2015年12月26日

The Baker Brothers『Bakers Dozen』

Vanessa Freemanを大きくフィーチャーしたUKジャズ・ファンク作品☆The Baker Brothers『Bakers Dozen』
Bakers Dozen
発表年:2006年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク
気分は... :放心状態・・・

嵐のような1週間が過ぎ去り、少し放心状態・・・この土日は何もしたくない気分。まだまだ年内にやることが残っているので、そんなことはできないのですが。

今は少し野性味のあるファンク・サウンドが聴きたい気分!
セレクトしたのはThe Baker Brothers『Bakers Dozen』(2006年)です。

UKジャズ・ファンクの人気バンドThe Baker Brothersに関して、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Transition Transmission』(2008年)
 『Avid Sounds』(2009年)
 『Time To Testify』(2011年)

『Time To Testify』(2011年)でメンバー・チェンジがあり、かなりバンドが様変わりしてしまいましたが、個人的にはDan Baker(g、key、org)とRich Baker(ds)のBaker兄弟と友人のChris Pedley(g、b)というオリジナルのトリオ編成の作品こそがThe Baker Brothersという印象ですね。

したがって、最新スタジオ作『Hear No Evil』(2014年)は、僕の中では少し違い気がしてパスしてしまいました。

僕の中では『Transition Transmission』(2008年)がグループの頂点であった印象を受けるのですが、本作『Bakers Dozen』(2006年)は『Transition Transmission』の1作前のスタジオ作となります。

本作の最大の特徴は、全12曲8曲がヴォーカル曲になっている点です。特に売れっ子女性セッション・シンガーVanessa Freemanが5曲でフィーチャーされているのが印象的です。彼女の参加でアルバム全体のソウル度が増しています。

ただし、ヴォーカル曲に依存しすぎずに、強力なインスト・チューンとヴォーカル曲のバランスが上手くとれている印象を受けます。その意味でアルバム全体のメリハリがいい感じです。

オリジナル・メンバーのThe Baker Brothersの魅力を再確認できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Peace Of Mind」
ライヴ盤『In With the Out-Crowd』にも収録されていた楽曲のスタジオ録音ヴァージョン。ライヴの熱気をそのままスタジオに持ち込んだようなファンキー・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=zKhlS6U6ChE

「All Baked Out」
この曲もライヴ盤『In With the Out-Crowd』収録曲のスタジオ録音ヴァージョン。ダイナミックかつ疾走感のある演奏が格好良すぎるインスト・チューン。インストではコレが一番好き!Rich Bakerによるブレイクもキマっています。

「Fantasy」
Vanessa Freemanをフィーチャーした1曲目。Vanessa Freemanのソウルフル・ヴォーカルにグループの新たな側面を引き出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=1rVwZFm1a40

「Hold On」
この曲ではメンバー自身がヴォーカルを務めています。ヴォーカルが入ることで前のめりになりすぎない余裕のある演奏を楽しめます。

「Ponky Wockett's Revenge」
インスト・バンドとしてのBaker Brothersの魅力を満喫できるファンク・グルーヴ。このバンドの洗練されたワイルド感を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=eAX8F7uZwHM

「What You Do Is Right」
Vanessa Freemanをフィーチャーした2曲目。ノリのいいファンク・グルーヴをバックに、Vanessaのキュートなヴォーカルが躍動します。

「Walk Into My World」
Vanessa Freemanをフィーチャーした3曲目。シングルにもなったミディアム・グルーヴ。Vanessaのヴォーカルやサックスも加わった華のある1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ng1weE94rDQ

「Tighten Up」
タイトルだけみると、アノ有名曲のカヴァーかと思いきやオリジナルでした(笑)。メンバー自身がヴォーカルを務めるファンキー・チューン。

「Keepin' Together」
ホーン隊を効果的に配したインスト・チューン。

「Don't Turn Your Back On Me」
ライヴ盤『In With the Out-Crowd』にも収録されていた楽曲のスタジオ録音ヴァージョン。『In With the Out-Crowd』と同じくNathan Johnsonのラップをフィーチャーしています。

「Aware Of Reality」
Vanessa Freemanをフィーチャーした4曲目。Vanessaのしっとりとしたヴォーカルを聴かせるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=7Btow2uuORA

「Winding Rhythm」
Vanessa Freemanをフィーチャーした5曲目。ラテン・フレイヴァーの効いた小粋なフィーリングがいい感じです。

「Spental」
Dan Bakerの鍵盤が印象的なインスト・チューンで締め括ってくれます。

The Baker Brothersの他作品もチェックを!

『Ten Paces』(2003年)
テン・ペイシス

『In With the Out-Crowd』(2005年)
イン・ウィズ・ジ・アウト・クラウド

『Hot Cakes: Live In Japan』(2007年)
ホット・ケイクス:ライヴ・イン・ジャパン

『Transition Transmission』(2008年)
トランジション・トランスミッション

『Avid Sounds』(2009年)
アヴィッド・サウンズ

『Time To Testify』(2011年)
TIME TO TESTIFY

『Hear No Evil』(2014年)
ヒア・ノー・イーヴル
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2015年12月24日

Gretchen Parlato『The Gretchen Parlato Supreme Collection』

日本独自企画によるGretchenのコンピ盤☆Gretchen Parlato『The Gretchen Parlato Supreme Collection』
ザ・グレッチェン・パーラト シュプリーム・コレクション
発表年:2015年
ez的ジャンル:今ジャズ系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :イヴはGretchenの歌声と共に・・・

クリスマス・イヴに紹介する1枚は、今ジャズの歌姫Gretchen Parlatoの日本独自企画コンピCD『The Gretchen Parlato Supreme Collection』です。

L.A.出身で現在はN.Y.を拠点に活躍する女性ジャズ・シンガーGretchen Parlatoの紹介は、彼女の名を一躍有名にした3rdアルバム『The Lost And Found』(2011年)、2ndアルバム『In a Dream』(2009年)に続き3回目となります。

僕自身はオリジナル・アルバム重視の嗜好が強いので、こうしたコンピ盤は本来好きではないのですが、本作『The Gretchen Parlato Supreme Collection』は客演した楽曲も含めて9曲は日本初CD化曲という点で貴重な1枚であるため、購入した次第です。

コンパイルしたのは渡辺 亨 氏。アルバムは『Gretchen Parlato』(2005年)、『In a Dream』(2009年)、『The Lost And Found』(2011年)、『Live In NYC』(2013年)というオリジナル・アルバムから7曲。他アーティスト作品への客演曲が9曲という構成です。

僕自身がベスト盤をセレクトすれば、多小違った構成になったかもしれませんが、Gretchen Parlatoというジャズ・ヴォーカリストの魅力を存分に楽しめるグッド・セレクションだと思います。

決して、声量・声域に恵まれた圧倒的な歌唱力を持つわけではないGretchen Parlatoが、なぜ今ジャズの歌姫として脚光を浴びるのかが、本作を聴けばよく分かると思います。

こんな素敵な女性ジャズ・ヴォーカルを聴きながら、イヴを過ごすのもいいのでは

全曲紹介しときやす。

「All That I Can Say」
『The Lost And Found』収録曲。オープニングを飾るのはMary J. Bligeのヒット曲(Lauryn Hill作)のジャズ・カヴァー。僕とGretchenの出会いとなった曲でもあり、鮮烈な印象を与えてくれました。今振り返ると、Taylor Eigsti(p)、Derrick Hodge(b)、Kendrick Scott(ds)というバックも強力ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4l_WLAPeh10
『The Lost And Found』(2011年)
Lost & Found

「You've Got a Friend」
Jesse Fischer & Soul Cycle『Homebrew』収録曲。Carole Kingの名曲をカヴァー。Jesse Fischer & Soul Cycleはブルックリンを拠点に活動するキーボード奏者Jesse Fischerを中心としたユニット。リラックスした中にも随所にGretchenらしさを感じられる好カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=INLX-aAuhgg
Jesse Fischer & Soul Cycle『Homebrew』(2011年)
Homebrew

「I Can't Help It」
『In a Dream』収録曲。Michael Jacksonの人気曲をカヴァー(Stevie Wonder/Susaye Coton Greene作)。Thelonious Monk Institute of Jazz時代の同期である天才ギタリストLionel Louekeのヴォーカル&ギターが寄り添います。Gretchenとの親交も深いJTNCの重要アーティストEsperanza Spalding『Radio Music Society』で本曲をカヴァーしているので聴き比べるのも楽しいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=D69aT-IFelQ
『In a Dream』(2009年)
In a Dream

「Circling」
『The Lost And Found』収録曲(Gretchen Parlato作)。Taylor Eigstiによるフェンダー・ローズのメロウな響きとGretchenのウィスパー・ヴォーカルがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=vftbRCwFriI
『The Lost And Found』(2011年)
Lost & Found

「Eu E O Meu Amor/Lamento No Morro」
Nilson Matta『Black Orpheus』収録曲。ブラジル人ジャズ・ベーシストのアルバムへの客演。Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作品のメドレーです。やはり、Gretchenのウィスパー・ヴォーカルにはブラジル音楽がよく似合います。
Nilson Matta『Black Orpheus』(2013年)
Nilson Matta's Black Orpheus

「Ela E Carioca」
『Gretchen Parlato』収録曲。Antonio Carlos Jobimのボサノヴァ名曲をカヴァー。Massimo Biolcati(b)、Lionel Loueke(g、vo)というGilfemaメンバーらがバックを務めます。Gretchenのヴォーカルと演奏が一体化しているのがいいですね。
『Gretchen Parlato』(2005年)
Gretchen Parlato

「Imagina」
Marcel Camargo & The Brazil You Never Heard『Behind Jobim』収録曲。L.A.を拠点とするブラジル人ギタリストのアルバムへの客演。美しい弦楽をバックに配し、Antonio Carlos Jobim/Chico Buarque作品をカヴァーしています。本作の中では少し異色かもしれません。
Marcel Camargo & The Brazil You Never Heard『Behind Jobim』(2014年)
Behind Jobim

「Skylark」
『Gretchen Parlato』収録曲。Johnny Mercer/Hoagy Carmichael作のスタンダードをカヴァー。Massimo Biolcati(b)、Lionel Loueke(g)、Aaron Parks(p)らをバックに、Gretchenのプリミティブな魅力が伝わってきます。
『Gretchen Parlato』(2005年)
Gretchen Parlato

「Weak (live)」
『Live In NYC』収録曲。SWVの全米No.1ヒットのカヴァー(Brian Alexander Morgan作)。スタジオ録音ヴァージョンは『In a Dream』に収録されています。Kendrick Scottが今ジャズらしいドラミングで盛り上げてくれます。こうした90年代R&Bヒットを完全に自分のモノにしてしまうあたりがGretchenの真髄だと思います。
『Live In NYC』(2013年)
ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ【CD+DVD】(仮)

「But Beautiful」
Dayna Stephen『The Nepenthetic Place』収録曲。USジャズ・サックス奏者のリーダー作への客演。Jimmy Van Heusen,/Johnny Burke作のスタンダードのカヴァーです。哀愁感の漂うスタンダード・カヴァー然としたバラードです。Taylor Eigstiの美しいピアノも印象的です。
Dayna Stephen『The Nepenthetic Place』(2013年)
That Nepenthetic Place [輸入盤]

「This One Is for You」
Mark Guiliana『My Life Starts Now』収録。今ジャズを代表する新進ドラマー
Mark GuilianaとGretchenって夫婦だったんですね。本作のライナーノーツを読み、初めて知りました。本曲はトイピアノを交えた幻想的なメロウ・サウンドをバックにGretchenのスキャットが浮遊するサウンドスケープ的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=psYyVqvIyRQ
Mark Guiliana『My Life Starts Now』(2014年)
My Life Starts Now[日本語解説付]

「You Got The Love (DJ OBaH Rollerskate Remix)」
DJ Center『Everything in Time Remixed』(2011年)収録曲。Rufus Featuring Chaka Khanのカヴァー(Chaka Khan/)、Ray Parker, Jr.作)。オリジナルは『Rags To Rufus』(1974年)に収録されています。ここではジャジー・ハウスなリミックスがセレクトされています。Gretchenのヴォーカルが新たな解釈を加えた秀逸カヴァーに仕上がっています。クラブ仕様のサウンドが加わり、さらなるケミストリーを起こしている点が興味深いです。

「Moon River」
Andy Milne + Gregoire Maret『Scenarios』収録。ピアニストとハーモニカ奏者の共演アルバムでJohnny Mercer/Henry Mancini作の名曲を先鋭的な雰囲気のカヴァーで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Lk5V-B4X-do
Andy Milne + Gregoire Maret『Scenarios』(2007年)
シナリオス

「Send One Your Love」
New West Guitar Group『Send One Your Love』収録曲。USギター・トリオのStevie Wonderカヴァーに客演。3人のギタリストのギターの音色がGretchenのヴォーカルにより、より鮮やかな色合いになっています。
New West Guitar Group『Send One Your Love』(2015年)
センド・ワン・ユア・ラヴ

「Journey」
Kendrick Scott Oracle『The Source』収録曲。今ジャズを代表するドラマーの一人であるKendrick Scottのリーダー作への客演(Gretchen Parlato/Kendrick Scott作)。少し幻想的な雰囲気の漂うビューティフル・バラードです。
Kendrick Scott Oracle『The Source』(2007年)
Source

「Juju/Footprints」
『Gretchen Parlato』収録曲。Wayne Shorter作品に歌詞をつけてカヴァー。「Juju」は『The Lost And Found』でも再録しています。スタジオ録音作では毎回Wayne Shorter作品を取り上げているGretchenですが、ここではLionel Louekeのギターとの抜群のコンビネーションを聴かせてくれます。
『Gretchen Parlato』(2005年)
Gretchen Parlato

本作を入口にオリジナル・アルバムも聴いてみてください。
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2015年12月23日

Giulio Camarca & Trinidad『Samba Do Amigo』

イタリア人ギタリストによるブラジリアン作品☆Giulio Camarca & Trinidad『Samba Do Amigo』
サンバ・ド・アミーゴ
発表年:1978年
ez的ジャンル:イタリアン・ブラジリアン
気分は... :ここを乗り越えれば楽しい明日が・・・

クリスマス・イヴ前夜の祝日だというのに、仕事の納期に追われまくり、ヘロヘロ状態です。

仕事の目途をつけないといけないし、プレゼントも買えていないし・・・かなりマズイ状況かも?

こんな時にはブラジル音楽で少し癒されたい気分・・・

今回はイタリアン・ブラジリアン作品からGiulio Camarca & Trinidad『Samba Do Amigo』(1978年)です。

Giulio Camarcaは1941年生まれのイタリア人ギタリスト。

ジャズ・ロック・グループGialma 3のメンバーとして、アルバム『Rain's Dream』(1976年)もリリースしています。

それに対して、本作『Samba Do Amigo』は、キュートな女性コーラス隊を伴ったブラジル音楽のエッセンスを全面に打ち出した作品に仕上がっています。セルメンやラウンジ・ボッサ好きの人がグッとくる演奏が並びます。Baden Powellあたりから多大な影響を受けたであろう主役Giulioの素晴らしいギターも魅力的です。

そんな本作らしい魅力を楽しめるのが「Saudade Do Rio」「Manha」の2曲だと思います。それ以外にBaden Powell作のアフロ・サンバ名曲「Berimbau」をカヴァー「Birimbao」にも注目です。

リオの夕陽が写るジャケも素敵ですね。

全曲紹介しときやす。

「Birimbao」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作のアフロ・サンバ名曲「Berimbau」をカヴァー。本曲は女性コーラスなしのインスト・カヴァーになっています。Baden Powellから影響を受けているのでしょうね。パーカッション乱れ打ちの後半が特に盛り上がります。
https://www.youtube.com/watch?v=SKLuP3ueIdg

本曲について、当ブログではLennie DaleDiane Denoir/Eduardo MateoAgustin Pereyra LucenaSambalanco TrioNara LeaoFelicidade A BrasilGary McFarlandKenny RankinLe Trio CamaraTrio 3DWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca のカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。

「Samba Do Amigo」
タイトル曲はキュートな女性コーラスを配した軽快なサンバ・グルーヴ。リズミカルな哀愁モードが実にいいですね。Giulioのギターにもグッときます。

「Jalma」
キュートな女性コーラスの魅力を前面に出したソフト・ボッサ。ロマンティックな雰囲気の合間に、Giulioの小粋なギターが入りメリハリをつけています。

「Manha」
セルメン好き、ラウンジ・ポップ好きの人はグッとくる1曲。キュートな女性コーラスが栄える「Saudade Do Rio」と並ぶ本作のハイライト的な1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=yyM1U7hQUfk

「Sem Voce」
マイナー調メロディが心にしみる哀愁サンバ・グルーヴ。

「Saudade Do Rio」
個人的には本作のハイライト。キュートな女性コーラスにグッとくる正にサウダージなメロウ・ボッサ。Giulioの魅惑のギターも存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=13nixPfh_qs

「Trans Amazonica (Parte 1)」
タイトルの通り、アマゾンをテーマにした壮大なインスト・チューン。Giulioのプログレ/ジャズ・ロックな側面を聴くことができます。

「Gujamara」
哀愁モードのギターと女性コーラスが織り成す幻想的な1曲。

「Trans Amazonica (Parte 2)」
「Trans Amazonica」のパート2。プログレ/ジャズ・ロックな演奏で締め括ってくれます。

CDの場合、「Gujamara」「Trans Amazonica (Parte 2)」「Trans Amazonica (Parte 1)」に含まれており、iTunes等でトラック表示されないのでご注意を!その意味で「Trans Amazonica (Parte 1)」以降の3曲は1つの組曲として聴くべきなのかもしれませんね。
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2015年12月21日

Marc Sadane『Exciting』

James Mtume/Reggie Lucasプロデュース!☆Marc Sadane『Exciting』
エキサイティング
発表年:1982年
ez的ジャンル:N.Y.アーバン・ファンク
気分は... :第一関門突破!

今回は80年代アーバン・ファンク作品からMarc Sadane『Exciting』(1982年)です。

Marc Sadaneはジョージア州サヴァンナ出身。

デザインを学ぶためN.Y.へ出てきたものの、音楽の道に進んだ彼はTungsten Steeleというグループでの活動を経て、ソロ・シンガーへ転身します。

その後Stephanie Millsのツアーに同行する機会を得たことがきっかけで、当時の人気プロデューサーJames Mtume/Reggie Lucasと出会った模様です。

そして、James Mtume/Reggie Lucasプロデュースの下、『One Way Love Affair』(1981年)、『Exciting』(1982年)という2枚のアルバムをリリースしています。

商業的には成功しませんでしたが、James Mtume/Reggie Lucasプロデュース作品ということで注目される機会が多いアーティストですね。

1st『One Way Love Affair』はSadane名義でしたが、2ndとなる本作『Exciting』Marc Sadane名義になっています。

James Mtume(per、syn、back vo)、Reggie Lucas(g)以外にもTawatha Agee(back vo)、Hubert Eaves III(key)、Howard King(ds)、Raymond Jackson(b)、Edward Moore(g)、Philip Field(key)というMtumeメンバーが勢揃いし、レコーディングに参加しています。

それ以外にMarcus Miller(b)、Reggie LucasがプロデュースしたSunfireのメンバーRaymond Calhoun(ds)、EW&F等でお馴染みのAl McKay(g)、B. B. & Q. BandのKevin Robinson(g)、Invisible Man's BandDean Gant(key)、Richard Tee(key)、元Roy Ayers UbiquityHarry Whitaker(key)、Rickey Smith(key)、'Crusher' Bennett(per)、Bernie Worrell(syn)、Ed Walsh(syn)、Peter Cannarozzi(syn)等がレコーディングに参加しています。

また、Babi FloydFreddie JacksonBrenda WhiteFonzi ThorntonLuther VandrossNorma Jean WrightUllanda McCullough等がバック・コーラスで参加しています。

Dunn Pearson Jr.等がアレンジを手掛けています。

1st以上にダンサブルなアーバン・ファンクが並ぶアルバムに仕上がっています。

シングルになった「One Minute From Love」「Exciting」Tawatha Ageeとのデュエット「Baby Won't Cha」あたりがハイライトだと思います。

個人的には「Message From Me To You」「Love You Right」「Promise I'll Never」もオススメです。

James Mtume/Reggie Lucas好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「One Minute From Love」
James Mtume/Reggie Lucas作。アルバムのハイライトと呼べるアーバン・ダンサー。1stシングルにもなりました。これぞJames Mtume/Reggie Lucasプロデュース曲!といった感じで言う事なしの出来栄えです。
https://www.youtube.com/watch?v=6CC4Nyf1KHs

「Exciting」
James Mtume/Reggie Lucas作。アルバムからの2ndシングル。80年代らしいシンセ・ファンクに仕上がっています。主役のSadaneは終盤にラップまで披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JZ3EM8H6GpM

「Forever」
Brian Holland/Lamont Dozier/Freddie Gorman作。The Marvelettes、1963年のR&Bヒットをカヴァー。オーセンティックなソウル・バラードを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hEBGW9C54zA

「Message From Me To You」
Dean Gant/Zuri Raheem作。意外に気に入っている都会的なミディアム・グルーヴ。Al McKay、Richard Tee、Marcus Millerといったバッキング陣にも惹かれます。

「Baby Won't Cha」
James Mtume/Reggie Lucas作。「One Minute From Love」と並ぶ本作のハイライト。Sadaneと共にTawatha Ageeがリード・ヴォーカルを務めるキレのあるアーバン・ファンクです。軽快なアンサンブルを聴かせてくれるホーン隊には後にThe Family Standを結成するJeffrey Smithも入っています。
https://www.youtube.com/watch?v=BeQIF6PrvfQ

「Believe Me Girl」
Tawatha Agee作。前曲でリード・ヴォーカルを務めたTawathaですが、ここではソングライティングで貢献しています。しっとりと聴かせる素敵なメロウ・バラードです。

「Love You Right」
James Mtume/Reggie Lucas作。軽快なアーバン・ファンク。グイグイくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6b7O-TNJ6po

「Never Had A Love Like You」
Edward Moore/Howard King作。作者Edward Mooreのギターが印象的なダンサブル・チューン。Edward Moore/Howard Kingの2人は共同プロデューサーにも名を連ねます。
https://www.youtube.com/watch?v=JExRzgreGMc

「Promise I'll Never」
Charles Bellamy/Lawrence Jones作。ラストはキャッチーなライト・ファンクで締め括ってくれます。ホーン・アレンジはTom Tom 84。
https://www.youtube.com/watch?v=3BqZ4BdBlso

1st『One Way Love Affair』(1981年)や、この時期のJames Mtume/Reggie Lucasプロデュース作品もチェックを!

Sadane『One Way Love Affair』(1981年)
ワン・ウェイ・ラヴ・アフェア

Stephanie Mills『What Cha Gonna Do With My Lovin'』(1979年)
ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・ウィズ・ラヴィン

Stephanie Mills『Sweet Sensation』(1980年)
スウィート・センセーション

Stephanie Mills『Stephanie』(1981年)
ステファニー

Phyllis Hyman『You Know How To Love Me』(1979年)
You Know How to Love Me

Rena Scott『Come On Inside』(1979年)
COME ON INSIDE

Gary Bartz『Bartz』(1980年)
BARTZ

The Spinners『Can't Shake This Feelin'』(1981年)
Can’t Shake This Feelin’
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2015年12月20日

MoonChild『Please Rewind』

世界が注目するL.A.ネオソウル・バンド☆MoonChild『Please Rewind』
Please Rewind
発表年:2014年
ez的ジャンル:L.A.ネオソウル・バンド
気分は... :陽だまりのネオソウル

新作アルバムからMoonChild『Please Rewind』です。

MoonChildはL.A.を拠点に活動するネオソウル・バンド。

メンバーはAmber Navran(vo、ts、whistling)、Andris Mattson(tp、flh、key、productions)、Max Bryk(as、fl、clarinet、key、productions)という3名。紅一点のAmberも含めてメンバー全員が管楽器をプレイするあたりが興味深いですね。

グループは2012年にデビュー・アルバム『Be Free』をリリースしており、本作『Please Rewind』が2ndアルバムとなっています。

『Please Rewind』は2014年にBandcampでセルフ・リリースしましたが、今年になりTru Thoughtsと契約し、正規CDがリリースされました。

本作の収録の「The Truth」がGilles Peterson監修の名物コンピ『Brownswood Bubblers 11』(2014年)に収録され注目を浴びたこともTru Thoughtsとの契約を後押ししたのかもしれませんね。

アルバム全体としては、ジャジー&オルタナティヴ感覚のネオソウルといった印象を受けます。Tru Thoughtsが着目するのも頷ける独自の音世界を楽しめる1枚です。

Amberのコケティッシュなヴォーカルは、Erykah BaduThe InternetHiatus Kaiyoteあたりが好きな人はハマるかもしれません。ただし、これらのアーティストと比較すると、より穏やかなジャジー・メロウ感が強いと思います。

時代に流されず、自分たちの好きな音楽を素直に追求しているスタンスに好感が持てる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「All The Joy」
Amberのコケティッシュなヴォーカルが栄えるメロウ・チューン。シンプルながらも実に雰囲気のある1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ki61wI92apI

「The Truth」
前述のように『Brownswood Bubblers 11』に収録された注目曲。ネオソウル感覚の浮遊感が心地好い1曲です。このグループらしいジャジーなエッセンスも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=D2KfXJ5FASE

「Don't Wake Me」
クロスオーヴァー感覚のドリーミーなミディアム・グルーヴ。ネオソウル+αな感じが実にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fSkcM1nN8Zg

「Nobody」
Amberのヴォーカルの魅力を活かしたビューティフルな1曲。陽だまりのネオソウルといった趣が好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=I2DRwQiDByQ

「More Than Ever」
さり気ないですが素敵なアレンジが施されたメロウ・チューン。こんな曲を聴きながら昼寝したいなぁ(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=yz5-c0lyL_Q

「Just A Minute」
ホーン・アンサンブルも含めて、このグループらしいジャジー・メロウ感を楽しめる1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=JNFxSNnLc-g

「Winter Breeze」
Amberのコケティッシュ・ヴォーカルにグッとくる1曲。タイトルも含めて今の気分にフィットしそうな1曲です。

「I'll Make It Easy」
ホーン・アンサンブル、Amberのヴォーカルというこのグループの魅力をコンパクトに楽しめるジャジー・メロウ。

「Please Rewind (Interlude)」
短いインタールード。

「Moonlight」
ラストは幻想的なインスト中心の曲で締め括ってくれます。

『Be Free』(2012年)
Be Free
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