2015年11月24日

Galactic『From The Corner To The Block』

多彩なMCをゲストに迎えたニューオリンズ・ファンク・バンドの異色作☆Galactic『From The Corner To The Block』
From The Corner To The Block[対訳歌詞・解説・ボーナストラック付き国内盤]
発表年:2007年
ez的ジャンル:ニューオリンズ・ファンク・バンド
気分は... :お題は"交差点"・・・

今回はニューオリンズが誇るファンク・ジャム・バンドGalacticが2007年にリリースした『From The Corner To The Block』です。

1994年にニューオリンズで結成されたファンク・ジャム・バンドGalacticの紹介は、『Crazyhorse Mongoose』(1998年)に続き2回目となります。

本作でもBen Ellman(horns、harp)、Robert Mercurio(b)、Stanton Moore(ds)、Richard Vogel(key)、Jeff Raines(g)という不動のラインナップに変わりはありませんが、Ben EllmanGalactic、そしてエンジニア、ミックスも手掛けたCountがプロデュースを手掛けています。

本作は"The Corner"というお題に対するリリックを持ち寄った、多彩なMC達が客演した異色作です。その意味ではGalacticらしいニューオリンズ・ファンク・ジャムというよりは、ファンク・バンドによる生音Hip-Hopといった色合いが強くなっています。

このため、賛否両論が巻き起こったアルバムですが、日頃からHip-Hopを聴いている人であれば、格好良くて重量感のある生音Hip-Hop作品として楽しめるはずです。

客演しているのは、LatyrxLyrics BornLateef the TruthspeakerMr. LifGift of GabBlackalicious)、Big Chief Monk BoudreauxThe Wild Magnolias)、Chali 2na(元Jurassic 5)、DJ Z-TripBoots RileyThe Coup)、JuvenileHot Boys)、The Soul Rebels Brass BandLadybug Mecca(元Digable Planets)、Nino MoschellaTrombone ShortyOhmega WattsVursatylLifesavas)という多彩なメンバーです。

このゲスト陣にピンと来た方はぜひチェックすべきでしょう。僕もこのゲストのメンツにビビッときました。

ニューオリンズ・ファンクとHip-Hopが出会った交差点にあるものは・・・

全曲紹介しときやす。

「What You Need」
Hip-HopユニットLatyrxのメンバーでもある東京生まれのアジア人ラッパーLyrics Bornをフィーチャー。Stanton Mooreの格好良いドラミングが先導する尖ったサウンドをバックに、Lyrics Bornが煽動的なフロウで"The Corner"のリアルな日常を吐き出します。
https://www.youtube.com/watch?v=_VunoXcem-0

「...And I'm Out」
ボストン出身のラッパーMr. Lifをフィーチャー。熟練のファンク・グルーヴをバックに、Mr. Lifがクールにラップをキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2B-Oe6bnDAE

「The Corner」
BlackaliciousのメンバーGift of Gabをフィーチャー。Gift of Gabがスキルフルなラップで魅了します。そのラップに合わせた不穏なサウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=VCHBWHp1j2I

「Second and Dryades」
70年代から活動するニューオーリンズのマルディグラ・インディアン・バンドThe Wild Magnoliasの伝説的メンバーBig Chief Monk Boudreauxをフィーチャー。ニューオーリンズの伝説とGalacticの共演は興味深いですね。エレクトリックなインディアン・フレイヴァーが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ZnFqeZ3E3PY

「Think Back」
西海岸の人気Hip-HopユニットであったJurassic 5の元メンバーChali 2naをフィーチャー。Jurassic 5好きとしては嬉しい共演ですね。Chali 2naの低音フロウが重心の低いグルーヴとよくマッチしています。Ben Ellmanのブルージーはハープも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=Q8lSrMORVao

「Bounce Baby」
DJ Z-Tripのスクラッチをフィーチャー。Galacticらしいファンク・サウンドにDJ Z-Tripの擦りが違和感なく絡みます。
https://www.youtube.com/watch?v=MOnrMImVwQU

「Hustle Up」
オークランドのHip-HopユニットThe CoupのメンバーBoots Rileyをフィーチャー。ダイナミックでロッキンな重量グルーヴをバックに、Boots Rileyのフロウがグイグイ弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=i5dH5IEqgIQ

「Sidewalk Stepper」
短いインタールード的なインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=avi8BZ7KeSI

「From the Corner to the Block」
Hip-HopユニットHot BoysのメンバーJuvenileと新世代ブラス・バンドThe Soul Rebels Brass Bandをフィーチャー。見事なブラス・アンサンブルをはじめ、アルバムで最もニューオリンズ・ファンク色が出ている演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=6rL1atDpdnU

「Squarebiz」
人気Hip-HopユニットDigable PlanetsのメンバーであったLadybug Meccaとシチリア出身のSSW、Nino Moschellaをフィーチャー。Digable Planets好きとしてはLadybug の参加は嬉しいですね。アルバムで最も妖艶な雰囲気が漂います。Nino Moschellaのヴォーカルも含めて、この妖しげな感じ大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=YQeEuIEE_v0

「Tuff Love」
当時、期待のトロンボーン奏者であったTrombone Shortyをフィーチャー。骨太なファンク・サウンドを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XK0bdIFJAVQ

「No Way」
オープニング「What You Need」に参加したLyrics Bornと同じくLatyrxのメンバーであるLateef the Truthspeakerをフィーチャー。テンポを落としたグルーヴが逆にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=O_HlsnFCXOM

「Fanfare」
インタールード的なインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=NcmmNjVkKx4

「Find My Home」
当時LightheadedのメンバーであったOhmega WattsとLifesavasのメンバーVursatylをフィーチャー。本編のラストはアングラHip-Hop調で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BAYspnMm5bk

国内盤にはボーナス・トラックとして、「Two Dots」「The Player」の2曲が追加収録されています。特にNino Moschellaらがフィーチャーされた「The Player」がいいですね。

Galacticの他作品もチェックを!

『Coolin' Off』(1996年)
Coolin Off

『Crazyhorse Mongoose』(1998年)
Crazyhorse Mongoose

『Late for the Future』(2000年)
Late for the Future

『We Love 'Em Tonight: Live at Tipitina's』(2001年)
We Love Em Tonight

『Ruckus』(2003年)
Ruckus

『Ya-Ka-May』(2010年)
Ya-Ka-May (Dig)

『The Other Side Of Midnight: Live In New Orleans』(2011年)
Other Side of Midnight:Live in New O

『Carnivale Electricos』(2012年)
Carnivale Electricos

『Into the Deep』(2015年)
Into the Deep
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2015年11月23日

Prince Phillip Mitchell『Top Of The Line』

名ソングライターによるモダン・ソウル作品☆Prince Phillip Mitchell『Top Of The Line』
トップ・オブ・ザ・ライン
発表年:1979年
ez的ジャンル:名ソングライター系男性ソウル
気分は... :ビタミン補給・・・

今回は名ソングライターとしても知られる男性ソウル・シンガーPrince Phillip Mitchellの2ndアルバム『Top of the Line』(1979年)です。

Mel & Tim‎「Starting All Over Again」 、Millie Jackson‎「It Hurts So Good」、The Staple Singers「Oh La De Da」、Candi Staton‎「As Long As He Takes Care Of Home」といった名曲をはじめ、数多くのアーティストへの楽曲提供で知られるPrince Phillip Mitchellの紹介は、1stアルバム『Make It Good』(1978年)に続き2回目となります。

前作『Make It Good』(1978年)は西海岸でのレコーディングでしたが、本作はマッスル・ショールズでレコーディングしています。また、一部フィラデルフィアのシグマ・サウンドでのレコーディングも含まれます。

Prince Phillip Mitchell自身がプロデュースを手掛け、レコーディングにはJimmy Johnson(g)、David Hood(b)、Roger Hawkins (ds)、Randy McCormick(p)といったマッスル・ショールズ勢、Michael Foreman(b)、Larry Washington(congas、bongos)、Ronnie James(g)、Carlton Kent(p)、Bruce Hawes(p)といったフィリー勢をはじめ、IngramJohn Ingram(ds)、Ed Green(roto ds)、Ron Coleman(p、org、syn)、 William Roach Cochran (g)、Edward Tree Monroe(g)、Larry Byro(g)といったミュージシャンが参加しています。

また、前作に続き、The Jones Girlsがバック・コーラスとして参加し、アルバムの魅力向上に大きく貢献しています。

モダン・ダンサーとして再評価の高い「I'm So Happy」をはじめ、「If It Ain't Love It'll Go Away」「Use Your Body」「Paying The Price」などセクシーなPhillipのハイ・トーン・ヴォーカルとバック・コーラスThe Jones Girlsの掛け合いにグッときます。

また、「Top Of The Line」「Highlight Of My Life」「In Between Lovers」のメロウ&スウィートな世界にも惹かれます。

ニューソウルの影響も感じられた『Make It Good』とは異なる印象のアルバムですが、素敵なモダン・ソウル作品に仕上がっています。

楽曲はすべてPrince Phillip Mitchellのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Top Of The Line」
素敵なメロウ・バラードでアルバムは幕を開けます。Phillipのハイ・トーン・ヴォーカルが栄えると同時に、名ソングライターらしい曲作りの巧さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=hh043It13Jo

「Use Your Body」
キレのある重量グルーヴが印象的なダンサブル・チューン。セクシーなPhillipのヴォーカルとバック・コーラスのThe Jones Girlsとのコンビネーションがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=JGbN6CnxWlg

「Highlight Of My Life」
ソフトリーなドラマチック感がいい感じのミディアム・スロウ。聴いていると幸せおすそ分けしてもらえそうです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=zXjCy8XbKxU

「In Between Lovers」
ファルセット・ヴォーカルでセクシーに迫るスウィートなミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=DH2OVRsYgZg

「I'm So Happy」
今日的には本作のハイライト。ノーザン・スタイルのモダン・ダンサーとして再評価の高い曲です。タイトルの通り、ハッピーに躍動します。The Jones Girlsのバック・コーラスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=RH2q0kmxcqQ

「If It Ain't Love It'll Go Away」
シングルにもなったエモーショナルなバラード。ここでもシンガーPhillipとThe Jones Girlsの素晴らしい掛け合いを聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=lGKyJPMDXzM

「Paying The Price」
この曲もThe Jones Girlsが活躍する素敵なミディアム。名ソングライターらしい楽曲の良さも光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=XxBsSuAW8NA

Murs & 9th Wonder 「Vikki Veil」のサンプリング・ソースとなっています。
Murs & 9th Wonder「Vikki Veil」
 https://www.youtube.com/watch?v=ChZpQXtbmbI

「Let's Get Wet」
シングル・カットもされたディスコ・チューン。Izzy Sanchezがリミックスを手掛けています。アルバムの中で完全に浮いていますが、この時代にはこういう曲が必要だったのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=Dd26z6X4w4s

Bun B & Mddl Fngz feat. Devin the Dude「4 O'Clock in Da Mornin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Bun B & Mddl Fngz feat. Devin the Dude「4 O'Clock in Da Mornin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=iDbBzUWZ6tc

ボーナス・トラックとして、「Take Me Away (Instrumental)」が追加収録されています。

『Make It Good』(1978年)
メイク・イット・グッド

『Lone』(1991年)
Loner
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2015年11月22日

Stacey Kent『Tenderly』

Roberto Menescalとの共演によるスタンダード集☆Stacey Kent『Tenderly』
Tenderly
発表年:2015年
ez的ジャンル:ロマンティック系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :幸福の歌声・・・

今回は新作アルバムから女性ジャズ・ヴォーカリストStacey Kentの最新作『Tenderly』です。

キュートな歌声の女性ジャズ・ヴォーカリストStacey Kentに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Breakfast On The Morning Tram』(2007年)
 『Raconte Moi』 (2010年)
 『The Changing Lights』(2013年)

スタジオ・アルバムとしては『The Changing Lights』(2013年)以来となります。全編ブラジリアン・テイストであった前作『The Changing Lights』は、『ezが選ぶ2013年の10枚』にもセレクトした大のお気に入り作品でした。

それだけに最新作『Tenderly』に対する期待も自ずと高まります。

『Tenderly』は、ブラジル音楽の至宝Roberto Menescalが全面参加したスタンダード・カヴァー集になっています。

Staceyの公私のパートナーJim Tomlinsonがプロデュース、Roberto Menescalがアレンジを手掛け、Stacey Kent(vo)、Roberto Menescal(g)、Jim Tomlinson(ts、fl)、Jeremy Brown(b)という少数編成でレコーディングしています。

Roberto Menescalが全面参加ということで、ボサノヴァ色が強いアルバムをイメージするかもしれませんが、実際はロマンティックなジャズ・ヴォーカルに仕上がっています。

正直、『The Changing Lights』と比較して大人しい印象を受けますが、聴けば聴くほど成熟したStaceyのヴォーカルに惹き込まれる素敵な1枚に仕上がっています。引き算の美学が実にいいですね。

『The Changing Lights』同様に、長く聴くことになるであろう愛聴盤になりそうです。

この最新作を引っ提げて、あと数日後には2年ぶりの来日公演が実現します。

Stacey Kent『Tenderly』 - EPK
https://www.youtube.com/watch?v=ua7LXaVBA9o

全曲紹介しときやす。

「Only Trust Your Heart」
Benny Carter/Sammy Cahn作のスタンダードをカヴァー。オリジナルは多分
The New Stan Getz Quartet Feat. Astrud Gilberto『Getz Au Go Go』(1964年)のヴァージョンだと思います。女性ジャズ・ヴォーカル好きにはDiana Krallのカヴァーもお馴染みかもしれませんね。ここでは柔らかなStaceyのヴォーカルをMenescalのギターが優しく包み込んでくれます。ムーディーなTomlinsonのサックスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=iobv_2O_1dI ※ライブ音源

「Tangerine」
Victor Scherzinger/Johnny Mercer作。1942年、Jimmy Dorseyが歌いNo.1ヒット曲となったポピュラー・スタンダード。The Salsoul Orchestraのディスコ・ヒットでもお馴染みですね。Menescalの小粋なギターが冴え、Staceyの声質の良さが際立つ、落ち着きのある大人のジャジー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KnmuVWsoOgg

「The Very Thought Of You」
Ray Nobel作のポピュラー・スタンダードのカヴァー。当ブログではChris Montezのカヴァーも紹介済みです。実に雰囲気のあるジャズ・バラードで聴かせてくれます。Staceyのヴォーカルに寄り添う、旦那Tomlinsonのサックスがいいですね。

「Embraceable You」
Ira Gershwin/George Gershwins作。1930年のミュージカル『Girl Crazy』のために書かれたスタンダード曲。当ブログではSarah VaughanClifford Brownのカヴァーも紹介済みです。まさにStaceyとMenescalの共演といった雰囲気のロマンティックな仕上り。この演奏かなり好きです。

「There Will Never Be Another You」
Mack Gordon/Harry Warren作。ミュージカル映画『Iceland』(1942年)のために書かれた楽曲です。当ブログではChris Montezのカヴァーを紹介済みです。Staceyのジャズ・ヴォーカリストとしての成熟ぶりを実感できるバラードに仕上がっています。

「Tenderly」
Walter Gross/Jack Lawrence作のスタンダード。最近でいえば、Jose James『Yesterday I Had The Blues』のカヴァーが記憶に新しいところです。当ブログではClara Morenoのカヴァーも紹介済みです。今年Jose Jamesヴァージョンで何度も本曲を聴いていたせいか、曲に入りやすいですね。激シブのJoseヴァージョンも好きですが、可憐なStaceyヴァージョンもいいですよ。

「No Moon At All」
David Mann/Redd Evans作のスタンダード。当ブログではAnita O'Dayのカヴァーを紹介済みです。MenescalのギターとJeremy Brownのベースに導かれ、Staceyが雰囲気のあるジャズ・ヴォーカルを聴かせてくれます。Tomlinsonもフルートで好サポートしています。全体として実に気の利いた演奏です。

「If I'm Lucky」
Joseph Myrow/Edgar DeLange作のスタンダード。ロマンティックなMenescalのギターに、すべて委ねたようなStaceyのヴォーカルが実にいいですね。

「Agarradinhos」
Roberto Menescal/Rosalia De Souza作。Roberto MenescalがプロデュースしたRosalia De Souza『Brasil Precisa Balancar』(2006年)にも収録されていました。ということで、Rosalia De Souzaと比べて聴いてしまいますが、本ヴァージョンの方が落ち着いた雰囲気で、Staceyの声質の良さを際立てる仕上がりになっています。

「In The We Small Hours Of The Morning」
David Mann/Bob Hilliard作。Frank Sinatra等でお馴染みのスタンダード。Tomlinsonのムーディーなサックスと共に始まる、Staceyのヴォーカルが見事にハマったビューティフル・バラードです。Staceyのヴォーカルが聴く者の心を優しく包み込んでくれます。

「That's All」
Bob Haymes/Alan Brandt作のスタンダード。Staceyのジャズ・ヴォーカリストとしての表現の豊かさを感じる1曲です。

「If I Had You」
Ted Shapiro/Jimmy Campbell/Reg Connelly作のスタンダード。ラストはMenescalがとびきり素敵なギターを聴かせてくれます。

他のStacey Kent作品もチェックを!

『Close Your Eyes』(1997年)
Close Your Eyes

『Love Is...The Tender Trap』(1998年)
Love Is...The Tender Trap

『Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire』(2000年)
Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire

『Dreamsville』(2000年)
Dreamsville

『In Love Again: The Music of Richard Rodgers 』(2002年)
In Love Again

『The Boy Next Door』(2003年)
The Boy Next Door

Jim Tomlinson Feat. Stacey Kent『The Lyric』(2005年)
The Lyric featuring Stacey Kent

『Breakfast On The Morning Tram』 (2007年)
Breakfast on the Morning Tram

『Raconte Moi』 (2010年)
パリの詩

『Dreamer in Concert』(2011年)
Dreamer in Concert

『The Changing Lights』(2013年)
Changing Light

Marcos Valle & Stacey Kent『Ao vivo』(2014年)
Marcos Valleとの共演ライブ
マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント・ライヴ~マルコス・ヴァーリ・デビュー50周年記念
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2015年11月21日

Lorenzo『Love On My Mind』

Keith Sweat参加!スロウ中心のセクシーな男性R&B作品☆Lorenzo『Love On My Mind』
Love on My Mind
発表年:1995年
ez的ジャンル:セクシー・スロウ系90年代R&B
気分は... :スロウ三昧!

今回は90年代R&B作品からLorenzo『Love On My Mind』(1995年)です。

Lorenzo(Lorenzo Smith)は1972年フロリダ生まれの男性R&Bシンガー。

子どもの頃から教会で歌い、高校時代にソウル/R&Bに目覚めたLorenzoは、1990年に18歳にして1stアルバム『Let Me Show You』(1990年)をリリースします。

1992年にリリースした2ndアルバム『Lorenzo』からはシングル「Real Love」が全米R&Bチャート第6位のヒットとなっています。

1995年には元The 2 Live CrewLuke Campbell(Luke Skyywalker)のLuke Recordsから3rdアルバムとなる本作『Love On My Mind』(1995年)をリリースしています。

さて本作『Love On My Mind』ですが、スロウ中心のセクシーな男性R&B作品となっています。

アルバムはLorenzo自身とWendell Smithがプロデュースし、1曲のみKeith SweatEric McCain(元Entouch)がプロデュースしています。

そのKeith Sweat/Eric McCainプロデュースの「If It's Alright With You」ではKeith Sweat本人がフィーチャーされています。また、レーベル・オーナーのLuke Campbellもタイトル曲でフィーチャーされています。

スロウ中心の構成で収録曲も9曲に絞り込んだ分、非常に密度の濃い1枚に仕上がっているのがいいですね。

この時期のR&Bアルバムって、曲数がやたら多く、総花的で狙いが見えず、冗長に感じるものも少なくないので、逆に本作のように狙いが明確で徹底しているアルバムが魅力的に映ります。

また、こうしたスロウ中心のアルバムを作ることができるのもLorenzoにシンガーとしての魅力と実力があるからだと思います。

Keith Sweat参加の「If It's Alright With You」をはじめ、「You Ain't Had No Lovin」「Shining Star」「Don't Wanna Share」「Bout To Lose My Mind」「Betcha He Don't」あたりはスロウ好きの人を歓喜させるはずです。

Keith SweatR. Kellyのセクシーなスロウがお好きな方は気に入るであろう1枚だと思います。

スロウ三昧もいいですよ!

全曲紹介しときやす。

「Love On My Mind」
Luke Campbellをフィーチャーしたタイトル曲。スロウ・ジャムのオン・パレードとなるアルバムのプロローグといったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=XDFaXLGQ7Oc

「You Ain't Had No Lovin」
控えめのバックでLorenzoの切々としたヴォーカルを際立てたスロウ。本人のヴォーカルに自信があるからこそ、こういった曲に出来るのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=VgdfjjDbpkY

「If It's Alright With You」
Keith SweatをフィーチャーしたKeith Sweat/Eric McCainプロデュース曲。シングル・カットもされました。まさにKeith Sweatモード全開のセクシー・スロウです。文句なしの出来栄え!
https://www.youtube.com/watch?v=zAFzO-9DoGQ

「Shining Star」
「You Ain't Had No Lovin」と同じく、Lorenzoの切々としたヴォーカルで歌い上げるスロウ・ジャム。
https://www.youtube.com/watch?v=AOhY7E79c8E

「Don't Wanna Share」
Luke Campbellのレーベル・メイトである女性R&BシンガーTrelliniがバック・コーラスで参加しています。R. Kelly好きの人は気に入るであろうセクシーなスロウ。Trelliniが参加している分、華があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GK8JcsmFrrA

ちなみにTrellini『Trellini』(1994年)も近々取り上げようと思っていたところです。お楽しみに!
Trellini『Trellini』(1994年)
Davis Trellini

「Bout To Lose My Mind」
Keith Sweatスタイルのスロウ。このタイプを雰囲気だけではなく、しっかり歌いこなすところにLorenzoのシンガーとしての魅力を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=DZRWeGe4VO4

「Just Wanna Touch Ya」
Smethによるラガ調ラップが入ったラガ・スタイルの仕上がり。アルバムの中では異色ですが、いいアクセントになっているのでは?

「Wanna Do Ya」
比較的ビート感のあるミディアム・グルーヴ。それでもサウンドが出過ぎず、Lorenzoの伸びやかなハイ・トーン・ヴォーカルを引き立てているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Oi7G1XUTD-A

「Betcha He Don't」
ラストも素敵なスロウ・ジャムで締め括ってくれます。これだけスロウ中心の構成であるにも関わらず、ラストのスロウで感動できるところが本作の魅力なのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=HHC94GZYR1s

ご興味がある方はLorenzoの他作品もチェックを!

『Let Me Show You』(1990年)
Let Me Show You

『Lorenzo』(1992年)
Lorenzo
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2015年11月20日

Sheree Brown『Straight Ahead』

フリーソウル・クラシック「It's A Pleasure」収録☆Sheree Brown『Straight Ahead』
ストレイト・アヘッド
発表年:1981年
ez的ジャンル:爽快ヴォーカル系黒人女性シンガー・ソングライター
気分は... :まさかの逆転負け・・・

今回は黒人女性シンガー・ソングライターSheree Brownが1981年にリリースした『Straight Ahead』です。

1955年L.A.生まれの黒人女性シンガー・ソングライターSheree Brownの紹介は、『The Music』(1982年)に続き2回目です。

本作『Straight Ahead』(1981年)は、『The Music』(1982年)と同じくフリーソウル方面で再評価が高まったアルバムです。

プロデュースはRichard Rudolph。レコーディングにはSheree Brown(vo、g)以下、Patrice Rushen(key、syn、back vo)、Syreeta Wright(back vo)、Paul Jackson Jr. (g)、Steve Khan(g)、Wali Ali(g)、Curtis Robertson, Jr.(b)、Ready Freddie Washington(b)、Michael Boddicker(key、syn)、Greg Poree(banjo)、Paulinho Da Costa(per)、John Robinson(ds、per)、Doug Norwine(horn)、Alexander Thomas(tb)、Richard Rudolph(tb)、Jim Gilstrap(back vo)、Alexander Thomas(back vo)、Lynn Davis(back vo)、Roy Galloway(back vo)等が参加しています。

Minnie Ripertonの公私のパートナーであったRichard Rudolphプロデュースということで、Sheree Brownの透明感のあるハイトーン・ヴォーカルをMinnieと重ねてしまう部分もありますね。

本作といえば、何といってもフリーソウル・クラシック「It's A Pleasure」ですね。多くの人にSheree Brownというアーティストを印象付けた素敵なメロウ・グルーヴですね。僕もこの曲でSheree Brownの虜になってしまいました。

それ以外にもダンサブルな「You'll Be Dancing All Night」、ハッピーなメロウ・ソウル「Happiness Flows」、爽快ファンキー・メロウ「Passing Thing」、透明感のある「I Wanna Be By Your Side」など良い曲が多数収録されています。

主役のShereeのヴォーカルが素敵なのは勿論ですが、バック陣の好サポートや好アレンジが目立つのも本作の魅力を高めています。

フリーソウル好きの方は、『The Music』(1982年)とセットでぜひ揃えておきたい1枚ですね。

全曲紹介しときやす。

「You'll Be Dancing All Night」
ダンサブルな爽快メロウ・グルーヴは「It's A Pleasure」と並ぶ本作のハイライト。Shereeのキュートなヴォーカルが栄えます。軽快なPaul Jackson Jr.のギターとハンドクラップが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=MmqBfBXCfLY

「Happiness Flows」
タイトルの通り、ハッピー・フィーリングのメロウ・ソウル。軽やかにスキップ!といった雰囲気ですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=cGu_VLgwYn0

「You Are Beautiful」
アコギ弾き語りによるビューティフル・バラード。ヴァイオリン、チェロが盛り上げてくれます。

「Get Down, I'm So Bad」
素敵なホーン・アンサンブルを伴ったファンキー・グルーヴ。小気味良い感じがいいですね。

「Passing Thing」
本作の隠れ名曲と呼びたいのがコレ。アレンジ・センスの冴える爽快ファンキー・メロウはかなり僕好み。Shereeの澄み切ったヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=sHfNSSfXIO8

「Never Do You Wrong」
コンテンポラリー感覚のファンキー・チューン。バック陣の好サポートが光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=5ItYJtl5mXQ

「Everything You Do」
タメの効いたグルーヴが心地好い1曲。Shereeのハイトーン・ヴォーカルを活かした1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=KWeZOHZE5-Q

「I Wanna Be By Your Side」
透明感のあるShereeらしいメロウ・グルーヴ。Patrice Rushenによるアレンジもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ssajHOjmkzw

「It's A Pleasure」
前述の通り、本作のハイライトとなるフリーソウル・クラシック。数あるフリーソウル・クラシックの中でも、個人的にかなり気に入っている1曲。自然体の爽快メロウ・グルーヴといった雰囲気がサイコーですね。ラブリーなヴァイヴに溢れた名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=KWeZOHZE5-Q

Viridiana feat. Mr. Day「My Happiness」のサンプリング・ソースになっています。
Viridiana feat. Mr. Day「My Happiness」
 https://www.youtube.com/watch?v=wwkKq4dy_rM

「Straight Ahead」
ラストは、アコースティック感覚とファンキー・フィーリングの調和が見事なタイトル曲で締め括ってくれます。バンジョーがアクセントになっています。

『The Music』(1982年)
ザ・ミュージック

『Messages from the Heart』(2013年)
Messages from the Heart
posted by ez at 02:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする