2016年03月19日

Danny Kortchmar『Kootch』

フリーソウル人気曲「For Sentimental Reasons」収録☆Danny Kortchmar『Kootch』
Kootch
発表年:1973年
ez的ジャンル:売れっ子セッション・ギタリスト系男性SSW作品
気分は... :東京センチメンタル

今、僕の頭の中に浮かんだキーワードは"センチメンタル"

そこでセレクトしたのは、フリーソウル人気曲「For Sentimental Reasons」収録のDanny Kortchmar『Kootch』(1973年)です。

Danny Kortchmarは1946年N.Y.生まれのギタリスト。

売れっ子セッション・ギタリストとして、James TaylorCarole KingJackson Browne等の人気アーティストの作品に数多く参加しています。

また、James TaylorとのThe Flying Machine
Carole KingCharles Larkeyと組んだThe CityJo MamaCraig DoergeLeland SklarRuss Kunkelと組んだThe SectioneDavid FosterJim Keltnerらと組んだAttitudeseといったグループでの活動でも知られていますね。

そんな人気ミュージシャンの初ソロ・アルバムが本作『Kootch』(1973年)です。アルバム・タイトルのKootchとは彼のニック。ネームです。

ここでのKootchは、売れっ子セッション・ギタリストというシンガー・ソングライターとしての側面が強調された1枚に仕上がっています。1曲を除き、Kootchのオリジナル曲です。派手さはありませんが、ロック、ソウル、ブルース、ジャズ、フォーク、ラテンなど多様な音楽性が詰まっているのもいいですね。

レコーディングにはDanny Kortchmar(vo、g、b、ds)以下、William Smith(p、org、back vo)、The SectionのCraig Doerge(key)、Jo Mama時代の同僚Abigale Haness(back vo)、Jim Horn (fl、sax、recorder)、Doug Richardson(sax)が参加しています。

プロデュースはDanny KortchmarRobert Appere

アルバムのハイライトは何といってもフリーソウル人気曲「For Sentimental Reasons」
この曲こそが先のキーワード"センチメンタル"に対応するものであり、僕のフィーリングにジャスト・フィットする愛聴曲です。

どうしても「For Sentimental Reasons」ばかりが注目されがちな本作ですが、それ以外の曲もKortchmar自体と同じく、いぶし銀の魅力を持っています。

ラテン・フレイヴァーな「Burnt Child」、悪魔の囁きが聞こえてくる「Up Jumped The Devil」、レイドバックした「Got To Say So Long」あたりも僕のオススメです。

肩肘張らないオトナなアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Put Your Dancing Shoes On」
オープニングはニューオリンズ調のゴツゴツとしたグルーヴ感が印象的です。Doug Richardsonのテナー・サックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dibZBPCy3OA

「Up Jumped The Devil」
妖しげなファンキー・フィーリングが印象的です。Jo Mama時代の同僚Abigale Hanessのバック・コーラスが悪魔の囁きのようです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=5EbRoECVW4w

「Got To Say So Long」
レイドバックかつブルー・アイド・ソウル的な魅力を持った味わい深い1曲です。さすらい感が70年代らしくて好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=MrVRUQ-iqZw

「For Sentimental Reasons」
Abner Silver/Al Sherman/Edward Heyman作。本作唯一のカヴァーはNat "King" Coleのヒットで知られるスタンダードです。The Righteous Brothersなどもカヴァーしていました。前述のようにフリーソウル人気曲であり、リラックスしたゆったりメロウ・グルーヴが心地好いラブ・ソングです。武骨だけど実直なKootchのヴォーカルも◎です。
https://www.youtube.com/watch?v=hYv9sK7CGhY

「Burnt Child」
当時、N.Y.ラテンの帝王Tito PuenteにハマっていたKootchの嗜好が反映されたラテン・フレイヴァーの仕上がり。エレクトリック・シタールの音色もいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-ZM-ccd88lw

「You're So Beautiful」
哀愁ソウル・バラード調の仕上がり。ここでもエレクトリック・シタールが効果的に使われています。

「My Mind Made Itself Up About You」
ブルージーな味わいの酔いどれバラードといった趣です。激シブな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UQYVcXpmbnI

「Don't Jump Sally」
ギタリストKootchの魅力を楽しめる演奏です。抑えたファンキー・フィーリングがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZbfPL8MPvBo

