2016年05月18日

Byron Morris & Unity『Vibrations, Themes & Serenades』

人気曲「Sun Shower」収録のレア・グルーヴ人気作☆Byron Morris & Unity『Vibrations, Themes & Serenades』
Vibrations, Themes & Serenades
発表年:1978年
ez的ジャンル:N.Y.ロフト・ジャズ系レア・グルーヴ
気分は... :何が出るかな?

今回はレア・グルーヴ人気作品Byron Morris & Unity『Vibrations, Themes & Serenades』(1978年)です。

Byron MorrisJoe McPheeのグループ等での活動歴を持つジャズ・サックス奏者。

ワシントンD.Cを拠点に活動していた時代の1969年にトランぺッターGerald Wiseとの共同名義Byron & Gerald『Unity』をレコーディングしています。

その後、ロフト・ジャズに身を置くべくN.Y.に拠点を移し、Unityを結成します。そしてByron Morris & Unity名義で『Blow Thru Your Mind』(1974年)、『Vibrations, Themes & Serenades』(1978年)という2枚のアルバムをリリースしています。

『Blow Thru Your Mind』『Vibrations, Themes & Serenades』共にレア・グルーヴ人気盤として再評価の高い作品です。

今回紹介する『Vibrations, Themes & Serenades』(1978年)はクラブジャズ人気曲「Sun Shower」が収録されていることて知られる1枚です。

レコーディング・メンバーはByron Morris(as、ss、fl)以下、Vincent McEwan(tp、flh)、Jay Clayton(vo)、Gene Adler(p、el-p)、Tyronne Walker(ds)、Frank Clayton(b)、Milton Suggs(el-b)、Abu Sharif(ds)です。

クラブジャズ好きの人にとっては、「Sun Shower」「Panamanian Aire」の2曲で決まり!のアルバムだと思います。

ただし、他の演奏もきちんと聴けば楽しめる要素はあります。

とは言いつつ、やはり「Sun Shower」「Panamanian Aire」の2曲が突出したアルバムです。

全曲紹介しときやす。

「ERAA」
Byron Morris作。スピーディー&フリーキーな演奏を楽しめるオープニング。中盤からはJay Claytonのスキャットも加わり、アヴァンギャルドな雰囲気も漂います。

「Suite for Rahsaan, Mingus, & Lester Young」
「Theme For Rashaan」「Goodbye Pork Pie Hat」の2曲のメドレー。偉大なジャズ・ミュージシャン3名に捧げられた演奏です。「Theme For Rashaan」はRahsaan Roland Kirkのために書かれたByron Morrisのオリジナル。Byronのフルートの響きが印象的なバップ作品であり、終盤はRoland Kirkっぽさが出ています。

「Goodbye Pork Pie Hat」はCharles MingusがLester Youngへの追悼で書いた曲であり、後にRoland Kirkもカヴァーしています。Joni Mitchell、Jeff Beckもカヴァーしたジャズの枠を超えたスタンダードですね。ここではJay Claytonのスキャットと共に落ち着きのある演奏を聴かせてくれます。

「Panamanian Aire」
Santanaのヒットで知られる「Evil Ways」の作者Clarence "Sonny" Henryの作品。「Sun Shower」と並ぶ本作のハイライトなのでは?Jay Claytonのスキャットが栄える歯切れのいいジャズ・ファンクはレア・グルーヴ好きの人であれば気に入るはず!エレクトリック・ベースが効いてします。
https://www.youtube.com/watch?v=pDx1tdARMlQ

「Sun Shower」
Kenny Barron作。Barronのオリジナルは『Innocence』(1978年)に収録。本ヴァージョンはJanice Jarrett が歌詞をつけています。前述のように本作のハイライト。スコールの音と共に始まるボッサ・テイストのブラジリアン・ジャズ。Jay Claytonのオトナのヴォーカルが華を添えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pWzszJ5XIks

「Eyewitness News Bluze」
Byron Morris作。テレビ・ニュースを皮肉ったイントロが印象的なブルージーでバップな演奏です。

「Like A Galaxy Of Stars」
Vincent McEwan作。前半はJay Claytonの歌声をフィーチャーしたドリーミー&スピリチュアルな前半から、リズミカルな演奏を楽しめる中盤以降へ・・・終盤の躍動感もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aIj0RmRgrQA

Byron Morrisの他作品もチェックを!

