2016年01月25日

The Brothers Johnson『Blam!!』

超絶ファンキー・ディスコ・チューン「Ain't We Funkin' Now」収録☆The Brothers Johnson『Blam!!』
ブラム!
発表年:1978年
ez的ジャンル:Quincy Jones系ディスコ/ファンク/フュージョン
気分は... :ファンキー兄弟

今回はGeorgeLouisのファンキー兄弟The Brothers Johnson『Blam!』(1978年)です。

『Look Out For #1』(1976年)、『Light Up The Night』(1980年)に続き3回目となります。

昨年ファンキー・ベーシストLouis Johnsonが60歳で逝去し、ショックだったファンも多かったのでは?

本作『Blam!』(1978年)は、『Look Out For #1』(1976年)、『Right On Time』(1977年)に続く3rdアルバムであり、これまでのアルバム同様にQuincy Jonesがプロデュースしています。

レコーディングにはGeorge Johnson(g、vo)、Louis Johnson(b、g、p、syn、vo)をはじめ、兄弟の従兄弟であるAlex Weir(g、vo)、David Foster(syn、el-p)、Larry Carlton(g)、Steve Khan(g)、Harvey Mason(ds)、Steve Shaffer(ds)、Wayne Vaughn(el-p、back vo)、Richard Tee(el-p、p)、Eddie "Bongo" Brown(per)、Steve Porcaro(syn)、Lawrence Williams(syn、sax、fl、clarinet)、Kim Hutchcroft(sax、fl)、Gary Grant(sax、fl)、Jerry Hey(tp、flh)、William Reichenbach(tb)、Michael Brecker(ts)、Steve Foreman(timpani)等のミュージシャンが参加しています。

さらにLouis Johnson、Louisの奥方Valerie Johnsonとゴスペル・ユニットPassageを結成するRichard HeathBobby FloydFrank FloydGwen GuthriePatti AustinRaymond SimpsonYollanda McCulloughVivian CherryWilliam EatonZachary Sandersらがバック・コーラスで参加しています。

シングル・ヒットは生まれませんでしたが、全米R&Bアルバム・チャートNo.1(同アルバム・チャート第7位)に輝いています。豪華な参加メンバーに相応しいスケールの大きなファンキー・サウンドを楽しめます。

何といっても本作のハイライトはファンキー兄弟の魅力全開のファンキー・ディスコ・チューン「Ain't We Funkin' Now」ですね。この曲はサンプリング・ソースとしても大人気です。

それ以外であれば、キャッチーなファンキー・メロウ「Blam!」、素敵なメロウ・チューン「It's You Girl」、ファンキー・フュージョンなインスト「Streetwave」あたりがオススメです。

とりあえず、ジャケに写る2人のようにファンキーに弾けた「Ain't We Funkin' Now」を聴きましょう!

全曲紹介しときやす。

「Ain't We Funkin' Now」
前述のように本作のハイライトとなるファンキー・ディスコ・チューン。このユニットのファンキーな魅力が余すことなく発揮された永遠のクラシックだと思います。この曲聴いてファンキーにならなきゃ嘘でしょ!
https://www.youtube.com/watch?v=4MFQ7JL318o

Doug E. Fresh「I'm Gettin' Ready」、Grandmaster Flash「She's Just a Tease/ Ain't We Funkin' Now」、Kid 'N Play「Last Night」、N.W.A「If It Ain't Ruff」 、Queen Latifah「Come Into My House」、「Nature of a Sista'」 、Black Box「Strike It Up」、MC Lyte「Not Wit' a Dealer」 、Public Enemy「Revolutionary Generation」、Ice Cube「Horny Lil' Devil」、Tony! Toni! Tone! feat. Vanessa Williams「Oakland Stroke」をはじめ120以上の曲のサンプリング・ソースとなっています。
Doug E. Fresh「I'm Gettin' Ready」
 https://www.youtube.com/watch?v=cZCfhgeyREk
Kid 'N Play「Last Night」
 https://www.youtube.com/watch?v=Jf9R7J8kL8M
N.W.A「If It Ain't Ruff」
 https://www.youtube.com/watch?v=SCykJvngSmw
Queen Latifah「Come Into My House」
 https://www.youtube.com/watch?v=gtn7_rc6hmA
MC Lyte「Not Wit' a Dealer」
 https://www.youtube.com/watch?v=BcIl6C4ZBKQ
Ice Cube「Horny Lil' Devil」
 https://www.youtube.com/watch?v=9bdhaXShyRE
Tony! Toni! Toné! feat. Vanessa Williams「Oakland Stroke」
 https://www.youtube.com/watch?v=syUA6zrW_4M

「So Won't You Stay」
David Foster/Harvey Mason作のメロウ・バラード。どこまでもソフトリーに迫ります。
https://www.youtube.com/watch?v=Mnb6BXKmDwQ

「Blam!」
タイトル曲はキャッチーなファンキー・メロウ。メロディアスな部分とファンキーな味わいのバランス感覚がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dToDiJ0bYa8

「Rocket Countdown/Blastoff」
SWをイメージさせる小曲インスト。

「Ride-O-Rocket」
Nickolas Ashford/Valerie Simpson作。Ashford & Simpson作品は陽気でポップなファンキー・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=mDsWWyX0UUQ

「Mista' Cool」
Louis Johnsonのベースを楽しめるインストですが、少しインパクトが弱いかも?
https://www.youtube.com/watch?v=i-aPE8A7wLI

「It's You Girl」
素敵なメロウ・チューンでファンキー路線だけではない所を示してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=f05APMm149c

「Streetwave」
ラストはファンキー・フュージョンなインスト・チューン。彼らの演奏を楽しむにはインストもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FTY2uz-5oRs

Absolute Beginner「Freiheit Befreien」、Le Knight Club「Soul Bells」、Jay Vegas「The Party」等のサンプリング・ソースにもなっています。
Absolute Beginner「Freiheit Befreien」
 https://www.youtube.com/watch?v=KLzFnBdSjJE

The Brothers Johnsonの他作品もチェックを!

『Look Out For #1』(1976年)
ルック・アウト・フォー・No.1

『Right on Time』(1977年)
Right on Time

『Light Up The Night』(1980年)
Light Up the Night

『Winners』(1981年)
Winners

『Out of Control』(1984年)
Out of Control
posted by ez at 00:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月24日

Bin-Jip『Heavy』

Harcsa Veronikaのコケティッシュ・ヴォーカル&ダーク・グルーヴ☆Bin-Jip『Heavy』
HEAVY
発表年:2015年
ez的ジャンル:ハンガリー産ダーク&フューチャリスティック・グルーヴ
気分は... :ダークな美学・・・

今回は新作からハンガリー出身ミュージシャン/DJが結成したユニットBin-Jipの2ndアルバム『Heavy』です。

女性ジャズ・ヴォーカリストHarcsa Veronika(Veronika Harcsa)、ジャズ・ギタリストGyemant Balint(Balint Gyemant)、ジャズ・ピアニストKaltenecker Zsolt(Zsolt Kaltenecker)、そしてDJのAndrew Jという4人のハンガリー出身ミュージシャン/DJが結成したユニットBin-Jipの紹介は、『Enter』(2010年)に続き2回目です。

『Enter』以降、Harcsa Veronikaは4thソロ『Lampafeny』(2011年)やGyemant Balintとのデュエット・アルバム『Lampafeny』(2013年)といった本来のジャズ・フィールドでの作品をリリースしています。

2ndアルバムとなる本作『Heavy』に話を戻すと、グループは本作でその活動に区切りをつけるようです。

本作におけるメンバーはHarcsa VeronikaGyemant BalintAndrew Jの3名。Kaltenecker Zsoltはレコーディングに参加しているものの、メンバーとしてはクレジットされていません。

アルバムを聴いた印象では、1st以上にプロデューサーを務めるAndrew Jの役割が増し、彼のセンスが反映されたダーク&フューチャリスティックなグルーヴを楽しめます。全体的に前作以上に力感のあるサウンドが目立ちます。個人的にはSelah Sueあたりのオルタナティヴ・ソウル作品に通じる部分も感じました。

これで解散してしまうのが惜しまれる充実の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Enjoy The Rest」
Harcsa Veronikaのコケティッシュ・ヴォーカルとAndrew Jの創る力強いトラックが見事にマッチしたオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ubDXwiKWOr4

「Heavy」
タイトル曲はロッキン・テイストのへヴィ―・グルーヴ。ロッキンな躍動とクールなビートのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=VLexvmdQrPQ

「Gin With Lime」
1st『Enter』の流れを汲むフューチャー・ジャズ。疾走感が何とも心地好いです。

「Toss And Turn」
Selah Sueあたりのオルタナティヴ・ソウル感のある哀愁グルーヴ。

「Vicky」
Gyemant Balintのギターによる素晴らしいイントロに続き、本編は少しダークなグルーヴが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=BvQIJcHJQTE

「Fig Peel」
僕の一番のお気に入り。Harcsa Veronikaの哀愁コケティッシュ・ヴォーカルとAndrew Jのクール&ダーク・トラックの組み合わせが格好良いですね。

「Flimsy」
Harcsa Veronikaの哀愁コケティッシュ・ヴォーカル、Gyemant Balintのミステリアスなギター、Andrew Jのセンス全開の重低音トラックと三者の個性が見事に融合したダーク・チューン。

「Stitches」
哀愁モードで疾走するフューチャー・ジャズ。エレクトリックな音の質感がいいですね。

「Ploy」
切れ味のあるフューチャリスティックな躍動感が印象的です。

「Uncle」
トリップ・ホップ的なダウナー・チューン。サスペンス映画のサントラに似合いそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=vtceBu-1N2g

「Noway Boy」
このユニットらしいダーク&フューチャリスティックなセンスを楽しめる1曲。暗黒のフューチャー・ジャズといった雰囲気ですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=XQbmfG39YWM ※TVライヴ

「Dinner With A Demon」
本編のラストはミステリアスな哀愁チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=suCpyaJbHJI

国内盤CDボーナス・トラックとして、「Noway Boy (remixed by Kazuhiro Takeuchi)」「Dinner With A Demon (remixed by N.D.)」の2曲が追加収録されています。

『Enter』(2010年)
ENTER

興味がある方はメンバー関連の作品もチェックを?

Andrew J & Kaltenecker『Melodies』(2002年)
MELODIES

Harcsa Veronika『Speak Low』(2005年)
スピーク・ロウ

Harcsa Veronika『You Don't Know It's You』(2007年)
ユー・ドント・ノウ・イッツ・ユー

Harcsa Veronika『Red Baggage』(2008年)
レッド・バゲッジ

Harcsa Veronika『Lampafeny』(2011年)
Lampafeny / ランパフィーニュ

Harcsa Veronika/Gyemant Balint『Lampafeny』(2013年)
Lifelover
posted by ez at 01:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月23日

Marcos Valle『Viola Enluarada』

米国から帰国後に制作されたブラジルへの思いが詰まった1枚☆Marcos Valle『Viola Enluarada』
ヴィオラ・エンルアラーダ
発表年:1968年
ez的ジャンル:ブラジル最高のメロディ・メーカー
気分は... :望郷の念・・・

昨晩のサッカーU-23アジア選手権準々決勝「日本対イラン」はしびれる展開でしたね。
危ない場面もありましたが、粘り抜いて無失点で勝ちきったところにチームの成長を感じました。傑出した選手はいないものの、メンバー23名の総合力と少しの運に任せて五輪切符をつかんで欲しいですね。

今年に入ってブラジルものを紹介していなかったのでブラジルものを・・・

ブラジルを代表するシンガー・ソングライターMarcos Valle『Viola Enluarada』(1968年)です。

当ブログでこれまで紹介したMarcos Valle作品は以下の10枚。

 『Samba '68』(1968年)
 『Mustang Cor De Sangue』(1969年)
 『Marcos Valle (1970)』(1970年)
 『Garra』(1971年)
 『Vento Sul』(1972年)
 『Previsao Do Tempo』(1973年)
 『Marcos Valle (1974)』(1974年)
 『Vontade De Rever Voce』(1981年)
 『Pagina Central』(2009年) ※Celso Fonsecaとの共演作
 『Esphera』(2010年)

本作『Viola Enluarada』は、『Samba '68』(1968年)のレコーディングのため、約1年間を米国で過ごしたMarcosがブラジル帰国後に制作したアルバムです。その意味でMarcosの故郷への思いが強く反映されたアルバムかもしれません。

アルバムにはMilton Nascimento、妻AnamariaThe Golden Boysがフィーチャーされ、Dori CaymmiAntonio AdolfoEumir DeodatoOscar Castro-Nevesがアレンジを手掛けています。

全体的には哀愁モードの曲が多いですが、Marcosらしいメロディと望郷の念や祖国を憂う思いが相俟った雰囲気のあるアルバムに仕上がっています。

この時期から70年代前半のMarcos作品はどれを取っても素晴らしいの一言ですね。

全曲紹介しときやす。

「Viola Enluarada」
邦題『月夜のヴィオラ』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Milton Nascimentoをフィーチャー。Marcosらしいメロディにのって平和と自由へのメッセージが歌われる名曲ですね。Dori Caymmiのアレンジもグッド!当ブログではSergio Mendes & Brasil '66The G/9 Groupのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=jBMqXCz70TA

「Proton Eletron Neutron」
邦題『陽子・電子・中性子』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。妻Anamaria Valleをフィーチャー。Antonio Adolfoのアレンジによる小気味良いサウンドが印象的な夫婦デュエットですが、歌詞はメッセージ色が強いものになっています。それにしてもすごいタイトルですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ADRtYtA3dxk

「Maria Da Favela」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。美しいメロディが印象的です。愁いを帯びたメロディとヴォーカルはサウダージ感たっぷりです。

「Bloco Do Eu Sozinho」
Marcos Valle/Ruy Guerra作。シンプルなアレンジでMarcosらしいメロディを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=hWEmZ-4zIAM

「Homem Do Meu Mundo」
邦題『この世界の人間』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。美しいストリングスをバックに、哀愁のメロディをしっとりと歌い上げます。

「Viagem」
邦題『旅』。Marcos Valle/Ronaldo Bastos作。小粋なジャズ・サウンドでアルバムにアクセントを加えてくれます。

「Terra De Ninguem」
邦題『誰のものでもない大地』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。The Golden Boysをフィーチャー。The Golden Boysのダバダバ・コーラスが印象的です。特に終盤のコーラス・ワークは素晴らしいの一言です。個人的には以前に当ブログで紹介したSabrina Malheirosヴァージョンもお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=nXDuII7xZAs

Sabrina Malheiros「Terra De Ninguem」
 https://www.youtube.com/watch?v=FtpyNWiBEp4

「Tiao Braco Forte」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。壮大なオーケストレーションをバックに、美しい哀愁メロディを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=XgtvxV8C0FQ

「O Amor E Chama」
邦題『愛は炎』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。メッセージ色の強い曲が多い本作ですがEumir Deodatoがアレンジを務める本曲は切ないラブソングです。
https://www.youtube.com/watch?v=6SRtIyXYeGk

「Requiem」
Marcos Valle/Milton Nascimento/Ronaldo Bastos/Ruy Guerra作。再びMilton Nascimentoをフィーチャー。厳かな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=AzIIQWrGyA8

「Pelas Ruas Do Recife」
邦題『ヘシーフェの街角で』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。愁いを帯びた曲が多い本作ですが、この曲は開放的です。
https://www.youtube.com/watch?v=8c4MM_cUkBw

「Eu」
邦題『僕』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。本編のラストは美しくも切ない失恋ソングで締め括ってくれます。Marcosの寂しげな歌声が印象的です。当ブログではVox Populiのカヴァーも紹介済みです。

「Ultimatum」
CDのボーナス・トラック。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。AnamariaとのデュエットでEumir Deodatoがオーケストレーションを手掛けています。本編にはないリズミックな展開の仕上がりであり、嬉しいボートラです。

Marcos Valleの過去記事もご参照下さい。

『Samba '68』(1968年)
サンバ’68

『Mustang Cor De Sangue』(1969年)
Mustang Cor De Sangue Ou Corcel Cor De Mel

『Marcos Valle(1970)』(1970年)
marcos valle 1970.jpg

『Garra』(1971年)
Garra

『Vento Sul』(1972年)
ヴェント・スル

『Previsao Do Tempo』(1973年)
Previsao Do Tempo

『Marcos Valle (1974)』(1974年)
マルコス・ヴァーリ(1974)

『Vontade De Rever Voce』(1981年)
ヴォンタージ・ジ・レヴェール・ヴォセ

『Pagina Central』(2009年)
パジナ・セントラウ [ボーナス・トラック付]

『Esphera』(2010年)
ESPHERA
posted by ez at 12:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月22日

Johnny Hammond『Gambler's Life』

Mizell Brothersとの共演、第1弾作品☆Johnny Hammond『Gambler's Life』
ギャンブラーズ・ライフ
発表年:1974年
ez的ジャンル:Sky High Production系ジャズ・ファンク
気分は... :ジャケ怖すぎ(笑)

今回はジャズ・オルガン奏者Johnny "Hammond" Smith(1933-1997年)がLarry MizellFonce MizellMizell Brothersと共演したアルバム『Gambler's Life』(1974年)です。

1950年代から70年代にかけて活躍したハモンド・オルガン奏者Johnny "Hammond" Smithの紹介は、レア・グルーヴ/フリーソウル人気作『Gears』(1975年)に続き2回目となります。

Johnny Hammondといえば、Mizell BrothersのSky High Productionの素晴らしさを見せつけてくれたレア・グルーヴ/フリーソウル人気作『Gears』(1975年)のインパクトが大ですよね。

「Los Conquistadores Chocolates」「Shifting Gears」「Fantasy」 といった人気曲が収録された『Gears』は僕も大好きな盤です。

『Gears』以外にもJohnny Hammondは、『Gambler's Life』(1974年)、『Forever Taurus』(1976年)という2枚のアルバムをMizell Brothersと共に制作しています。

本作『Gambler's Life』(1974年)は、Mizell Brothersとの共演第1弾であり、オルガン奏者であるJohnny "Hammond" Smithにエレピやシンセを演奏させ、Mizell Brothersが彼の新たな魅力を引き出すことに成功しています。

レコーディングにはJohnny Hammond(syn、el-p)、Larry Mizell(key、back vo)、Fonce Mizell(clavinet、tp、back vo)、Jerry Peters(p)、Harvey Mason(ds)、Fritz Wise(ds)、Henry Franklin(b)、Tony Dumas(b)、John Rowin(g)Mel Bolton(g)、Melvin Ragin(g)、King Errisson(congas)、Al Hall(tb)、Carl Randell, Jr(sax)、Stephanie Spruill(per、vo)、Freddie Perren(back vo)が参加しています。

プロデュースはLarry Mizell

ファンキーなタイトル曲「Gambler's Life」、スカイ・ハイ・サウンド全開の「Star Borne」、スピード感が格好良い「Back To The Projects」、ボッサ・フィーリングの「This Year's Dream」あたりが特にオススメです。

怖すぎるジャケのせいで損しているアルバムですが、中身はMizell Brothersファンを十分満足させるものです。

全曲紹介しときやす。

「Gambler's Life」
Larry Mizell作。ファンキーなスカイ・ハイ・プロダクションといったフィーリングにグッとくるタイトル曲。Johnny Hammondのエレピが軽々に駆け巡ります。中盤以降にはコーラスも入って盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QF3W0kuBPAE

Erykah Badu「Booty」Gang Starr feat. Lil' Dap & Jeru the Damaja「I'm the Man」、DJ Cam「Liquid Hip Hop」のサンプリング・ソースにもなっています。

「Rhodesian Thoroughfare」
Chuck Davis/Sigidi作。この曲はLarry Mizellに加え、Chuck Davisが共同プロデュースしています。疾走するホーン隊が先導するジャズ・ファンク・チューン。エレピ、シンセ、ピアノの鍵盤の絡みにグッときます。

「This Year's Dream」
Johnny "Hammond" Smith作。ここではボッサなメロウ・フィーリングで楽しませてくれます。ただし、甘くなりすぎずビターな部分もあるのがこの人らしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=eeVyfzStBhM

「Star Borne」
Larry Mizell作。スカイ・ハイ・サウンドを存分に楽しめる1曲。爽快メロウなコズミック感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=3peR6LthOhk

「Back To The Projects」
Larry Mizell作。スピード感のあるサウンドで爽快に駆け抜けています。Johnny Hammondのエレピも冴え渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=AZ6NEDCh_5A

Skyzoo「My Interpretation」のサンプリング・ソースになっています。
Skyzoo「My Interpretation」
 https://www.youtube.com/watch?v=f6vP4QbtFGY

「Yesterday Was Cool」
Larry Mizell/William Jordan作。リズミックな展開とファンキーな味わいがスカイ・ハイらしいサウンドと相俟って躍動感を増幅させています。
https://www.youtube.com/watch?v=TYHBLv6YPTs

「Virgo Lady」
Johnny "Hammond" Smith作。6拍子を用いた演奏でアクセントを加えています。アルバムの中で最も"ジャズ"している演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=PfhVPNBiFO0

「Call On Me」
Larry Mizell & Fonce Mizell作。ラストはメロウ・フィーリングで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BnRYQK--stc

Kendrick Lamar「Beyonce」、Dragon Ash「M」のサンプリング・ソースになっています。
Kendrick Lamar「Beyonce」
 https://www.youtube.com/watch?v=BGlgmLGVhbI

他のJohnny "Hammond" SmithMizell Brothersの共演アルバムもチェックを!特にSky High Productionの金字塔『Gears』は必聴だと思います。

『Gears』(1975年)
Gears

『Gears/Forever Taurus』(1975年/1976年) ※2in1CD
Gears/Forever Taurus
posted by ez at 19:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月21日

Submotion Orchestra『Finest Hour』

人力ダブステップ・バンドの美学が貫かれたデビュー作☆Submotion Orchestra『Finest Hour』
Finest Hour
発表年:2011年
ez的ジャンル:UKダブステップ×ソウル×ジャズ×アンビエント
気分は... :翳りゆく部屋・・・

今回はUKの人力ダブステップ・バンドSubmotion Orchestraの1stアルバム『Finest Hour』(2011年)です。

2009年にリーダーのDom Howardを中心にリーズで結成され、教会での生演奏ダブステップ・ライブで注目を集めたSubmotion Orchestraの紹介は、『Alium』(2014年)に続き2回目となります。

生演奏ダブステップ・ライブが結成のきっかけとなったグループであり、"ダブステップ"というイメージが先行するかもしれませんが、僕のように熱心なダブステップのリスナーではない人間でも楽しめる刺激的な1枚です。

メンバーはRuby Wood(vo)、Simon Beddoe(tp、flh)、Taz Modi(p、key、syn、vibe)、Chris Hargreaves(b)、Danny Templeman(per)、Tommy Evans(ds)、Dom Howard(programming、producer、engineer)という7名。

ダンサブル・チューンと美しくも翳りのあるダウンテンポのメリハリのあるアルバム構成がいいですね。あとは予想以上にジャズやアンビエントなエッセンスが効いている気がします。

個人的には「Always」「Suffer Not」「Secrets」「All Yours」あたりがお気に入りですが、それ以外の曲も聴く者を惹き込む力があります。

とにかくアルバム全編このバンドの美学が貫かれているのがいいですね。

今回聴き直して、改めて名盤だと感じました。

全曲紹介しときやす。

「Angel Eyes」
重心の低いグルーヴ、切ないRuby Woodのヴォーカル、哀愁のメロディ、そして適度にキャッチー・・・このグループの魅力がコンパクトに詰まったオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=cg5fLdmtrN0

「Backchat」
ネクスト・アンビエント/ダブステップ的な仕上りのインスト。ジャズのエッセンスも加わります。
https://www.youtube.com/watch?v=arq17hLIutI

「Always」
シングルにもなったフューチャー・ジャズ的なダンサブル・チューン。ダビーなスパイスもいい感じですね。僕の一番のお気に入り曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=vMmqgBvNdVQ

「Hymn For Him」
Ruby Woodのヴォーカルが木霊のように響くダウナー・チューンですが、ジャズ的エッセンスも感じるのがこのバンドらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HscJPjNB6fk

「All Yours」
静の美学を感じるビューティフル・チューン。翳のある美しさがたまりません。今の時期のような寒い日に聴くとマッチしますね。
https://www.youtube.com/watch?v=yOlBZGFu9vc

「Pop And Lock」
マッドなパーカッシヴ感にジャズのスパイスが効いているのが僕好みの刺激的なインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=VnVxKSg9u0k

「Suffer Not」
Ruby Woodの美しいヴォーカルとこのグループならではの音世界に惹き込まれるビューティフル・グルーヴ。「Always」、「Secrets」と並ぶ僕のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=COzpOy72_mU

「Secrets」
この曲も大のお気に入り。Ruby Woodのコケティッシュなヴォーカルと闇を切り裂くようなシャープなビートによる疾走感がたまらなく格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2wmxh9e8EcE

「Finest Hour」
タイトル曲はRuby Woodの美しくも寂しげなヴォーカルが印象的なビューティフル・ダウナー。UKらしい雰囲気でいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qPllDPnDsX8

「Perfection」
本編のラストは美しくも儚いRuby Woodのヴォーカルが印象的なバラードで何ともいえない余韻を残して締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=nZ8Di5ONByo

CDには「Suffer Not (Goth-Trad Remix)」「All Yours (Jack Sparrow Remix)」「All Yours (Acoustic)」という3曲のリミックスが追加収録されています。個人的には「All Yours (Jack Sparrow Remix)」が気に入っています。

「All Yours (Jack Sparrow Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=daOXbGl0fag

Submotion Orchestraの他作品もチェックを!

『Fragments』(2012年)
フラグメンツ

『Alium』(2014年)
Alium [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC448)
posted by ez at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする