発表年:2015年
ez的ジャンル:ハンガリー産ダーク&フューチャリスティック・グルーヴ
気分は... :ダークな美学・・・
今回は新作からハンガリー出身ミュージシャン/DJが結成したユニットBin-Jipの2ndアルバム『Heavy』です。
女性ジャズ・ヴォーカリストHarcsa Veronika(Veronika Harcsa)、ジャズ・ギタリストGyemant Balint(Balint Gyemant)、ジャズ・ピアニストKaltenecker Zsolt(Zsolt Kaltenecker)、そしてDJのAndrew Jという4人のハンガリー出身ミュージシャン/DJが結成したユニットBin-Jipの紹介は、『Enter』(2010年)に続き2回目です。
『Enter』以降、Harcsa Veronikaは4thソロ『Lampafeny』(2011年)やGyemant Balintとのデュエット・アルバム『Lampafeny』(2013年)といった本来のジャズ・フィールドでの作品をリリースしています。
2ndアルバムとなる本作『Heavy』に話を戻すと、グループは本作でその活動に区切りをつけるようです。
本作におけるメンバーはHarcsa Veronika、Gyemant Balint、Andrew Jの3名。Kaltenecker Zsoltはレコーディングに参加しているものの、メンバーとしてはクレジットされていません。
アルバムを聴いた印象では、1st以上にプロデューサーを務めるAndrew Jの役割が増し、彼のセンスが反映されたダーク&フューチャリスティックなグルーヴを楽しめます。全体的に前作以上に力感のあるサウンドが目立ちます。個人的にはSelah Sueあたりのオルタナティヴ・ソウル作品に通じる部分も感じました。
これで解散してしまうのが惜しまれる充実の1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Enjoy The Rest」
Harcsa Veronikaのコケティッシュ・ヴォーカルとAndrew Jの創る力強いトラックが見事にマッチしたオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ubDXwiKWOr4
「Heavy」
タイトル曲はロッキン・テイストのへヴィ―・グルーヴ。ロッキンな躍動とクールなビートのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=VLexvmdQrPQ
「Gin With Lime」
1st『Enter』の流れを汲むフューチャー・ジャズ。疾走感が何とも心地好いです。
「Toss And Turn」
Selah Sueあたりのオルタナティヴ・ソウル感のある哀愁グルーヴ。
「Vicky」
Gyemant Balintのギターによる素晴らしいイントロに続き、本編は少しダークなグルーヴが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=BvQIJcHJQTE
「Fig Peel」
僕の一番のお気に入り。Harcsa Veronikaの哀愁コケティッシュ・ヴォーカルとAndrew Jのクール&ダーク・トラックの組み合わせが格好良いですね。
「Flimsy」
Harcsa Veronikaの哀愁コケティッシュ・ヴォーカル、Gyemant Balintのミステリアスなギター、Andrew Jのセンス全開の重低音トラックと三者の個性が見事に融合したダーク・チューン。
「Stitches」
哀愁モードで疾走するフューチャー・ジャズ。エレクトリックな音の質感がいいですね。
「Ploy」
切れ味のあるフューチャリスティックな躍動感が印象的です。
「Uncle」
トリップ・ホップ的なダウナー・チューン。サスペンス映画のサントラに似合いそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=vtceBu-1N2g
「Noway Boy」
このユニットらしいダーク&フューチャリスティックなセンスを楽しめる1曲。暗黒のフューチャー・ジャズといった雰囲気ですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=XQbmfG39YWM ※TVライヴ
「Dinner With A Demon」
本編のラストはミステリアスな哀愁チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=suCpyaJbHJI
国内盤CDボーナス・トラックとして、「Noway Boy (remixed by Kazuhiro Takeuchi)」、「Dinner With A Demon (remixed by N.D.)」の2曲が追加収録されています。
『Enter』(2010年)
興味がある方はメンバー関連の作品もチェックを?
Andrew J & Kaltenecker『Melodies』(2002年)
Harcsa Veronika『Speak Low』(2005年)
Harcsa Veronika『You Don't Know It's You』(2007年)
Harcsa Veronika『Red Baggage』(2008年)
Harcsa Veronika『Lampafeny』(2011年)
Harcsa Veronika/Gyemant Balint『Lampafeny』(2013年)