発表年:1976年
ez的ジャンル:円熟系ブラジル人女性シンガー
気分は... :ショーンお前もか・・・
今回はブラジルものから都会的なメロウ・サウンドが魅力の1枚、Doris Monteiro『Agora』(1976年)です。
1934年リオ・デ・ジャネイロ生まれの女性シンガー/女優Doris Monteiroの紹介は、『Simplesmente』(1966年)に続き2回目となります。
数あるDoris Monteiro作品の中でも再評価の高い1枚が本作『Agora』(1976年)です。
都会的なメロウ・サウンドと円熟味を増したDoris Monteiroのヴォーカルの組み合わせが魅力の1枚です。
レコーディングにはRicardo Gilson(el-p、p)、Geraldo Vespar(g)、Sivuca (accordion)、Helio Delmiro (g)、Wilson Das Neves(ds)、Luisao(b)等が参加しています。特にRicardo Gilsonのメロウ・エレピが本作の魅力を高まめる大きな一因になっています。
サバービアで人気の「Maita」、小粋なメロウ・グルーヴ「Dia De Feira」、Gilberto Gil/Joao Donato作の「Lugar Comum」、Jobim/Viniciusのボッサ名曲「Lamento No Morro」、Billy Blanco作の「A Banca Do Distinto」など聴き所が多いのも本作の魅力です。
都会的なメロウ・サウンドが主体なので、普段ブラジル作品を聴かない方でもスンナリと入れる聴きやすい1枚だと思います。
Joni Mitchell『Blue』を彷彿させるジャケも印象的です。
全曲を紹介しときやす。
「Maita」
オススメその1。Giovana作。サバービア好きの人は気に入るであろうアコースティック・メロウなボッサ・グルーヴ。軽やかなギター・カッティング、爽快なフルートの音色も実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=CmzaETbB3fE
「Fluta De Lata」
Cacaso/Sueli Costa作。しみじみと歌い上げるDorisのヴォーカルに味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=Jm6DgQ-Ugbo
「Partida」
オススメその2。Joao De Aquino/Paulo Cesar Pinheiro作。別れの旅立ちをしっとりと歌い上げます。メロウ・エレピの音色がいい感じです。
「Dia De Feira」
オススメその3。Jesus Rocha/Joao De Aquino作。小粋なメロウ・グルーヴをバックに、Dorisが凛としたヴォーカルを聴かせてくれます。。
https://www.youtube.com/watch?v=Jm6DgQ-Ugbo
「Lugar Comum」
オススメその4。Gilberto Gil/Joao Donato作。当ブログではJoyceのカヴァーも紹介済みの名曲です。エレピが心地好いメロウ・ボッサをDorisがオトナの語り口で歌い上げます。Sivucaのアコーディオンもいいアクセントになっています。
「Eu Hein, Rosa!」
Joo Nogueira/Paulo Cesar Pinheiro作。ベテランのサンバ歌手Joao Nogueiraのカヴァー。当ブログで紹介済みのElis Reginaヴァージョンでも知られる1曲です。軽快かつ少しユーモラスなメロウ・サンバが開放的な気分にさせてくれます。
「Choro De Nada」
Eduardo Souto Neto/Geraldo Eduardo Carneiro作。ジャジーなピアノをバックに歌い上げる哀愁バラードです。
「Pra Nao Padecer」
オススメその5。Dafe/Vandenberg作。甘く切ないメロウ・サンバ をDorisが軽やかに歌い上げます。この曲もエレピ好きにはたまりません。
「Lamento No Morro」
オススメその6。Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作のボッサ名曲をカヴァー。エレピが先導する都会的なボッサ・サウンドがいい感じです。素敵なストリングスも盛り上げてくれます。
「A Banca Do Distinto」
オススメその7。Billy Blanco作。お高くとまっている人たちに語りかける歌の内容がDorisのヴォーカルの雰囲気が実に合っていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=lEsGUc5nbsA
「Tema De Doris」
Ricardo作。ドリーミーなアレンジが印象的なインストで本編を締め括ってくれます。
「Geraldinos E Arquibaldos」
ここからの4曲はCDボーナス・トラックです。Gonzaguinha作。雰囲気のある歌い回しが印象的です。
「Massa Falida」
Fernando Rocha作。ユニゾン・ヴォーカルがいい感じの小粋なメロウ・ボッサです。
「Dificilmente」
Paulinho Soares作。本編にはない雰囲気の哀愁サンバを大人のヴォーカルで歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=ym2yQzzROss
「Malvadez」
Berimbau作。本編と同じ雰囲気の都会的なメロウ・サウンドが印象的なメロウ・ボッサです。
https://www.youtube.com/watch?v=KIQpib1dumE
Doris Monteiroの他作品もチェックを!
『Vento Soprando』(1961年)
『Gostoso E Sambar』(1963年)
『Doris Monteiro』(1964年)
『Simplesmente』(1966年)
『Doris Monteiro』(1970年)
『Doris』(1971年)
『Doris』(1973年)
Doris E Lucio『No Projeto Pixinguinha』(1976年)