録音年:1969年
ez的ジャンル:オルガン・ジャズ・ファンク
気分は... :王者の風格・・・
今回はソウル・ジャズ作品で人気のジャズ・オルガン奏者Jimmy McGriffの人気作『Electric Funk』(1969年)です。
ペンシルバニア出身のオルガン奏者Jimmy McGriff(1936-2008年)の紹介は『The Worm』(1968年)に続き2回目となります。
本作『Electric Funk』(1969年)は彼の作品の中でも今日最も人気の高い1枚かもしれませんね。
レコーディングにはJimmy McGriff(org)、Blue Mitchell(tp)、Stanley Turrentine(ts)、Horace Ott(el-p)、Chuck Rainey(b)、Bernard Purdie(ds)等のミュージシャンが参加しています。Horace Ottがアレンジも手掛けています。何といってもBernard Purdieの参加が本作の魅力を高めています。
そのPurdieのドラム・ブレイクが格好良すぎるレア・グルーヴ・クラシック「The Bird Wave」をはじめ、人気サンプリング・ソースにもなっている「Back on the Track」、BSTの名曲カヴァー「Spinning Wheel」、ギター・リフが印象的な「Chris Cross」、骨太のオルガン・ジャズ・ファンク「Spear for Moondog Part 1」、うねるベースラインに惹かれる「Miss Poopie」などレア・グルーヴ・ファンを虜にする演奏がズラリと並びます。
どの演奏でもリズム隊の格好良さに耳を奪われてしまいますね。Purdieのドラムに注目が集まりがちですが、Raineyのベースの存在感も相当なものです。そんなリズム隊に煽られるように、McGriffのオルガンもグルーヴィーに暴れまくります。Blue Mitchellのトランペット、Turrentineのサックスも要所でさすがのプレイを聴かせてくれます。
ジャケも含めてレア・グルーヴ名盤と呼ばれるに相応しい1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Back on the Track」
Horace Ott作。哀愁モードのオープニング。Ottのエレピ、McGriffのオルガンの組み合わせの面白さを実感できるはずです。Purdieのドラムもさすがの存在感です。
https://www.youtube.com/watch?v=-0siemKxiqA
O.C.「Ma Dukes」、Walkin' Large「Reachin' (For My People)」、Wise Intelligent「Steady Slangin」、Finsta Bundy「Where Ya at Pt. 2」、Jazz Liberatorz「Music in My Mind (Part 2)」、Ten Typ Mes「Detoks」、Noname Gypsy and Kiara Lanier「Hold Me Up」のサンプリング・ソースになっています。サンプリング曲を聴くと本曲の魅力をより実感できるかもしれません。
O.C.「Ma Dukes」
https://www.youtube.com/watch?v=QvP6jvfv2Nc
Walkin' Large「Reachin' (For My People)」
https://www.youtube.com/watch?v=1WN87K37Cs0
Wise Intelligent「Steady Slangin」
https://www.youtube.com/watch?v=qP1KGYt8mig
Finsta Bundy「Where Ya at Pt. 2」
https://www.youtube.com/watch?v=d4B-RtaSN3w
Ten Typ Mes「Detoks」
https://www.youtube.com/watch?v=xJXo4uYgFVQ
Noname Gypsy feat. Kiara Lanier「Hold Me Up」
https://www.youtube.com/watch?v=IvFc8th3EU8
「Chris Cross」
Horace Ott作。ギター・リフが印象的なオルガン・ジャズ・ファンク。抜群のリズム隊をバックに、McGriffのオルガン、Blue Mitchellのトランペット、Turrentineのサックスが快調なプレイを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Drs3AGXMQmw
Fritz Da Cat feat. Bassi Maestro & Cricca Dei Balordi「Microphone Check 1,2 What Is This」、Flame Griller and Chief Wigz「Starting Up」のサンプリング・ソースになっています。
Fritz Da Cat feat. Bassi Maestro & Cricca Dei Balordi「Microphone Check 1,2 What Is This」
https://www.youtube.com/watch?v=V9P8wcwLODc
Flame Griller and Chief Wigz「Starting Up」
https://www.youtube.com/watch?v=L8T7PtWRUYE
「Miss Poopie」
Horace Ott作。RaineyとPurdieのリズム隊がサイコーに格好良いです!特にRaineyベースが演奏を牽引します。McGriffのグルーヴィーなオルガンも含めてかなり好きな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=TgJcDK83PE8
「The Bird Wave」
Jimmy McGriff作。本作のハイライトは冒頭のPurdieのドラム・ブレイクだけでKO状態です。本編も腹の奥まで響く重量感のあるオルガン・ジャズ・ファンクに仕上がっています。プレイヤー一人ひとりの存在感が半端ないです。レア・グルーヴ・クラシックの風格たっぷりの1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=IUALHlhnlVM
格好良いドラム・ブレイクはRed Cafe feat. Ryan Leslie and Rick Ross「Fly Together」、Gramatik「Spoiler Alert」 、J.R. & PH7 feat. Sean Price and Olivier Daysoul「Persuasion」、AFX「Oberheim Blacet1b」のサンプリング・ソースにもなっています。
Red Cafe feat. Ryan Leslie & Rick Ross「Fly Together」
https://www.youtube.com/watch?v=_p8DT5jeoww
Gramatik「Spoiler Alert」
https://www.youtube.com/watch?v=adSuUOUi3bo
J.R. & PH7 feat. Sean Price & Olivier Daysoul「Persuasion」
https://www.youtube.com/watch?v=RK23K-sF-qs
「Spear for Moondog Part 1」
Jimmy McGriff作。余裕たっぷりのどっしりとした演奏にグッとくるオルガン・ジャズ・ファンク。ここでもRaineyの地を這うベースとPurdieのドラムの存在感は抜群ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=e1o-JtkpnFk
Busdriver「Along Came a Biter」のサンプリング・ソースになっています。
Busdriver「Along Came a Biter」
https://www.youtube.com/watch?v=ckj_T85HifU
「Spear for Moondog Part 2」
Jimmy McGriff作。Part 2もPart 1同様にどっしりした演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=CfprkscISMU
「Tight Times」
Horace Ott作。Raineyのベースに牽引され、各プレイヤーのファンキーな演奏を楽しめます。Turrentineのサックス・ソロも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=9DKti_se3S4
「Spinning Wheel」
Blood, Sweat & Tearsの名曲カヴァー(David Clayton-Thomas作)。ブラス・ロックの名曲をファンキーにカヴァーしています。Blue Mitchellのトランペット、Turrentineのサックスに活躍して欲しい曲ですが、それに負けじとMcGriffのグルーヴィーなオルガンが冴えまくりです。
https://www.youtube.com/watch?v=Q_r6wb80Ci4
「Funky Junk」
Horace Ott作。ラストはPurdieのドラムが存在感を示すジャズ・ファンクで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aCuNPvROoQg
Jimmy McGriffの他作品もチェックを!
『The Worm』(1968年)
『Groove Grease』(1971年)
『Black and Blues』(1971年)
『Soul Sugar』(1971年)
『Let's Stay Together』(1972年)
『Fly Dude』(1972年)
James McGriff & Groove Holmes『Giants of the Organ Come Together』(1973年)
James McGriff & Groove Holmes『Giants of the Organ in Concert』(1974年)
『The Main Squeeze』(1974年)
『Stump Juice』(1975年)