2015年12月06日

Angie Stone『Dream』

3年ぶりの新作!Angie姐さんは逆境にも負けない☆Angie Stone『Dream』
Dream
発表年:2015年
ez的ジャンル:姐御系ダイアモンド・ソウル
気分は... :僕の悪い癖!・・・

大好きな女性R&BシンガーAngie Stone姐さんの最新作『Dream』です。

当ブログでこれまで紹介したAngie Stone作品は以下の6枚(発売順)。

 『Black Diamond』(1999年)
 『Mahogany Soul』(2001年)
 『Stone Love』(2004年)
 『The Art Of Love & War』(2007年)
 『Unexpected』(2009年)
 『Rich Girl』(2012年)

前々作『Unexpected』Stax、前作は『Rich Girl』Saguaro Road Rhythmからのリリースでしたが、新作『Dream』Shanachie Conjunction Entertainmentからのリリースとなりました。

頻繁にレーベルを変えるパターンは、アーティストにとっては決して良い制作環境とは言えませんが、そんな逆風に負けず踏ん張っているのがAngie姐さんらしいのでは?

本作のメイン・プロデューサーはWalter Millsap III。私生活のトラブルがゴシップ記事で広まり、引退まで考えていたAngie姐さんを説得し、担ぎ出したのがWalter Millsap IIIでした。彼は『Stone Love』でも1曲プロデュースを手掛けていました。

The Heavyweights & Jason Pennockプロデュースの「Think it Over」以外は、Walter Millsap IIICandice NelsonBalewa Muhammadを中心としたグループがプロデュースを手掛けています。Candice NelsonBalewa Muhammadはプロデューサー集団The Clutchの元メンバーですね。特にCandice Nelsonはバック・コーラスでも活躍し、本作に大きく貢献しています。また、Teak Underdueも数多くの曲でプロデュースに関与しています。

個人的には「2 Bad Habits」「Magnet」「Think it Over」といったミディアム〜スロウがお気に入り。ダンサブルな「Dollar Bill」、開放的なレトロ・ソウル「Didn't Break Me」あたりもオススメです。

既にメイン・ストリームからは少し外れているのかもしれませんが、いつまでも若々しいAngie姐さんの歌声を僕は支持します。

全曲紹介しときやす。

「Dollar Bill」
オープニングは昨今のディスコ/ブギー・ブームに配慮したダンサブル・チューン。快活ながらも余裕たっぷりのAngie姐さんの歌いっぷりを聴いて一安心といったところです。
https://www.youtube.com/watch?v=8sDB8_Gw2ZM

「Begin Again」
BlackstreetのDave Hollisterをゲストに迎えた大人のバラード。派手さはありませんが、ベテラン2人が確かなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eJ6M7qT1iAI

「Clothes Don't Make a Man」
あえてレトロ調に攻めた開放感が印象的なポップ・ソウル・チューン。いつまでも若々しいAngie姐さんの弾けた歌いっぷりがいいですね。

「Magnet」
本作らしいオーセンティックな美メロ・ミディアム。さりげない曲ですが、逆にAngie姐さんの歌の魅力がダイレクトに伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=5F93Q4XynNw

「Dream」
タイトル曲はアルバムからの1stシングルにもなりました。素直に感動できる王道バラードです。脇道に逸れますが、本曲のPVを観たら、人気ドラマ『CSI:科学捜査班』でウォリック・ブラウン役だったGary Dourdanが出演していました。『CSI:科学捜査班』降板後はトラブル続きの転落人生を送っているGary Dourdanの姿をこんな所で発見でいるとは思いませんでした。復活を願うばかりです。
https://www.youtube.com/watch?v=64TdPvEOUNw

「2 Bad Habits」
「Dream」に続く2ndシングル。個人的にはアルバムのハイライト。大人の美メロ・バラードを最近は毎日リピート再生しています。Angie姐さんのシンガーとしての魅力を存分に味わえます。本曲を聴いてAngie姐さん健在!を確信できました。
https://www.youtube.com/watch?v=-eiGx0NyR-A

「Quits」
ホーン・セクションを配したレトロ・ソウル調の仕上がり。「Clothes Don't Make a Man」「Didn't Break Me」や本曲のレトロ路線が構成上のアクセントになっています。

「Think it Over」
この曲のみThe Heavyweights & Jason Pennockプロデュース。オーセンティックなソウル・バラードですが、Angie姐さんが歌うと訴える力が違います。
https://www.youtube.com/watch?v=rQ38-xqqEWM

「Forget About Me」
かつての私生活のパートナーD'Angeloとの関係がモチーフになった楽曲のようです。しっとりと歌い上げます。

「Didn't Break Me」
ラストは開放的なレトロ・ソウルを高らかに歌い上げて締め括ってくれます。バック・コーラスのCandice Nelsonと姐さんの掛け合いがサイコーです。

Angie Stoneの過去記事もご参照下さい。

『Black Diamond』(1999年)
Black Diamond

『Mahogany Soul』(2001年)
Mahogany Soul

『Stone Love』(2004年)
ストーン・ラヴ

『The Art Of Love & War』(2007年)
The Art of Love and War

『Unexpected』(2009年)
Unexpected

『Rich Girl』(2012年)
Rich Girl
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2015年12月05日

Kirk Franklin & The Family『Whatcha' Lookin' 4』

感動的なコンテンポラリー・ゴスペル・ライブ☆Kirk Franklin & The Family『Whatcha' Lookin' 4』
Whatcha Lookin 4
発表年:1996年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・ゴスペル
気分は... :Where The Spirit Is...

今日はKirk Franklin & The Family『Whatcha' Lookin' 4』(1996年)です。

コンテンポラリー・ゴスペルのトップランナーKirk Franklinの紹介は、Kirk Franklin's Nu Nation名義の『God's Property』(1997年)、Kirk Franklin & The Family名義の『Kirk Franklin & The Family Christmas』(1995年)に続き3回目となります。

毎年12月になると何となくゴスペル作品が聴きたい気分になりますね。

本作Kirk Franklin & The Family『Whatcha' Lookin' 4』(1996年)はstrong>The Family名義では最後の作品となりますが、1997年にグラミーのBest Contemporary Soul Gospel Albumを受賞したアルバムです。

ライブ・アルバムであり、会場全体がゴスペルならではの臨場感・高揚感に溢れています。

コンテンポラリー・ゴスペルといっても、『God's Property』(1997年)や『The Nu Nation Project』(1998年)ほどはR&B/Hip-Hop色を出していないので、ゴスペル本来の醍醐味を十分に楽しめます。個人的には『God's Property』『The Nu Nation Project』の路線もかなり好きなのですが。

曲ごとにリード・ヴォーカルが変わっていくので、飽きることなくアルバム1枚を聴くことができます。また、聴衆を巻き込んで盛り上がるゴスペルならではの雰囲気が実にいいですね。クワイアの持つパワーの素晴らしさを再認識できます。

ゴスペルを聴きながら、宗教に関わりなく、誰もが心を通わせあい、平穏な生活を過ごせる世界の実現を切に願うばかりです。

全曲紹介しときやす。

「Savior More Than Life」
優しく会場を包み込むようなオープニング。リード・ヴォーカルをとるKeisha Grandyの女性ヴォーカルとクワイア隊との掛け合いが聴く者を神聖な心持にしてくれます。それにしてもKeisha Grandyの圧倒的な歌唱力はすごいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sBPO8wt-e9c

「Whatcha Lookin' 4」
タイトル曲はコンテンポラリー・ゴスペルらしいファンク調の仕上がり。Darrell Blair、Dalon Collins、Tamela Mann、Kirk Franklinがリード・ヴォーカルをとります。特に終盤の盛り上がりがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Rz0iJKJtbUY&spfreload=10

「Melodies From Heaven」
タイトルの通り、メロディアスな仕上り。素晴らしいクワイア隊によって自然と会場のボルテージが上がっていくのが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=pd_8pB8szrk

「Conquerors」
Dalon Collinsがリード・ヴォーカル。このタイプの曲で8分超も聴かせてしまうあたりにコンテンポラリー・ゴスペルの魅力があるのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=3rxRnwnp9T8

「Don't Take Your Joy Away」
Tamela Mannがリード・ヴォーカル。彼女の力強く、丁寧に歌い上げるヴォーカルと優しく包み込むクワイア隊のバランスがサイコーですね。腹に沁み渡ってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=WRAem0Hom4M

「Wwhen I Thing About Jesus」
軽快な演奏で、一気に会場を盛り上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=sEAxPhJGu0A

「Mama's Song」
15歳の未婚の母のもとに生まれ、幼くして叔母の養子となったKirkが母について歌います。最近『コウノドリ』にハマっている僕としては、こういう曲を聴くと涙腺が緩くなってしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=cn6y4F11aPI

「Jesus Paid It All」
開放的なファンキー・サウンドにのって、クワイア隊が一糸乱れぬ素晴らしいヴォーカル・ワークを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lbA-lDv13CI

「I Love You Jesus」
Teresa Young、Stephanie Glynn、Sheila Briceという3人の女性リードが神への感謝を感動的に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=GfT5IAeSaP0

「Washed Away」
Jeannette JohnsonとCarrie Young-Davisがリード・ヴォーカル。2人のリードを周囲のメンバーや聴衆が励ましている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=a1mKCiN8G2w

「Where The Spirit Is」
Jon Drummondがリード・ヴォーカル。Jon Drummondって陸上短距離走ランナーでシドニー五輪4×100Mリレーの金メダルメンバーであった、あのJon Drummondなのでしょうか?いくつかのサイトでそのような紹介のされていますが、本作がリリースされた1996年って彼も参加したアトランタ五輪の年です。そんな余裕があったのかな?それはさておき、感動的なヴォーカル・ワークでゴスペルの醍醐味を余すことなく伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HJ9w6RpJJUI

「Let Me Touch You」
Dalon Collinsがリード・ヴォーカル。「Conquerors」でもそうでしたが、心の真の声を届けるようなDalon Collinsのヴォーカルには聴く者を一瞬にして惹きつける力がありますね
https://www.youtube.com/watch?v=GZPUKW-8fv0

「Anything 4 U」
David Mann、Yolanda McDonald、Demetrice Clinkscale、Darrel Blairがリード・ヴォーカル。コンテンポラリー・ゴスペルらしい落ち着いた雰囲気で本編を締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ir6BGKAls4M

「Whatcha Lookin' 4 (Remix) 」
「Whatcha Lookin' 4」のリミックス。R&B好きの人が聴いてもスンナリ聴ける仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=SWQ79Yx5FkU

「Melodies From Heaven (Skate Remix)」
単独で聴いたり、コンピ的に聴く際にはオリジナル以上に重宝するかもしれません。

Kirk Franklinの他作品もチェックを!

Kirk Franklin & The Family『Kirk Franklin & The Family』(1993年)
Kirk Franklin & The Family

Kirk Franklin & The Family『Kirk Franklin & The Family Christmas』(1995年)
クリスマス

Kirk Franklin's Nu Nation『God's Property』(1997年)
ゴッズ・プロパティ・フロム・カーク・フランクリンズ・ニュー・ネイション

『The Nu Nation Project』(1998年)
The Nu Nation Project

『Rebirth of Kirk Franklin』(2002年)
Rebirth of Kirk Franklin

『Hero』(2005年)
Hero

『Songs for the Storm Volume 1』(2006年)
Kirk Franklin Presents: Songs for the Storm 1

『Fight of My Life』(2007年)
Fight of My Life (Snys)

『Hello Fear』(2011年)
Hello Fear

『Losing My Religion』(2015年)
Losing My Religion
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2015年12月04日

Weldon Irvine『Liberated Brother』

ジャズ・ファンク・クラシック「Mr. Clean」収録☆Weldon Irvine『Liberated Brother』
リベレイテッド・ブラザー
発表年:1972年
ez的ジャンル:コズミック・ジャズ・ファンク
気分は... :孤高の天才...

レア・グルーヴ・ファンに人気の鍵盤奏者Weldon Irvineの1stアルバム『Liberated Brother』(1972年)です。

時代の一歩先を行っていた鍵盤奏者Weldon Irvine(1943-2002年)に関して、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Time Capsule』(1973年)
 『Spirit Man』(1975年)
 『Sinbad』(1976年)

『Liberated Brother』(1972年)は記念すべき彼の1stアルバムです。

まだまだ試行錯誤している感じが垣間見られる作品ですが、そんな中にもIrvineらしいジャズ・ファンク・サウンドの原点を耳にすることができます。

レコーディング・メンバーはWeldon Irvine(p、el-p、melodica、syn)、Roland Wilson(b)、Chipper Lyles(ds)、Napoleon Revels(ds)、Preston Williams(flh)、Tommy Smith(g)、Napoleon Revels(per)。Irvine本人がプロデュースを手掛けています。

ジャズ・ファンク・クラシック「Mr. Clean」や、Irvineにリーダー作の制作を勧めたHorace Shilverもカヴァーしたタイトル曲「Liberated Brother」、ピアノとムーグの組み合わせが印象的なジャズ・ファンク「Sister Sanctified」、味わいのあるメロディカにグッとくる「Homey」あたりが聴き所です。

Weldon Irvineのプリミティヴな魅力に触れることができる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Liberated Brother」
Weldon Irvine作。タイトル曲はボッサ調のエッセンスを取り入れています。派手さはありませんが、Irvineのセンスが詰まっています。終盤の緩急つけたピアノ・プレイもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=xddJjMBs7a8

当ブログではBlack SugarHorace Shilverのカヴァーを紹介済みです。
Horace Shilver「Liberated Brother」
 https://www.youtube.com/watch?v=w8tS9jbKYnQ

「Here's Where I Came In」
Weldon Irvine作。哀愁モードのバラード。決してIrvineらしくはありませんが感動的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=SAk-Z3Y7LuM

「Blues Wel-Don」
Weldon Irvine作。タイトルの通り、ブルージーな仕上りです。Tommy Smithのギターの音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sny3kNd29QU

「Mr. Clean」
Weldon Irvine作。本作のハイライトと呼べるジャズ・ファンク・クラシック。この曲を聴けば、Weldon Irvineがレア・グルーヴで絶大な支持を得ているのかわかるはずです。彼らしいコズミック感覚のファンク・サウンドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=FueVmRnv2lc

Peter Herbolzheimer Rhythm Combination & Brassがカヴァーしています。
Peter Herbolzheimer Rhythm Combination & Brass「Mr. Clean」
 https://www.youtube.com/watch?v=J620RwN0HKc

「Gloria」
Tommy Smith作。ここでの主役は作者Tommy Smithのギターです。
https://www.youtube.com/watch?v=dcEQDPakyEE

「Homey」
Tommy Smith/Weldon Irvine作。味わいのあるメロディカ使いが印象的です。個人的にメロディカの音色って大好きです。作者Tommy Smithのギターもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=XtGRhxxIBIg

Fila Brazillia「The Great Attractor」のサンプリング・ソースとなっています。

「Juggah Buggah」
Weldon Irvine作。ムーグが印象的なコズミック・ファンク。ファンキーに突っ走ります。

「Sister Sanctified」
Weldon Irvine作。ラストはピアノとムーグの組み合わせが印象的なジャズ・ファンクで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zlb9GeRBadA

本作と同じ1972年にStanley Turrentine & Milt Jacksonがカヴァーしています。Breakestraもカヴァーしていました。
Stanley Turrentine & Milt Jackson「Sister Sanctified」
 https://www.youtube.com/watch?v=0R3fOC4oRdM
Breakestra「Sister Sanctified」
 https://www.youtube.com/watch?v=1_lILVKaNE4

Weldon Irvineの他作品もチェックを!

『Time Capsule』(1973年)
タイム・カプセル

『In Harmony』(1974年)
イン・ハーモニー

『Cosmic Vortex (Justice Divine)』(1974年)
コズミック・ヴォルテックス(ジャスティス・ディヴァイン)(紙ジャケット仕様)

『Spirit Man』(1975年)
スピリット・マン

『Sinbad』(1976年)
Sinbad
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2015年12月03日

Gerardo Frisina『Hi Note』

ラテン/アフロ・キューバン色の強いクラブジャズ☆Gerardo Frisina『Hi Note』
Hi Note
発表年:2003年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :青の美学!

今回はSchemaの看板アーティストGerardo Frisina『Hi Note』(2003年)です。

イタリア、ミラノ出身のプロデューサー/DJであるGerardo Frisinaに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚です。

 『Ad Lib』(2001年)
 『The Latin Kick』(2005年)
 『Join The Dance』(2010年)
 『Movement』(2014年)

Nicola Conteと並ぶイタリアのジャズ・ダンス・シーンのマエストロであるGerardo Frisinaの人気を決定付けた1枚かもしれませんね。

本作『Hi Note』は、Frisinaが自身のスタイルを確立させたアルバムであり、Frisinaの代名詞とも呼べるラテン/アフロ・キューバン色の強いクラブジャズ・サウンドで楽しませてくれます。生音感を前面に出しつつ、テクノロジーのスパイスを効かせるサジ加減が絶妙です。

Gerardo Frisinaがプロデュースを手掛け、レコーディングには同じくSchemaの人気ユニットSoulstanceGianni Lo Greco(ds)、Enzo Lo Greco(b、p)というLo Greco兄弟、Lo Greco兄弟らによるユニットMilano Jazz Dance Comboにも参加していたMarco Brioschi(tp)、さらにはLuigi Bonafedea(p)、Jorge Gonzales(per)、Emanuele Cisi(ts)、Andrea Dulbecco(vib)、Alan Farrington(vo)といったミュージシャンが参加しています。

1stアルバム『Ad Lib』(2001年)と比較して、ホーン隊を加えることで、より生音ジャズ感覚が強調されています。一方でSchemaらしいダンサブルなビートも生音の邪魔にならない程度に効いています。

どの曲にもGerardo Frisinaらしいセンスに溢れた間違いのないラテン/アフロ・キューバン・クラブジャズに仕上がっています。

「Beyond The Moon」以外はFrisinaとEnzo Lo Grecoのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Inviolatin」
Enzo Lo Grecoの格好良いベースが牽引する疾走感のあるラテン・ジャズで幕を開けます。抜けのいいホーン・サウンドが本作らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_Y2jmJxpwMY

「Joyas」
ドラムンベース調ですが、モーダルなベースやアフロ・キューバンなパーカッション&ホーン隊も効いたSchemaらしいハイブリッドなクラブジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ab_V-rJmifc

「Bluesanova」
ジャズ・サンバ調の本曲は人気の1曲ですね。Luigi Bonafedeaの小粋なピアノが疾走する演奏に優雅さを加えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9kl3sU_id58

「Intenso」
シングル・カットもされた曲。個人的にも一番のお気に入り。モーダルな疾走感がたまりません。生音ジャズ感覚を強調しつつ、Schemaらしいテクノロジーによるダンサブル感のスパイスがしっかり効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=TLb9poKh74s

「Beyond The Moon」
B. Harrington作。Alan Farringtonの男性ヴォーカルをフィーチャーした大人のジャズ・ヴォーカル・チューン。落ち着きのあるエレガント感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=53F5-6HjIRQ

「Saeta '03」
Andrea Dulbeccoのヴァイヴが程良く効いたモーダルなジャズ・ダンス・チューン。ダイナミックなホーン・サウンドが全体に躍動感を与えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8fmsY_FePpA

「Cubana」
12インチもリリースされたアフロ・キューバンなジャズ・ハウスといった趣のダンス・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=a-poJxLJZQU

「Ombroso」
Andrea Dulbeccoのヴァイヴが心地好いアフロ・キューバン色の強い仕上がり。ダンサブルなビートとアフロ・キューバンな雰囲気たっぷりのホーン隊やパーカッションの組み合わせがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=X35BXmTS5PY

「Zambele」
この曲もジャズ・ハウス色の強いアフロ・キューバン・チューンです。ここではEnzo Lo Grecoがピアノを弾いています。
https://www.youtube.com/watch?v=0DegE2FP6q4

「Sophisticated Samba」
Luigi Bonafedeaのピアノが冴える小粋なジャズ・サンバ。エレガントさとダンサブル感のバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=4opscDo301E

「Heading For What I Know」
ハードバップ的な格好良さを打ち出しています。Emanuele Cisiのサックスがキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=h0gfw89i8Do

「On The Edge」
本編のラストはモーダルなジャズ・ダンスで締め括ってくれます。ここでも生音とテクノロジーを見事に融合させています。終盤にはドラムンベース調の展開も聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mkYMlKDHaaU

国内盤ボーナス・トラックとして「Gica's Dance(reworked by the Nicola Conte Jazz Comb)」が追加収録されています。

Gerardo Frisinaの他作品もチェックを!

『Ad Lib』(2001年)
Ad Lib

『The Latin Kick』(2005年)
The Latin Kick

『Note Book: A Journey In Sound The Remix』(2007年)
Note Book

『Join The Dance』(2010年)
Join the Dance [Import CD from Italy]

『Movement』(2014年)
Movement
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2015年12月01日

Force M.D.'s『Touch And Go』

メロウ・クラシック「Love Is A House」収録☆Force M.D.'s『Touch And Go』
Touch & Go
発表年:1987年
ez的ジャンル:Tommy Boy系男性R&Bヴォーカル・グループ
気分は... :トキめきのメロウ・クラシック・・・

今回は80年代後半に活躍した男性R&Bヴォーカル・グループForce M.D.'sの3rdアルバム『Touch & Go』(1987年)です。

N.Y.スタテンアイランドで結成された男性R&Bヴォーカル・グループForce M.D.'sの紹介は、大ヒット曲「Tender Love」収録の2ndアルバム『Chillin'』(1985年)に続き2回目となります。

本作におけるメンバーはジャケのように4名。Jessie Danielsが抜けてAntoine "T.C.D." LundyTrisco PearsonCharles "Mercury" NelsonStevie D Lundyという4名のラインナップとなっています。

前作『Chillin'』からJimmy Jam & Terry Lewisプロデュースによる大ヒット「Tender Love」が生まれたことで自信を深めたグループが制作した3rdアルバムが本作『Touch & Go』(1987年)です。

本作からは「Love Is A House」「Touch And Go」「Couldn't Care Less」の3曲がシングル・カットされ、特に「Love Is A House」は、全米R&BチャートNo.1のヒットとなりました。

やはり、このグループはスロウ〜ミディアム系で本領を発揮するグループであり、本作でもスロウ〜ミディアムが充実しています。

とりあえずは「Love Is A House」を聴いて、トキめいた方はアルバム全体もチェックしてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「Love Is A House」
Geoff Gurd/Martin Lascellesプロデュース。前述のように、全米R&BチャートNo.1となったグループを代表する1曲であり、本作のハイライトとなるメロウ・クラシック。個人的には永遠のメロウ・クラシック「Tender Love」と双璧を成す1曲だと思います。このグループらしい甘酸っぱいスウィート・コーラスを存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=tidT-z1ezwc

Royal Flush「Can't Help It」のサンプリング・ソースとなっています。
Royal Flush「Can't Help It」
 https://www.youtube.com/watch?v=3dto4VG-3Tw

「Would You Love Me?」
Hubert Eaves IIIプロデュース。今聴くとサウンドは少し厳しいですが、このグループのスウィート・コーラスを活かしたダンサブル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=H_wJX5r5zpk

「Touch And Go」
Poogie Bell/Victor Baileyプロデュース。タイトル曲もシングルになりました。なかなかキャッチーなミディアム・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=1d0s3rgS9mI

「Couldn't Care Less」
Richard Scher/Robin Halpinプロデュース。この曲もシングル曲。しっとりと歌い上げる80年代若手グループらしいスウィート・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=E-vNoiaz_Sc

「Your Love Drives Me Crazy」
James Edward White, Jr.プロデュース。切々としたヴォーカルが胸にグッとくる素敵なラブ・バラード。あまり話題にならない曲ですが大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=oAQlGuRjuU8

「Midnite Lover」
LeRoi Evans/Robin Halpinプロデュース。NJSなアップチューン。スロウが充実しているだけにアップは少し分が悪いですな。
https://www.youtube.com/watch?v=cKvIeNjkckA

「Take Your Love Back」
Poogie Bell/Victor Baileyプロデュース。ピコピコ感のある打ち込みがこの時代らしいミディアム。でも80年代好きにはそれが心地好かったりして・・・
https://www.youtube.com/watch?v=zPxazbJ5opA

「Sweet Dreams」
Robin Halpin/Eric Calviプロデュース。ラストはタイトルの通り、ドリーミーなスウィート・バラードで感動的に締め括ってくれます。Common Market「Connect For」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Vfo99a4_AhM

Force M.D.'sの他作品もチェックを!

『Love Letters』(1984年)
Love Letters

『Chillin'』(1985年)
Chillin
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