2016年03月11日

Honey Cone『Sweet Replies』

代表曲「Want Ads」が初めて収録された2ndアルバム☆Honey Cone『Sweet Replies』
スウィート・リプライズ+2
発表年:1971年
ez的ジャンル:Hot Wax系女性ソウル・グループ
気分は... :1stと3rdの狭間で少し損しているかな?

今回はHolland-Dozier-HollandのHot Waxを代表する女性グループHoney Coneの2ndアルバム『Sweet Replies』(1971年)です。

Carolyn WillisEdna WrightShelly Clarkの3名によりL.A.で結成された女性グループHoney Coneの紹介は、3rdアルバム『Soulful Tapestry』(1971年)に続き2回目となります。

Honey Coneがブレイクするのは、次作『Soulful Tapestry』(1971年)からです。その象徴が同作からシングル・カットされ、全米R&Bチャート、全米チャート共に第1位となったグループの代表曲「Want Ads」ですが、実はこの曲が最初に収録されたアルバムが本作『Sweet Replies』(1971年)です。

Honey Coneの場合、ややこしいのはオリジナル・アルバム間で収録曲が重複している点です。その煽りを最も受けているアルバムが『Sweet Replies』かもしれません。

『Sweet Replies』は全12曲中5曲が1stアルバム『Take Me with You』収録曲、2曲が次作『Soulful Tapestry』にも再収録されました。再収録された「Want Ads」「The Day I Found Myself」の2曲は共にシングル・カットされ、ヒットしました。

話が少し逸れますが、現在ではHoney Coneのオリジナル・アルバム4枚の4in2CDが発売されています。その中で本作『Sweet Replies』の収録曲が不足していると勘違いしている人がいるようですが、不足しているのではなく1stと重複する5曲の二重収録を避けているだけで、実際には全曲収録されています。

このように1stと3rdの狭間で少し損をしている印象も受ける『Sweet Replies』ですが、そうした予備知識を外して純粋に1枚のアルバムとして聴けば、十分楽しめる1枚だと思います。

Ronald Dunbarがエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされ、Chairmen of the BoardのフロントマンGeneral JohnsonEdna Wrightと公私のパートナーとなるGreg Perryがプロデュースを務めています。

「Want Ads」がハイライトですが、それ以外であればファズ・ギターの効いた「Are You Man Enough, Are You Strong Enough」「Sunday Morning People」「Deaf, Blind, Paralyzed」や、歌いっぷりのいい「My Mind's on Leaving, But My Heart Won't Let Me Go」、スペイシーなイントロの「When Will It End」、サイケ&ピースフルな「Blessed Be Our Love」あたりが僕のお気に入りです。

いつ聴いてもEdna姐さんのパンチの効いたヴォーカルはいいですね。

全曲紹介しときやす。

「Want Ads」
General Johnson/Greg Perry/Barney Perkins作。前述のように『Soulful Tapestry』に再収録され、同作からの1stシングルとして全米R&Bチャート、全米チャート共に第1位となったグループの代表曲です。いつ聴いてもポップに弾けたヤング・ソウル感にグッとくるたエヴァーグリーンな名曲ですね
https://www.youtube.com/watch?v=r0V9K0ERzRo

Taylor Dayneが1987年にカヴァーしています。また、Otierre「Extrapolare」、Three the Hard Way「Young Single and Free」、Joint Ventures「Rock to the Rhythm」、Mary Mary「Heaven」、Molesta Ewenement「Nikt I Nic」、Prop Dylan「Big Hiphop」、Jim Jones feat. Lloyd「Believe in Magic」、Guizmo「Ma Ruche」等のサンプリングソースとなっています。
Taylor Dayne「Want Ads」
 http://www.youtube.com/watch?v=vERQOfOJw2M
Princess Ivori「Wanted」
 http://www.youtube.com/watch?v=9XceB3YbC18
Mary Mary「Heaven」
 http://www.youtube.com/watch?v=zCLk7zsYJAk
Molesta Ewenement「Nikt I Nic」
 http://www.youtube.com/watch?v=Ui6he69vGgw
Jim Jones feat. Lloyd「Believe in Magic」
 http://www.youtube.com/watch?v=ZMWBHlsBHF8

「You Made Me Come to You」
William Weatherspoon/Raynard Miner作。この時代らしい少しケバケバしいサウンドをバックに、Edna Wrightがサウンドに負けない張りのあるヴォーカルを聴かせてくれます。

「Blessed Be Our Love」
General Johnson/Greg Perry作。イントロは「Want Ads」タイプですが、本編はミディアム・グルーヴに仕上がっています。エレクトリック・シタールがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=uea7DCn9o8Q

「Are You Man Enough, Are You Strong Enough」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne(Holland-Dozier-Holland)作。1st『Take Me with You』収録曲の再登場その1。格好良さでいえば、アルバム随一かもしれませんね。ロッキン・モードのサウンドとパンチの効いたヴォーカル・ワークが調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=XZKWBkwTQHg

「When Will It End」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne(Holland-Dozier-Holland)作。本作がリリースされる前年にシングル・カットされていた曲。スペイシーなイントロで始まるファンキー・グルーヴ。Edna Wrightのスケールの大きなヴォーカルの魅力を存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=T_NJj6wj5gQ

「The Feeling's Gone」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne(Holland-Dozier-Holland)作。1st『Take Me with You』収録曲の再登場その2。込み上げ系のソウル・バラードです。

「Sunday Morning People」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne(Holland-Dozier-Holland)作。1st『Take Me with You』収録曲の再登場その3。サイケなファズ・ギターにグッとくるグルーヴィー・ソウル。60年代と70年代の狭間感がいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=ohY3-7xIFNc

「Deaf, Blind, Paralyzed」
William Weatherspoon/Raynard Miner作。ファズ・ギターとパーカッシヴなコンガが印象的なファンキー・グルーヴ。サイケ+スワンプといった感じがいいですね。

「Take Me with You」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne(Holland-Dozier-Holland)作。1st『Take Me with You』収録曲の再登場その4。1970年にシングル・カットもされています。この時代らしいピースフルな高揚感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=bt0kFvKhs4k

「My Mind's on Leaving, But My Heart Won't Let Me Go」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne(Holland-Dozier-Holland)/General Johnson作。1st『Take Me with You』収録曲の再登場その4。華やかなストリングスをバックに、歌いっぷりのいいヴォーカル・ワークで盛り上げてくれます。

「We Belong Together」
General Johnson/Greg Perry/Ronald Dunbar作。軽快なサウンドの中にもラブ&ピースを感じるこの時代らしい仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=RO3Wf9ENsNM

「The Day I Found Myself」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne(Holland-Dozier-Holland)作。『Soulful Tapestry』に再収録され、同作からシングル・カットされ、全米R&Bチャート第8位のヒットとなりました。少しレトロ調のイナたいメロウネスや女性ソウル・グループらしいコーラス・ワークがいいですね。Joell Ortiz feat. The Kickdrums「How to Change」のサンプリングソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=zRQ7SORpifg

Honey Coneの他作品もチェックを!

『Take Me with You』(1970年)
テイク・ミー・ウィズ・ユー+1

『Soulful Tapestry』(1971年)
ソウルフル・タペストリー

『Love, Peace & Soul』(1972年)
ラヴ、ピース&ソウル+5

お得な4in2CDもあります。

『Take Me with You/Sweet Replies/Soulful Tapestry/Love, Peace & Soul』
Take Me With You/Sweet Replies/Soulful Tapestry/Lo
posted by ez at 03:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする