2016年02月29日

Chain Reaction『Indebted To You』

ジャマイカ出身の男性シンガー・トリオによる爽快スウィート・ソウル☆Chain Reaction『Indebted To You』
インデブティド・トゥ・ユー
発表年:1977年
ez的ジャンル:ジャマイカン・スウィート・ソウル
気分は... :曲目にご注意を!

今回は70年代スウィート・ソウル作品からChain Reaction『Indebted To You』(1977年)です。

Chain Reactionは、元Byron Lee & The DragonairesBruce Ruffin、元Dave & Ansel CollinsDave Collins、元The SensationsBobby Davisというジャマイカ出身の3名が結成したソウル・グループ。

ロックステディ/レゲエ系のヴォーカル・グループ出身のシンガー達が結成したソウル・ユニットというのが興味深いですね。そんな異色グループの唯一のアルバムがUKでリリースされた本作『Indebted To You』(1977年)です。

Peter Morris、元Manfred MannMike HuggIan Stephenson/Rob Arensteinがプロデュースし、Mike HuggGonzalezのメンバーRoy DaviesMick EvesLynton NaiffTony Kingがアレンジを手掛けています。

サイトによっては、スウィート・ソウルの大名盤といった謳い文句もあるようですが、そこまでの大名盤なのかなぁ?というのが正直な感想です。

ただし、それは中身がイマイチという意味ではありません。王道すぎる甘茶ソウルは少し苦手な僕にとっては、ジャマイカン・ヴォーカル・グループの流れを汲むChain Reactionの爽快コーラスは実に聴きやすいですね。

ファルセット・ヴォーカルによるスウィート・ソウル「Never Lose Never Win」、Lamont Dozierの名曲をカヴァー「Why Can't We Be Lovers」あたりがハイライトだと思いますが、ポップ&メロウな「Think I'll Leave This Song Just Like It Is」、メロウ・エレピが心地好い「Cold Steel」、クールなジャズ・ファンク・サウンドが格好良い「Hogtied」あたりもオススメです。

名盤云々と身構えず、気軽に楽しめるスウィート・ソウル作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Never Lose Never Win」
本作のハイライトと呼べるスウィート・ソウル。エレガントなストリングスと軽やかなファルセット・ヴォーカルがスウィートな世界を繰り広げます。
https://www.youtube.com/watch?v=Rd_8hCT4K-Q

「Why Can't We Be Lovers」
Lamont Dozierの名曲をカヴァー。濃厚になりすぎないメロウな仕上がりが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=LpwiJim7T8g

「Quicksand」
ファルセット・ヴォーカルで歌い上げる哀愁バラード。鍵盤によるサウンドのアクセントはMike Huggらしいのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=5PkYyJUXk1k

「Think I'll Leave This Song Just Like It Is」
J Hip-Hopのサンプリング・ソースにもなった曲。ポップ&メロウで聴きやすいです。Mick Eves、Roy Davisのアレンジ・センスが冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=0lojjC-C3P4

「Cold Steel」
メロウ・エレピが心地好い都会的なメロウ・バラード。Mike Huggプロデュース。

「Miss Lovely Miss Beautifu」
軽快なクラヴィネットが先導する爽快モダン・スウィート。
https://www.youtube.com/watch?v=_L7n_Z7bX70

「Hogtied」
実は僕の一番のお気に入りはコレ。ジャズ・ファンク調サウンドがクールで格好良い1曲。Mike Huggが創り出す巧みなサウンドにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=1rczZ47hNIA

「Indebted To You」
タイトル曲はオーセンティックなスウィート・ソウルです。正統派だけど力まずさり気ない感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=q3XNrMJRJQ0

「Chase A Miracle」
ラストはカッティング・ギターが心地好い、開放的なポップ・ソウル調で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=oSsWPDiuQcU

本作で注意すべきはCDの裏ジャケと実際の曲順が異なり、iTunesのデータベースも実際の楽曲と合致していない点です。僕も各曲の収録時間等と照合しながら、手入力で正しい曲目に修正しました。こういう盤って、たまにありますよね。ご注意を!
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2016年02月28日

The Oldians『Out Of The Blue』

日本に旋風を巻き起こしたバルセロナ発ジャマイカン・ジャズ・バンドの最新作☆The Oldians『Out Of The Blue』
アウト・オブ・ザ・ブルー
発表年:2016年
ez的ジャンル:バルセロナ産ジャマイカン・ジャズ
気分は... :アイランド気分で・・・

今回は新作アルバムからバルセロナのジャマイカン・ジャズ・グループThe Oldiansの最新作『Out Of The Blue』です。

2001年にスペイン、バルセロナで結成されたジャマイカン・ジャズ・グループThe Oldiansの紹介は、日本独自編集盤『Island Jazz Sessions』(2013年)に続き2回目となります。

『Old Secrets』(2008年)、『Arts of Seduction』(2010年)、『Wandering Souls』(2011年)、『Downtown Rock』(2013年)という4枚のオリジナル・アルバムから20曲をセレクトした日本独自の編集盤であり、国内デビュー盤となった『Island Jazz Sessions』(2013年)は、日本でも話題となり、ロングセラー作品となりました。

ロックステディ、スカといったヴィンテージなジャマイカン・サウンドとジャズ・サウンドを融合させた"ジャマイカン・ジャズ"という独自スタイルに僕も魅了され、『ezが選ぶ2013年の10枚』にセレクトしたお気に入りの1枚でした。

The Oldiansに続き、昨年は同じバルセロナのバンドThe Gramophone Allstars Big Band『Jazzmaica』が話題になり、バルセロナ発ジャマイカン・ジャズというジャンルがかなり確立されたのでは?

そんな中で遂にThe Oldiansの最新作『Out Of The Blue』がリリースされました。

本作のメンバーはリーダーのJavier Garcia(g)をはじめ、Xavi Angulo(ds)、 Alvaro Taborda(b)、Eduard Fernandez(p、org)、Ricard Vinyets(sax)、Pol Omedes(tp)、Saphie Wells(vo)という7名。

前作『Downtown Rock』(2013年)から最も大きな変化は、紅一点のリード・シンガーがLeire EtxarriからSaphie Wellsへ交代した点です。

キュートなタイプのLeire Etxarriからオトナの艶やかさがあるSaphie Wellsへリード・シンガーが交代したことで、グループのカラーも、大人のバンドといった雰囲気に多少変化したかもしれません。

アルバムはスカ・モードの軽快なアイランド・ジャズ、Saphie Wellsのヴォーカルを活かしたラヴァーズ、バンド本来の魅力を楽しめるインストの3つがバランス良く配されています。

どうしてもSaphie Wellsをフィーチャーしたヴォーカル曲を中心に聴いてしまいますが、今回インスト曲の魅力にも気づかされました。

『Out Of The Blue』 (Snippet & Making-of)
 https://www.youtube.com/watch?v=rZwuxoglq2Y

こんなアイランド・ジャズを聴いてしまうと、春を飛び越えて一気に夏モードになってしまいます。

全曲紹介しときやす。

「Living Upside Down」
スカ・サウンドとスウィートネスな魅力が調和したオープニング。The Oldiansの従来からの魅力を受け継いでいます。

「Red Hot」
このバンドがスカ・バンドではなく、"ジャマイカン・ジャズ"バンドであることを実感できるインスト・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=jor66LEuzR0

「Same Old Song」
スカのリズムにのったムーディーなノスタルジック感が本作らしいですね。Saphie Wellsの艶やかなヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=iYIJsp5_fNg

「Cotton Clouds」
アイランド・モードのインスト。リラックスしたメロウ・サウンドが寛ぎを与えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=x05PABchRPs

「Out Of The Blue」
タイトル曲はリーダーJavier Garciaのメロウ・ギターをフィーチャーしたインスト・チューン。前曲「Cotton Clouds」とセットで聴くといい感じです。

「Love Me Before I Leave」
The Oldiansの大きな魅力の1つであるラヴァーズ。ここでは愛の終わりの切ない思いをSaphieがしっとりと歌い上げます。

「Groovin’ Lazy」
レゲエ調のインスト・チューン。グルーヴィーなオルガンと雰囲気のあるホーン・アンサンブルがいいですね。

「Try And Fly」
開放的なラヴァーズ。Pol Omedesのトランペット・ソロはしっかりジャズしています。

「A Man And A Woman」
お馴染みのフランス映画『Un Homme Et Une Femme(邦題:男と女)』(1966年)の主題歌をカヴァー(Francis Lai/Pierre Barouh作)。お馴染みのメロディをSaphieがしっとりと歌い上げるオトナのラヴァーズに仕上がっています。

「Vikings From The East」
インスト・バンドとしてのThe Oldiansの魅力を存分に伝えてくれるインスト・チューン。Eduard Fernandezのエレピがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7g2dW9NEjTc

「Behind You」
ラヴァーズ系ではコレが一番好き!ここでのSaphieは前任のLeireのようなキュートな雰囲気のヴォーカルを聴かせてくれます。しばらくは僕のヘビロテ曲になりそうです。

「Song For Rico」
タイトルの通り、昨年逝去したジャマイカの伝説のトロンボーン奏者Rico Rodriguezに捧げられた曲。Rico Rodriguezはスカ黎明期にSkatalitesのメンバーらとセッションを重ね、渡英後はUKスカ・ブームの立役者The Specialsの作品などにも参加していました。そんなRicoに捧げられた演奏はスカと思いきや意外にもアイランド・ジャズな雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=QigMajHTr-k

「Haze-Piration」
本作らしいノスタルジック感のあるスカ・サウンドを楽しめるインスト。意外にロマンティックです。

「All My World」
Saphieのヴォーカルに絡むJavierのギターが印象的なラヴァーズ。

「I Am What I Am」
どことなくユーモラスでユルい感じが魅力の1曲。

「Your Smile」
ラストはSaphieの艶やかなヴォーカルによるラヴァーズで締め括ってくれます。

未聴の方は『Island Jazz Sessions』(2013年)もチェックを!

『Island Jazz Sessions』(2013年)
アイランド・ジャズ・セッションズ

また、ご興味がある方はオリジナル・アルバムもチェックを!

『Arts of Seduction』(2010年)
Arts of Seduction

『Downtown Rock』(2013年)
Downtown Rock
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月27日

Simple Pleasure『Simple Pleasure』

風貌に似合わぬヴォーカルが魅力のR&B作品☆Simple Pleasure『Simple Pleasure』
simple pleasure .jpg
発表年:1992年
ez的ジャンル:NJS男性R&Bグループ
気分は... :お疲れモード・・・

今回は90年代R&BからSimple Pleasure『Simple Pleasure』(1992年)です。

Simple Pleasureはニュージャージーで結成された男性R&Bグループ。

メンバーはVann HollandGerald DrummondRodney Gibsonの3名。軍隊で知り合ったメンバーが組んだユニットのようです。

そんなグループ唯一のアルバムが本作『Simple Pleasure』(1992年)です。

メンバーのVann HollandGerald Drummond、さらには元Scritti PolittiDavid GamsonMatt SherrodDavid Bellochioがプロデュースを手掛けています。

NJS系のダンサブル・チューンとヴォーカルの良さを活かしたスロウ系が半々の構成です。見た目とは異なり、若々しいハイ・トーン・ヴォーカルを披露してくれます。

個人的にはDavid Gamsonがプロデュースした「Never Before」「Just Wanted To Know Her」が気に入っています。また、Matt Sherrodプロデュースのアーバンな「Stop For A Minute」もかなり好きです。

メンバーのプロデュース曲では、デビュー・シングル「Where Do We Go From Here」、素敵なメロウ「Voice Inside My Dream」Queen Latifahのヴォーカルをサンプリングしたアッパー「I Think I'm Fallin'」がオススメです。

アルバム全体の完成度もかなり高い1枚だと思います。
90年代R&B好き、NJS好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Where Do We Go From Here」
デビュー・シングルにもなった爽快アップ・チューン。全米R&Bチャート第25位となりました。風貌に似合わずキラキラしているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dDTpfu0uPqc

