発表年:1979年
ez的ジャンル:フィメール・ルーツ・レゲエ
気分は... :女性は偉大なり!
今回はレゲエ界の最高峰女性シンガーJudy Mowattの代表作『Black Woman』(1979年)です。
Judy Mowattは1952年ジャマイカ生まれの女性シンガー。
1960年代に女性コーラス・グループThe Gaylettesのメンバーとして活動した後、70年代初めにはJulie Anne名義でシングルを何枚かリリースしています。
そして、1973年にRita Marley、Marcia Griffithsと共にI Threesを結成し、以降Bob Marley & The Wailersのバック・コーラス・グループとして活躍しました。
1975年には初ソロ・アルバム『Mellow Mood』をリリースし、その後も『Black Woman』(1979年)、『Mr. Dee-J 』(1981年)、『Only A Woman』(1982年)、『Working Wonders』(1985年)、『Love Is Overdue』(1986年)、『Look At Love 』(1991年)、『Rock Me』(1993年)、『Love』(1998年)、『Something Old, Something New』(2002年)、『Sing Our Own Song』(2003年)といったアルバムをリリースしています。
レゲエ界の最高峰女性シンガーの称号が相応しい人ですね。Judyの歌声の存在感は格別です。
そんなJudy Mowattを代表する1枚が2ndソロ・アルバムとなる『Black Woman』(1979年)です。
Judy Mowatt自身がプロデュースし、当時の公私のパートナーFreddie McGregorがアレンジ、演奏面で大きく貢献しています。
レコーディングにはJudy Mowatt(vo)、Freddie McGregor(ds、key、back vo)以外にTyrone Downie(g)、Earl "Wire" Lindo(key)といったBob Marley & The Wailersのメンバーや、Third WorldのCat Coore(g)、スカ/レゲエを代表するパーカッション奏者Noel"Scully" Simms(per)、Dalton Browne(g)、Tony Chin(g)Howard Spread Bedassié(b)、Geoffrey Chung(key)等が参加しています。
アルバム・タイトルが象徴するように、黒人、女性、そしてラスタファリアンとして支配からの解放を願う歌がズラリと並ぶフィメール・ルーツ・レゲエの傑作だと思います。
普段あまりレゲエを聴かない人も、Judyの歌声に魅了されるはずです。その意味では男性シンガーのルーツ・レゲエよりもずっと聴きやすいと思います。
上記ジャケはUK盤のジャケです。僕が保有する国内盤CDも上記のジャケですが、本当はジャマイカ盤のオリジナル・ジャケで再発して欲しかったですね。
Judy Mowattという女性レゲエ・シンガーの魅力がこの1枚で十分伝わってくるはずです。
全曲紹介しときやす。
「Strength To Go Through」
Judy Mowatt作。堂々としたJudyの歌いっぷりの良さに魅了されるオープニング。効果的なホーン・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-QbG4FsTm4w
「Concrete Jungle」
Bob Marley作。『Catch A Fire』収録のThe Wailersの名曲ですね。濃厚なヴォーカルで、この曲の持つパワーを再確認させてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=iqiTFYrXHFw
「Slave Queen」
Judy Mowatt作。ラヴァーズ的な開放的かつメロウなサウンドと、女性解放への強いメッセージを感じる歌詞が結びついた名曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6vYHZg8eRu8
「Put It On」
Bob Marley作。The Wailersの60年代からのレパートリーであり、『Burnin'』にも収録されていた名曲。♪運命は自ら決める♪と歌う本曲はアルバムのコンセプトに相応しいカヴァーですね。Judyのヴォーカルが栄える素晴らしいカヴァーだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=XDef8Q1KVAs
「Zion Chant」
Freddie McGregor作。Freddieのオリジナルは『Mr. McGregor』(1979年)に収録されています。ラスタファリアニズムに満ちたFreddieの曲を開放的な雰囲気で高らかに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=3j_tpObMKEs
「Black Woman」
Judy Mowatt作。タイトル曲はアメリカの黒人奴隷女性がモチーフとなっています。ルーツ・レゲエ然としたサウンドも含めて、"女性版Bob Marley"といった雰囲気がありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=jHUQg5rvBEg
「Down In The Valley」
Bob Marley作。この曲を聴けば、彼女がレゲエ界の最高峰女性シンガーの称号を与えられる理由が分かると思います。聴く者を突き動かす歌力があります!素晴らしい!
https://www.youtube.com/watch?v=xF7Uz8Hi13k
「Joseph」
Judy Mowatt作。Bob Marleyに捧げられた曲。感動的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=zWZio6Tkx3A
「Many Are Called」
Judy Mowatt作。明るく開放的な雰囲気の中、フィメール・ルーツ・レゲエらしい魅力が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=rmUjuafnedw
「Sisters' Chant」
Judy Mowatt作。ラストはゴスペル調サウンドをバックに感動的な歌を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VAZcKsX92Zs
Judy Mowattの他作品ってCD入手困難であったり、未CD化の作品が多いみたいですね。
『Only A Woman』(1982年)
『Working Wonders』(1985年)