発表年:1977年
ez的ジャンル:ジャマイカン・スウィート・ソウル
気分は... :曲目にご注意を!
今回は70年代スウィート・ソウル作品からChain Reaction『Indebted To You』(1977年)です。
Chain Reactionは、元Byron Lee & The DragonairesのBruce Ruffin、元Dave & Ansel CollinsのDave Collins、元The SensationsのBobby Davisというジャマイカ出身の3名が結成したソウル・グループ。
ロックステディ/レゲエ系のヴォーカル・グループ出身のシンガー達が結成したソウル・ユニットというのが興味深いですね。そんな異色グループの唯一のアルバムがUKでリリースされた本作『Indebted To You』(1977年)です。
Peter Morris、元Manfred MannのMike Hugg、Ian Stephenson/Rob Arensteinがプロデュースし、Mike HuggGonzalezのメンバーRoy Davies、Mick Eves、Lynton Naiff、Tony Kingがアレンジを手掛けています。
サイトによっては、スウィート・ソウルの大名盤といった謳い文句もあるようですが、そこまでの大名盤なのかなぁ?というのが正直な感想です。
ただし、それは中身がイマイチという意味ではありません。王道すぎる甘茶ソウルは少し苦手な僕にとっては、ジャマイカン・ヴォーカル・グループの流れを汲むChain Reactionの爽快コーラスは実に聴きやすいですね。
ファルセット・ヴォーカルによるスウィート・ソウル「Never Lose Never Win」、Lamont Dozierの名曲をカヴァー「Why Can't We Be Lovers」あたりがハイライトだと思いますが、ポップ&メロウな「Think I'll Leave This Song Just Like It Is」、メロウ・エレピが心地好い「Cold Steel」、クールなジャズ・ファンク・サウンドが格好良い「Hogtied」あたりもオススメです。
名盤云々と身構えず、気軽に楽しめるスウィート・ソウル作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Never Lose Never Win」
本作のハイライトと呼べるスウィート・ソウル。エレガントなストリングスと軽やかなファルセット・ヴォーカルがスウィートな世界を繰り広げます。
https://www.youtube.com/watch?v=Rd_8hCT4K-Q
「Why Can't We Be Lovers」
Lamont Dozierの名曲をカヴァー。濃厚になりすぎないメロウな仕上がりが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=LpwiJim7T8g
「Quicksand」
ファルセット・ヴォーカルで歌い上げる哀愁バラード。鍵盤によるサウンドのアクセントはMike Huggらしいのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=5PkYyJUXk1k
「Think I'll Leave This Song Just Like It Is」
J Hip-Hopのサンプリング・ソースにもなった曲。ポップ&メロウで聴きやすいです。Mick Eves、Roy Davisのアレンジ・センスが冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=0lojjC-C3P4
「Cold Steel」
メロウ・エレピが心地好い都会的なメロウ・バラード。Mike Huggプロデュース。
「Miss Lovely Miss Beautifu」
軽快なクラヴィネットが先導する爽快モダン・スウィート。
https://www.youtube.com/watch?v=_L7n_Z7bX70
「Hogtied」
実は僕の一番のお気に入りはコレ。ジャズ・ファンク調サウンドがクールで格好良い1曲。Mike Huggが創り出す巧みなサウンドにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=1rczZ47hNIA
「Indebted To You」
タイトル曲はオーセンティックなスウィート・ソウルです。正統派だけど力まずさり気ない感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=q3XNrMJRJQ0
「Chase A Miracle」
ラストはカッティング・ギターが心地好い、開放的なポップ・ソウル調で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=oSsWPDiuQcU
本作で注意すべきはCDの裏ジャケと実際の曲順が異なり、iTunesのデータベースも実際の楽曲と合致していない点です。僕も各曲の収録時間等と照合しながら、手入力で正しい曲目に修正しました。こういう盤って、たまにありますよね。ご注意を!