギンな男女混声スキャットが実に小粋です。
https://www.youtube.com/watch?v=hUr5ZcZRi3U

「Gossip And Chatter」
オススメその2。キュートな躍動感がサイコーです。キュート&セクシーな女スパイ映画のテーマ曲といった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=sACykpRsd7c

Mansfield feat. Kayoko Iju「It's a Man's Man's Field」のサンプリング・ソースとなっています。

「Strolling Along The Seine」
ヒップな中に知的な雰囲気も感じる1曲。口笛がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vSZaJf5-OeY

「Let Them Eat Cake」
オススメその3。このユニットの素晴らしいコーラス・ワークを存分に楽しめる1曲。単にオシャレだけではない奥の深さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=DWoSMMqKtd4

Fantastic Plastic Machine「Fantastic Plastic World」のサンプリング・ソースとなっています。

「Through A Brazilian Rain Forrest」
オススメその4。ボッサ・ラウンジ感覚のスキャット・チューンは実にエレガントです。
https://www.youtube.com/watch?v=58dmDD-07PI

「Offbeat Fugue」
ジャズ・コーラス・グループらしい正統派の仕上がり。ヴォーカリーズの素晴らしき世界を伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1gRb7X46pzY

「Sugar And Spice And Everything Nice」
キュートに疾走します。♪ジャン・ジャン・ジャン♪というコーラスが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=aAa022JIurA

「Love Me Now」
オススメその5。ビートの躍動感とエレガントなスキャットのバランスがサイコーです。センス抜群の1曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9UNkmz8HDa4

「Somehow I Feel I Must Be Dreaming」
オススメその6。キュート&セクシーな女性スキャットにKOされてしまいます。ドリーミーなスキャット・ワールドの魅力に惹き込まれます。ソフトロック好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=fRXIHr99ZTM

本曲も「Let Them Eat Cake」と同じくFPM「Fantastic Plastic World」のサンプリング・ソースとなっています。
Fantastic Plastic Machine「Fantastic Plastic World」
 https://www.youtube.com/watch?v=uHBsn17CI-0

「L'opera Des Jours Heureux」
オススメその7。これぞフレンチ・ジャズ・コーラスといった小粋なセンスに溢れた1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=S9OLs0LQW1Q

「Someday We'll I Know」
クラシックの影響も感じる正統派のコーラス・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=sOvJsL6RXPM

「Banjo It Is」
ラストはコミカルな雰囲気でハッピーに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=AdC12NGttc8

謎の多いユニットですが、中身はサイコーです。
週末に聴くのにはピッタリなラブリー&ハッピーな1枚だと思います。
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2015年11月27日

Flora Purim『Everyday, Everynight』

豪華メンバーがバックを務めるコンテンポラリーなフュージョン作品☆Flora Purim『Everyday, Everynight』
エヴリデイ、エヴリナイト
発表年:1978年
ez的ジャンル:ブラジル/フュージョン系女性シンガー
気分は... :ラスト・スパート!

只今、ある作業の追い込み中!
こんな時には女性ヴォーカルで気分を盛り上げたいかな・・・

ブラジル/フュージョン・ファンに人気の女性シンガーFlora Purim『Everyday, Everynight』(1978年)です。

旦那のAirto Moreiraと共に活躍する女性シンガーFlora Purimについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚です。

 『Butterfly Dreams』(1973年)
 『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』(1977年)
 『Carry On』(1979年)

本作はUSマーケットを意識したコンテンポラリーなフュージョン作品に仕上がっています。

プロデュースはAirto MoreiraBob MonacoMichel Colombierがストリングス&ホーン・アレンジを手掛けています。

レコーディングにはFlora Purim(vo、per)以下、Airto Moreira(ds、per)、Alphonso Johnson(b)、Byron Miller(b)、Jaco Pastorius(b)、Chester Thompson(ds)、Harvey Mason(ds)、Al Ciner(g)、George Sopuch(g)、Jay Graydon(g)、Lee Ritenour(g)、Oscar Castro-Neves(g)、George Duke(p、el-p、back vo)、Herbie Hancock(p、el-p)、David Foster(p、el-p)、Michel Colombier(p、el-p、syn、back vo)、Michael Boddicker(syn)、Laudir de Oliveira(per)、David Sanborn(sax)、Michael Brecker(sax)、Randy Brecker(tp)、Raul De Souza(tb)、Marcos Valle(back vo)、Yana Purim(back vo)、Lani Hall(back vo)等の豪華メンバーが参加しています。

旦那Airtoのサポートは勿論のこと、Michel Colombierや妹Yana Purimの貢献も目立ちます。

そして、豪華ミュージシャンたちの素晴らしいプレイを随所で楽しめるのがいいですね。Floraのバッキングとして主役を立てつつ、各プレイヤーの個性もしっかり出ている点がいいですね。

ブラジル色を期待しすぎると内容にギャップを感じるかもしれませんが、コンテンポラリーなフュージョン作品としての安定感は抜群です。

Floraの素晴らしい歌声と彼女を盛り上げる豪華バック陣の演奏を素直に楽しみましょう。

全曲を紹介しときやす。

「Everyday, Everynight」
Michel Colombier/Airto Moreira/Yana Purim作。タイトル曲はBrecker兄弟、Raul De Souza、David Sanbornという豪華なホーン隊が活躍するメロウ・フュージョンです。メリハリのある展開とコンテンポラリーなサウンドが実に心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qLV6MfrbftY

「Samba Michel」
Michel Colombier/Airto Moreira/Yana Purim作。今日本作のハイライトは、Marcos Valle、妹Yana Purim、Lani Hallらがバック・コーラスで参加した本曲でしょうね。軽快なサンバ・フュージョンで疾走します。サンバのリズムに乗ってFloraやバック・コーラス隊が弾けます。Raul De Souzaのトロンボーン・ソロも盛り上がります。
https://www.youtube.com/watch?v=sHqrnfPl1hg

「The Hope」
Michel Colombier/Airto Moreira/Yana Purim作。しっとりと歌い上げるバラード。FloraのヴォーカルとJacoのベースの寄り添う感じがいいですね。

「Five-Four」
Michel Colombier作。David FosterのキャッチーなピアノとFloraとAirtoの夫婦ヴォーカルが印象的なフュージョン・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=jCss3C1KgPg

「Walking Away」
Michel Colombier作。コンテンポラリーなメロウ・チューン。Brecker兄弟がそれぞれソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Qzg9OJ7t090

「I Just Don't Know」
Michel Colombier/Airto Moreira/Yana Purim作。Floraの美しい歌声を堪能できるメロウ・バラード。Floraのヴォーカルの魅力がストレートに伝わってくる感じがいいですね。

「In Brasil」
George Sopuch作。タイトルほどにはブラジル色は強くありませんが、なかなかキャッチーなフュージョン・チューンに仕上がっています。

「Las Olas」
Jaco Pastorius作。天才Jacoのベースが先導するメロウ・ボッサ調の仕上がり。Herbie Hancockの素晴らしいピアノにも注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=lmYfJj4mvGQ

「Blues Ballad」
Michel Colombier/Yana Purim作。Ritenour、Jaco、Harvey Mason、Herbie Hancock、Airto、Colombier、Sanbornという豪華なバック陣が、あえて抑えた演奏でFloraのヴォーカルを引き立てています。

「Overture」
Michel Colombier作。ブラジリアンなブギー・サウンドにFloraらのスキャットが絡む本曲も「Samba Michel」と並ぶハイライトかもしれませんね。ちなみに妹のYana Purimもアルバム『Yana Purim』(1982年)で本曲を取り上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=e2vXN-TkEgI

「Why I'm Alone」
Jean Hancock作。ラストはLee Ritenourのギター、Herbie Hancockのローズ、David Sanbornのテナー・サックスが素晴らしい音色を奏でるメロウ・バラードでロマンティックに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2aQE5SwB8Dc

Flora Purimの過去記事や旦那Airto Moreiraの過去記事もご参照下さい。

『Butterfly Dreams』(1973年)
Butterfly Dreams

『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』(1977年)
ナッシング・ウィル・ビー・アズ・イット・ワズ...トゥモロウ+2

『Carry On』(1979年)
キャリー・オン(紙ジャケット仕様)

Airto Moreira『Free』(1972年)
Free

Airto Moreira『Fingers』(1973年)
フィンガーズ

Airto Moreira『Identity』(1975年)
アイデンティティー

Airto Moreira『I'm Fine, How Are You?』(1977年)
アイム・ファイン、ハウ・アー・ユー?(紙ジャケット仕様)

Airto Moreira『Touching You...Touching Me』(1979年)
Touching You...Touching Me

Airto Moreira『Samba de Flora』(1988年)
Samba de Flora
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2015年11月25日

Alex Barck『Reunion』

Jazzanovaメンバーの初ソロ・アルバム☆Alex Barck『Reunion』
リユニオン
発表年:2013年
ez的ジャンル:Jazzanova系ハウス/エレクトリック・ソウル
気分は... :Re-Set

ベルリンを拠点に世界のクラブジャズ/クロスオーヴァーを牽引するプロデューサー/DJユニットJazzanovaのメンバー
Alex Barck(Alexander Barck)の初ソロ・アルバム『Reunion』(2013年)です。

Jazzanovaでの活動に加え、Christian PrommerとのユニットPrommer & Barck名義でも作品をリリースしているChristian Prommer

そんな彼がマダガスカル島東方のインド洋上に位置するフランス領のレユニオン島で過ごした後に制作したのが初ソロ・アルバムとなる本作『Reunion』(2013年)です。

アルバムにはErnesto名義での作品でニュー・ジャズ/クロスオーヴァー好きから人気を博したスウェーデン出身の男性シンガーJonatan Backelie、UKブリストル出身でUnderworldのDarren Emersonと組んだThe White Lampのメンバーとして知られるPete Josef、アムステルダム出身のDJ/プロデューサー/シンガーStee Downes、エジプト出身で現在はドイツを拠点に活動する男性シンガー・ソングライターFETSUM、レユニオン出身の女性シンガーChristine Salem、アムステルダムの女性シンガーBea Anubisといったアーティストがヴォーカリストとしてフィーチャーされています。

アルバム全体としてDJらしい感性のハウス/エレクトリック・ソウルに仕上がっています。レユニオンで過ごした日々の影響であろうバレアリック、トライバル、エスニックなサウンドをはじめ、80年代、90年代ハウス/ダンス・ミュージック、あるいはオルタナティヴR&Bやベースミュージックのエッセンスも散りばめれた2013年らしいクロスオーヴァー感がいいですね。

華やかでキャッチーなアルバムではありませんが、2013年らしさの詰まった1枚に仕上がっていると思います。

全曲紹介しときやす。

「Doubter」
Jonatan BackelieをフィーチャーしたオルタナティヴR&B調の仕上がり。James Blake的な哀愁モードが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Dv9kPyhUu1M

「Re-Set」
Pete Josefをフィーチャー。ベースミュージック経由のクロスオーヴァー・ミュージックといった感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=p6HEoNQd29s

「Oh Africa」
Christine Salemをフィーチャー。フューチャリスティックなトライバル感が心地好い1曲。

「Atmosphere」
タイトルの通り、アトモスフィアはインスト・テック・ハウス。

「Don't Hold Back」
再びJonatan Backelieをフィーチャー。ディープ・ハウス+αな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gtNmDoWWhYE

「Automatic Systematique」
どうってことない感じの曲なんですが、知らぬ間に脳内に刷り込まれる不思議なチープ感が魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=SaNzEt8pjU4

「Spinning Around」
Pete Josefをフィーチャー。Affinity「Don't Go Away」をサンプリングしたバレアリック・ハウス。
https://www.youtube.com/watch?v=zspbwgAYbwQ

「Like A Drug」
Stee Downesをフィーチャー。ここでも80年代的なチープ感のあるダンス・サウンドを逆手にとった感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KUjap_eJt-Q

「We Get High」
Jonatan Backelieを三度フィーチャー。アンダーグランドな爽快ドリーミー感が心地好いディープ・ハウス。

「Why & How」
FETSUMをフィーチャー。FETSUMのヴォーカルの魅力を際立たせたソウルフル・ハウスに仕上がっています。

「Move Slowly」
Bea Anubisをフィーチャー。エスニック&レゲエのスパイスが効いたミステリアスな仕上り。

「Reunion」
ラストはレユニオンのビーチをイメージさせるかのような11分超のバレアリック・チューンで締め括ってくれます。

JazzanovaPrommer & Barckの作品もチェックを!

Jazzanova『In Between』(2002年)
イン・ビトゥイーン・デラックス・エディション

Jazzanova『Of All The Things』(2008年)
Of All the Things

Prommer & Barck『Alex And The Grizzly』(2011年)
ALEX AND THE GRIZZLY
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