発表年:1983年
ez的ジャンル:フランス産アフロ〜ブラジリアン・ライブラリー
気分は... :ありそうでない・・・
今回はブラジル人パーカッション奏者Sergio OtanazetraがフランスのSysmo Recordsに残したライブラリー・アルバム『Sysmo Records Presents: Sergio Otanazetra』(1983年)です。
Sergio Otanazetraはバイーア出身のパーカッション奏者。
80〜90年代はフランスを拠点に活動しており、その時にレコーディングした1枚が本作『Sysmo Records Presents: Sergio Otanazetra』(1983年)です。
ライブラリー・アルバムということで、ブラジルの大自然をイメージさせるサウンド・スケープ的な音からアフロ・ブラジリアン的な土着的サウンド、ムーディーなエキゾチック・サウンド、スピリチュアル・ジャズ、軽快なジャズ・サンバ、ラテン・グルーヴ等さまざまなサウンドで楽しませてくれます。
レコーディング・メンバーはSergio Otanazetra(per、ds、sound effects)、Patrice Gelsi(p)、Luis Augusto(ds)、Ozias Gonçalves(b)、Veronique Kone(vo)です。
DJにも人気の本作のハイライト「Espoir」のキャッチーな演奏もいいですが、アヴァンギャルドな「Maracatu Maluco」、パーカッシヴなアフロ・ブラジリアン「Tambor Primi Tivo」、ドラマチックな「Amazonie」、スピリチュアル・ジャズ的な「Vagues」あたりが僕の好みです。
ありそうでない、ライブラリー作品ならではのブラジリアン・サウンドを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Maracatu Maluco」
ミステリアス・サウンドにパーカッションが絡むユニークなアヴァンギャルド感が印象的です。
「Tambor Primi Tivo」
パーカッシヴなアフロ・ブラジリアン・グルーヴ。アフロ・サンバ好きの人はグッとくるのでは?
「Amazonie」
アマゾン奥地のサウンド・スケープのような序盤から変幻自在にテンポが変化していくブラジリアン・グルーヴ。Patrice Gelsiのピアノが印象的です。
「Gislaine」
美しい前半とスキャット入りブラジリアン・ジャズの後半という1曲で2度美味しい展開です。
「Bina」
パーカッシヴな土着的サウンドが印象的です。秘境のサウンド・スケープといった趣です。
「Tema De Berimbau」
タイトルの通り、ビリンバウの響きが印象的です。これも非常に土着的です。
「Vagues」
Patrice Gelsiのピアノが先導するブラジリアン・スピリチュアル・ジャズ的な前半とエレガントなジャズ・サンバが展開される後半とのコントラストがいいですね。
「Rendez-Vous A Bahia」
ムーディー&エキゾチックな雰囲気が印象的です。正にバイーアのランデヴーといった雰囲気ですね。
「Sopa De Tatu Comel」
シンプルな土着グルーヴが生々しくていいですね。
「Rencontre A Bamako」
メリハリの効いたラテン・グルーヴ。OtanazetraのパーカッションとGelsiのピアノの緩急の応酬が楽しいです。
「Espoir」
DJにも人気の本作のハイライト。軽快に疾走するブラジリアン・グルーヴらしいジャズ・サンバ。エレガントに駆け抜けます。
「Afoxe Pra Oxala」
バイーアらしい雰囲気のパーカッシヴ・グルーヴで締め括ってくれます。
Sergio Otanazetra『7 Adancas』(1999年)