2016年03月25日

Phajja『Seize The Moment』

素直なヴォーカル&コーラスが楽しめる女性R&Bグループ作品☆Phajja『Seize The Moment』
phajja seize the moment.jpg
発表年:1997年
ez的ジャンル:90年代女性R&Bグループ
気分は... :苦節10年・・・

今回は90年代女性R&BグループからPhajja『Seize The Moment』(1997年)です。

Phajjaはボストン出身のKaren Johnson、シカゴ出身のKena EppsNakia EppsというEpps姉妹による3人組R&Bグループ。

1987年に結成された5人組ガールズR&BグループNot Your Average Girlsが前身です。Not Your Average Girlsは1991年にレコーディング契約を結びましたが、その後立ち消えとなり1993年に解散してしまいます。そして、Karen、Ken、Nakiaの3人がPhajjaとして再スタートを切り、ようやく辿り着いた1stアルバムが『Seize The Moment』(1997年)です。

まず目を引くのは、故Roger Troutmanが2曲でプロデュースし、トークボックスまで披露いてくれている点です。

それ以外にもSomethin' For The PeopleCurtis "Sauce" WilsonJeff "Fuzzy" YoungRochad "Cat Daddy" Holiday)、H.O.P. Productions(Emanuel Officer/Donald Parks/John Howcott)、Cutfather & JoeLil RickKevin JacksonMichael GoodsTroy PattersonSandra St. Victor(The Family Stand)Keith Andesがプロデュースを手掛けています。

また、僕が好きなUS女性ソングライターAndrea Martinや実力派R&BシンガーEric Robersonがソングライティングで参加しています。

流行のサウンド主導ではなく、ミディアム〜スロウ中心に彼女達のヴォーカル&コーラスの素晴らしさを中心に据えた女性R&Bグループ作品に仕上がっているのが印象的です。この時代にこういう素直なアルバムを創れたというのがいいですね。裏を返せば、だから売れなかったと思いますが・・・

Roger Troutman絡みの「Ohh Ahh」「Why You Wanna Pick On Me?」、1stシングルにもなった「So Long」、Somethin' For The Peopleの手腕が冴える「This Time」、名曲「Love T.K.O.」風の「What Are You Waiting For?」あたりが僕のお気に入りです。

90年代女性R&Bグループ好き、Roger Troutman好きの人はチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Never Be Hurt Again」
Keith Sweatと関連が深いH.O.P. Productions(Emanuel Officer/Donald Parks/John Howcott)プロデュース。タイトル曲は哀愁モードのラブ・バラード。3人のヴォーカルが確かなものと実感できるオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=mWDeF91aAZg

「I Need You」
Michael O'Hararプロデュース。Andrea Martinらによるソングライティングの良さと、グループの巧みなヴォーカル・ワークが見事な1曲に仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=bTq3BxuVUKQ

「What Are You Waiting For?」
デンマーク出身の人気プロデュース・チームCutfather & JoeとMichael O'Haraのプロデュース。Teddy Pendergrassでお馴染み、Womack & Womack作の名曲「Love T.K.O.」風のトラックで、しっとりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=yh7a07TyNUY

「So Long」
Lil Rick/Kevin Jacksonプロデュース。アルバムからの1stシングル。奇をてらわない正攻法スロウですが、グループの歌の巧さを素直に実感できる素敵な1曲に仕上がっています。ヴォーカルに安心感があるのがいいですね。ソングライティングでEric Robersonが参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=2uq_8ZoJG2Q

「Ohh Ahh」
Roger Troutmanプロデュース。Roger好きは歓喜するトークボックス入りのキャッチーなファンク・グルーヴ。ただし、自身の色を出すのみならず、きちんとPhajjaの魅力を引き出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=vq9s6PAyEro

「Why You Wanna Pick On Me?」
Roger Troutmanプロデュース。こちらはRogerのメロウな側面を活かした仕上がりです。ここでもRogerのトークボックスが効いています。アルバムからの2ndシングルにもなりました。サイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=Q6ryOaOeRTI

「This Time」
Somethin' For The Peopleプロデュース。売れっ子プロデュース・チームである彼らの手腕が存分に発揮されたキャッチーなミディアムに仕上がっています。Roger絡みの2曲からの流れもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=UfuoQ-k0I84

「I Don' Wanna Feel」
Michael O'Hara/Michael Goods/Troy Pattersonプロデュース。この時期の女性R&Bグループらしいヒップ・ホップ・ソウルな仕上り。派手さはなくとも華があります。
https://www.youtube.com/watch?v=MKUricSrowk

「Sailing」
Troy Patterson/Sandra St. Victorプロデュース。Christopher Crossの全米チャートNo.1ヒットをカヴァー。オリジナルは大ヒット・アルバム『Christopher Cross』(1980年)に収録されています。少し抑えめのヴォーカル・ワークが逆にいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=iks3NnakqTI

「Sad Story」
Keith Andesプロデュース。美しく感動的なバラードですが、曲タイトルがグループのその後を暗示しているかのような・・・なんて思いながら聴いていると切なくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=i4uXoF3Cmjo

グループは本作の後、シングル「Checkin for Me」(1999年)をリリースし、さらには同曲を含むアルバム『Meeting in the Ladies Room』を制作したものの、プロモ盤が出回ったのみでお蔵入りとなり、2000年に解散した模様です。
posted by ez at 07:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする