発表年:1968年
ez的ジャンル:ブラジル最高のメロディ・メーカー
気分は... :望郷の念・・・
昨晩のサッカーU-23アジア選手権準々決勝「日本対イラン」はしびれる展開でしたね。
危ない場面もありましたが、粘り抜いて無失点で勝ちきったところにチームの成長を感じました。傑出した選手はいないものの、メンバー23名の総合力と少しの運に任せて五輪切符をつかんで欲しいですね。
今年に入ってブラジルものを紹介していなかったのでブラジルものを・・・
ブラジルを代表するシンガー・ソングライターMarcos Valleの『Viola Enluarada』(1968年)です。
当ブログでこれまで紹介したMarcos Valle作品は以下の10枚。
『Samba '68』(1968年)
『Mustang Cor De Sangue』(1969年)
『Marcos Valle (1970)』(1970年)
『Garra』(1971年)
『Vento Sul』(1972年)
『Previsao Do Tempo』(1973年)
『Marcos Valle (1974)』(1974年)
『Vontade De Rever Voce』(1981年)
『Pagina Central』(2009年) ※Celso Fonsecaとの共演作
『Esphera』(2010年)
本作『Viola Enluarada』は、『Samba '68』(1968年)のレコーディングのため、約1年間を米国で過ごしたMarcosがブラジル帰国後に制作したアルバムです。その意味でMarcosの故郷への思いが強く反映されたアルバムかもしれません。
アルバムにはMilton Nascimento、妻Anamaria、The Golden Boysがフィーチャーされ、Dori Caymmi、Antonio Adolfo、Eumir Deodato、Oscar Castro-Nevesがアレンジを手掛けています。
全体的には哀愁モードの曲が多いですが、Marcosらしいメロディと望郷の念や祖国を憂う思いが相俟った雰囲気のあるアルバムに仕上がっています。
この時期から70年代前半のMarcos作品はどれを取っても素晴らしいの一言ですね。
全曲紹介しときやす。
「Viola Enluarada」
邦題『月夜のヴィオラ』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Milton Nascimentoをフィーチャー。Marcosらしいメロディにのって平和と自由へのメッセージが歌われる名曲ですね。Dori Caymmiのアレンジもグッド!当ブログではSergio Mendes & Brasil '66やThe G/9 Groupのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=jBMqXCz70TA
「Proton Eletron Neutron」
邦題『陽子・電子・中性子』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。妻Anamaria Valleをフィーチャー。Antonio Adolfoのアレンジによる小気味良いサウンドが印象的な夫婦デュエットですが、歌詞はメッセージ色が強いものになっています。それにしてもすごいタイトルですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ADRtYtA3dxk
「Maria Da Favela」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。美しいメロディが印象的です。愁いを帯びたメロディとヴォーカルはサウダージ感たっぷりです。
「Bloco Do Eu Sozinho」
Marcos Valle/Ruy Guerra作。シンプルなアレンジでMarcosらしいメロディを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=hWEmZ-4zIAM
「Homem Do Meu Mundo」
邦題『この世界の人間』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。美しいストリングスをバックに、哀愁のメロディをしっとりと歌い上げます。
「Viagem」
邦題『旅』。Marcos Valle/Ronaldo Bastos作。小粋なジャズ・サウンドでアルバムにアクセントを加えてくれます。
「Terra De Ninguem」
邦題『誰のものでもない大地』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。The Golden Boysをフィーチャー。The Golden Boysのダバダバ・コーラスが印象的です。特に終盤のコーラス・ワークは素晴らしいの一言です。個人的には以前に当ブログで紹介したSabrina Malheirosヴァージョンもお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=nXDuII7xZAs
Sabrina Malheiros「Terra De Ninguem」
https://www.youtube.com/watch?v=FtpyNWiBEp4
「Tiao Braco Forte」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。壮大なオーケストレーションをバックに、美しい哀愁メロディを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=XgtvxV8C0FQ
「O Amor E Chama」
邦題『愛は炎』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。メッセージ色の強い曲が多い本作ですがEumir Deodatoがアレンジを務める本曲は切ないラブソングです。
https://www.youtube.com/watch?v=6SRtIyXYeGk
「Requiem」
Marcos Valle/Milton Nascimento/Ronaldo Bastos/Ruy Guerra作。再びMilton Nascimentoをフィーチャー。厳かな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=AzIIQWrGyA8
「Pelas Ruas Do Recife」
邦題『ヘシーフェの街角で』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。愁いを帯びた曲が多い本作ですが、この曲は開放的です。
https://www.youtube.com/watch?v=8c4MM_cUkBw
「Eu」
邦題『僕』。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。本編のラストは美しくも切ない失恋ソングで締め括ってくれます。Marcosの寂しげな歌声が印象的です。当ブログではVox Populiのカヴァーも紹介済みです。
「Ultimatum」
CDのボーナス・トラック。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。AnamariaとのデュエットでEumir Deodatoがオーケストレーションを手掛けています。本編にはないリズミックな展開の仕上がりであり、嬉しいボートラです。
Marcos Valleの過去記事もご参照下さい。
『Samba '68』(1968年)
『Mustang Cor De Sangue』(1969年)
『Marcos Valle(1970)』(1970年)
『Garra』(1971年)
『Vento Sul』(1972年)
『Previsao Do Tempo』(1973年)
『Marcos Valle (1974)』(1974年)
『Vontade De Rever Voce』(1981年)
『Pagina Central』(2009年)
『Esphera』(2010年)