発表年:1973年
ez的ジャンル:Gamble & Huff系甘茶ソウル
気分は... :バランスが大事!
今回はスウィートなソウル作品The Ebonys『The Ebonys』(1973年)です。
The Ebonysは1968年ニュージャージー州カムデンで結成されたソウル・グループ。
メンバーは紅一点のJenny HolmesにDavid Beasley、James Tuten、Clarence Vaughanという4人組。
Gamble & HuffのLeon Huffに見出されたグループは、1971年にPhiladelphia International Recordsからシングル「You're The Reason Why」でデビュー。同曲はR&Bチャート第10位のヒットとなりました。
1973年にはPIRから1stアルバムとなりる本作『The Ebonys』をリリースしています。同作からは「It's Forever」もR&Bチャート第14位のヒットとなっています。
その後、Buddah Recordsから2ndアルバム『Sing About Life』(1976年)をリリースしています。
本作『The Ebonys』は再評価の高い甘茶ソウル作品ですね。勿論、プロデュースはGamble & Huff(Kenneth Gamble/Leon Huff)です。
僕の場合、甘茶ソウルってオッサン臭さがビミョーで、作品によって好き/嫌いがハッキリしてしまうのですが、The Ebonysは女性メンバーがいることも含めて、僕にとっては聴きやすいのかもしれません。
その意味でリード・ヴォーカルのJames Tutenによる強力なバリトン・ヴォイスとファルセット・ヴォーカルや紅一点Jenny Holmesのコーラスのバランスが絶妙です。
「You're The Reason Why」、「It's Forever」といったシングル・ヒット2曲や、同じくシングルになった「I'll Try」といったスウィート・バラードが魅力のアルバムです。
しかしながら、それだけに止まらないのが本作の再評価が高い所以だと思います。個人的にはダンサブルな「I'm So Glad I'm Me」、ヤングソウル的な「Nation Time」、メロウなミディアム「I Believe」あたりもお気に入りです。また、「Life In The Country」はサンプリング・ソースとして人気です。
CDには本編9曲に加え、4曲のボーナス・トラックが追加されている点でもお得感があります。特に、2ndシングル「Determination」、超オススメの爽快フィリー「Do You Like The Way I Love」の2曲を聴けるのが嬉しいですね。
たまに聴くなら、こんな甘茶でしょうか。
全曲紹介しときやす。
「Hook Up And Get Down」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。ゴツゴツ感のあるフィリー・ダンサーがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=Eab4gkRoGOk
「It's Forever」
Leon Huff作。前述のようにR&Bチャート第14位となった「You're The Reason Why」と並ぶグループの代表曲。情熱的なバリトン、ファルセット、スウィートなコーラスが織り成す甘茶ソウル名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=Kr3d-eGhvCo
Trey Songz feat. Twista「Gotta Make It」、Childish Gambino feat. Ghostface Killah「It May Be Glamour Life」のサンプリング・ソースとなっています。
「Life In The Country」
Phil Terry/T.G. Conway/Theodore Life作。この曲もシングルになりました。他の曲とかなり趣が異なります。哀愁モードのメロディが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=0UMDV_h6psg
Masta Killa「Love Spell」、Ali Vegas「Life in the City」、Serius Jones「Life in the City」 、Slaughterhouse「Life in the City」、J.R. Writer feat. Styles P & Vado「Life in the City」のサンプリング・ソースになっています。
Masta Killa「Love Spell」
https://www.youtube.com/watch?v=zLH9ojZzdYo
Ali Vegas「Life in the City」
https://www.youtube.com/watch?v=SA7XfAH-Sck
Serius Jones「Life in the City」
https://www.youtube.com/watch?v=RIpmqo6axSI
Slaughterhouse「Life in the City」
https://www.youtube.com/watch?v=_LEDAtXg-aU
J.R. Writer feat. Styles P & Vado「Life in the City」
https://www.youtube.com/watch?v=tXahA0qkm1Q
「Sexy Ways」
Cary Gilbert/Kenneth Gamble/Leon Huff作。バリトン・ヴォーカルの魅力を活かしたダンサブルな仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=wjYSlHkfL-s
「I'm So Glad I'm Me」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。Thom Bellのアレンジが冴えるダンサブル・チューン。同じダンサブルな曲でも男臭い「Sexy Ways」よりも、華のある本曲の方が僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=h8uZBgMRBcI
「I'll Try」
Leon Huff/Gene McFadden/John Whitehead作。McFadden & Whiteheadもソングライティングに参加したバラード。メロウな魅力に溢れた僕好みのバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=RYB8auLr2V4
「Nation Time」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。当ブログではThe Voices Of East Harlemヴァージョンも紹介済みです。ヤングソウル的な躍動感が魅力です。この曲大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=gYgByQnjTFs
「I Believe」
Al Stillman/Ervin Drake/Irvin Graham/Jimmy Shirl作。この曲もシングルになりました。パーカッシヴなリズムやオルガンが印象的なメロウなミディアム・バラード。Ron Bakerがアレンジを手掛けています。個人的には王道バラードより、サウンドに少しアクセントのあるこういった曲の方が聴きやすいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-nTyzrURm-0
「You're The Reason Why」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。前述のように彼らのデビュー・ヒット。Thom Bellがアレンジを手掛けた本曲の完成度は抜群ですね。ここでもバリトン、ファルセット、それにJennyの女性コーラスの絡みが完璧な甘茶ソウル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=fTBcX-97gKE
Amerie「Why Don't We Fall in Love (Richcraft Remix)」、Step Brothers「Swimteam Rastas」、OXYxMoron「Slow Down」のサンプリング・ソースとなっています。
Amerie「Why Don't We Fall in Love (Richcraft Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=2bS65Hc8plw
CDにはボーナス・トラックとして、「Do You Like The Way I Love」、「Determination」、「Do It (Mono Version)」、「It's Forever (Single Version)」の4曲が追加収録されています。個人的には「Do You Like The Way I Love」とグループの2ndシングルにもなった「Determination」がオススメ。特に爽快フィリーの「Do You Like The Way I Love」はかなりのお気に入りです。
「Do You Like The Way I Love」
https://www.youtube.com/watch?v=HBkSZ5XlTSw
「Determination」
https://www.youtube.com/watch?v=_X6sMfStt08
『Sing About Life』(1976年)