発表年:1994年
ez的ジャンル:N.Y.産アシッド・ジャズ
気分は... :メトロポリス・・・
今回は、7年ぶりの新作『Funk Ain't Ova』を昨年リリースし、久々に注目を浴びたBrooklyn Funk Essentialsのデビュー・アルバム『Cool And Steady And Easy』(1994年)です。
Brooklyn Funk Essentialsは、その名の通り、1993年にN.Y.ブルックリンでリーダーのLati Kronlundを中心に結成されたジャズ・ファンク・バンド。
グループは本作『Cool And Steady And Easy』(1994年)を皮切りに、『In the Buzzbag』(1998年)、『Make Em Like It』(2000年)、『Watcha Playin'』(2008年)、『Funk Ain't Ova』(2015年)といったアルバムをリリースしています。
80年代後半から90年代前半はThe Brand New HeaviesやIncognitoに代表されるUKアシッド・ジャズの一大ブームであり、そうした"UKアシッド・ジャズに対するN.Y.からの回答"という位置づけで出現したUSのジャズ・ファンク・グループがBrooklyn Funk Essentials、The Jazzhole、Groove Collective、Repercussionsでした。
特にBrooklyn Funk Essentialsのデビュー作となった本作『Cool And Steady And Easy』(1994年)には、80年代に有名アーティストのリミックスで名を馳せた大物プロデューサーArthur Bakerが大きく関与している点が興味深いですね。
本作の全12曲中8曲でLati Kronlundと共にArthur Bakerがプロデュースを手掛けています。
本作におけるグループのメンバーはLati Kronlund(b、beats、g、key、samples)、Yancy Drew Lambert(ds、per)、E.J. Rodriguez(per)、Bassy Bob Brockmann(flh、tp、key)、Joshua Roseman(tb)、Paul Shapiro(fl、sax)、DJ Jazzy Nice(turntables)、Everton Sylvester(vo)、Papa Dee(vo)、David Allen(words)の10名。
それ以外にSha-key(vo)、Joi Cardwell(vo)、Lenny Pickett(brass)、The Tower Of Power Horns(brass)、Bashiri Johnson(congas、timbales)、Maceo Parker(sax)、Kristoffer Wallman(syn)、Bill Ware III(vibe)等がレコーディングに参加しています。
ブルックリンの空気感が伝わってくるN.Y.らしいアシッド・ジャズを随所で聴かせてくれるのが魅力です。キレのあるビート感覚もN.Y.アシッド・ジャズらしさかもしれませんね。また、この時代らしくラガ調なエッセンスも目立ちます。
正に"UKアシッド・ジャズに対するN.Y.からの回答"らしい1枚です。
全曲を紹介しときやす。
「Take The L Train (To B'klyn)」
Lati Kronlund作。ブルックリンの空気感が伝わってくるオープニング。Hip-Hop感覚のリズムにのったジャジー・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4dIEvhxxkSo
「The Creator Has A Master Plan」
Pharoah Sanders/Leon Thomas作の名曲をカヴァー。Pharoah Sandersのオリジナルは当ブログでも紹介した『Karma』に収録されています。近年ではLord Echoのカヴァーも印象的でしたね。ここではJoi Cardwellの女性ヴォーカルとPapa Deeのラガ調ヴォーカルをフィーチャーした味のあるカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=bkVLS6muw1k
「The Revolution Was Postponed Because Of Rain」
David Allen/Lati Kronlund作。David Allenのスポークン・ワードをフィーチャー。ジャズ、Hip-Hop、ラガ、ハウス等のエッセンスを散りばめた新世代バンドらしいサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=R8T-GVioeI4
「Bop Hop」
Arthur Baker/Lati Kronlund作。N.Y.らしいHip-Hop感覚が反映されたアシッド・ジャズ。小粋なジャズ・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XuMjp81wdWc
「Brooklyn Recycles」
Arthur Baker/Lati Kronlund/Joshua Roseman作。Hip-Hop感覚のビートと素晴らしいホーン・アンサンブルで疾走します。
https://www.youtube.com/watch?v=EqXOcbV86mU
「Mizz Bed-Stuy」
Everton Sylvester/Arthur Baker/Lati Kronlund作。開放的な疾走感とソウルフルなヴォーカル、ヴァイヴの音色味わいが印象的な演奏です。Lenny Pickett、The Tower Of Power Horns、Bashiri Johnsonも参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=GN7VsXRXj4M
「A Headnaddas Journey To The Planet Adidi-Skizm」
Arthur Baker/Lati Kronlund/Paul Shapiro/Sha-key作。Sha-keyのヴォーカルをフィーチャー。重低音ビートが格好良いファンクネス溢れる仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=MvywYdWYtgM
「Big Apple Boogaloo」
Arthur Baker/Lati Kronlund作。タイトルの通り、軽快なラテン・フレイヴァーが特徴です。格好良さも含めてかなり僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=yABvULR1Fbw
「Blow Your Brains Out」
Arthur Baker/Lati Kronlund/Maceo Parker作。Maceo Parkerが参加した爽快ファンク・チューン。抜けのいいMaceoのサックスが一気に駆け抜けていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=qi259FEDUlM
「Stickman Crossing The Brooklyn Bridge」
David Allen/Arthur Baker/Lati Kronlund/Bassy Bob Brockmann作。新世代バンドらしいビート感覚が冴えるキレのあるサウンドがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=ndbtAsd0xTg
「Dilly Dally」
Everton Sylvester/Lati Kronlund/Joshua Roseman作。David Allenのスポークン・ワードをフィーチャーしたダビーな仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=YN8N67JVtQg
「Take The L Train (To 8th Ave.)」
Lati Kronlund作。ラストはしっとりとしたジャジー・サウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bJX-yRFWmSI
Brooklyn Funk Essentialsの他作品もチェックを!
『In the Buzzbag』(1998年)
『Make Em Like It』(2000年)
『Watcha Playin'』(2008年)
『Funk Ain't Ova』(2015年)