2016年04月23日

Barbara & Ernie『Prelude To...』

フリーソウル隠れ名盤!異色の男女ユニット☆Barbara & Ernie『Prelude To...』
プレリュード・トゥ・・・
発表年:1971年
ez的ジャンル:フリーソウル系異色男女ユニット
気分は... :R.I.P. Prince

今回はフリーソウルの隠れ名盤Barbara & Ernie『Prelude To...』(1971年)です。

Barbara & Ernieは女性の黒人セッション・シンガーBarbara Masseyと男性の白人セッション・ギタリストErnie Calabriaによる異色ユニット。

Barbara Masseyは70年代に活躍したセッション・シンガーでQuincy JonesGrover Washington Jr.をはじめ、ジャズ、ソウル、ロック、ポップス等の幅広いジャンルのアーティストの作品に参加しています。

もう一人のErnie Calabriaは1960年代からHarry Belafonte等の作品でセッション・ギタリストとして活躍しています。

そんなBarbara & Ernie唯一のアルバムが本作『Prelude To...』(1971年)です。

プロデュースはRoberta Flack作品等でお馴染みのJoel Dorn。黒人女性シンガーと白人男性ギタリストの異色ユニットの誕生のきっかけを作ったのも、おそらくJoel Dornが動いたのでは?

レコーディングにはErnie Calabria(g、sitar、b、vo)、Barbara Massey(vo、p、el-p、autoharp)以下、Joe Beck(el-p)、Keith Jarrett(p)、Richard Tee(org)、Sam Brown(g)、Chuck Rainey(b)、Bill Salter(b)、Grady Tate(ds)、Ray Lucas(ds)、Ralph MacDonald(congas、per)、Eumir Deodato(conductor、strings arr)、Myrna Summers & The Interdenominational Singers(chor)等が参加しています。

無名の二人のアルバムに豪華なバック陣が集結したのも、プロデューサーJoel Dornの人脈でしょうね。

アルバム全体は、派手さはありませんがジャズ、ソウル、ロック、サイケ、ポップス、ソフトロック、フォーク、ゴスペル等が入り混じったジャンルレスな魅力に溢れています。まさにフリーソウル的な魅力に溢れた1枚です。60年代後半から70年代初めの空気感が伝わってくるサウンド・センスは絶妙です。また、そんなサウンドの中で可憐に輝くBarbaraのヴォーカルの素晴らしさもアルバムを魅力的なものにしています。

グルーヴィー&パーカッシヴな「My Love And I」、サイケ風味の「Play With Fire」、サイケ&ソフトロックな「Searching The Circle」、天使の歌声とシタールが織り成す「Listen To Your Heart」あたりが僕のお気に入りです。

Jefferson Airplaneのカヴァー「Somebody To Love」以外は彼らのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Play With Fire」
サイケ風味のパーカッシヴ・サウンドと透明感のあるBarbaraのヴォーカルが織り成すジャンルレスなグルーヴィー・サウンドは実にフリーソウル的です。
https://www.youtube.com/watch?v=EApQoFzmJXw

「Somebody To Love」
Darby Slick作。Jefferson Airplane、1967年の大ヒット曲をカヴァー。お馴染みのヒット曲を大胆なアレンジでドープにカヴァーしています。Ernieの弾くベースラインが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=s-adoM4p9p0

Smif-N-Wessun「Wrektime」のサンプリング・ソースになっています。
Smif-N-Wessun「Wrektime」
 https://www.youtube.com/watch?v=mQ8KT-nboqc

「Prelude」
美しいピアノの弾き語りが感動的な前半から、中盤以降はCarpenters調のポップな味わいで楽しませてくれます。

「Listen To Your Heart」
Barbaraの天使のような歌声とErnieのシタールが織り成すドリーミーな1曲です。心が浄化されるサウンドですね。
https://www.youtube.com/watch?v=lDyzHhzwAXc

The Chemical Brothers「A Modern Midnight Conversation」のサンプリング・ソースになっています。
The Chemical Brothers「A Modern Midnight Conversation」
 https://www.youtube.com/watch?v=g-1symjMW2U

「For You」
Ernieの弾くベースが牽引するアシッドな哀愁チューン。60年代後半から70年代前半の空気感がよく伝わってくる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=c7esDZalT9M

Fu-Schnickens feat. Phife Dawg「La Schmoove (Remix)」、Black Milk「Cold Day」等のサンプリング・ソースになっています。
Fu-Schnickens feat. Phife Dawg「La Schmoove (Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=VtJAAj6WwLs
Black Milk「Cold Day」
 https://www.youtube.com/watch?v=5cth0TkuTtc

「Searching The Circle」
ブレイクと共に始まるサイケ&ソフトロックな仕上り。「Play With Fire」と同じく、このユニットの持つジャンルレスま魅力に溢れたサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=T7lbTR8lbrU

「My Love And I」
僕の一番のお気に入り。フォーキー&グルーヴィー&パーカッシヴ&ミステリアスな魅力に溢れたフリーソウル的な仕上り。Barbaraのヴォーカルの魅力を引き立てます。終盤にはホーン隊も盛り上げてくれます。

「Do You Know」
SSW的な雰囲気のフォーキー・チューン。BarbaraとErnieのヴォーカル・ワークがいい感じです。Barbaraのオートハープがいいアクセントになっています。

「Satisfied」
土着的なサウンドに、Keith Jarrettのピアノ、Richard Teeのオルガン、Myrna Summers & The Interdenominational Singersのゴスペル・コーラスが加わった音世界は土着的ゴスペルとでも呼びたい感じです。

Brother Ali「Uncle Sam Goddamn」のサンプリング・ソースになっています。
Brother Ali「Uncle Sam Goddamn」
 https://www.youtube.com/watch?v=46l236O7Iv8

さて、本作とは全く関係ありませんが、今日はこの話題に触れずにはいられません。
Prince殿下が突然の逝去・・・

最近では聴くことが少なくなりましたが、『1999』(1982年)から『Lovesexy』(1988年)あたりまではリアルタイムで熱狂的に彼の作品を聴いたものです。

僕にとってはMJ以上のスーパースターがPrinceだったかもしれません・・・心よりご冥福をお祈り致します。
Prince「I Wish U Heaven」
 https://www.youtube.com/watch?v=M-8RGNfUYWE
Prince「When 2 R In Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=Ficeonpsg5c
posted by ez at 02:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする