発表年:1971年
ez的ジャンル:フリーキー&アフロ・スピリチュアル系ジャズ・ヴァイヴ
気分は... :ボートラ3曲も凄い・・・
今回はJazzシーンを代表するヴァイヴ奏者Bobby Hutchersonが1971年にレコーディングした『Head On』です。
これまで当ブログで紹介したBobby Hutcherson作品は以下の6枚。
『Components』(1965年)
『Happenings』(1966年)
『Stick-Up!』(1966年)
『Oblique』(1967年)
『San Francisco』(1970年)
『Montara』(1975年)
本作『Head On』(1971年)は、いつもHutchersonとは少し異なる印象を受けるアルバムに仕上がっています。
レコーディング・メンバーはBobby Hutcherson(vibes、marimba)、Todd Cochran(p)、Harold Land(ts、fl)、Oscar Brashear(tp、flh)、George Bohanon(tb)、Louis Spears(tb)、Willie Ruff(french horn)、Fred Jackson, Jr.(piccolo)、Donald Smith(fl)、Delbert Hill(reeds)、Charles Owens(reeds)、Herman Riley(reeds)、Ernie Watts(reeds)、William Henderson(el-p)、Reggie Johnson(b)、James Leary III(b)、Leon "Ndugu" Chancler(ds)、Nesbert "Stix" Hooper(ds)、Woody Theus(ds)、Warren Bryant(congas、bongos)です。
Todd Cochranがアレンジを手掛け、全7曲(ボートラ3曲含む)中4曲の作曲も行っています。その意味では彼の貢献がとても大きい1枚といえます。また、『San Francisco』に続きHarold Landの存在感も大きいですね。
本編4曲の中では、アフロ・スピリチュアル・ジャズな「Mtume」とフリー・ジャズな「Many Thousands Gone」が鮮烈ですね。
CDにはオリジナル4曲に加え、「Togo Land」、「Jonathan」、「Hey Harold」という3曲のボーナス・トラックが追加収録されています。この3曲だけで40分以上もあり、アルバム1枚分のボリュームです。ボリュームだけではなく内容も凄いです。ファンク〜ロックな演奏に本編とは異なる魅力を楽しめます。ボートラ3曲だけでも大満足できるはずです。
参加ミュージシャンの個々のプレイというより、演奏全体の持つパワーに惹きつけられる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「At the Source」
Todd Cochran作。「Ashes & Rust」「Eucalyptus」「Obsidian」の3曲から成る組曲風の仕上り。深遠な雰囲気の美しい演奏が印象的です。嵐の前の静けさか・・・。One Be Lo「E.T.」のサンプリング・ソースになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=qzigfpi8g30
「Many Thousands Gone」
Todd Cochran作。Reggie Johnsonの風雲急を告げるかのようなベースに、Hutchersonのマリンバ、さらにはドラムが加わり、緊張感のあるフリーキーな音空間が形成されていきます。ピリッとしたカオス感とスリリングなスピード感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eVmedZyaq7o
「Mtume」
Bobby Hutcherson作。本作のハイライトと呼べるアフロ・スピリチュアル・ジャズな1曲。Hutchersonのマリンバも含め、トライバルなリズムにのって、大地が目覚めていくようです。タイトルはあのMtumeと関連しているのですかね?
https://www.youtube.com/watch?v=AYOzv3VRbD0
「Clockwork of the Spirits」
Todd Cochran作。エレガントな中に時折な不穏な空気が少し顔を覗かせます。そんな中でもHutchersonのヴァイヴの響きを聴くと落ち着きますね。
https://www.youtube.com/watch?v=1AvFfsgmANs
さて、ここからがボーナス・トラック3曲。
「Togo Land」
Todd Cochran作。15分超の演奏ですが、ブラックネスな魅力に溢れたダイナミックなファンク・ロックな圧倒されます。Hutchersonのマリンバがトライバルな覚醒感を高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ErIru-cAqy4
「Jonathan」
Todd Cochran作。いつものHutchersonらしいエレガントなヴァイヴの音色を楽しめます。Harold LandのテナーやOscar Brashearのトランペットも雰囲気あります。
https://www.youtube.com/watch?v=eBc2PDsCXz8
「Hey Harold」
Bobby Hutcherson作。冒頭のドラム・ブレイクの格好良さにヤラれてしまう17分超のファンク・グルーヴ。ソリッドかつ馬力のありそうな突進力がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=uymrrTX_-TY
Bobby Hutchersonの過去記事もご参照下さい。
『Components』(1965年)
『Happenings』(1966年)
『Stick-Up!』(1966年)
『Oblique』(1967年)
『San Francisco』(1970年)
『Montara』(1975年)