「I Can't Get You Off My Mind」
この旋律・サウンドは90年代好きならばグッとくるはず!のダンサブル・チューン。全体のバランスが実にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PmEc4sor364

「Never Before」
この曲もシングルとなり、全米R&Bチャート第52位となりました。R&Bファン以外の人も楽しめるキャッチーな仕上りです。David Gamsonプロデュース曲らしくリズムあたりにScritti Polittiの香を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=gbwk9zqIkj8

「Givin' You All I've Got To Give」
彼らの声質の良さを活かしたビューティフル・バラード。オーセンティックな作りで実力を示してくれます。この曲もDavid Gamsonプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=-z8G3L_xOVk

「I'll Always Be Around」
ハイ・トーン・ヴォーカルが栄える素敵なメロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=3R-8gI4Jrsc

「Voice Inside My Dream (Reprise)」
後に登場する「Voice Inside My Dream」のリプライズ。

「Stop For A Minute」
Matt Sherrodプロデュース曲。他曲とは異なるアーバンな雰囲気でアルバムにメリハリを与えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=iMu1GalXDBo

「Just Wanted To Know Her」
David Gamsonプロデュースによる爽快ダンサブル・チューン。彼らの声質の良さとDavid Gamsonのサウンド・センスが見事に調査しています。僕の一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=ENommUOzBfs

「I Think I'm Fallin'」
Queen LatifahのヴォーカルをサンプリングしたNJSなアッパー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=-XzQw1jETJo

「Voice Inside My Dream」
スロウ系ではコレが一番のお気に入り。リード良し、コーラスワーク良し、サウンド良しの素敵なメロウです。
https://www.youtube.com/watch?v=6zyuU0n-SWU

「This Is How I Feel For You」
ラストはオーセンティックなバラードで感動的に締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wt2LCpQmCLg

疲れが溜まって弱り気味(泣)
週末は大人しくしていよう・・・
posted by ez at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月26日

Freddie Hubbard『Red Clay』

名トランぺッターのCTI第1弾アルバムとなる名作☆Freddie Hubbard『Red Clay』
レッド・クレイ
録音年:1970年
ez的ジャンル:超絶技巧トランぺッター
気分は... :まぁ、何とかするさ・・・

今回は名トランぺッターFreddie Hubbard(1938-2008年)が1970年に録音した名作『Red Clay』です。

これまで当ブログで紹介したFreddie Hubbard作品は以下の4枚。

 『Hub Tones』(1962年)
 『Breaking Point』(1964年)
 『Backlash』(1966年)
 『The Black Angel』(1969年)

本作『Red Clay』は、HubbardのCTIでのレコーディング第1弾となるアルバムです。

レコーディング・メンバーはFreddie Hubbard(tp)、Joe Henderson(ts、fl)、Herbie Hancock(el-p、org)、Ron Carter(b、el-b)、Lenny White(ds)という5名。プロデュースはCTIの総帥Creed Taylor

CTIでのレコーディングと聴くと、クロスオーヴァーな作品をイメージしてしまいますが、実際の演奏はハードバップな演奏が印象的な1枚に仕上がっています。ただし、Hancockがアコースティック・ピアノではなく、エレピを演奏しているあたりにクロスオーヴァーな香りも感じますが・・・

本作のハイライトであるタイトル曲「Red Clay」も意外にストレート・アヘッドな演奏です。そんな中にもCTIらしいスマートさがあるのがいいですね。

ブルージーな「Delphia」、ハードバップな「Suite Sioux」「The Intrepid Fox」は、60年代と70年代の架け橋的な面白さがあります。

最近のCDには6曲入りのものもありますが、オリジナルLPは4曲構成です。

60年代と70年代の狭間感が面白い1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Red Clay」
Freddie Hubbard作。サンプリング・ソースにもなっているRon Carterのベース・ラインが印象的なタイトル曲。そのため、どうしてもそこに耳がいきがちですが、主役HubbardやHendersonのソロも快調だし、Hancockのエレピもいい雰囲気を醸し出しています。リズム隊は終盤にも見せ場を作ってくれます。クロスオーヴァーしているようで意外にストレート・アヘッドな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=wA1ZelIbUfI

Angie Stone「The Ingredients Of Love」、Papa Chuk「Runaway」、Company Flow「Lencorcism」のサンプリング・ソースになっています。 また、A Tribe Called Quest「Sucka Nigga」のサンプリング・ソースとしてお馴染みのJack Wilkinsヴァージョンや当ブログで紹介済みのThe Solsonicsヴァージョンをはじめ、Mark Murphy、Soil & Pimp Sessions、Cro-Magnon、Medline等がカヴァーしています。

Angie Stone「The Ingredients Of Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=cM3GLnhf1iI
Papa Chuk「Runaway」
 https://www.youtube.com/watch?v=CgLCRJW0S7w
A Tribe Called Quest「Sucka Nigga」
 https://www.youtube.com/watch?v=-PuhyQA3kNc
Jack Wilkins「Red Clay」
 https://www.youtube.com/watch?v=flHXwsl8cBI
Mark Murphy「On The Red Clay」
 https://www.youtube.com/watch?v=XdF0AcklZNs

「Delphia」
Freddie Hubbard作。ブルージーな哀愁チューン。ここでのHancockはオルガンをプレイしています。1人でしみじみ聴きたい気分の音ですね。Hubbardのソロが沁みてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=aFZQTTb3SvA

「Suite Sioux」
Freddie Hubbard作。リラックスした中にも緩急をつけたメリハリのある演奏で楽しませてくれるハードバップ・チューン。ハードバップな演奏の中でHancockのエレピに70年代の香りを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=G3oW2aQd_5o

A Tribe Called Quest「Jazz (We've Got) (Re-Recording)」、Rumpletilskinz「Is It Alright」 、Deda「Nothing More」、J. Rawls「A United Front」のサンプリング・ソースになっています。

「The Intrepid Fox」
Freddie Hubbard作。本編のラストは格好良いハードバップで締め括ってくれます。スリリングなリズム隊に先導され、HubbardやHendersonがソロでキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6IMJOG-ukFU

僕の保有CDにはボーナス・トラックとして、同じセッションで録音した「Cold Turkey」John Lennonのカヴァー)が収録されています。さらに最近のCDには「Red Clay」のライヴ・ヴァージョンも追加されています。

「Cold Turkey」
https://www.youtube.com/watch?v=zQpMIMqRCII

Freddie Hubbardの過去記事もご参照下さい。

『Hub Tones』(1962年)
ハブ・トーンズ

『Breaking Point』(1964年)
Breaking Point

『Backlash』(1966年)
バックラッシュ

『The Black Angel』(1969年)
ブラック・エンジェル
posted by ez at 04:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月25日

JS『Ice Cream』

Ronald Isleyが見出し、R. Kellyがプロデュースした女性R&Bデュオ☆JS『Ice Cream』
Ice Cream
発表年:2003年
ez的ジャンル:姉妹系女性R&Bデュオ
気分は... :祭りの後・・・

今回はThe Isley BrothersRonald IsleyR. Kellyが関与したR&B作品、JS『Ice Cream』(2003年)です。

JSはL.A.出身のKim JohnsonKandy JohnsonというJohnson姉妹によるデュオ。

元々はもう1人の姉妹Krystalも加えたトリオで活動していましたが、Krystalが抜けてデュオとなった模様です。

The Isley BrothersRonald Isleyが彼女達を気に入り、The Isley Brothers『Eternal』(2001年)、『Body Kiss』(2003年)、さらにはIsley Meets Bacharach『Here I Am』(2003年)といったRonald絡みのアルバムで彼女達をフィーチャリングしています。

The Isley Brothers feat. Mr. Biggs & JS「Busted」
 https://www.youtube.com/watch?v=PDKGDPSq03A

そして、Ronald Isleyがエグゼクティブ・プロデューサーを務め、制作されたJSのアルバムが『Ice Cream』(2003年)です。

メイン・プロデューサーとして、R. Kellyが起用され、それ以外にTim & Bob(Tim Kelley/Bob Robinson)Walter MillsapRLがプロデュースを務めています。

R. KellyTim & Bobの起用という点では、本作と同じ年にリリースされたThe Isley Brothers『Body Kiss』と共通しますね。

また、R. Kelly絡みでいえば、アルバム・タイトルは同じ2003年にリリースされたR. Kelly『Chocolate Factory』からの流れを感じますね。チョコレートの次はアイスクリーム?

「Love Angel」「Ice Cream」といったシングル曲、Ronald Isley参加の「Handle Your Business」あたりが目立ちますが、アルバム通して安定感のある仕上がりです。

上記3曲以外であれば、「Slow Grind」「Half」「Stay」「Right Here With Me」あたりが僕のお気に入り。

その後、Kandy Johnsonは2005年にRonald Isleyと結婚し、2007年にはRonald Isley, Jr.を出産したというから驚きです。

アルバムは全米アルバム・チャート第33位となっています。

全曲紹介しときやす。

「Love Angel」
R. Kellyプロデュース。シングルにもなったオープニング。R. Kelly自身もヴォーカルを披露してくれます。R. KellyとJSの個性が見事に調和したキュート&セクシーなミディアム・グルーヴに仕上がっています。つかみはOK!
https://www.youtube.com/watch?v=7QkCrmq3LYc

「Someone」
Walter Millsap/RLプロデュース。キュートな歌声で少し切ないメロディを歌い上げる哀愁ミディアム。女性R&Bデュオらしいキュートな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=KZXaSFsSwJo

「Ice Cream」
R. Kellyプロデュース。タイトル曲もシングルになりました。歌詞に"Chocolate Factor"のフレーズも登場するR. Kellyらしさに溢れたミディアム・グルーヴ。彼女達のキュートな歌声が栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=T5ZkSWTdbb4

「Bye Bye」
R. Kellyプロデュース。ヴィンテージ感のあるソウル・チューンに一工夫している感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rZy1anRSeUo

「Slow Grind」
R. Kellyプロデュース。彼女達のキュートな歌声の魅力を前面に打ち出したメロウ・チューン。オーセンティックですがナイスです。
https://www.youtube.com/watch?v=RSUcOtL6MLU

「Half」
R. Kellyプロデュース。セクシー&ダンサブルな魅力に溢れたシングル向きの仕上がり(シングルにはありませんでしたが)。実にキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=qhyN2QV3g5Y

「Ice Cream (Remix)」
R. Kellyプロデュース。「Ice Cream」のリミックス。冒頭で♪Chocolate Factor♪のフレーズが繰り返されるのが印象的です。
Featuring – The Pied Piper (2)

「Baby Come On」
Walter Millsap/RLプロデュース。R. Kellyプロデュース曲とは異なる雰囲気でJSの魅力を引き出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fSAWieA3eU8

「Don't Turn Away (Interlude)」
Tim & Bobプロデュース。次曲へのインタールード。

「Stay」
Tim & Bobプロデュース。切なる思いを歌い上げるメロウ・バラード。90年代女性R&Bグループ好きの人はグッとくる雰囲気の素敵なバラードです。

「Handle Your Business」
Walter Millsap/RLプロデュース。Ronald Isleyをフィーチャー。『Body Kiss』の続編といった感じで、御大RonaldをJSが華やかなに盛り上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=4EsgtIvMs2Q

「Stay Right Here」
R. Kellyプロデュース。さり気ないですが、切なる思いが伝わってくるメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=RSb0L_HLSbM

「Right Here With Me」
Tim & Bobプロデュース。前曲「Stay Right Here」からの流れがいいですね。美メロの素敵なミディアム・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=ptQXiDldKoI

「Sister」
R. Kellyプロデュース。ラストは正統派ビューティフル・バラードで感動的に締め括ってくれます。

ご興味がある方は彼女達が参加したRonald Isley絡みの諸作もチェックを!

The Isley Brothers『Eternal』(2001年)
Eternal

The Isley Brothers『Body Kiss』(2003年)
ボディ・キス

Isley Meets Bacharach『Here I Am』(2003年)
ヒア・アイ・アム:アイズレー・ミーツ・バカラック
posted by ez at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする