発表年:1972年
ez的ジャンル:ファンキー・レディ・ソウル
気分は... :伝説の"黒いルビー"
今回は女性ソウル・シンガーRuby Andrewsの2ndアルバム『Black Ruby』(1972年)です。
Ruby Andrewsは1947年ミシシッピ州ホーランデール生まれの女性ソウル・シンガー。
The Vondellsのメンバーとして60年代に数枚のシングルをリリースした後、Ric Williamsと出会い、彼が設立したシカゴのレーベルZodiac Recordsから60年代後半から70年代前半にかけて作品をリリースしています。最も代表的なヒットは「Casonova (Your Playing Days Are Over)」 (1967年)ですかね。
アルバムとしては『Everybody Saw You』(1970年)、本作『Black Ruby』の2枚をZodiacからリリースしています。
その後も『Genuine Ruby』(1977年)、『Kiss This』(1991年)、『Hip Shakin Mama』(1998年)といったアルバムをリリースしています。
2ndとなる本作『Black Ruby』(1972年)はメンフィスでレコーディングされました。
レーベル・オーナーRic Williamsとソングライティング・チームBrothers of SoulのFred Bridges、Richard Knight、Robert Eatonの3名がプロデュースを手掛けています。ソングライティングも彼らが中心となっています。
アルバム全体としてはファンキーなサザン・ソウル風味が印象的なディープ・ソウル作品に仕上がっています。
「(I Want To Be) Whatever It Takes To Please You」、「Overdose Of Love」、「You Made A Believer Out Of Me」、「You Ole Boo Boo You」、「My Love Is Comin' Down」あたりで本作らしいファンキー&ディープなサザン・ソウルを堪能できます。「Hound Dog」のファンキー・カヴァーもなかなかです。
それ以外にレディ・ソウル然とした「Didn't I Fool You」、軽快な「Just Lovin' You」も聴き逃せません。
ファンキー・サウンドに負けないパワフルなRuby Andrewsのヴォーカルに魅了される1枚です。
全曲紹介しときやす。
「(I Want To Be) Whatever It Takes To Please You」
ファンキー・サウンドとRubyのディーヴァ然としたソウルフル・ヴォーカルがマッチしたサザン・ソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=aj5p7wEvpds
「Overdose Of Love」
貫録のあるRubyの歌いぶりとソウルフルなバック・コーラスとの掛け合いが印象的なサザン・ソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=1dnywPFTc8w
「The Love I Need」
1968年にシングルになった楽曲です。サザン・ソウルらしいイナたさがいい感じのソウル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=9PZcdszLixo
Edo G「Love I Need」のサンプリング・ソースとなっています。
Edo G「Love I Need」
https://www.youtube.com/watch?v=ELzSLftaNfA
「Didn't I Fool You」
Rubyのディーヴァぶりを実感できるレディ・ソウルです。堂々とした歌いっぷりがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0R7NL3iNgt4
Main Source「Just a Friendly Game of Baseball (Bonus Version)」、DMX「We Go Hard」、Ras Kass feat. Skillz「Linguistics」、Evidence feat. Aloe Blacc「The Liner Notes」のサンプリング・ソースとなっています。
DMX「We Go Hard」
https://www.youtube.com/watch?v=E3Pd_ranYU4
Ras Kass feat. Skillz「Linguistics」
https://www.youtube.com/watch?v=iJWDVG-LU08
Evidence feat. Aloe Blacc「The Liner Notes」
https://www.youtube.com/watch?v=eoPiyPr0Hrw
「You Made A Believer Out Of Me」
シングルとして1969年に全米R&Bチャート第18位となったファンキーなミディアム・ソウル。僕の場合、Q-Tip「Won't Trade」でこのリフを何度も聴いたことで脳内にリフがインプットされました。
https://www.youtube.com/watch?v=2iUEnNEK76A
Q-Tip「Won't Trade」以外に De La Soul「Brain Washed Follower」、Da Bush Babees「Clear My Throat」、Afrika Bambaataa & Time Zone feat. Arthur 4X, D'Amazin' & Queen Asia「Fugitive」、Wu-Tang Clan「Diesel」のサンプリング・ソースとなっています。
Da Bush Babees「Clear My Throat」
https://www.youtube.com/watch?v=s1PyMggtejI
Afrika Bambaataa & Time Zone feat. Arthur 4X, D'Amazin' & Queen Asia「Fugitive」
https://www.youtube.com/watch?v=meZ1cZwq-uw
Q-Tip「Won't Trade」
https://www.youtube.com/watch?v=_M5x4a82PO8
「Good 'N Plenty」
ホーンやストリングスを効果的に配したシカゴ風味のソウル・チューン。
「You Ole Boo Boo You」
アルバムからのシングル・カット曲。ハーモニカを交えた実に雰囲気のあるファンキー・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=ba8_E_WRN2w
Violadores Del Verso feat. Supernafamacho「Laboratorio Hip Hop」、SFDK feat. Chukky「No」のサンプリング・ソースとなっています。
Violadores Del Verso feat. Supernafamacho「Laboratorio Hip Hop」
https://www.youtube.com/watch?v=FdjETIqiig4
SFDK feat. Chukky「No」
https://www.youtube.com/watch?v=5EcTPIw7Ci0
「Just Lovin' You」
アルバム全体のファンキーな味わいとは一線を画すキャッチーかつメロディアスな仕上りです。
https://www.youtube.com/watch?v=5pW9qdZ5Uqw
「My Love Is Comin' Down」
本作らしいファンキー・ソウル。本作らしいディープなファンキー・サウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=eajOkQIngnI
「Hound Dog」
Elvis Presleyヴァージョンでお馴染みのR&Bクラシックをカヴァー(Jerry Leiber/Mike Stoller)。本作らしいファンキー・ソウル調で聴かせてくれます。
CDにはボーナス・トラックとして、「Wonderful Nite」、「I Let Him Take Me (In His Arms)」、「Where Have You Gone」、「All The Way」、「Away From The Crowd」 、「You Got To Do The Same Thing」という1969-1973年のシングルB面曲など6曲が追加収録されています。本編とは異なるタイプの曲も結構あるので楽しめます。
『Everybody Saw You』(1970年)
『Kiss This』(1991年)
『Hip Shakin Mama』(1998年)