天才ベーシスト、衝撃のデビュー・アルバム
Thundercat『The Golden Age of Apocalypse』発表年:2011年
ez的ジャンル:Flying Lotusの右腕天才ベーシスト
気分は... :やはり魅力的・・・
今最も旬な天才ベーシスト
Thundercatの1stアルバム
『The Golden Age of Apocalypse』(2011年)です。
黒人ドラマー
Ronald Bruner Sr.を父に、グラミー受賞歴を持つ敏腕ドラマー
Ronald Bruner Jr.を兄に持つ天才ベーシストである
Thundercat(本名
Stephen Bruner)の紹介は、
『Apocalypse』(2013年)に続き2回目となります。
前回、
『Apocalypse』(2013年)を発売直後に紹介しましたが、それ以降
Thundercatの名が当ブログに登場する回数が多くなりました。Jazz The New ChapterでLAビート・ミュージックの雄
Flying Lotusが大々的にクローズ・アップされ、それと共に彼の右腕として
Brainfeederを牽引する
Thundercatへの注目度も高まったことも影響しているかもしれませんが・・・
前回のエントリー以降、Thundercatが関与した作品として当ブログでは以下のものを紹介しています。
Sa-Ra『Second Time Around』(2005年)
Flying Lotus『Cosmogramma』(2010年)
Bilal『Airtight's Revenge』(2010年)
The Internet『Feel Good』(2013年)
Taylor McFerrin『Early Riser』(2014年)
Flying Lotus『You're Dead!』(2014年)
Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』(2015年)
Kamasi Washington『The Epic』(2015年)
このリストを眺めただけで、"Thundercat参加作品は名盤だらけ"ということがお分かりいただけると思います。
そんな中、昨年末に新作
『The Beyond / Where The Giants Roam』がAmazon.co.jp限定CDとしてリリースされましたが、ボートラ1曲を加えた全7曲のミニ・アルバムという点が引っ掛かり、購入するかどうか迷っているところです。
そこで
Thundercatの魅力を再確認する意味で、1stアルバム
『The Golden Age of Apocalypse』(2011年)を取り上げた次第です。
今ほど
Thundercatへの注目度が高くない時期にリリースされた作品ですが、その分彼のプリミティヴな魅力を実感できりる1枚です。
Thundercatと総帥
Flying Lotus以外に、兄
Ronald Bruner Jr.、昨年末に2011年のソロ・アルバム『Self Taught』が国内CD化され、注目度が高まっているキーボード奏者
Brandon Coleman、元
Robert Glasper Experimentで
D'Angelo & The Vanguardにも参加していた注目ドラマー
Chris Dave、
Sa-Ra Creative Partnersの
Shafiq Husayn、
Taylor Graves、
Hadrien Feraud、女性シンガーJack DaveyとのユニットJ*Daveyでの活動でも知られる
Brook D'Leauがプロデュースを務めています。
また、レコーディングには
Miguel Atwood-Ferguson(viola)、
Kamasi Washington(sax)、
Austin Peralta(key)、
Sa-Ra Creative Partnersの
Om'Mas Keith(vo)、
C. Graves(key)、
Dorian Concept(key)、
Erykah Badu(vo)、が参加しています。
改めて聴き直すと、LAビート・ミュージックと今ジャズが融合し、さらにクロスオーヴァー化しているサウンドが実に刺激的です。この1枚を聴けば、彼が総帥
Flying Lotusの右腕として絶大な信頼を得ている理由が分かるはずです。
多分、この記事をアップした直後に迷っていた
『The Beyond / Where The Giants Roam』を購入しちゃうんだろうなぁ(笑)
全曲紹介しときやす。
「Hooooooo」George Duke「For Love (I Come Your Friend)」をサンプリングしたアルバムのプロローグ。
「Daylight」Taylor Gravesプロデュース。LAビート・ミュージックらしい記号的側面とメロディアスな部分が見事に調和しています。Miguel Atwood-Fergusonがヴィオラで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=oi9hhxuMdGo 「Fleer Ultra」Taylor Gravesプロデュース。Thundercatのベースを楽しむには持って来いの演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=THcaEKOLZNY 「Is It Love?」Flying Lotus/Thundercatプロデュース。
Sa-Ra Creative PartnersのOm'Mas KeithとShafiq Husaynが関与し、さらにMiguel Atwood-Ferguson、
Kamasi Washington、Austin Peraltaも参加したLAジャズ好き、JTNC好きの人には興味深い演奏なのでは?終盤には
Flying Lotus『Cosmogramma』(2010年)に収録された
「MmmHmm」がサンプリングされています。
https://www.youtube.com/watch?v=ijiP-FSjDxU異才シンガーソングライター/マルチ・インストゥルメンタリスト
Diggs Dukeが話題作
『Offering For Anxious』でカヴァーしていましたね。天才ミュージシャン同士通ずるものがあるのでしょうね。
「For Love I Come」Flying Lotus/Thundercatプロデュース。
オープニング「Hooooooo」の本編という感じで「Hooooooo」と同じく
George Duke「For Love (I Come Your Friend)」をモチーフにし、Thundercatの超絶ベースとAustin PeraltaとDorian Conceptのキーボードが絡みます。
https://www.youtube.com/watch?v=B3rVV_Jp_rQ 「It Really Doesn't Matter To You」Flying Lotus/Thundercat/Hadrien Feraudプロデュース。パリ出身のベーシストHadrien FeraudとThundercatという興味深いベーシスト共演を楽しめます。そんな二人を兄Ronald Bruner Jr.がドラムでサポートしています。
https://www.youtube.com/watch?v=CgO8vioovgQ 「Jamboree」Thundercat/Ronald Bruner Jr./B. D'Leau Davisプロデュース。生音ビートミュージックって感じが実にエクぺリメンタルですね。Jazz The New Chapter好きの人が喜びそうな演奏なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=8jLzHTAUPgc 「Boat Cruise」Thundercat/Brandon Colemanプロデュース。ビートミュージック的なミニマルなコズミック感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=y4cEjT80xuI 「Seasons」Thundercat/Shafiq Husaynプロデュース。二人のコラボ色が強いコズミック・トラック。ヴォーカル入りで意外に聴きやすいかも?
https://www.youtube.com/watch?v=WOooD9TRfh4「Golden Boy」Thundercat/Chris Daveプロデュース。この共演も実に興味深いですね。ThundercatのベースとChris Daveのドラムの静かなる応酬を楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=L4PAsoPh6vE 「Walkin'」Flying Lotus/Thundercat/Hadrien Feraudプロデュース。
Erykah Baduがヴォーカルで参加した話題曲。LAビート・ミュージック的メロウ・ソウルといった趣のキャッチーな仕上りです。
https://www.youtube.com/watch?v=8qGigIMM1Vw 「Mystery Machine (The Golden Age Of Apocalypse)」Flying Lotus/Thundercatプロデュース。タイトルの通り、ミステリアスな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=KxGwHk5gDZ0 「Return To The Journey」Flying Lotus/Thundercatプロデュース。本編のラストはアルバムの余韻を楽しむような演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=s-tqcqsiWcA「$200 TB」国内盤ボーナス・トラック。
Flying Lotus/Thundercatプロデュース。今は亡き天才ピアニストAustin Peraltaの参加が嬉しいボートラです。
https://www.youtube.com/watch?v=hjp28GO3XIE『Apocalypse』(2013年)
『The Beyond / Where The Giants Roam』(2015年) ※ミニ・アルバム