2016年03月19日

Danny Kortchmar『Kootch』

フリーソウル人気曲「For Sentimental Reasons」収録☆Danny Kortchmar『Kootch』
Kootch
発表年:1973年
ez的ジャンル:売れっ子セッション・ギタリスト系男性SSW作品
気分は... :東京センチメンタル

今、僕の頭の中に浮かんだキーワードは"センチメンタル"

そこでセレクトしたのは、フリーソウル人気曲「For Sentimental Reasons」収録のDanny Kortchmar『Kootch』(1973年)です。

Danny Kortchmarは1946年N.Y.生まれのギタリスト。

売れっ子セッション・ギタリストとして、James TaylorCarole KingJackson Browne等の人気アーティストの作品に数多く参加しています。

また、James TaylorとのThe Flying Machine
Carole KingCharles Larkeyと組んだThe CityJo MamaCraig DoergeLeland SklarRuss Kunkelと組んだThe SectioneDavid FosterJim Keltnerらと組んだAttitudeseといったグループでの活動でも知られていますね。

そんな人気ミュージシャンの初ソロ・アルバムが本作『Kootch』(1973年)です。アルバム・タイトルのKootchとは彼のニック。ネームです。

ここでのKootchは、売れっ子セッション・ギタリストというシンガー・ソングライターとしての側面が強調された1枚に仕上がっています。1曲を除き、Kootchのオリジナル曲です。派手さはありませんが、ロック、ソウル、ブルース、ジャズ、フォーク、ラテンなど多様な音楽性が詰まっているのもいいですね。

レコーディングにはDanny Kortchmar(vo、g、b、ds)以下、William Smith(p、org、back vo)、The SectionのCraig Doerge(key)、Jo Mama時代の同僚Abigale Haness(back vo)、Jim Horn (fl、sax、recorder)、Doug Richardson(sax)が参加しています。

プロデュースはDanny KortchmarRobert Appere

アルバムのハイライトは何といってもフリーソウル人気曲「For Sentimental Reasons」
この曲こそが先のキーワード"センチメンタル"に対応するものであり、僕のフィーリングにジャスト・フィットする愛聴曲です。

どうしても「For Sentimental Reasons」ばかりが注目されがちな本作ですが、それ以外の曲もKortchmar自体と同じく、いぶし銀の魅力を持っています。

ラテン・フレイヴァーな「Burnt Child」、悪魔の囁きが聞こえてくる「Up Jumped The Devil」、レイドバックした「Got To Say So Long」あたりも僕のオススメです。

肩肘張らないオトナなアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Put Your Dancing Shoes On」
オープニングはニューオリンズ調のゴツゴツとしたグルーヴ感が印象的です。Doug Richardsonのテナー・サックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dibZBPCy3OA

「Up Jumped The Devil」
妖しげなファンキー・フィーリングが印象的です。Jo Mama時代の同僚Abigale Hanessのバック・コーラスが悪魔の囁きのようです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=5EbRoECVW4w

「Got To Say So Long」
レイドバックかつブルー・アイド・ソウル的な魅力を持った味わい深い1曲です。さすらい感が70年代らしくて好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=MrVRUQ-iqZw

「For Sentimental Reasons」
Abner Silver/Al Sherman/Edward Heyman作。本作唯一のカヴァーはNat "King" Coleのヒットで知られるスタンダードです。The Righteous Brothersなどもカヴァーしていました。前述のようにフリーソウル人気曲であり、リラックスしたゆったりメロウ・グルーヴが心地好いラブ・ソングです。武骨だけど実直なKootchのヴォーカルも◎です。
https://www.youtube.com/watch?v=hYv9sK7CGhY

「Burnt Child」
当時、N.Y.ラテンの帝王Tito PuenteにハマっていたKootchの嗜好が反映されたラテン・フレイヴァーの仕上がり。エレクトリック・シタールの音色もいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-ZM-ccd88lw

「You're So Beautiful」
哀愁ソウル・バラード調の仕上がり。ここでもエレクトリック・シタールが効果的に使われています。

「My Mind Made Itself Up About You」
ブルージーな味わいの酔いどれバラードといった趣です。激シブな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UQYVcXpmbnI

「Don't Jump Sally」
ギタリストKootchの魅力を楽しめる演奏です。抑えたファンキー・フィーリングがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZbfPL8MPvBo

「Come Strollin' Now」
ラストはブルージーに締め括ってくれます。オトナなユルさにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=B0Thm-08Ff0

ご興味がある方は、The CityJo Mamaの過去記事もご参照ください。

The City『Now That Everything's Been Said』(1968年)
Blu-spec CD 夢語り

Jo Mama『Jo Mama』(1970年)
ジョー・ママ(紙ジャケット仕様)

Jo Mama『J Is For Jump』(1971年)
ジャンプ
posted by ez at 08:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする