発表年:1967年
ez的ジャンル:N.Y.ブーガルー/ラテン・ジャズ
気分は... :分身の術!
今回はラテン・パーカッション/ティンバレス奏者Willie Boboが1967年にリリースした『Bobo Motion』です。
N.Y.スパニッシュ・ハーレム出身のニューヨリカンWillie Bobo(本名:William Correa)(1934-1983年)の紹介は、『Juicy』(1967年)に続き2回目となります。
本作はBoboがノリに乗っていた60年代後半のVerveでのレコーディングの1つです。
特に本作で目を引くのは、1969年のSantanaのヒットで知られる「Evil Ways」のオリジナル・ヴァージョンです。作者は本作でもアレンジを手掛けているSonny Henry。
何でもBobo自身が敏腕プロモーターBill Grahamに本作のヴァージョンを聴かせたことがSantanaのレコーディングにつながったようです。
また、「Evil Ways」以外にもJorge Santana率いるMaloがカヴァーした「I Don't Know」(こちらもSonny Henry作)も収録されています。
それ以外にもN.Y.ラテンらしいストリート感覚が伝わってくる「Ain't That Right」 も僕のオススメです。
プロデュースはTeddy ReigとPete Spargo。アレンジはBert KeyesとSonny Henryが手掛けています。
ファンキー&グルーヴィーなラテン・グルーヴで心も開放的に!
全曲紹介しときやす。
「Up, Up & Away」
Jimmy Webb作。The 5th Dimensionの大ヒット曲をカヴァー。お馴染みのヒット曲を軽快ななラテン・リズムと共に聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=CCfp6kHm0Ls
本曲について、当ブログではRoman Andren、Bossa Rio、Gary McFarland & Co.、Sunlightsquare、Sonido 5、Osmar Militoのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はご参照ください。
「Ain't That Right」
オススメその1。Arthur Sterling作。ヴォーカルも含めてN.Y.ラテンらしいストリート感覚がプンプン伝わってくる格好良い1曲。
「Midnight Sun」
Lionel Hampton/Johnny Mercer作。Lionel Hampton楽団のカヴァー。Sonny Henryのギターを中心にムーディーなN.Y.ラテンを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z1dDRGdtxl0
「Cute」
Neal Hefti作。Count Basieの演奏で有名な楽曲のカヴァー。Boboのティンヴァレス・ソロも楽しめる開放的なラテン・グルーヴです。
「I Don't Know」
オススメその2。Sonny Henry作。前述のように、Jorge Santana率いるMaloもアルバム『Evolution』(1973年)も取り上げていた曲です。ヴォーカルも含め、ラテンならではの哀愁メロウな雰囲気にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=Tv3JiOGVemA
「Tuxedo Junction」
Julian Dash/Buddy Feyne/Erskine Hawkins作。Glenn Miller & his Orchestraによる大ヒットで知られる楽曲をカヴァー。軽快なチャチャベルに導かれ、小気味良いラテン・グルーヴを聴かせてくれます。
「Evil Ways」
オススメその3。Sonny Henry作。前述のようにSantanaのヒットでお馴染みの曲。このオリジナルとSantanaヴァージョンと比較して聴くのも楽しいと思います。本ヴァージョンはテンポを落としたストリート感がいい味わいです。Boboのヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=rS4WJb1gmro
Santana「Evil Ways」
https://www.youtube.com/watch?v=_tKIPuLfeKg
「Show Me」
Joe Tex作。ノーザン・ソウル曲を格好良いN.Y.ラテン・グルーヴで聴かせてくれます。BoboがラテンのみならずR&Bからも影響を受けているのがよくわかります。
「Black Coffee」
Paul Francis Webster/Sonny Burke作。Sarah Vaughan、Peggy Lee、Ella Fitzgerald等のヴァージョンで知られるスタンダード。ここではブルージーなインストで聴かせてくれます。
「Night Walk」
Steve Huffsteter作。ハードボイルドな格好良さを持つインスト・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=sSoJpD5Y2jU
「La Bamba」
ラストはRitchie ValensやLos Lobosでお馴染みのメキシカン・トラディショナルをカヴァー。軽快なラテン・リズムと共にお馴染みのフレーズを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YLQUQtRwCSM
Willie Boboの他作品もチェックを!
『Bobo's Beat』(1963年)
『Bobo! Do That Thing/Guajira』(1963年)
『Let's Go Bobo!』(1964年)
『Spanish Grease/Uno, Dos, Tres 1.2.3』(1965/66年) ※2in1
『Juicy』(1967年)
『A New Dimension』(1968年)
Willie Bobo & The Bo-Gents『Do What You Want To Do, Tomorrow Is Here』(1971年)
『Tomorrow Is Here』(1977年)
『Bobo』(1979年)