「Come Strollin' Now」
ラストはブルージーに締め括ってくれます。オトナなユルさにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=B0Thm-08Ff0

ご興味がある方は、The CityJo Mamaの過去記事もご参照ください。

The City『Now That Everything's Been Said』(1968年)
Blu-spec CD 夢語り

Jo Mama『Jo Mama』(1970年)
ジョー・ママ(紙ジャケット仕様)

Jo Mama『J Is For Jump』(1971年)
ジャンプ
posted by ez at 08:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月18日

Richard "Groove" Holmes『Workin' On A Groovy Thing』

巨漢ジャズ・オルガン奏者によるグルーヴィーな1枚☆Richard "Groove" Holmes『Workin' On A Groovy Thing』
ワーキン・オン・ア・グルーヴィー・シング
発表年:1969年
ez的ジャンル:グルーヴィー・オルガン・ジャズ
気分は... :Listen Here !

今回は60年代ジャズからRichard "Groove" Holmes『Workin' On A Groovy Thing』(1969年)です。

Richard "Groove" Holmes(1931-1991年)はニュージャージー出身のジャズ・オルガン奏者。

1961年に初リーダー作をレコーディングして以来、60年代から70年代にかけてコンスタントにリーダー作をリリースしていた人気ジャズ・オルガン奏者でした。中でも1965年に全米ポップ・チャート第44位のヒットとなったシングル「Misty」が有名です。

1991年に60歳で逝去しますが、その後も彼の作品は再評価が高く、『Comin' on Home』(1971年)、『New Groove』(1974年)、『Onsaya Joy』(1974年)等はレア・グルーヴ方面でも人気です。

その巨漢のみならず、グルーヴィーなオルガン・サウンドでも存在感のあるミュージシャンですね。

World Pacific Jazzでレコーディングされた本作は、Gerald Wilsonがアレンジ&コンダクターを務めたビッグ・バンドを配し、グルーヴィー&モッドな魅力に溢れたオルガン・ジャズ作品に仕上がっています。

レコーディングにはRichard "Groove" Holmes(org)、Paul Humphrey(ds)、Ernest Watts(as)、Anthony Ortega(as)、Richard Aplanald(as)、Frank Strong(tb)、Thurman Green(tb)、Mike Wimberly (bass tb)、Jerome Rusch(tp)、Larry McGuire(tp)、Herbert Anderson(tp)、Paul Hubinon(tp)、William Peterson(tp)、Dennis Budimir(g)、Wilton Felder(b)等が参加しています。

フル―ソウルのコンピにも収録された「I Can't Stop Dancing」(Archie Bell & The Drellsのカヴァー)、Brian Auger & The Trinityのモッド・ジャズ人気曲カヴァー「Isola Natale」、僕の一番のお気に入り「Listen Here」Eddie Harrisのカヴァー)などオルガン・ジャズの魅力を楽しめる演奏がズラリと並びます。

グルーヴィーなオルガン・サウンドがお好きな方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Isola Natale」
Brian Auger作。Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinityのモッド・ジャズをカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Open』(1967年)に収録されています。モッド・ジャズ人気曲をビッグ・バンドらしいダイナミック感のあるファンキー・グルーヴで聴かせてくれます。Paul Humphreyの叩き出すビートも格好良くていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SG4UtukuvCY

「Do You Know The Way To San Jose」
Burt Bacharach/Hal David作。Dionne Warwickのヒットでお馴染みのヒット曲「サン・ホセへの道」をカヴァー。当ブログではBossa RioChristopher Scottのカヴァーも紹介済みです。Bacharach作品に相応しい軽やかな華やかさを持った演奏でポップに聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jkjTYtDd8V0

「Workin' On A Groovy Thing」
Roger Atkins/Neil Sedaka作。タイトル曲はThe 5th Dimensionのヒットで知られるNeil Sedaka作品のカヴァー。この演奏はグラミーのR&Bインスト部門にもノミネートされました。キャッチーなビッグ・バンド・サウンドとHolmesのソウルフルなオルガンがよく調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=nQbn4Wj9qug

「Oklahoma Toad」
ジャズ・ピアニスト/ヴォーカリストDave Frishbergの作品をカヴァー。オリジナルはアルバム『Oklahoma Toad』に収録されています。ここでもヴォーカルも披露してくれます。その低音ヴォーカルも含めたイナたい雰囲気が印象的です。

「High Blues Pressure」
Freddie Hubbard作品をカヴァー。オリジナルは『High Blues Pressure』(1968年)に収録されています。ビッグ・バンドでオリジナルのブルージーな雰囲気を再現したような仕上がりです。

「Listen Here」
Eddie Harris作品をカヴァー。オリジナルは『The Electrifying Eddie Harris』(1968年)に収録されています。個人的には本作のハイライト。モッド・ジャズ的な格好良さを持ったグルーヴィー・オルガン・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Albaa-YNLZY

Eddie Harrisのオリジナル自体が格好良くて大好きです。
Eddie Harris「Listen Here」
 https://www.youtube.com/watch?v=CsHtO_i4qzM

「In And Out」
Wes Montgomery‎作品のカヴァー。Wesのオリジナルは『Movin' Wes』(1964年)に収録されています。ただし、本ヴァージョンは「Isola Natale」と同じく、Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity『Open』ヴァージョンの演奏がベースになっていると思います。モッド・ジャズ好きの方にはグッとくるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=6rTB2vnUE2o

「Dreams Of The Everyday Housewife」
Glen Campbell、1968年のヒット曲をカヴァー(Chris Gantry作)。ワルツ調の軽やかなオルガン・ジャズで聴かせてくれます。

「Rhythm & Groove」
Richard "Groove" Holmes作。本作唯一のオリジナル。グルーヴィーなHolmesのオルガンを堪能できるオルガン・ジャズらしい演奏です。

「I Can't Stop Dancing」
ラストはArchie Bell & The Drells、1968年のヒット曲をカヴァー(Kenny Gamble/Leon Huff作)。フル―ソウルのコンピにも収録された人気曲です。ノーザン・ソウル調のオリジナルの魅力を受け継いだキャッチーでダイナミックな演奏がいいですね。ここでもPaul Humphreyのドラミングがキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pIiMqBahjhc

Richard "Groove" Holmesの他作品もチェックを!

『Groove』(1961年)
グルーヴ

Richard Holmes & Gene Ammons 『Groovin' with Jug』(1961年)
Groovin' With Jug

『After Hours 』(1962年)
After Hours

『Soul Message』(1965年)
Soul Message: Rudy Van Gelder Remasters

『A Bowl of Soul』(1967年)
A BOWL OF SOUL

『Comin' on Home』(1971年)
Comin' on Home

『American Pie』(1972年)
American Pie

『New Groove』(1974年)
ニュー・グルーヴ

Jimmy McGriff & Richard "Groove" Holmes『Giants Of The Organ Come Together』(1974年)
Giants Of The Organ Come Together

Jimmy McGriff & Richard "Groove" Holmes『Giants Of The Organ In Concert』(1974年)
Giants Of The Organ In Concert
posted by ez at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月17日

Snowboy & The Latin Section『New York Afternoon』

キャリア30周年の記念アルバム☆Snowboy & The Latin Section『New York Afternoon』
New York Afternoon
発表年:2016年
ez的ジャンル:Acid Jazzレジェンド系ラテン・ジャズ
気分は... :年輪を重ねる・・・

今回は新作アルバムからUKのラテン・パーカッション奏者Snowboyのキャリア30周年の記念アルバムSnowboy & The Latin Section『New York Afternoon』です。

Acid Jazzを代表するラテン・パーカッション奏者Snowboyの紹介は、『Descarga Mambito』(1991年)に続き2回目となります。

Snowboyがキャリア30周年かぁ。確かにジャケに写る彼の姿には年輪を感じますね。それでもTシャツ、ジーンズ姿でバリバリの現役を感じさせるところが嬉しいです。

本作『New York Afternoon』Snowboy & The Latin Sectionのメンバーとしてクレジットされているのは、Snowboy(congas)、Dave Pattman(bongos)、Davide Giovannini(ds、timbales、vo)、Paul Taylor(tb)、Nico Gomez(b)、Neil Angilley(org、el-p)、Sid Gauld(tp、flh)、Dacid Gauld(as)の8名。

それ以外にJen Kearney(vo)、Marc Evans(vo)、Pete Wareham(ts、bs)、Yahuba Garcia Torres(coro)がゲストとしてレコーディングに参加しています。

タイトルが示すようにN.Y.ラテンへのリスペクトに満ちた1枚に仕上がっています。
1950〜70年代のN.Y.ラテンをアップデートさせたような演奏がズラリと並びます。

Marc EvansをフィーチャーしたRichie Coleの名曲カヴァー「New York Afternoon」、新進女性シンガーJen Kearneyをフィーチャーした「Better」「Oxen Free」Eddie Palmieriへのリスペクトを感じる「Echalo Ya」、マンボ・クラシックのカヴァー「Ole Mambo」あたりが特にオススメです。

90年代アシッド・ジャズと黄金期のN.Y.ラテンの橋渡し役をするSnowboy
これからもバリバリの現役でラテン・グルーヴの素晴らしさを伝えて欲しいですね。

『New York Afternoon』 Album Teaser
https://www.youtube.com/watch?v=J1DtNLI3Kpc

全曲紹介しときやす。

「New York Afternoon」
オープニングはRichie Coleの名曲カヴァー。Richie Coleのオリジナルはアルバム『New York Afternoon』(1977年)に収録されています。
ハウス作品へのフィーチャリングで知られるボルチモア出身の男性シンガーMarc Evansをフィーチャー。彼の深みのあるハートウォーミングなヴォーカルが心地好い、都会的なメロウ・ラテン・グルーヴに仕上がっています。

この曲といえば、個人的にはアルバム『New Weave』(1983年)に収録されたRare Silkヴァージョンをリアルタイムでよく聴きました。ご興味がある方はコチラもぜひチェックを!
Rare Silk「New York Afternoon」
https://www.youtube.com/watch?v=uHXIDteL824

「Tres Tambores」
Davide Giovannini作。疾走するラテン・グルーヴ。70年代N.Y.ラテン/サルサがお好きな人であれば、グッとくるであろう仕上りです。

「Better」
新進女性シンガーJen Kearneyをフィーチャーした妖艶なスタイリッシュなマンボ・グルーヴ(Jen Kearney作)。ホーン・アンサンブルも盛り上げてくれます。

「Echalo Ya」
Davide Giovannini作。Eddie Palmieriあたりがお好きな人はグッとくるであろう高速ラテン・グルーヴ。グルーヴィーなオルガンもいい感じです。

「Cala Escarpardo」
Neil Angilley作。作者Neil Angilleyのフェンダー・ローズのミステリアスなソロ。悪くはないですが、あえてコレを入れる必然性があるのかなぁ?

「Ole Mambo」
Manuel Salina作。Perez Prado等で知られるマンボ・クラシックをカヴァー。先人へのリスペクトを感じます。覚醒的なオルガンの音色がいいですね。

「La Epoca Del Palladium」
Dave Pattman作。1940〜50年代のN.Y.の人気ナイト・クラブについて歌ったマンボ・グルーヴ。N.Y.ラテンの往年のスターの名前が続々と登場します。

「Oxen Free」
再びJen Kearneyをフィーチャー(Jen Kearney作)。都会的なルンバでN.Y.ラテンの現在を伝えてくれます(Jen Kearneyの拠点はボストンですが)。コンテンポラリーなジャズ作品と一緒に聴いてもフィットすると思います。

「The Triple Bluff」
Mark Cotgrove(Snowboy)作。ラストはデスカルガで各プレイヤーが見せ場を作って盛り上げてくれます。

他のSnowboy作品もチェックを!

『Ritmo Snowbo』(1989年)
Ritmo Snowbo

『Descarga Mambito』(1991年)
Descarga Mambito

『Something's Coming』(1993年)
Something's Coming

『Pitbull Latin Jazz 』(1995年)
Pit Bull Latin Jazz

『M.F.O.S. - Many Faces of Snowboy』(1996年)
メニー・フェイシス・オブ・スノーボーイ

『Mambo Rage』(1998年)
Mambo Rage

『Afro Cuban Jazz』(2000年)
アフロ・キューバン・ジャズ

『Para Puente』(2002年)
Para Puente

『New Beginnings』(2004年)
New Beginnings

『Communication』(2008年)
Communication
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2016年03月16日

Doris Monteiro『Agora』

都会的メロウ・サウンドが魅力のブラジル作品☆Doris Monteiro『Agora』
アゴーラ
発表年:1976年
ez的ジャンル:円熟系ブラジル人女性シンガー
気分は... :ショーンお前もか・・・

今回はブラジルものから都会的なメロウ・サウンドが魅力の1枚、Doris Monteiro『Agora』(1976年)です。

1934年リオ・デ・ジャネイロ生まれの女性シンガー/女優Doris Monteiroの紹介は、『Simplesmente』(1966年)に続き2回目となります。

数あるDoris Monteiro作品の中でも再評価の高い1枚が本作『Agora』(1976年)です。

都会的なメロウ・サウンドと円熟味を増したDoris Monteiroのヴォーカルの組み合わせが魅力の1枚です。

レコーディングにはRicardo Gilson(el-p、p)、Geraldo Vespar(g)、Sivuca (accordion)、Helio Delmiro (g)、Wilson Das Neves(ds)、Luisao(b)等が参加しています。特にRicardo Gilsonのメロウ・エレピが本作の魅力を高まめる大きな一因になっています。

サバービアで人気の「Maita」、小粋なメロウ・グルーヴ「Dia De Feira」Gilberto Gil/Joao Donato作の「Lugar Comum」Jobim/Viniciusのボッサ名曲「Lamento No Morro」、Billy Blanco作の「A Banca Do Distinto」など聴き所が多いのも本作の魅力です。

都会的なメロウ・サウンドが主体なので、普段ブラジル作品を聴かない方でもスンナリと入れる聴きやすい1枚だと思います。

Joni Mitchell『Blue』を彷彿させるジャケも印象的です。

全曲を紹介しときやす。

「Maita」
オススメその1。Giovana作。サバービア好きの人は気に入るであろうアコースティック・メロウなボッサ・グルーヴ。軽やかなギター・カッティング、爽快なフルートの音色も実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=CmzaETbB3fE

「Fluta De Lata」
Cacaso/Sueli Costa作。しみじみと歌い上げるDorisのヴォーカルに味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=Jm6DgQ-Ugbo

「Partida」
オススメその2。Joao De Aquino/Paulo Cesar Pinheiro作。別れの旅立ちをしっとりと歌い上げます。メロウ・エレピの音色がいい感じです。

「Dia De Feira」
オススメその3。Jesus Rocha/Joao De Aquino作。小粋なメロウ・グルーヴをバックに、Dorisが凛としたヴォーカルを聴かせてくれます。。
https://www.youtube.com/watch?v=Jm6DgQ-Ugbo

「Lugar Comum」
オススメその4。Gilberto Gil/Joao Donato作。当ブログではJoyceのカヴァーも紹介済みの名曲です。エレピが心地好いメロウ・ボッサをDorisがオトナの語り口で歌い上げます。Sivucaのアコーディオンもいいアクセントになっています。

「Eu Hein, Rosa!」
Joo Nogueira/Paulo Cesar Pinheiro作。ベテランのサンバ歌手Joao Nogueiraのカヴァー。当ブログで紹介済みのElis Reginaヴァージョンでも知られる1曲です。軽快かつ少しユーモラスなメロウ・サンバが開放的な気分にさせてくれます。

「Choro De Nada」
Eduardo Souto Neto/Geraldo Eduardo Carneiro作。ジャジーなピアノをバックに歌い上げる哀愁バラードです。

「Pra Nao Padecer」
オススメその5。Dafe/Vandenberg作。甘く切ないメロウ・サンバ をDorisが軽やかに歌い上げます。この曲もエレピ好きにはたまりません。

「Lamento No Morro」
オススメその6。Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作のボッサ名曲をカヴァー。エレピが先導する都会的なボッサ・サウンドがいい感じです。素敵なストリングスも盛り上げてくれます。

「A Banca Do Distinto」
オススメその7。Billy Blanco作。お高くとまっている人たちに語りかける歌の内容がDorisのヴォーカルの雰囲気が実に合っていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=lEsGUc5nbsA

「Tema De Doris」
Ricardo作。ドリーミーなアレンジが印象的なインストで本編を締め括ってくれます。

「Geraldinos E Arquibaldos」
ここからの4曲はCDボーナス・トラックです。Gonzaguinha作。雰囲気のある歌い回しが印象的です。

「Massa Falida」
Fernando Rocha作。ユニゾン・ヴォーカルがいい感じの小粋なメロウ・ボッサです。

「Dificilmente」
Paulinho Soares作。本編にはない雰囲気の哀愁サンバを大人のヴォーカルで歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=ym2yQzzROss

「Malvadez」
Berimbau作。本編と同じ雰囲気の都会的なメロウ・サウンドが印象的なメロウ・ボッサです。
https://www.youtube.com/watch?v=KIQpib1dumE

Doris Monteiroの他作品もチェックを!

『Vento Soprando』(1961年)
Vento Soprando- Colecao As Divas

『Gostoso E Sambar』(1963年)
Gostoso E Sambar

『Doris Monteiro』(1964年)
サマー・サンバ

『Simplesmente』(1966年)
シンプレスメンチ

『Doris Monteiro』(1970年)
Doris Monteiro

『Doris』(1971年)
Doris Monteiro

『Doris』(1973年)
Doris

Doris E Lucio『No Projeto Pixinguinha』(1976年)
No Projeto Pixinguinha
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2016年03月14日

Julie Dexter『Conscious』

クロスオーヴァー感覚のインディ・ソウル☆Julie Dexter『Conscious』
Conscious
発表年:2004年
ez的ジャンル:UKブラック系アトランタ・インディ・ソウル
気分は... :意識は高く!

今回はUK出身、アトランタを拠点に活躍する女性R&BシンガーJulie Dexterの2ndアルバム『Conscious』(2004年)です。

Julie Dexterの紹介は、アトランタを拠点に勢力的に活動するベーシスト/プロデューサーKhari Simmonsとの共演アルバムJulie Dexter & Khari Simmons『Moon Bossa』(2006年)、1stアルバム『Dexterity』(2002年)に続き3回目となります。

前作『Dexterity』(2002年)はUKジャマイカンのDNAが反映されたレゲエ色の強い作品でしたが、本作『Conscious』ではレゲエ色は薄れ、クロスオーヴァー感覚のインディ・ソウル作品に仕上がっています。

80〜90年代UKソウルを思わせる楽曲や、後の『Moon Bossa』(2006年)を予感させるアコースティック・メロウやボッサ・チューンが収録されているのもいいですね。

Michael JohnsonThomas NaimMausiki Scalesthe Common Ground CollectiveJ. Jordan、そしてJulie Dexter自身がプロデュースしています。

UKソウル×アトランタなクロスオーヴァー感覚が見事にハマった快作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Choices」
アーバンなオープニング。ネオソウルにUKソウルのフィーリングが加わった感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gclI8JVPgtA

「Like Ours」
当ブログでも紹介したフレンチ・ボッサ・デュオTom & Joyceのメンバーとしても知られるThomas Naimのプロデュース(楽曲も彼との共作)。元々は2002年にTom & Julie名義でリリースしたシングル曲です。ダンサブルでブラジリアン・フレイヴァーな僕好みのクロスオーヴァー・チューンに仕上がっています
https://www.youtube.com/watch?v=O9Ky-GHHQDU

「Look Whos Got Your Back」
UKソウル感覚のアーバン・ファンク。90年代前半のUKソウルが好きだった人なんかが気に入りそうな感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=er-IJry61Yo

「A Place for Us」
この曲は80年代ブラコン風ですね。Loose Endsあたりを思い出させてくれるサウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=4HQsvGvSHsY

「Show Me Now」
Michael Johnsonとのデュエットによるアコースティックな質感のメロウ・チューン。『Moon Bossa』を予感させる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=pU-_Mj040gc

「Rhythm Daughter」
タイトルの通り、クロスオーヴァー感覚のパーカッシヴなメロウ・グルーヴに仕上がっています。

「Conscious」
タイトル曲はアコースティック・メロウ感覚の爽快ソウル。この曲も『Moon Bossa』を予感させます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZaOf-jC4HQI

「Small World」
ホーン隊を配した都会的なメロウ・チューン。この曲もLoose Ends好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=e-soJLt7Td4

「I See Colors」
雰囲気のあるジャジー感にグッとくるメロウ・ボッサ・グルーヴ。『Moon Bossa』好きの人は気に入るはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=X4cJ-2i0XDI

「The Race」
哀愁のメロディを軽快なリズムにのって歌う生演奏のソウル・チューン。透明感のあるJulieの歌声が全体を軽やかにしています。
https://www.youtube.com/watch?v=rGCwfe6kyiM

「Rain Song」
ラストはジャジー・バラードでしっとりと締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zgfdsWxUXSk

Julie Dexterの他作品もチェックを!

『Dexterity』(2002年)
Dexterity

Julie Dexter & Khari Simmons『Moon Bossa』(2006年)
Moon Bossa (Dig)

『New Again』(2011年)
New Again
posted by ez at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする