発表年:1983年
ez的ジャンル:芳醇系女性MPB
気分は... :何とも言えない芳醇さ!
今回はCaetano Velosoの妹にしてブラジルを代表する女性シンガーMaria Bethaniaの『Ciclo』(1983年)です。
これまで当ブログで紹介したMaria Bethania作品は以下の4枚。
『Edu E Bethania』(1967年) ※Edu Loboとの共演作
『Maria Bethania (1969)』(1969年)
『Passaro Proibido』(1976年)
『Alibi』(1978年)
本作『Ciclo』(1983年)はBethaniaのキャリア中期を代表する1枚です。
とにかく円熟味を増したBethaniaのヴォーカルに惚れ惚れする芳醇な味わいの1枚です。
とりあえず、Gal Costaをゲストに迎えたメロウ・サンバ「Filosofia Pura」、コンテンポラリー感覚のメロウ・チューン「Motriz」、Ary Barroso作の開放的なサンバ「Rio de Janeiro (Isto E o Meu Brasil)」あたりが聴きやすいと思います。
ただし、本作の本当の聴き所は兄Caetano Veloso作のタイトル曲「Ciclo」、Moraes Moreira作。Toninho Hortaが素晴らしいギターを奏でる「Sonhei Que Estava Em Portugal(Musica Incidental:Anda Luzia)」、Gilberto Gil作の「A Noticia」などシンプルなアレンジながらも、Bethaniaの表現力豊かなヴォーカルを堪能できる曲のような気がします。
Maria Bethaniaというシンガーの魅力を知るという意味では、初期作品よりも本作あたりから聴き始めてもいいかもそれませんね。
サンバやボサノヴァだけではないブラジル音楽の奥深さを知る意味でも最適な1枚だと思います。
焼き鳥で酒飲むよりも、塩辛で酒飲みたい人向けのアルバムです(笑)
全曲紹介しときやす。
「Motriz」
Caetano Veloso作。芳醇な美しさに惚れ惚れするメロウ・サウンドと円熟味を増したBethaniaのヴォーカルに癒されます。個人的には、この1曲だけでも本作は買いだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=BxDVEafZMlg
「Filosofia Pura」
Gal Costaをゲストに迎えたメロウ・サンバ。軽快なリズムにのって、歌姫二人の素敵な歌声が華やかに舞います。Roberto Mendes/Jorge Portugal作。
https://www.youtube.com/watch?v=_-QIMOCKg90
「Fogueira」
Angela Ro Ro作。しっとりとしたバラード。ギターとピアノの美しい響きをバックに、Bethaniaが一語一語かみしめるように歌い上げます。実に味わい深いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=iaRdq9QmIMw
「A Noticia」
Gilberto Gil作。Ze MariaのピアノとBethaniaのヴォーカルが寄り添うバラード。Bethaniaの表現力の素晴らしさに感動です。
https://www.youtube.com/watch?v=hVnqKhyInH4
「Sonhei Que Estava Em Portugal(Musica Incidental:Anda Luzia)」
Moraes Moreira作。Toninho Hortaのギターのみをバックに、Bethaniaが感動的に歌い上げます。まさにBethaniaの独壇場です。
https://www.youtube.com/watch?v=qSUfB5CjEPc
「Ciclo」
Caetano Veloso/Nestor de Oliveira作。タイトル曲は兄Caetanoの作品です。ここでは兄CaetanoとToninho Hortaの二人がギターでBethaniaをバックアップします。一人ウィスキーでも飲みながら、感傷的な気分に浸りたくなる気分の仕上がりです。この枯れ具合がたまりません!シブ格好いいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8DAZibWlG7s
「Rio de Janeiro (Isto E o Meu Brasil)」
Ary Barroso作。開放的なサンバですが、円熟味のあるBethaniaのヴォーカルが全体を引き締めてくれます。2分にも満たない演奏ですが、もっと長尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1WqSLDVrhE8
「Pra Fazer o Sol Adormecer」
Gonzaguinha作。Chiquinho do Acordeonのアコーディオンによるイントロが印象的です。枯れた味わいのメロウネスが何とも芳醇でいいですな。
https://www.youtube.com/watch?v=BxDVEafZMlg
「Ela Disse-me Assim (Va Embora)」
Lupicinio Rodrigues作。Toninho Hortaのギター、Ze Mariaのピアノ、Luiz Alvesのコントラバスというバッキングによるバラード。Bethaniaの円熟味のあるヴォーカルに惹き込まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QBPTm3FkdjQ
「Vinho」
Guto Graca Melo/Naila Skorpio作。派手さはありませんが、メリハリのある気の利いたアレンジがBethaniaのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=ntAGCxkQeiE
「Lua」
Roberto Mendes/Mabel Veloso作。ラストは美しいストリングスを配した小曲バラードでアルバムの余韻に浸りながらエンディングを迎えます。
Maria Bethaniaの他作品もチェックを!
『Maria Bethania』(1965年)
Edu Lobo & Maria Bethania『Edu E Bethania』(1967年)
『Recital na Boite Barroco』(1968年)
『』
『Maria Bethania (1969)』(1969年)
『A Tua Presenca...』(1971年)
『Rosa dos Ventos』(1971年)
『Drama 3o Ato 』(1973年)
『A Cena Muda』(1974年)
Chico Buarque & Maria Bethania『Chico Buarque & Maria Bethania Ao Vivo』(1975年)
『Passaro Proibido』(1976年)
『Passaro Da Manha』(1977年)
『Alibi』(1978年)
『Mel』(1979年)
『Talisma』(1980年)
『Alteza』(1981年)