2015年12月12日

Kenny Rankin『After The Rose』

小粋なセンスが光る都会派フォーキー☆Kenny Rankin『After The Rose』
After the Roses
発表年:1980年
ez的ジャンル:都会派フォーキー
気分は... :この落ち着きにホッ!・・・

今回はハートウォーミングな温もりと都会的なセンスが魅力の男性シンガー・ソングライターKenny Rankin『After The Rose』

Kenny Rankin(1940-2009年)の紹介は、『Silver Morning』(1974年)に続き2回目となります。

『Like a Seed』(1972年)、『Silver Morning』(1974年)らと比べて一段落ちるといった評価がネット上で散見される本作ですが、個人的にはそんなに悪い作品だとは思いまません。確かに地味ですが、逆にアルバム全体の落ち着いた雰囲気にホッとさせられる作品です。

前作でアレンジを務めていたDon Costaがプロデュースを手掛けています。オープニングの「Regrets」のみArif Mardinがプロデュースしています。

レコーディングにはKenny Rankin(vo、g)、Peter Marshall(b)、Wendy Haas(key)、
John Guerin(ds)、Roy McCurdy(ds)等が参加しています。

「With a Little Help from My Friends」「Lyin' Eyes」といった有名曲カヴァーや、「Regrets」「One More Goodbye, One More Hello」「Down the Backstairs of My Life」といったセレクトの妙が光るカヴァー、さらにはオリジナルを織り交ぜた構成になっています。

個人的には都会的なメロウ・フォーキー「Strings」、素敵なメロウ・バラード「Woman, Woman」というオリジナル2曲が特にお気に入りです。

この1週間激務でグロッキー気味の僕にとって、一息つくには本作の落ち着きがとてもフィットします。

全曲紹介しときやす。

「Regrets」
Barbara Wyrick作。Teach-In、James Brown、Andy Williamsもカヴァーしている曲です。Kenny Rankinらしいハートウォーミングな語り口が染み入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=XyNMzzDJqVw

「With a Little Help from My Friends」
John Lennon/Paul McCartney作。お馴染みのBeatlesソングをカヴァー。これまでも
「Blackbird」「Penny Lane」、「While My Guitar Gently Weeps」といったBeatlesソングをカヴァーしてきたRankinですが、ここでは美しいストリングスを配したビューティフルな「With a Little Help from My Friends」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1drhbQwFQI8

「Strings」
Kenny Rankin/Jack Siegel作。僕の一番のお気に入り。都会的なメロウ・フォーキー感がRankinのジェントル・ヴォーカルとよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=pU4YQ8QY3oQ

「Cue, No. 2」
インタルード的な小曲。

「Lyin' Eyes」
Glenn Frey/Don Henley作。Eaglesのヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『One of These Nights』に収録されています。このヒット曲を素朴な味わいで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=za_Tdbe5lsI

「After the Roses」
Teddy Costa/Kenny Rankin作。タイトル曲は都会的なフォーキー・チューンです。何処かミステリアスな雰囲気も漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=GO1JGeN2xWQ

「What Matters Most」
Alan Bergman/Marilyn Bergman/Dave Grusin作。美しいストリングスの音色が印象的なバラード。Rankinがジェントル・ヴォーカルで丁寧に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=OKRqksHYvIY

「One More Goodbye, One More Hello」
Deborah Allen/Rafe Van Hoy作。オリジナルは1978年のDonnie Recordヴァージョンですかね?カントリー系の楽曲をRankinらしいセンスですっきりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=I8bEToZJwK8

「Cue, No. 1」
インタルード的な小曲。

「Down the Backstairs of My Life」
Eric Mercury/William Smith作。作者Eric Mercuryヴァージョンはアルバム『Eric Mercury』(1975年)に収録されています。当ブログで紹介したLeah Kunkelヴァージョンでお聴きの方も多いのでは?それ以外にYvonne Elliman、Thelma Houstonもカヴァーしています。僕はLeah Kunkelヴァージョンで聴き慣れた曲ですが、Rankinヴァージョンも素敵なバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UQKjPlpIeZ4

「Woman, Woman」
Kenny Rankin/Jack Siegel作。メロウ・エレピの味わいがフィットする素敵なバラード。「Strings」と並ぶ僕のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=3Qu89usu1DE

この曲といえば、当ブログでも紹介したMario Biondiのカヴァー(アルバム『Sun』収録)を忘れちゃいけませんね。こちらもかなりいいです。
Mario Biondi「Woman, Woman」
 https://www.youtube.com/watch?v=msji1J3Y2UU

「To a Wild Rose」
Don Costa/Terry Costa/Kathy Wakefield作。ラストはDon Costaの美しいオーケストレーションを配したビューティフル・バラードで締め括ってくれます。

他のKenny Rankin作品もチェックを!

『Mind-Dusters』(1967年)
Mind-Dusters

『Family』(1969年)
Family

『Like a Seed』(1972年)
Like a Seed

『Silver Morning』(1974年)
Silver Morning

『Inside』(1975年)
Inside

『The Kenny Rankin Albu』(1976年)
Kenny Rankin Album
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2015年12月11日

Ace Spectrum『Inner Spectrum』

抜群の安定感。N.Y.男性ソウル・ヴォーカルの1st☆Ace Spectrum『Inner Spectrum』
インナー・スペクトラム (INNER SPECTRUM)(直輸入盤・帯・ライナー付き)
発表年:1974年
ez的ジャンル:N.Y.男性ソウル・ヴォーカル・グループ
気分は... :Aの4カード!

今回は70年代ソウル作品からAce Spectrum『Inner Spectrum』(1974年)です。

Ace Spectrumは1966年N.Y.で結成された男性ソウル・ヴォーカル・グループ。

メンバーはHenry "Red" Zant(Ed Zant)Aubrey "Troy" JohnsonElliot IsaacRudy Gayの4名。

グループはAtlanticから『Inner Spectrum』(1974年)、『Low Rent Rendezvous』(1975年)、『Just Like in the Movies』(1976年)という3枚のアルバムをリリースしています。

プロデュースはメンバーのEd Zantと当時The Main IngredientのメンバーであったTony Silvester

レア・グルーヴ好きにはお馴染みの再評価の高いアルバムですね。

シングルとなった「Don't Send Nobody Else」The Isley Brothersの名曲カヴァー「If You Were There」、サンプリング・ソースとして人気の「I Don't Want To Play Around」あたりが注目曲だと思いますが、「Pickup」「Me And My Love」「Moving On」あたりもオススメです。

聴いていて実に安定感のあるアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Don't Send Nobody Else」
オープニングはMillie Jacksonのカヴァー(Nickolas Ashford/Valerie Simpson作)。Millie Jacksonのオリジナルは『It Hurts So Good』(1973年)に収録されています。Dynamic Superiorsもカヴァーしていました。シングルとして全米R&Bチャート第20位となっています。僕の一番のお気に入り。男性ソウル・ヴォーカルの魅力に溢れたモダン・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yhPL35JTAuY

「Don't Let Me Be Lonely Tonight」
James Taylor作品をカヴァー。JTのオリジナルは『One Man Dog』(1972年)に収録されています。The Isley Brothersがアルバム『3+3』(1973年)の中でカヴァーしており、Ace SpectrumもIsleysヴァージョンを意識したカヴァーになっています。和風な(?)イントロも印象的です。Ta-Ku「#Dusty 24」のサンプリング・ソースにもなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_7zRLO4_5LI

「If You Were There」
The Isley Brothersの名曲カヴァー(Ernie Isley/Marvin Isley/Chris Jasper作)。Isleysのオリジナルは『3+3』(1973年)に収録されています。Isleysのオリジナルが大好きな僕としては、軽快な本ヴァージョンも気に入っています。イントロの木琴の音色も印象的ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=T8j_GkKYj8Y

「Moving On」
Aubrey Johnson/Rudy Gay作。落ち着いた語り口のソウル・バラード。安心して聴いていられる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=z3T9LinCTTc

「Pickup」
Aubrey Johnson/Ed Zant作。「Don't Send Nobody Else」と並ぶ僕のお気に入り。軽くボッサ・テイストの効いたメロウ・ソウルは実に今日向けの仕上がりなのでは?Plant Life「Beautiful Babies」、Cesar Comanche feat. Joe Scudda & Tajai「Big Game Hunters」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=t9plJU5uEkY

「Me And My Love」
Aubrey Johnson作。優しいファルセット・ヴォーカルにグッとくるメロウ・バラード。この曲もかなり僕好み。

「Easy」
Dennis Leroux作。哀愁モードのミディアム・チューン。L.E.G.A.C.Y. feat. The A-Team「The Death List」 のサンプリング・ソースとなっています。

「I Don't Want To Play Around」
Aubrey Johnson/Ed Zant作。ファルセット・ヴォーカルで迫る味わい深いソウル・バラードな前半と、軽快なインスト・パートの後半とで2度楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=z1kCnXkS0II

当ブログでも紹介したRaashan Ahmad「Guns」をはじめ、Cesar Comanche「All Praises Due」、Outasight「Radio, Radio」 、Drake feat. Swizz Beatz & T.I.「Fancy」、Da Inphamus Amadeuz feat. Blake Carrington「No Matter What It Takes」Estelle「Silly Girls」等のサンプリング・ソースとなっています。

Raashan Ahmad「Guns」
 https://www.youtube.com/watch?v=t39luEVzgwM
Cesar Comanche「All Praises Due」
 https://www.youtube.com/watch?v=EWi1gb5BR9g
Outasight「Radio, Radio」
 https://www.youtube.com/watch?v=SUlPo2rtx8o
Drake feat. Swizz Beatz & T.I.「Fancy」
 https://www.youtube.com/watch?v=LH98ehnfDaA
Da Inphamus Amadeuz feat. Blake Carrington「No Matter What It Takes」
 https://www.youtube.com/watch?v=fYQfvTppimY
Estelle「Silly Girls」
 https://www.youtube.com/watch?v=v2YwmNdfEeA

ご興味のある方はAce Spectrumの他作品もチェックを!

『Low Rent Rendezvous』(1975年)
ロウ・レント・ランデブー (LOW RENT RENDEZVOUS)(直輸入盤・帯・ライナー付き)

『Just Like in the Movies』(1976年)
ジャスト・ライク・イン・ザ・ムーヴィー (JUST LIKE IN THE MOVIES)(直輸入盤・帯・ライナー付き)
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2015年12月10日

JD73『Make Your Move』

2015年、モダン・ディスコ/ブギーの最終兵器☆JD73『Make Your Move』
メイク・ユア・ムーヴ
発表年:2015年
ez的ジャンル:UKソウル系ディスコ/ブギー
気分は... :2015年ディスコ/ブギー最終兵器

今回は新作アルバムからJD73『Make Your Move』です。

JD73ことDan Goldmanは、UKのキーボード奏者、プロデューサー。

これまでCorinne Bailey RaeJamiroquai等のツアー・キーボード奏者を務めたり、Jean-Paul "Bluey" MaunickIncognito)、Nate JamesThe New Mastersounds等の作品のリミックス/共同プロデュースを手掛けてきた模様です。

これまでJD73名義で『Zeros and Ones』(2008年)、『Pure Gold』(2010年)といった作品をリリースしています。
特に『Pure Gold』は、1980年代ディスコへのリスペクトに溢れた作品とし、一部リスナーの間で高い評価を得ていました。

そして、80年代ディスコ/ブギー・ブームが最高潮に達した今年に待望の最新作『Make Your Move』をリリースしました。

アルバムにはMiss ModestFraserPete SimpsonElla MayHarriet Soulstressといったヴォーカリストがフィーチャーされています。

TuxedoCool Millionなどのモダン・ディスコ/ブギーの決定盤アルバムが続々とリリースされた2015年ですが、さらに2015年には最終兵器が待っていたと感じさせるほどの充実作です。

とりあえず「Make Your Move」「Show Me」あたりを聴けば、その充実ぶりがわかります。また、「Don't Forget My Love」のようなメロウ・チューンにもグッときます。

この12月にハマりまくっている1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Make Your Move」
オススメその1。Miss Modestをフィーチャー。この1曲を聴けば、本作が極上のモダン・ディスコ/ブギー作品であることがわかると思います。Miss Modestのハイ・トーン・ヴォーカルが栄えるキャッチーかつ躍動感のあるオープニングに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=y5J1sYtl3es

「Believe In Love」
オススメその2。Fraserをフィーチャー。アッパーに疾走するダンス・トラックです。妖しさと爽快さが入り混じっている感じがいいですね。ソウルフル・ハウス好きの方は気に入る1曲だと思います。

「What You Got」
オススメその3。Miss Modestをフィーチャー。実にキャッチーなモダン・ディスコ/ブギーに仕上がっています。曲作りの巧さが光ります。Rod Temperton(Heatwave)あたりの影響も感じますね。

「Marimba Dance」
タイトルのようにマリンバ調のサウンドでアクセントをつけたインスト・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=dz5gV37nV3E

「Don't Wanna Lose This Feeling」
オススメその4。The Sunburst BandのメンバーでもあるUKの男性シンガーPete Simpsonをフィーチャー。彼のソウルフル・ヴォーカルを活かしたUKソウル・グルーヴに仕上がっています。

「All Night Long」
Ella Mayをフィーチャー。開放的なホーン隊が活躍するChic調の華やかなダンス・トラック。

「Tripping Out」
インストながらも、なかなか聴き応えのある1曲。キーボード奏者としてのJD73のプレイを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=oKspb8wgbys

「Gimme A Chance」
オススメその5。Harriet Soulstressをフィーチャー。レア・グルーヴ好きの人が気に入りそうなメロウ・グルーヴ。Harriet Soulstressの何処となく切ないヴォーカルにグッときます。

「Don't Forget My Love」
オススメその6。Fraserをフィーチャー。メロウネスに溢れた素敵なアーバン・ソウル。メロウ・サウンドとFraserのヴォーカルの相性がバッチリです。
https://www.youtube.com/watch?v=p_NYjREAYNA

「Show Me」
オススメその7。Miss Modestをフィーチャー。モダン・ディスコ/ブギー好きならば間違いなく気に入る1曲。大音量で聴いてみんなで盛り上がりたい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=UJ99YvrIOvs

「Let Me Fall」
Miss Modestをフィーチャー。CDボーナス・トラックです。Miss Modestのソウルフル・ヴォーカルを活かしたグルーヴィーなミディアム・ファンクです。

『Pure Gold』(2010年)
Pure Gold

そういえば、昨日まで苦労していたコメント投稿のトラブルが何とか解決しました。

どうやら"R&B"というワードがseesaa側でスパムとして設定されているようです。
半角英字はスパムになるケースが多いので、別の表現にするなどの工夫が必要ですね。でも、洋楽を紹介する当ブログにとっては不便でですな。
posted by ez at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月09日

The Peppermint Rainbow『Will You Be Staying After Sunday』

男女混声のサンシャイン・ポップ!☆The Peppermint Rainbow『Will You Be Staying After Sunday』
Will You Be Staying After Sunday
発表年:1969年
ez的ジャンル:男女混声コーラス系ソフトロック
気分は... :コメント投稿できない・・・

日曜から当ブログのコメント投稿ができずに困っています。
投稿がスパム規制に引っ掛かっているのでしょうか?
管理人本人がコメント投稿できないなんて間抜けですね。
コメントくださった方、返信できずにゴメンナサイ!

今回は60年代ソフトロックからThe Peppermint Rainbow『Will You Be Staying After Sunday』(1969年)です。

The Peppermint Rainbowは1967年ボルチモアで結成された男女混声ヴォーカル・グループ。最初はNew York Timesというグループ名だったようです。

メンバーはBonnie Lamdin(vo)、Patty Lamdin(vo)、Doug Lewis (g)、Anton Corey(per)、Skip Harris(b)の5名。

グループは同郷のThe Mamas & the PapasのCass Elliotの後押しもあり、Decca Recordsとの契約に成功します。

The Lemon Pipers等を手掛けたPaul Lekaをプロデューサーに迎え、1969年にデビュー・シングル「Pink Lemonade」をリリースします。そして、続いてリリースされた2ndシングル「Walking in Different Circles(邦題:そよ風の日曜日)」をリリースが全米チャート第32位のヒットとなりました。

そして、グループ唯一のアルバムが本作『Will You Be Staying After Sunday』(1969年)です。プロデュースはPaul Leka

曲は大きく、女性ヴォーカルがメインの楽曲と男性ヴォーカルがメインの楽曲とに分かれますが、どうしても女性ヴォーカル曲を中心に聴いてしまいます。実際、女性ヴォーカル曲の方が華があり、ソフトロック/サンシャイン・ポップらしい魅力に溢れています。

最大のヒット「Will You Be Staying After Sunday」をはじめ、「Don't Wake Me Up In The Morning, Michael」「Walking In Different Circles」「I Found Out I Was A Woman」あたりが僕のお気に入りです。

華のあるソフトロック/サンシャイン・ポップを聴いているとポジティヴな気分になります。

全曲紹介しときやす。

「Will You Be Staying After Sunday」
Al Kasha/Joel Hirschhorn作。邦題「そよ風の日曜日」。前述のようにグループの代表曲となったヒット曲。女性ヴォーカルを前面に出した男女混声コーラスとキャッチーな楽曲、美しいアレンジが見事に調和したドリーミーなソフトロック名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=qzEjncabZX8

「Pink Lemonade」
Paul Leka/Shelley Pinz作。前述のように彼らのデビュー・シングル。哀愁モードの仕上がりですが、男性ヴォーカルがメインのせいもあって「Will You Be Staying After Sunday」ほどのインパクトはないかも?
https://www.youtube.com/watch?v=KJBi5cn7CEM

「And I'll Be There」
Denise Gross/Paul Leka作。この曲も哀愁モードですが、女性ヴォーカルがメインな分、僕の中には入ってきやすいです。
https://www.youtube.com/watch?v=M8wltjqUUqU

「Run Like The Devil」
Irwin Schuster/Paul Leka作。ロック色を強調した仕上がり。男性ヴォーカルがメインならば、この位ワイルド感を出した方がいいかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ePmjqpiJslI

「Jamais」
Anita McCafferty/Earl Fralick作。Paul Lekaの美しいアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=2wrDPvousMI

「Don't Wake Me Up In The Morning, Michael」
Al Kasha作。「Will You Be Staying After Sunday」に続く3rdシングルとして全米チャート第54位となりました。「Will You Be Staying After Sunday」と同じく女性ヴォーカルを前面に出し、ドラマチックなアレンジで聴かせてくれます。「Will You Be Staying After Sunday」が気に入れば、本曲も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=4H5il1-e6KU

「Walking In Different Circles」
Larry Weiss/Scott English作。デビュー・シングル「Pink Lemonade」のカップリング曲。ソフトロックらしい魅力と60年代後半の雰囲気が融合した素敵な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=p10B75kBRho

「Sierra (Chasin' My Dream)」
Dan Green/Gary DeCarlo作。オーケストレーションとギターの音色が印象的な美しいバラード。男性ヴォーカルがメインの分、損をしているような(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=e8C1m9vuD0E

「Green Tambourine」
Paul Leka/Shelley Pinz作。同じPaul Lekaが手掛けたThe Lemon Pipersが1968年にリリースした楽曲のカヴァー。The Lemon Pipersヴァージョンはアルバム『The Lemon Pipers』に収録されています。しかも、バックのトラックはThe Lemon Pipersと同じものみたいです。サイケ・サウンドと爽快ヴォーカルの組み合わせがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-ATJcdVRZzg

The Lemon Pipersと聴き比べるのも楽しいのでは?
The Lemon Pipers「Green Tambourine」
 https://www.youtube.com/watch?v=oIAzQ6M2Bow

「Rosemary」
Paul Leka作。少し実験的な雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=cdoudCf4aFo

「I Found Out I Was A Woman」
Alan Bernstein/Vic Millrose作。ラストは極上のサンシャイン・ポップで締め括ってくれます。個人的には「Will You Be Staying After Sunday」に次いで好きな曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=9JG02FXsFHs

ご興味がある方は本作と同じPaul Lekaが手掛けたThe Lemon Pipersあたりをチェックしてみては?コチラはサイケ路線ですが。

The Lemon Pipers『Green Tambourine』(1968年)
Green Tambourine

The Lemon Pipers『Jungle Marmalade』(1968年)
Jungle Marmalade
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2015年12月07日

Pharoah Sanders『Black Unity』

収録曲は1曲のみ。圧巻のスピリチュアル・ジャズ☆Pharoah Sanders『Black Unity』
Black Unity
発表年:1971年
ez的ジャンル:ドロドロ系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :この濃厚さについてこられるか・・・

今日はスピリチュアルな音が聴きたい気分です。
大好きなスピリチュアル・ジャズの大物アーティストPharoah Sanders『Black Unity』(1971年)です。

これまで紹介してきたPharoah Sanders作品は以下の8枚です。

 『Izipho Zam』(1969年)
 『Karma』(1969年)
 『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)
 『Thembi』(1970年)
 『Elevation』(1973年)
 『Love In Us All』(1975年)
 『Journey To The One』(1980年)
 『Rejoice』(1981年)

本作『Black Unity』(1971年)は収録曲は約37分強のタイトル曲のみというスピリチュアル・ジャズ大作です。オリジナルLPではA面、B面でPart1、Part2のように分かれていましたが、CDは1曲として聴くことができます。

収録曲1曲のみというのは当ブログでも初めてかもしれませんね。

レコーディング・メンバーはPharoah Sanders(ss、ts、balafon)、Joe Bonner(p)、Carlos Garnett(fl、ts)、Norman Connors(ds)、
Billy Hart(ds)、Lawrence Killian(per、congas、talking drum、balafon)、Cecil McBee(b)、Stanley Clarke(b)、Marvin "Hannibal" Peterson (tp)。

こうしたメンバーを従えて、Pharoahが圧巻の"ドロドロ・ジャズ"を聴かせてくれます。約37分強の演奏が、実際に聴くと20分位に感じます。それだけ、演奏が濃密なのだと思います。各メンバーの演奏も素晴らしいですが、その中でも主役Pharoahの存在感が群を抜いています。

決して万人受けするようなアルバムではないかもしれませんが、スピリチュアル・ジャズ好きの方であれば、この濃密な演奏に引きずりこまれるに違いないブラックホールのようなスピリチュアル・ジャズ大作です。彼のスピリチュアル・ジャズが1つの頂点に達したと感じます。

カオスの先に見えてくるものは何か・・・

全曲紹介しときやす。

「Black Unity」
Cecil McBee/Stanley Clarkeのツイン・ベース、Norman Connors/Billy Hartのツイン・ドラム、さらにはLawrence Killianのパーカッションが生み出すブラック・グルーヴが格好良すぎます。そこにPharoahらホーン陣が濃厚なプレイで高揚感をさらにヒートアップさせます。Joe Bonnerのピアノもかなりマッドに暴れまくります。これぞ"ドロドロ・ジャズ"の決定版というべき、すさまじいエネルギーの演奏で聴く者を圧倒します。
https://www.youtube.com/watch?v=mNn78K8D7NU

Oneness Of Jujuの前身Jujuがアルバム『Chapter Two: Nia』(1974年)でカヴァーしています。

Pharoah Sandersの過去記事もご参照下さい。

『Izipho Zam』(1969年)
Izipho Zam

『Karma』(1969年)
カーマ

『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)
SUMMUM BUKMUM UMYUM(紙ジャケット仕様)

『Thembi』(1970年)
Thembi

『Elevation』(1973年)
Elevation (Reis)

『Love In Us All』(1975年)
ラヴ・イン・アス・オール(紙ジャケット仕様)

『Journey To The One』(1980年)
ジャーニー・トゥ・ザ・ワン

『Rejoice』(1981年)
リジョイス
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