発表年:1972年
ez的ジャンル:フリーソウル系AORジャズ
気分は... :チャンスって・・・
今回は"Dr.Jazz"Ben Sidranの『I Lead A Life』(1972年)です。
これまで当ブログで紹介したBen Sidran作品は以下の4枚。
『Feel Your Groove』(1971年)
『Don't Let Go』(1974年)
『A Little Kiss In The Night』(1978年)
『The Cat And The Hat』(1980年)
本作『I Lead A Life』はBlue Thumb第一弾アルバムであり、人気曲「Chances Are」が収録されています。
プロデュースはBen SidranとBruce Botnick。
レコーディングにはBen Sidran(key、vibe、vo)以下、名セッション・ミュージシャンPhil Upchurch(b、per)、The J.B.'sの活動で知られるClyde Stubblefield(ds、per)、Benと同じくかつてSteve Miller Bandに在籍いていたCurley Cooke(g)やTim Davis(congas)、人気ジャズ・トランぺッターBlue Mitchell(tp)、それ以外にDennis Oliver(b)、George Brown(ds)、Curt Roads(syn)、Charles Davis(as)、Jim Gordon(ts)、 Bob Corbet(horns)、 Bob Folkedahl(horns)、John Almond(fl)、Bruce Botnick(back vo)、Cheeba Switzer(back vo)、Gavin Christopher(back vo)等が参加しています。
個人的には前半の「Chances Are」、「It Don't Pay To Worry Like That」、「When A Woman Say She Ready」といったBenの下手ウマ・ヴォーカルが栄えるAORジャズ的なヴォーカル曲がオススメです。その一方で後半はファンキーな演奏が印象的です。
"Dr.Jazz"Ben Sidranの都会的なジャズ・センスがお好きな人であれば、十分楽しめる1枚です。
「Eliyahu」、「Slippery Hip」以外はBen Sidranのオリジナルです(共作含む)。
全曲紹介しときやす。
「Chances Are」
本作のハイライト。Cafe Apres-midiのコンピにも収録されていた人気曲です。下手ウマ・ヴォーカルが栄えるハートウォーミングなメロウ・グルーヴです。まさにAORジャズといった趣の仕上がりです。涼しげなフルートもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=3aUwfUZ--GM
本曲といえば、『Spread Your Wings and Fly Now!!』(1988年)に収録されたClementineとの共演ヴァージョンも要チェックですね。
Ben Sidran & Clementine「Chances Are」
https://www.youtube.com/watch?v=K-etjjUuS3M
「Lust」
ブルージーなインスト。Ben、Phil Upchurch、Clyde Stubblefield、Curley Cookeによる隙のない演奏がシブくていいですね。
「It Don't Pay To Worry Like That」
「Chances Are」に次ぐ本作のハイライト。Benの下手ウマ・ヴォーカル、小粋なリズム、メロウ・エレピがよくマッチしたジャジー・メロウです。ドラマチックな終盤もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=5H8nQLJ3kRs
「Eliyahu」
宗教歌をBenがアレンジしたもの。厳かな中にもBenらしいアレンジ・センスが効いています。
「When A Woman Say She Ready」
Curley Cookeとの共作。"Dr.Jazz"らしい小粋なジャズ・センスを楽しめるブルージー&スウィンギーなヴォーカル曲の前半と、Ben、Phil Upchurch、Clyde Stubblefield、Curley Cooke、Blue Mitchellらの白熱したプレイを楽しめる後半で二度楽しめます。
「I Lead A Life」
タイトル曲はサイケなファンキー・チューン。"Dr.Jazz"ならではの毒気がいいですな。
https://www.youtube.com/watch?v=2bZlG0BYzD4
「The Devil Comes To Las Vegas」
疑似ライヴ風のインスト・ジャズ・ファンク。Curley Cookeのギターが悪魔のように響き渡ります。
「Talking About Money」
Benの下手ウマ・ヴォーカルによるファンキー・チューン。Benのピアノも含めて、ニューオリンズ・ファンクのエッセンスも感じられます。
「Slippery Hip」
Phil Upchurch作のインスト。都会的なファンキー・チューンは実にヒップでいい感じです。
「Back Down On State Street」
ラストは楽しげなジャム・セッションでブルージーに締め括ってくれます。
Ben Sidranの他作品もチェックを!
『Feel Your Groove』(1971年)
『Puttin' in Time on Planet Earth』(1973年)
『Don't Let Go』(1974年)
『Free in America』(1976年)
『The Doctor Is In』(1977年)
『A Little Kiss In The Night』(1978年)
『The Cat And The Hat』(1980年)
『On The Cool Side』(1987年)
『Cool Paradise』(1990年)
Ben Sidran & Clementine『Spread Your Wings and Fly Now!!』(1988年)