Byron Morris & Unity『Blow Thru Your Mind』(1974年)
Blow Thru Your Mind

Eloise Greenfield And Friends With Byron Morris『Honey, I Love』(1982年)
Honey, I Love
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2016年05月17日

Kloud 9『On Kloud 9』

アーバン・メロウな双子ゴスペル・デュオ☆Kloud 9『On Kloud 9』
On Kloud 9
発表年:2002年
ez的ジャンル:双子系USコンテンポラリー・ゴスペル・デュオ
気分は... :予想的中!

今回はUSコンテンポラリー・ゴスペル・デュオKloud 9の1stアルバム『On Kloud 9』(2002年)です。

Kloud 9はシカゴ生まれの双子であるKelvisKendallというDuffie兄弟によるユニット。

彼らは教会ミュージシャンであった母親の影響でテネシー州ナッシュビルを拠点にゴスペル・シーンで活動するようになります。

その後Kendallが数年間ロンドンに渡り、UKアシッド・ジャズ/ソウルの人気プロデューサーRay HaydenIncognitoのリーダーJean-Paul "Bluey" Maunickと知り合います。

さらに、この時期に作ったデモ・テープがUKソウルの優良レーベルExpansion Recordsの関係者の目に留まり、2002年にExpansionから1stアルバム『On Kloud 9』(2002年)をリリースします。

その後も『Yearning To Love』(2005年)、『Enjoy The Ride』(2008年)という2枚のアルバムをExpansionからリリースしています。

さて、本作『On Kloud 9』はUKソウル・チャートでヒットを記録した作品であり、アルバム収録曲の多くが各種コンピに収録されるなど彼らを代表する1枚です。

Kendall Duffieに加え、前述のRay HaydenJean-Paul "Bluey" Maunick、人気女性セッション・シンガーKaren Bernod、ナッシュビルのR&B/ゴスペル系プロデューサーRoger Ryan、USコンテンポラリー・ゴスペル・グループCommissionedのメンバーMitchell Jones等がプロデュースを務めています。

また、IncognitoKaren Bernod、ジャズ・サックス奏者Kirk Whalumがフィーチャリングされています。

Kloud 9自体はコンテンポラリー・ゴスペル・デュオですが、アルバムはコンテンポラリー・ゴスペルというより、アーバン・メロウなR&B、スムース・ジャズ色の強いジャジー・ソウルといった印象が強いです。

とりあえず「Can't Stop Thinking About You」「Let's Not Lose」「Priority」「Promise」「With Me」「Make You Mine」といった曲を聴いてみてください。

彼らがUKソウル・チャートで支持されたのも頷ける充実作です。

全曲紹介しときやす。

「Can't Stop Thinking About You」
オススメその1。Mitchell Jones/Kendall Duffieプロデュース。アーバン・メロウなミディアム・チューン。セクシーだけど濃厚ではなく、サラっとしているのがKloud 9の魅力だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=kErqKA447mg

「If You Ever」
Kendall Duffie/Micah Whitleyプロデュース。メロディがMichael Jackson「I Can't Help It」風のミディアムR&B。

「Never Knew」
オススメその2。Kendall Duffie/Ray Haydenプロデュース。Ray Haydenの手腕が発揮されたスマートなグルーヴ感が心地好い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=1WdkgGPg-jE

「That's How Love Should Be」
Mitchell Jones/Kendall Duffieプロデュース。このユニットらしい実にスマートなコンテンポラリー感がいいですね。

「Let's Not Lose」
オススメその3。Karen Bernodをフィーチャー。Kendall Duffie/Karen Bernodプロデュース。Karenのキュートなヴォーカルとムーディーなトランペット/フリューゲルホーンが華やかな雰囲気を演出してくれます。ジャジー&メロウな生音バッキングもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Rib28-CTQ1s

「Priority」
オススメその4。Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。ラグジュアリー感のあるオトナのアーバンR&B。
https://www.youtube.com/watch?v=BKV7RftANcc

「Soul Mate」
Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。80年代ブラコンを2000年代仕様にアップデートした雰囲気のセクシー・ミディアム。

「On Kloud 9 (Interlude)」
Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。インタールード。

「Promise」
オススメその5。Jean-Paul "Bluey" Maunick/Kendall Duffieがプロデュースし、Incognitoをフィーチャーしています。アーバン・メロウなR&B/ソウル好きにはたまらない1曲です。素敵なメロディ&サウンドにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=9t7DUSQkViQ

「With Me」
オススメその6。Kendall Duffieプロデュース。イントロを聴いただけでグッときてしまうスムースR&B。本作らしいアーバンな魅力を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=FQJoqFzHST0

「Make You Mine」
オススメその7。ジャズ・サックス奏者Kirk Whalumをフィーチャー。Ken Barkenプロデュース。本作以前に1999年のコンピ作品でも取り上げられた楽曲であり、落ち着いた中にも洗練を感じるアーバン&ジャジーな哀愁メロウに仕上がっています。

「Mercy Of Your Love」
Kendall Duffie/Micah Whitleyプロデュース。サウンドは少しチープですが、曲の良さとヴォーカル・ワークの巧さで聴かせてしまうところに彼らの才を感じます。

「A Moment」
Kendall Duffieプロデュース。フランス語ヴォイスでアンニュイな雰囲気を演出した哀愁チューン。

「Lullaby For K.C.」
Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。スムース・ジャズ調のメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=QwAq_SR7yUo

「On Kloud 9」
Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。タイトル曲はストリングスを配し、Kim Flemingの女性スキャットがセクシーに響くムーディーな仕上り。

「Keep Me Coming Around」
Kendall Duffieプロデュース。ラストはダンサブルなアーバン・ファンクで疾走します。

Kloud 9の他作品もチェックを!

『Yearning To Love』(2005年)
Yearning 2 Love

『Enjoy The Ride』(2008年)
Enjoy the Ride

『Everything Is Good 2Nite』(2009年) ※ベスト盤
Everything Is Good 2nite
posted by ez at 02:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月15日

Gregory Porter『Take Me To The Alley』

ザ・リアル・ヴォイス!の最新作☆Gregory Porter『Take Me To The Alley』
希望へのアレイ
発表年:2016年
ez的ジャンル:黒人男性ジャズ・シンガー
気分は... :真実は裏通りに・・・

今回は世界が注目する黒人男性シンガーGregory Porterの最新作『Take Me To The Alley』です。

ソウルフルで温かみのあるバリトン・ヴォイスで人々を魅了する"ザ・リアル・ヴォイス"Gregory Porterの紹介は、2014年のグラミー賞でBest Jazz Vocal Albumを見事受賞した3rdアルバム『Liquid Spirit』(2013年)に続き2回目となります。

基本はジャズの人ですが、温かみのあるバリトン・ヴォイスでソウル/R&Bフィーリングも兼ね備えているのもこの人の魅力ですね。

前作『Liquid Spirit』に続くBlue Note第二弾となる本作も温かみのある"ザ・リアル・ヴォイス"を届けてくれます。

プロデューサーはGregory Porter本人と1stアルバム『Water』(2011年)、2ndアルバム『Be Good』(2012年)のプロデュースも務めていたKamau Kenyatta。前作『Liquid Spirit』では、メイン・プロデューサーの座をBrian Bacchusに譲っていましたが、本作で復帰しました。

Kamau Kenyattaは、最近では先日当ブログでも紹介したEd Motta『Perpetual Gateways』のプロデュースも手掛けています。

レコーディング・メンバーはGregory Porter(vo)以下、Chip Crawford(p)、Aaron James(b)、Emanuel Harrold(ds)、Yosuke Sato(佐藤 洋祐)(as)、Tivon Pennicott(ts)というツアーでもバックを務める気心知れたミュージシャンに加え、Ondrej Pivec(org)、Keyon Harold(tp)、Alicia Olatuja(voice)がゲスト参加しています。

また、国内盤ボーナス・トラックではKem、、Lalah Hathawayがフィーチャリングされています。

この人の場合、"今ジャズ"を代表する男性ジャズ・シンガーですが、作品内容は至ってオーソドックスというのが特徴です。それができるのも"ザ・リアル・ヴォイス"と称される魅惑のバリトン・ヴォイスがあるからですね。

本作もその路線は変わっていません。本作はラブソング、家族への思い、社会へのメッセージなどさまざまな愛を"ザ・リアル・ヴォイス"が伝えてくれます。

ジャズ・ファンのみならず、ソウル/R&Bリスナーにも聴いて欲しい名盤だと思います。

『Take Me To The Alley』 EPK
 https://www.youtube.com/watch?v=yDQx_-hBVe8

全曲紹介しときやす。

「Holding On」
Howard Lawrence/Guy Lawrence/James Napier/Gregory Porter作。元々は昨年リリースされたUKの人気ダンス・ユニットDisclosureの2ndアルバム『Caracal』からの1stシングルとして書かれた楽曲です。Disclosureヴァージョンはアッパーなハウス・チューンですが、本ヴァージョンはGregory Porterらしい温かみのある仕上りです。リリースの時系列では逆ですが、イメージとしては本作ヴァージョンが原形で、それをDisclosureがリミックスすると、『Caracal』収録ヴァージョンになるって感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=OlwceBF-2T4

Disclosureヴァージョンとぜひ聴き比べを!
Disclosure feat. Gregory Porter「Holding On」
 https://www.youtube.com/watch?v=gVN6FqPpChQ

「Don't Lose Your Steam」
Gregory Porter作。彼のソウルフルな魅力が全開の1曲。ゲスト参加のOndrej Pivecのオルガンもソウルフルな味わいを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=EEZyB4Bxrxg

「Take Me To The Alley」
タイトル曲は社会の真実は裏通りにあると歌う社会派ソング。温かみのあるバリトン・ヴォイスが聴く者を優しく包み込む素敵なバラードです。

「Daydream」
Craig Dawson/Gregory Porter作。Porterが3歳の息子のために書いた曲。息子の未来への希望を歌い上げます。Tivon Pennicottのサックス・ソロも素敵です。

「Consequence Of Love」
Gregory Porter作。Porterの真摯なバリトン・ヴォイスにグッとくるバラード。

「In Fashion」
Gregory Porter作。Elton John「Bennie and the Jets」をイメージさせるChip Crawfordの小粋なピアノが印象的です。その意味でジャズ・ファンよりもポップスのリスナーが歓喜しそうな親しみやすさを持った仕上りです。

「More Than A Woman」
Gregory Porter作。Porterの母について歌った楽曲。母親の愛情がこの偉大なジャズ・シンガーを形作ったことがわかる優しさと愛に満ちた仕上がりです。

「In Heaven」
Darlene Andrews作。ジャズ・シンガーGregory Porterの魅力を実感できる1曲。魅惑のバリトン・ヴォイスとKeyon Haroldのトランペット・ソロが素敵すぎます。

「Insanity」
Gregory Porter作。恋人の仲直りを懇願するラブ・ソング。しみじみと歌い上げるPorterのヴォーカルが腹まで沁み渡ってきます。

「Don't Be A Fool」
Gregory Porter作。Porterらしいバリトン・ヴォーカルが栄えるソウル・チューン。ゲスト参加のAlicia Olatujaのコーラスも効果的です。

「Fan The Flames」
Gregory Porter作。男性ジャズ・ヴォーカル作品らしいビ・バップ・スタイルの軽やかな仕上り。

「French African Queen」
Gregory Porter作。リズミックでブラック・フィーリングに溢れた仕上りはパンチが効いています。

国内盤には「Holding On」Kemをフィーチャー)、「Insanity」Lalah Hathawayをフィーチャー)の別ヴァージョンが追加収録されています。

2曲ともR&Bフィーリングの仕上がりです。特にLalah Hathawayとのデュエットは素晴らしいの一言です。

Gregory Porterの他作品もぜひチェックを!

『Water』(2011年)
Water

『Be Good』(2012年)
Be Good

『Liquid Spirit』(2013年)
リキッド・スピリット
posted by ez at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月14日

Silk『Smooth As Silk』

シカゴの3人組男性ソウル・グループ☆Silk『Smooth As Silk』
Smooth As Silk
発表年:1977年
ez的ジャンル:シカゴ・ソウル・グループ
気分は... :シルクのような・・・

今回は70年代ソウル・グループからSilk『Smooth As Silk』(1977年)です。

Silkは元The IndependentsのメンバーMaurice Jacksonをはじめ、Aaron "Eric" ThomasArthur Reidの3人から成る男性ソウル・グループ。

シカゴを拠点とした彼らは1977年にPrelude Recordsから『Smooth As Silk』『Silk』という2枚のアルバムをリリースしています。

「Freak Me」の大ヒットをはじめ、90年代から活躍する男性R&BグループSilkや、Ujima、Anglo Saxon Brownを前身とし、1979年にアルバム『Midnight Dancer』をリリースしているフィラデルフィアのディスコ/ファンク・ユニットSilkといった同名異グループがいるのでややこしいですが、こちらはシカゴを拠点とした男性ソウル・グループです。

本作『Smooth As Silk』は某ディスク・ガイドにも掲載された再評価の高い1枚です。

メンフィスのMalaco Studiosでレコーディングが行われ、Marvell Thomas(key)、Carson Whitsett(key)、Don Zimmerman(g)、Michael Toles(g)、Don Barrett(b)、Ray Griffin(b)、James Stroud(ds)、James Stroud(per)、Terry Johnson(per)、Memphis Symphony(horn)といったミュージシャンが参加しています。

David Porterがプロデュースを手掛け、Marvell Thomasがアレンジャーを務めています。

フィリー風のダンス・チューンとソウル・グループらしいミディアム〜スロウがバランス良く配され、アルバム通して充実した内容です。

グループ名の通り、シルクのようなソウル作品です。

全曲紹介しときやす。

「I Know I Didn't Do You Wrong」
シルキーなヴォーカル・ワークに惹かれる素敵なソウル・バラードでアルバムは幕を開けます。
https://www.youtube.com/watch?v=CpKpHgiM0sw

「Give Yourself To Me」
開放的な爽快ミディアム・ソウル。このグループを魅力を存分に楽しめる1曲は僕の一番のお気に入り。

「Leaving Me」
スウィートなファルセット・コーラスに魅了される1曲。甘く切ない思いが募ります。

「Call Me」
フィリー・ダンサー好きの人は気に入るであろう1曲。軽やかに疾走する感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=MyvQW-1SRDQ

「Live While You Can」
ロッキン・ギターと共に始まるダンサブル・チューン。二人のリード・ヴォーカルのコントラストを楽しめます。

「Party Pt. 1 & 2」
アルバムからの1stシングルであり、彼らの唯一のチャート・イン曲。ストリングスを配したフィリー調の軽快なダンス・チューンです。

「Ain't No Need Of Crying」
ダンス・チューンの中ではコレが完成度一番なのでは?キレのあるダンス・サウンドと彼ららしいヴォーカル・ワークが両立しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=w2olXS7tm1k

「On Fire」
ベースラインが目立つこの曲は、他の曲とは雰囲気が少し異なります。ダンサブル・サウンドと爽快コーラスの組み合わせがイナたいのにスマートな感じで好きです。。
https://www.youtube.com/watch?v=PeGDxL5boGE

「Let Him Go」
ラストはソウル・グループらしいバラードでしっとりと締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IHCDCpJ6VEA

もう1枚の『Silk』もセットでどうぞ!

『Silk』(1977年)
Silk

フィラデルフィアのディスコ/ファンク・ユニットSilkも一緒にチェックしてみては?

Silk『Midnight Dancer』(1979年)
Midnight Dancer
posted by ez at 04:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月13日

Cidinho E O Som Tropical『Muito Suingue』

コンテンポラリー感覚のサンバ・ソウル☆Cidinho E O Som Tropical『Muito Suingue』
MUITO SUINGUE ムイトスインギ
発表年:1980年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・サンバ・ソウル
気分は... :♪サララ♪サララ♪

最近ブラジル人アーティストが少ないので、今日はグルーヴィーなサンバ・ソウル作品を!

Cidinho E O Som Tropical『Muito Suingue』(1980年)です。

Cidinho E O Som Tropicalは、キーボード奏者Cidinho Teixeiraを中心としたグループ。

Cidinho Teixeiraは1942年リオグランデ・ド・スル州生まれ。Gilberto GilSimone、、Gal Costaらのバックを務めていた経歴を持つミュージシャンです。

Cidinho E O Som Tropical唯一のアルバムが本作『Muito Suingue』(1980年)です。

プロデュースはPaulo Debetio

Cidinho E O Som Tropicalのメンバーは、Cidinho Teixeira(key)、Jorge Degas(b)、Zepa de Souza(g)、Wilson Meireles(ds)、Cafe(per)の5名。

さらにLuiz Vagner(g)、Eliana Pittman(vo)、Vera Mara(vo)等がサポートで参加しています。

フュージョン、ファンク、ソウルとサンバをコンテンポラリー感覚でミックスしたグルーヴィーなサンバ・ソウル作品に仕上がっています。

「Sarara Sem Bandeira」「To Dando Um Toque」「Som Maneiro」「Reggae Do Amor」「Meu Estado Civil」「Samba, Carinho E Amor」が僕のお気に入りです。

楽曲はすべてCidinho Teixeiraのオリジナルです(Paulo Sergio Valleらとの共作を含む)。

コンテンポラリー感覚のサンバ・ソウルは、ブラジル音楽初心者の方にも聴きやすいのでは?

全曲紹介しときやす。

「E O Segunte」
Paulo Sergio Valleとの共作。開放的なオープニング。メンバーたちがリラックスして演奏を楽しんでいる様子が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=19Toj9IFDlc

「Rumbafrica」
ブラジル音楽というより、汎ラテン・アメリカ感を感じるワールド・ミュージック的なサウンドが印象的です。

「Sarara Sem Bandeira」
爽快メロウに疾走する人気のサンバ・ソウル。♪サララ♪サララ♪と思わず口ずさんでしまいます。エンディングがあっけないのが少し残念ですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=DOvPtUkLuvE

「To Dando Um Toque」
Paulo Sergio Valle/Luiz Vagnerとの共作。Cidinhoの小粋なピアノとキャッチーな女性コーラスが弾ける格好良いブラジリアン・ファンク・グルーヴ。ブラジル音楽好き以外の方も楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=vdhWlhrM4EY

「Morro De Saudade」
Paulo Sergio Valleとの共作。躍動するサンバ・ソウル。小粋なアレンジでメリハリの効いた演奏を楽しめます。

「Som Maneiro」
Paulo Sergio Valleとの共作。ファンク・テイストのサンバ・グルーヴにのったキャッチーな女性コーラスとCidinhoの下手ウマ・ヴォーカルの掛け合いが軽妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=zQcBpc8f-Is

「Reggae Do Amor」
タイトルからしてモロにレゲエな曲調をイメージしてしまいますが、それ程レゲエ色は強くなく、ソウルフルな女性ヴォーカルが栄えるメロウ・ブラジリアン・ソウルといった印象です。

「Meu Estado Civil」
Walter Queirozとの共作。コンテンポラリー感のあるブラジリアン・サウンドと一体感のあるコーラスが心地好い1曲。

「Amor Proibido」
ロマンティック・ムードに包まれたバラード。ブラジルというよりムード・ラテンといった趣です。

「Samba, Carinho E Amor」
Paulo Sergio Valleとの共作。僕の一番のお気に入り。少し憂いを帯びたメロウなサンバ・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=nKo7oJq-78o

「Nada Restou」
ラストはCidinhoの鍵盤の響きと素敵な女性ヴォーカルが印象的なメロウ・バラードで締め括ってくれます。

本作の後、Cidinho Teixeiraはソロ・アルバムを何枚かリリースしているようです。
posted by ez at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする