2016年05月15日

Gregory Porter『Take Me To The Alley』

ザ・リアル・ヴォイス!の最新作☆Gregory Porter『Take Me To The Alley』
希望へのアレイ
発表年:2016年
ez的ジャンル:黒人男性ジャズ・シンガー
気分は... :真実は裏通りに・・・

今回は世界が注目する黒人男性シンガーGregory Porterの最新作『Take Me To The Alley』です。

ソウルフルで温かみのあるバリトン・ヴォイスで人々を魅了する"ザ・リアル・ヴォイス"Gregory Porterの紹介は、2014年のグラミー賞でBest Jazz Vocal Albumを見事受賞した3rdアルバム『Liquid Spirit』(2013年)に続き2回目となります。

基本はジャズの人ですが、温かみのあるバリトン・ヴォイスでソウル/R&Bフィーリングも兼ね備えているのもこの人の魅力ですね。

前作『Liquid Spirit』に続くBlue Note第二弾となる本作も温かみのある"ザ・リアル・ヴォイス"を届けてくれます。

プロデューサーはGregory Porter本人と1stアルバム『Water』(2011年)、2ndアルバム『Be Good』(2012年)のプロデュースも務めていたKamau Kenyatta。前作『Liquid Spirit』では、メイン・プロデューサーの座をBrian Bacchusに譲っていましたが、本作で復帰しました。

Kamau Kenyattaは、最近では先日当ブログでも紹介したEd Motta『Perpetual Gateways』のプロデュースも手掛けています。

レコーディング・メンバーはGregory Porter(vo)以下、Chip Crawford(p)、Aaron James(b)、Emanuel Harrold(ds)、Yosuke Sato(佐藤 洋祐)(as)、Tivon Pennicott(ts)というツアーでもバックを務める気心知れたミュージシャンに加え、Ondrej Pivec(org)、Keyon Harold(tp)、Alicia Olatuja(voice)がゲスト参加しています。

また、国内盤ボーナス・トラックではKem、、Lalah Hathawayがフィーチャリングされています。

この人の場合、"今ジャズ"を代表する男性ジャズ・シンガーですが、作品内容は至ってオーソドックスというのが特徴です。それができるのも"ザ・リアル・ヴォイス"と称される魅惑のバリトン・ヴォイスがあるからですね。

本作もその路線は変わっていません。本作はラブソング、家族への思い、社会へのメッセージなどさまざまな愛を"ザ・リアル・ヴォイス"が伝えてくれます。

ジャズ・ファンのみならず、ソウル/R&Bリスナーにも聴いて欲しい名盤だと思います。

『Take Me To The Alley』 EPK
 https://www.youtube.com/watch?v=yDQx_-hBVe8

全曲紹介しときやす。

「Holding On」
Howard Lawrence/Guy Lawrence/James Napier/Gregory Porter作。元々は昨年リリースされたUKの人気ダンス・ユニットDisclosureの2ndアルバム『Caracal』からの1stシングルとして書かれた楽曲です。Disclosureヴァージョンはアッパーなハウス・チューンですが、本ヴァージョンはGregory Porterらしい温かみのある仕上りです。リリースの時系列では逆ですが、イメージとしては本作ヴァージョンが原形で、それをDisclosureがリミックスすると、『Caracal』収録ヴァージョンになるって感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=OlwceBF-2T4

Disclosureヴァージョンとぜひ聴き比べを!
Disclosure feat. Gregory Porter「Holding On」
 https://www.youtube.com/watch?v=gVN6FqPpChQ

「Don't Lose Your Steam」
Gregory Porter作。彼のソウルフルな魅力が全開の1曲。ゲスト参加のOndrej Pivecのオルガンもソウルフルな味わいを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=EEZyB4Bxrxg

「Take Me To The Alley」
タイトル曲は社会の真実は裏通りにあると歌う社会派ソング。温かみのあるバリトン・ヴォイスが聴く者を優しく包み込む素敵なバラードです。

「Daydream」
Craig Dawson/Gregory Porter作。Porterが3歳の息子のために書いた曲。息子の未来への希望を歌い上げます。Tivon Pennicottのサックス・ソロも素敵です。

「Consequence Of Love」
Gregory Porter作。Porterの真摯なバリトン・ヴォイスにグッとくるバラード。

「In Fashion」
Gregory Porter作。Elton John「Bennie and the Jets」をイメージさせるChip Crawfordの小粋なピアノが印象的です。その意味でジャズ・ファンよりもポップスのリスナーが歓喜しそうな親しみやすさを持った仕上りです。

「More Than A Woman」
Gregory Porter作。Porterの母について歌った楽曲。母親の愛情がこの偉大なジャズ・シンガーを形作ったことがわかる優しさと愛に満ちた仕上がりです。

「In Heaven」
Darlene Andrews作。ジャズ・シンガーGregory Porterの魅力を実感できる1曲。魅惑のバリトン・ヴォイスとKeyon Haroldのトランペット・ソロが素敵すぎます。

「Insanity」
Gregory Porter作。恋人の仲直りを懇願するラブ・ソング。しみじみと歌い上げるPorterのヴォーカルが腹まで沁み渡ってきます。

「Don't Be A Fool」
Gregory Porter作。Porterらしいバリトン・ヴォーカルが栄えるソウル・チューン。ゲスト参加のAlicia Olatujaのコーラスも効果的です。

「Fan The Flames」
Gregory Porter作。男性ジャズ・ヴォーカル作品らしいビ・バップ・スタイルの軽やかな仕上り。

「French African Queen」
Gregory Porter作。リズミックでブラック・フィーリングに溢れた仕上りはパンチが効いています。

国内盤には「Holding On」Kemをフィーチャー)、「Insanity」Lalah Hathawayをフィーチャー)の別ヴァージョンが追加収録されています。

2曲ともR&Bフィーリングの仕上がりです。特にLalah Hathawayとのデュエットは素晴らしいの一言です。

Gregory Porterの他作品もぜひチェックを!

『Water』(2011年)
Water

『Be Good』(2012年)
Be Good

『Liquid Spirit』(2013年)
リキッド・スピリット
posted by ez at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする