2015年12月29日

Baden E Vinicius『Os Afro Sambas』

Baden PowellとVinicius de Moraesによるアフロ・サンバ名作☆Baden E Vinicius『Os Afro Sambas』
アフロ・サンバ
発表年:1966年
ez的ジャンル:神秘系アフロ・サンバ
気分は... :神の宿る地・・・

今回はギタリストBaden Powellと詩人Vinicius de Moraesというブラジル音楽の巨匠二人がタッグを組んだ名作Baden E Vinicius『Os Afro Sambas』(1966年)です。

偉大な詩人Vinicius de Moraesについては、Vinicius/Marila Medalha/Toquinho『Como Dizia O Poeta...』(1971年)を紹介済みです。意外にもブラジル音楽を代表するギタリスト/コンポーザーBaden Powell(1937-2000年)のアルバムを紹介するのは今回が初めてになります。

Badenは8歳からギターを弾き始め、10台半ばにはプロ・ギタリストしての道を歩み始め、19歳のときに作曲した「Samba Triste」がヒットし、一躍注目されるようになります。

60年代初めにVinicius de Moraesと出会い、共同創作活動を行うようになります。Viniciusは一時期外交官としてフランスに赴任していましたが、そのもBadenは欧州を活動拠点にしていました。

そして、帰国した二人がブラジル北東部バイーアを訪れ、当地のアフロ・ブラジリアン文化を吸収し、制作されたアルバムが本作『Os Afro Sambas』です。

土着的リズムや独特の愁いを帯びた神秘的ムードが包み込むアフロ・サンバ作品です。
楽曲はすべてVinicius de Moraes/Baden Powell作です。

Viniciusのヴォーカル、Badenのギターに加え、ブラジルを代表する女性コーラス・グループQuarteto Em Cyが全面参加し、アルバムの魅力向上に大きく貢献しています。

Baden Powellのアルバムでありながら、必ずしも彼のギターを前面に押し出すわけではなく、Viniciusの詩が紡ぎ出すアフロ・ブラジリアン文化の神秘的な側面にスポットを当てた歌重視のアルバムに仕上がっています。

神秘的なアフロ・サンバの不思議な魅力の虜となる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Canto De Ossanha」
本作で最も有名なのがこのオープニングかもしれませんね。Badenのギターとフルートの音色が神秘的な音世界を醸し出し、Quarteto Em Cyらのコーラスが一気に開放的な気分にさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Agk17u13U-o

本曲に関して、当ブログではTamba 4Quarteto Em CyLill LindforsElis ReginaToots Thielemans & Elis ReginaAgustin Pereyra LucenaRosalia De SouzaChristiane LegrandThe Girls from BahiaWalter WanderleyDorothy Ashbyのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方はご参照下さい。

「Canto De Xango」
土着的リズムにBadenのギターが絡むシャンゴー神への賛歌。フォーキーな雰囲気と天からの声のようなQuarteto Em Cyのコーラスがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Od2kpFZjhAI

「Bocoche」
Quarteto Em Cyのミステリアスかつビューティフルなコーラスを楽しめる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=rm6bGwX56Rk

「Canto De Iemanja」
未開の秘境に足を踏み入れたような気分になる神秘的空気に包まれた1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=3xPXrsOYpng

「Tempo De Amor」
演奏の格好良さでいえばコレが一番。軽快なリズムにのってBadenのギターが疾走します。
https://www.youtube.com/watch?v=NkCjGjt4e_4

「Canto Do Caboclo Pedra Preta」
この演奏も軽快です。神様のサンバといった趣のサンバ・グルーヴです。Badenのギターの響きも実に軽やか。
https://www.youtube.com/watch?v=s1O4J_3DRq0

「Tristeza E Solidao」
Badenの哀愁ギターが心に沁み渡ります。Quarteto Em Cyのコーラスが哀愁モードをさらに高めます。
https://www.youtube.com/watch?v=npBAS4realQ

「Lamento De Exu」
ラストはBadenのギターを存分に堪能できるインストで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_X2o3BMBhJQ

ご興味がある方はBaden Powellの他作品もチェックを!

『Baden Powell Swings with Jimmy Pratt』(1963年)
ワン・ノート・サンバ(紙ジャケット仕様)

『A Vontade』(1964年)
Baden Powell a Vontade (1964)

『Le Monde Musical de Baden Powell, Vol. 1』(1964年)
モンド・ミュージカル VOL.1

『Tristeza on Guitar』(1966年)
Tristeza on Guitar

『Le Monde Musical de Baden Powell, Vol. 2』(1969年)
モンド・ミュージカル VOL.2

『Solitude on Guitar』(1971年)
孤独

『Estudos』(1971年)
Estudos

『Images On Guitar』(1972年)
イメージズ・オン・ギター

『The Frankfurt Opera Concert 1975』(1975年)
Frankfurt Opera Concert 1975

『Serenata Brasileria』(1988年)
Serenata Brasileria
posted by ez at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする