発表年:2002年
ez的ジャンル:双子系USコンテンポラリー・ゴスペル・デュオ
気分は... :予想的中!
今回はUSコンテンポラリー・ゴスペル・デュオKloud 9の1stアルバム『On Kloud 9』(2002年)です。
Kloud 9はシカゴ生まれの双子であるKelvisとKendallというDuffie兄弟によるユニット。
彼らは教会ミュージシャンであった母親の影響でテネシー州ナッシュビルを拠点にゴスペル・シーンで活動するようになります。
その後Kendallが数年間ロンドンに渡り、UKアシッド・ジャズ/ソウルの人気プロデューサーRay HaydenやIncognitoのリーダーJean-Paul "Bluey" Maunickと知り合います。
さらに、この時期に作ったデモ・テープがUKソウルの優良レーベルExpansion Recordsの関係者の目に留まり、2002年にExpansionから1stアルバム『On Kloud 9』(2002年)をリリースします。
その後も『Yearning To Love』(2005年)、『Enjoy The Ride』(2008年)という2枚のアルバムをExpansionからリリースしています。
さて、本作『On Kloud 9』はUKソウル・チャートでヒットを記録した作品であり、アルバム収録曲の多くが各種コンピに収録されるなど彼らを代表する1枚です。
Kendall Duffieに加え、前述のRay Hayden、Jean-Paul "Bluey" Maunick、人気女性セッション・シンガーKaren Bernod、ナッシュビルのR&B/ゴスペル系プロデューサーRoger Ryan、USコンテンポラリー・ゴスペル・グループCommissionedのメンバーMitchell Jones等がプロデュースを務めています。
また、Incognito、Karen Bernod、ジャズ・サックス奏者Kirk Whalumがフィーチャリングされています。
Kloud 9自体はコンテンポラリー・ゴスペル・デュオですが、アルバムはコンテンポラリー・ゴスペルというより、アーバン・メロウなR&B、スムース・ジャズ色の強いジャジー・ソウルといった印象が強いです。
とりあえず「Can't Stop Thinking About You」、「Let's Not Lose」、「Priority」、「Promise」、「With Me」、「Make You Mine」といった曲を聴いてみてください。
彼らがUKソウル・チャートで支持されたのも頷ける充実作です。
全曲紹介しときやす。
「Can't Stop Thinking About You」
オススメその1。Mitchell Jones/Kendall Duffieプロデュース。アーバン・メロウなミディアム・チューン。セクシーだけど濃厚ではなく、サラっとしているのがKloud 9の魅力だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=kErqKA447mg
「If You Ever」
Kendall Duffie/Micah Whitleyプロデュース。メロディがMichael Jackson「I Can't Help It」風のミディアムR&B。
「Never Knew」
オススメその2。Kendall Duffie/Ray Haydenプロデュース。Ray Haydenの手腕が発揮されたスマートなグルーヴ感が心地好い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=1WdkgGPg-jE
「That's How Love Should Be」
Mitchell Jones/Kendall Duffieプロデュース。このユニットらしい実にスマートなコンテンポラリー感がいいですね。
「Let's Not Lose」
オススメその3。Karen Bernodをフィーチャー。Kendall Duffie/Karen Bernodプロデュース。Karenのキュートなヴォーカルとムーディーなトランペット/フリューゲルホーンが華やかな雰囲気を演出してくれます。ジャジー&メロウな生音バッキングもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Rib28-CTQ1s
「Priority」
オススメその4。Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。ラグジュアリー感のあるオトナのアーバンR&B。
https://www.youtube.com/watch?v=BKV7RftANcc
「Soul Mate」
Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。80年代ブラコンを2000年代仕様にアップデートした雰囲気のセクシー・ミディアム。
「On Kloud 9 (Interlude)」
Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。インタールード。
「Promise」
オススメその5。Jean-Paul "Bluey" Maunick/Kendall Duffieがプロデュースし、Incognitoをフィーチャーしています。アーバン・メロウなR&B/ソウル好きにはたまらない1曲です。素敵なメロディ&サウンドにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=9t7DUSQkViQ
「With Me」
オススメその6。Kendall Duffieプロデュース。イントロを聴いただけでグッときてしまうスムースR&B。本作らしいアーバンな魅力を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=FQJoqFzHST0
「Make You Mine」
オススメその7。ジャズ・サックス奏者Kirk Whalumをフィーチャー。Ken Barkenプロデュース。本作以前に1999年のコンピ作品でも取り上げられた楽曲であり、落ち着いた中にも洗練を感じるアーバン&ジャジーな哀愁メロウに仕上がっています。
「Mercy Of Your Love」
Kendall Duffie/Micah Whitleyプロデュース。サウンドは少しチープですが、曲の良さとヴォーカル・ワークの巧さで聴かせてしまうところに彼らの才を感じます。
「A Moment」
Kendall Duffieプロデュース。フランス語ヴォイスでアンニュイな雰囲気を演出した哀愁チューン。
「Lullaby For K.C.」
Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。スムース・ジャズ調のメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=QwAq_SR7yUo
「On Kloud 9」
Kendall Duffie/Roger Ryanプロデュース。タイトル曲はストリングスを配し、Kim Flemingの女性スキャットがセクシーに響くムーディーな仕上り。
「Keep Me Coming Around」
Kendall Duffieプロデュース。ラストはダンサブルなアーバン・ファンクで疾走します。
Kloud 9の他作品もチェックを!
『Yearning To Love』(2005年)
『Enjoy The Ride』(2008年)
『Everything Is Good 2Nite』(2009年) ※ベスト盤