2015年11月13日

Bobby Ross Avila『My Destiny』

Jam & Lewisプロデュース!☆Bobby Ross Avila『My Destiny』
My Destiny
発表年:1993年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系ヒスパニックR&B
気分は... :カキフライ食べたい!

今回はJam & Lewisプロデュース作からBobby Ross Avila『My Destiny』(1993年)です。

Bobby Ross Avilaは1975年カリフォルニア州サンバーナーディーノ生まれのヒスパニック系シンガー/ソングライター/プロデューサー。

10代から活躍し、ソロ名義で『Bobby Ross Avila』(1989年)、『My Destiny』(1993年)、『Que Pasa - What's Up?』(1994年)、『Into My Life』(1995年)といったアルバムをリリースしています。

その後は兄弟のIz Avilaと共にBobby Ross Avila & Izとしてプロデューサー/ソングライターとして活躍し、さらに2005年にはAvila Brothers名義でアルバム『The Mood: Soundsational』をリリースしています。

そんなBobby Ross Avilaの代表作がJam & Lewis(Jimmy Jam & Terry Lewis)のPerspective Recordsからリリースされた本作『My Destiny』(1993年)です。

Bobby Ross Avilaと父Bobby Avila, Sr.がプロデュースを務め、6曲でJam & Lewis自身もプロデュースに関与しています。

Jam & Lewisプロデュース曲は勿論、それ以外の曲でもJam & Lewis的サウンドを楽しめます。

シングルになった「La La Love」「All That I Do」「Closer to the Luvin」「I'm Hooked on You」「Undercover Lover」といったスロウ〜ミディアムが充実しているのがアルバムの最大の魅力です。Bobbyの甘いハイトーン・ヴォーカルがサウンドとよくマッチしているがいいですね。

アップでは「Aweshewants」「Destiny」「Soy Mexicano」あたりが僕のお気に入りです。

Jam & Lewis好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Interlude」
アルバムのイントロ。

「Smoove Young Lady」
Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。インパクトは弱いですがJam & Lewis的サウンドを楽しめるアップ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=lUqeR3RAktI

「La La Love」
Jimmy Jam & Terry Lewis/Bobby Ross Avilaプロデュース。アルバムからの1stシングル。これぞJam & Lewisプロデュース!といった雰囲気の素敵なスロウ・ジャム。Bobbyのスウィートなハイトーン・ヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=TdL_Uc3VbrU

「Up and Down」
Jimmy Jam & Terry Lewis/Bobby Avila, Sr.プロデュース。良くも悪くもこの時代ならではの打ち込みファンクに仕上がっています。

「Closer to the Luvin」
Jimmy Jam & Terry Lewis/Bobby Avila, Sr.プロデュース。Jam & Lewisらしさの出た胸キュンなスロウです。
https://www.youtube.com/watch?v=qR_HjE7GS5k

「Aweshewants」
Jimmy Jam & Terry Lewis/Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。アップでは重量感のあるグルーヴとギター・ソロのアクセントのある本曲が一番好きです。

「I'm Hooked on You」
Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。ヴォコーダー使いのメロウ・ミディアムは僕好み。Bobbyのハイトーン・ヴォーカルが良くハマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YwTMl1W6T4g

「Destiny」
Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。Bobbyのプロデュース・センスも実感できるアップ・チューン。この曲でもヴォコーダーが効果的に使われています。

「Interlude」
インタールード。

「It's the Madness」
Jimmy Jam & Terry Lewis/Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。ラップを織り交ぜたこの時代らしいアップ・チューン。今聴くと時代を感じますが、ティーンエイジャーであったBobbyの若々しいエネルギーが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=hSpL9nCPk1g

「Soy Mexicano」
Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。この曲も「It's the Madness」と同路線。ラップを前面に打ち出した分、より弾けた仕上りになってていいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=6zSqDKgxZA0

「All That I Do」
Jimmy Jam & Terry Lewis/Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。アルバムからの2ndシングル。Jam & Lewisらしくはありませんが、甘酸っぱいメロウ・グルーヴはかなりいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=jmxv0wI1hCc

「Undercover Lover」
Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。甘く妖しい魅力にグッとくるミディアム・スロウ。スパニッシュが織り交ぜられているのも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=23KZzgSOoUI

「U R the 1」
Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。NJSなアップ・チューン。手堅くまとめられていますがインパクトは少し弱いかも?
https://www.youtube.com/watch?v=zxexKDLulak

「My Love」
Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。BobbyがJam & Lewisサウンドを習得したことを感じさせる美しいスロウ。
https://www.youtube.com/watch?v=XIWVQonbZt0

「Joyful Noise」
Bobby Avila, Sr./Bobby Ross Avilaプロデュース。ラストは疾走感のあるダンサブル・チューンで一気に駆け抜けます。

ご興味がある方はAvila Brothers『The Mood: Soundsational』(2005年)もチェックを!

Avila Brothers『The Mood: Soundsational』(2005年)
Mood: Soundsational
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2015年11月11日

Swissy『She Smiles』

女性SSWによる微風のようなアコースティック・メロウ☆Swissy『She Smiles』
シー・スマイルズ
発表年:2008年
ez的ジャンル:爽快アコースティック・メロウ系女性SSW
気分は... :雨の日には...

今回は女性SSWによる爽快アコースティック・メロウSwissy『She Smiles』(2008年)です。

Swissyはフィリピン生まれ、オーストラリア育ちの女性シンガー・ソングライター。

オーストラリアのヴォーカル・スクールで才能を開花させた彼女が母国フィリピンに戻り、制作したデビュー・アルバムが本作『She Smiles』(2008年)です。

思わず口ずさみたくなる素敵なメロディとラブリーかつ優しい歌声に魅了されるアルバムです。初めて聴く曲なのに、懐かしい思い出の曲に再会したようなエヴァーグリーン感のある楽曲がズラリと並びます。

60年代ポップス/ソフトロック、70年代アコースティック・メロウ、80年代ネオアコ、90年代スウェディッシュ・ポップ、ボサノヴァ/ブラジル音楽あたりのエッセンスをうまく取り入れている感じがたまりません。

特にオープニングを飾る「Rainy Days」「How It All Started」の2曲がミラクルな出来栄えだと思います。

プロダクション・デシネが販売元ですが、こういったフィリピン人アーティストに目を付けるあたりはさすがですね。

東南アジアのアーティストはもっとチェックした方がいいかもしれませんね。

全曲紹介しときやす。

「Rainy Days」
オススメその1。このミラクルなオープニングを聴いた瞬間、一発で本作で虜になってしまいました。ラブリーな歌声、素敵なメロディ、メロウなサウンドすべてが聴く者を優しく包み込んでくれます。これからも長く聴き続けるであろう名曲だと思います。

「Your Life's In Rewind」
オススメその2。80年代ネオアコ好きの方であれば気に入るであろうアコースティック・メロウ。ラウンジ・ポップ的なアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=PHbOc6jhdB4

「Just a Tear」
甘く切ない歌声にグッときてしまう女性シンガー・ソングライターらしい仕上り。

「Mother」
派手さはありませんせんが、切々とした歌声と少し霞のかかったようなサウンドが印象的です。

「Sorry」
北欧ポップのような爽快な疾走感が心地好い1曲。彼女のポップ・センスを楽しめます。

「One More」
レイジーな雰囲気とドリーミーな雰囲気のコントラストが楽しい1曲です。

「How It All Started」
オススメその3。「Rainy Days」と並ぶ僕のお気に入り。彼女のソングライターとしての才とシンガーとしての魅力を同時に実感できます。それにしてもいいメロディ書くねぇ!
https://www.youtube.com/watch?v=RIY074hZIiw

「Love Works Sometimes」
オススメその4。アコギの弾き語りに美しいピアノが加わったビューティフルな仕上り。

「Silly」
彼女のラブリーな歌声の魅力を実感できる甘く切ないメロウ・チューン。

「In My Rooms」
オススメその5。ジャジー・メロウなサウンドをバックにしっとりと歌い上げます。寝る前に子守唄で聴きたいです(笑)

「Soaring」
メロウ・フォーキーな仕上り。シンプルですが、彼女の歌の存在感があれば余計な音は不要なのかもしれません。

「Aniya」
オススメその6。Joan Matanguihanとの共作。優しさに包まれたアコースティック・メロウを(多分)フィリピン語で歌い上げます。

本作に続き2013年に2ndアルバム『One Hour By The Bed, The Rest Is In My Head』(2013年)をリリースしています。

『One Hour By The Bed, The Rest Is In My Head』(2013年)
ワン・アワー・バイ・ザ・ベッド、ザ・レスト・イズ・イン・マイ・ヘッド
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2015年11月10日

Jimmy McGriff『Electric Funk』

レア・グルーヴ人気作のオルガン・ジャズ・ファンク☆Jimmy McGriff『Electric Funk』
Electric Funk
録音年:1969年
ez的ジャンル:オルガン・ジャズ・ファンク
気分は... :王者の風格・・・

今回はソウル・ジャズ作品で人気のジャズ・オルガン奏者Jimmy McGriffの人気作『Electric Funk』(1969年)です。

ペンシルバニア出身のオルガン奏者Jimmy McGriff(1936-2008年)の紹介は『The Worm』(1968年)に続き2回目となります。

本作『Electric Funk』(1969年)は彼の作品の中でも今日最も人気の高い1枚かもしれませんね。

レコーディングにはJimmy McGriff(org)、Blue Mitchell(tp)、Stanley Turrentine(ts)、Horace Ott(el-p)、Chuck Rainey(b)、Bernard Purdie(ds)等のミュージシャンが参加しています。Horace Ottがアレンジも手掛けています。何といってもBernard Purdieの参加が本作の魅力を高めています。

そのPurdieのドラム・ブレイクが格好良すぎるレア・グルーヴ・クラシック「The Bird Wave」をはじめ、人気サンプリング・ソースにもなっている「Back on the Track」、BSTの名曲カヴァー「Spinning Wheel」、ギター・リフが印象的な「Chris Cross」、骨太のオルガン・ジャズ・ファンク「Spear for Moondog Part 1」、うねるベースラインに惹かれる「Miss Poopie」などレア・グルーヴ・ファンを虜にする演奏がズラリと並びます。

どの演奏でもリズム隊の格好良さに耳を奪われてしまいますね。Purdieのドラムに注目が集まりがちですが、Raineyのベースの存在感も相当なものです。そんなリズム隊に煽られるように、McGriffのオルガンもグルーヴィーに暴れまくります。Blue Mitchellのトランペット、Turrentineのサックスも要所でさすがのプレイを聴かせてくれます。

ジャケも含めてレア・グルーヴ名盤と呼ばれるに相応しい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Back on the Track」
Horace Ott作。哀愁モードのオープニング。Ottのエレピ、McGriffのオルガンの組み合わせの面白さを実感できるはずです。Purdieのドラムもさすがの存在感です。
https://www.youtube.com/watch?v=-0siemKxiqA

O.C.「Ma Dukes」、Walkin' Large「Reachin' (For My People)」、Wise Intelligent「Steady Slangin」、Finsta Bundy「Where Ya at Pt. 2」、Jazz Liberatorz「Music in My Mind (Part 2)」、Ten Typ Mes「Detoks」、Noname Gypsy and Kiara Lanier「Hold Me Up」のサンプリング・ソースになっています。サンプリング曲を聴くと本曲の魅力をより実感できるかもしれません。

O.C.「Ma Dukes」
 https://www.youtube.com/watch?v=QvP6jvfv2Nc
Walkin' Large「Reachin' (For My People)」
 https://www.youtube.com/watch?v=1WN87K37Cs0
Wise Intelligent「Steady Slangin」
 https://www.youtube.com/watch?v=qP1KGYt8mig
Finsta Bundy「Where Ya at Pt. 2」
 https://www.youtube.com/watch?v=d4B-RtaSN3w
Ten Typ Mes「Detoks」
 https://www.youtube.com/watch?v=xJXo4uYgFVQ
Noname Gypsy feat. Kiara Lanier「Hold Me Up」
https://www.youtube.com/watch?v=IvFc8th3EU8

「Chris Cross」
Horace Ott作。ギター・リフが印象的なオルガン・ジャズ・ファンク。抜群のリズム隊をバックに、McGriffのオルガン、Blue Mitchellのトランペット、Turrentineのサックスが快調なプレイを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Drs3AGXMQmw

Fritz Da Cat feat. Bassi Maestro & Cricca Dei Balordi「Microphone Check 1,2 What Is This」、Flame Griller and Chief Wigz「Starting Up」のサンプリング・ソースになっています。
Fritz Da Cat feat. Bassi Maestro & Cricca Dei Balordi「Microphone Check 1,2 What Is This」
 https://www.youtube.com/watch?v=V9P8wcwLODc
Flame Griller and Chief Wigz「Starting Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=L8T7PtWRUYE

「Miss Poopie」
Horace Ott作。RaineyとPurdieのリズム隊がサイコーに格好良いです!特にRaineyベースが演奏を牽引します。McGriffのグルーヴィーなオルガンも含めてかなり好きな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=TgJcDK83PE8

「The Bird Wave」
Jimmy McGriff作。本作のハイライトは冒頭のPurdieのドラム・ブレイクだけでKO状態です。本編も腹の奥まで響く重量感のあるオルガン・ジャズ・ファンクに仕上がっています。プレイヤー一人ひとりの存在感が半端ないです。レア・グルーヴ・クラシックの風格たっぷりの1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=IUALHlhnlVM

格好良いドラム・ブレイクはRed Cafe feat. Ryan Leslie and Rick Ross「Fly Together」、Gramatik「Spoiler Alert」 、J.R. & PH7 feat. Sean Price and Olivier Daysoul「Persuasion」、AFX「Oberheim Blacet1b」のサンプリング・ソースにもなっています。

Red Cafe feat. Ryan Leslie & Rick Ross「Fly Together」
 https://www.youtube.com/watch?v=_p8DT5jeoww
Gramatik「Spoiler Alert」
 https://www.youtube.com/watch?v=adSuUOUi3bo
J.R. & PH7 feat. Sean Price & Olivier Daysoul「Persuasion」
 https://www.youtube.com/watch?v=RK23K-sF-qs

「Spear for Moondog Part 1」
Jimmy McGriff作。余裕たっぷりのどっしりとした演奏にグッとくるオルガン・ジャズ・ファンク。ここでもRaineyの地を這うベースとPurdieのドラムの存在感は抜群ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=e1o-JtkpnFk

Busdriver「Along Came a Biter」のサンプリング・ソースになっています。
Busdriver「Along Came a Biter」
 https://www.youtube.com/watch?v=ckj_T85HifU

「Spear for Moondog Part 2」
Jimmy McGriff作。Part 2もPart 1同様にどっしりした演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=CfprkscISMU

「Tight Times」
Horace Ott作。Raineyのベースに牽引され、各プレイヤーのファンキーな演奏を楽しめます。Turrentineのサックス・ソロも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=9DKti_se3S4

「Spinning Wheel」
Blood, Sweat & Tearsの名曲カヴァー(David Clayton-Thomas作)。ブラス・ロックの名曲をファンキーにカヴァーしています。Blue Mitchellのトランペット、Turrentineのサックスに活躍して欲しい曲ですが、それに負けじとMcGriffのグルーヴィーなオルガンが冴えまくりです。
https://www.youtube.com/watch?v=Q_r6wb80Ci4

「Funky Junk」
Horace Ott作。ラストはPurdieのドラムが存在感を示すジャズ・ファンクで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aCuNPvROoQg

Jimmy McGriffの他作品もチェックを!

『The Worm』(1968年)
ザ・ワーム

『Groove Grease』(1971年)
Groove Grease

『Black and Blues』(1971年)
Black & Blues

『Soul Sugar』(1971年)
Soul Sugar

『Let's Stay Together』(1972年)
Lets Stay Together

『Fly Dude』(1972年)
Fly Dude

James McGriff & Groove Holmes『Giants of the Organ Come Together』(1973年)
Giants of the Organ Come Together

James McGriff & Groove Holmes『Giants of the Organ in Concert』(1974年)
Giants of the Organ in Concert

『The Main Squeeze』(1974年)
Main Squeeze

『Stump Juice』(1975年)
Stump Juice
posted by ez at 04:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月09日

The Ebonys『The Ebonys』

素敵な甘茶ソウル・バラードが目白押し!☆The Ebonys『The Ebonys』
Ebonys
発表年:1973年
ez的ジャンル:Gamble & Huff系甘茶ソウル
気分は... :バランスが大事!

今回はスウィートなソウル作品The Ebonys『The Ebonys』(1973年)です。

The Ebonysは1968年ニュージャージー州カムデンで結成されたソウル・グループ。

メンバーは紅一点のJenny HolmesDavid BeasleyJames TutenClarence Vaughanという4人組。

Gamble & HuffLeon Huffに見出されたグループは、1971年にPhiladelphia International Recordsからシングル「You're The Reason Why」でデビュー。同曲はR&Bチャート第10位のヒットとなりました。

1973年にはPIRから1stアルバムとなりる本作『The Ebonys』をリリースしています。同作からは「It's Forever」もR&Bチャート第14位のヒットとなっています。

その後、Buddah Recordsから2ndアルバム『Sing About Life』(1976年)をリリースしています。

本作『The Ebonys』は再評価の高い甘茶ソウル作品ですね。勿論、プロデュースはGamble & HuffKenneth Gamble/Leon Huff)です。

僕の場合、甘茶ソウルってオッサン臭さがビミョーで、作品によって好き/嫌いがハッキリしてしまうのですが、The Ebonysは女性メンバーがいることも含めて、僕にとっては聴きやすいのかもしれません。

その意味でリード・ヴォーカルのJames Tutenによる強力なバリトン・ヴォイスとファルセット・ヴォーカルや紅一点Jenny Holmesのコーラスのバランスが絶妙です。

「You're The Reason Why」「It's Forever」といったシングル・ヒット2曲や、同じくシングルになった「I'll Try」といったスウィート・バラードが魅力のアルバムです。

しかしながら、それだけに止まらないのが本作の再評価が高い所以だと思います。個人的にはダンサブルな「I'm So Glad I'm Me」、ヤングソウル的な「Nation Time」、メロウなミディアム「I Believe」あたりもお気に入りです。また、「Life In The Country」はサンプリング・ソースとして人気です。

CDには本編9曲に加え、4曲のボーナス・トラックが追加されている点でもお得感があります。特に、2ndシングル「Determination」、超オススメの爽快フィリー「Do You Like The Way I Love」の2曲を聴けるのが嬉しいですね。

たまに聴くなら、こんな甘茶でしょうか。

全曲紹介しときやす。

「Hook Up And Get Down」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。ゴツゴツ感のあるフィリー・ダンサーがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=Eab4gkRoGOk

「It's Forever」
Leon Huff作。前述のようにR&Bチャート第14位となった「You're The Reason Why」と並ぶグループの代表曲。情熱的なバリトン、ファルセット、スウィートなコーラスが織り成す甘茶ソウル名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=Kr3d-eGhvCo

Trey Songz feat. Twista「Gotta Make It」、Childish Gambino feat. Ghostface Killah「It May Be Glamour Life」のサンプリング・ソースとなっています。

「Life In The Country」
Phil Terry/T.G. Conway/Theodore Life作。この曲もシングルになりました。他の曲とかなり趣が異なります。哀愁モードのメロディが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=0UMDV_h6psg

Masta Killa「Love Spell」、Ali Vegas「Life in the City」、Serius Jones「Life in the City」 、Slaughterhouse「Life in the City」、J.R. Writer feat. Styles P & Vado「Life in the City」のサンプリング・ソースになっています。
Masta Killa「Love Spell」
 https://www.youtube.com/watch?v=zLH9ojZzdYo
Ali Vegas「Life in the City」
 https://www.youtube.com/watch?v=SA7XfAH-Sck
Serius Jones「Life in the City」
 https://www.youtube.com/watch?v=RIpmqo6axSI
Slaughterhouse「Life in the City」
 https://www.youtube.com/watch?v=_LEDAtXg-aU
J.R. Writer feat. Styles P & Vado「Life in the City」
 https://www.youtube.com/watch?v=tXahA0qkm1Q

「Sexy Ways」
Cary Gilbert/Kenneth Gamble/Leon Huff作。バリトン・ヴォーカルの魅力を活かしたダンサブルな仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=wjYSlHkfL-s

「I'm So Glad I'm Me」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。Thom Bellのアレンジが冴えるダンサブル・チューン。同じダンサブルな曲でも男臭い「Sexy Ways」よりも、華のある本曲の方が僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=h8uZBgMRBcI

「I'll Try」
Leon Huff/Gene McFadden/John Whitehead作。McFadden & Whiteheadもソングライティングに参加したバラード。メロウな魅力に溢れた僕好みのバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=RYB8auLr2V4

「Nation Time」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。当ブログではThe Voices Of East Harlemヴァージョンも紹介済みです。ヤングソウル的な躍動感が魅力です。この曲大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=gYgByQnjTFs

「I Believe」
Al Stillman/Ervin Drake/Irvin Graham/Jimmy Shirl作。この曲もシングルになりました。パーカッシヴなリズムやオルガンが印象的なメロウなミディアム・バラード。Ron Bakerがアレンジを手掛けています。個人的には王道バラードより、サウンドに少しアクセントのあるこういった曲の方が聴きやすいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-nTyzrURm-0

「You're The Reason Why」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。前述のように彼らのデビュー・ヒット。Thom Bellがアレンジを手掛けた本曲の完成度は抜群ですね。ここでもバリトン、ファルセット、それにJennyの女性コーラスの絡みが完璧な甘茶ソウル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=fTBcX-97gKE

Amerie「Why Don't We Fall in Love (Richcraft Remix)」、Step Brothers「Swimteam Rastas」、OXYxMoron「Slow Down」のサンプリング・ソースとなっています。
Amerie「Why Don't We Fall in Love (Richcraft Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=2bS65Hc8plw

CDにはボーナス・トラックとして、「Do You Like The Way I Love」「Determination」「Do It (Mono Version)」「It's Forever (Single Version)」の4曲が追加収録されています。個人的には「Do You Like The Way I Love」とグループの2ndシングルにもなった「Determination」がオススメ。特に爽快フィリーの「Do You Like The Way I Love」はかなりのお気に入りです。

「Do You Like The Way I Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=HBkSZ5XlTSw
「Determination」
 https://www.youtube.com/watch?v=_X6sMfStt08

『Sing About Life』(1976年)
シング・アバウト・ライフ(SING ABOUT LIFE) 帯ライナー付直輸入盤
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2015年11月08日

Seven Davis Jr.『Universes』

ブラックネスな魅力に溢れた新世代アーティストの満を持してのフル・アルバム☆Seven Davis Jr.『Universes』
Universes [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN224)
発表年:2015年
ez的ジャンル:ハウス系新世代ブラック・ミュージック
気分は... :黒さ増し増し...

今回は新作アルバムからSeven Davis Jr.『Universes』です。

Seven Davis Jr.はテキサス州ヒューストン出身のシンガー/プロデューサー/ソングライター。

Prince殿下、Aretha FranklinStevie WonderMichael Jackson等から影響を受けながら、トラック制作のスキルを磨いてきました。

Gilles Peterson主宰のBrownswoodからリリースされ、L.A.ビート・ミュージックの重要人物Kutmahがコンパイルした『Worldwide Family Vol. 2』収録の「Thanks」でデビューします。

そして、Ninja Tuneと電撃契約し、完成させたフル・アルバムが本作『Universes』です。

あえてジャンル分けすれば、ハウス作品になるのでしょうが(僕自身もハウスの売場で購入しました)、中身はジャンル分け無用の新世代ブラック・ミュージックといったサウンドで、R&B/ソウル、ディスコ/ブギー、ゴスペル、ジャズ、ロック、L.A.ビート・ミュージック等を呑み込んだハウス/クラブミュージックに仕上がっています。

ゲストとして、前述のKutmah、UKブリストル出身のハウス・プロデューサーJulio Bashmore、チリ生まれ、ロンドンを拠点とするプロデューサーfLakoが参加しています。

シングルにもなった黒さ増し増しの「Sunday Morning」、ベース・ミュージック経由のテック・ハウス「Good Vibes」、アフロ・ハウスな「Be A Man」、P-Funk的ブギー・チューン「No Worries」あたりが僕のお気に入りです。

ブラック・ミュージック好きの人は要注目のアーティストだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Imagination」
妖しくダークなアトモスフィック感に包まれたオープニング。短い尺ながらもL.A.インディR&BやL.A.ビート・ミュージックとの繋がりも感じさせます。
https://www.youtube.com/watch?v=iN3ByFJip38

「Freedom」
カラフルな音色とブロークンビーツ的な攻撃的ビートで一気に駆け抜けていきます。万華鏡に吸い込まれていくような感覚の疾走感が心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dsdk-bg6nsU

「Sunday Morning」
アルバムからの先行シングルにもなったブラックネスに溢れたファンキー・ハウス。キャッチーかつ妖しい雰囲気がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=fPt4jNYn2uc

「Everybody Too Cool」
ロッキン・ビートでグイグイ攻めます。彼のキャッチーな音楽センスを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=9peaPUNZnZk

「Good Vibes」
UKブリストル出身のハウス・プロデューサーJulio Bashmoreをフィーチャー。Julio Bashmore参加らしいベース・ミュージックを通過したテック・ハウスが実にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=znt-pde6Cik

「Be A Man」
チリ生まれ、ロンドンを拠点とするプロデューサーfLakoをフィーチャー。クラブジャズ的なベースラインに続くアフロ・ハウス的な展開が僕好みの仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=pmZ6dbkIcJQ

「Fighters」
変則ビートに感動的コーラスワークを重ねたブラック・ミュージックらしい仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=iT69QkXfP2E

「Afterlife」
L.A.ビート・ミュージックの重要人物Kutmahをフィーチャー。L.A.ビート・ミュージックとソウルが融合した哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=oE9_C7PwLHU

「No Worries」
Seven Davis Jr.流ブギー・チューン。P-Funk的なユルさがあるのもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6MijyDtylGo

「Welcome Back」
Seven Davis Jr.のダークなブラック・ミュージック・ワールドを堪能できます。本編に続き、ビート・ミュージック的なアッパー・チューンが隠れトラックで収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=K_U9TJY3F_0

ご興味がある方は、今年当ブログで紹介したNinja Tuneからの新作アルバムもチェックを!

Machinedrum『Vapor City Archives』(2014年)
Vapor City Archives [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN215)

Beat Spacek『Modern Streets』(2015年)
Modern Streets [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN206)
posted by ez at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする