発表年:1978年
ez的ジャンル:N.Y.ロフト・ジャズ系レア・グルーヴ
気分は... :何が出るかな?
今回はレア・グルーヴ人気作品Byron Morris & Unity『Vibrations, Themes & Serenades』(1978年)です。
Byron MorrisはJoe McPheeのグループ等での活動歴を持つジャズ・サックス奏者。
ワシントンD.Cを拠点に活動していた時代の1969年にトランぺッターGerald Wiseとの共同名義Byron & Gerald『Unity』をレコーディングしています。
その後、ロフト・ジャズに身を置くべくN.Y.に拠点を移し、Unityを結成します。そしてByron Morris & Unity名義で『Blow Thru Your Mind』(1974年)、『Vibrations, Themes & Serenades』(1978年)という2枚のアルバムをリリースしています。
『Blow Thru Your Mind』、『Vibrations, Themes & Serenades』共にレア・グルーヴ人気盤として再評価の高い作品です。
今回紹介する『Vibrations, Themes & Serenades』(1978年)はクラブジャズ人気曲「Sun Shower」が収録されていることて知られる1枚です。
レコーディング・メンバーはByron Morris(as、ss、fl)以下、Vincent McEwan(tp、flh)、Jay Clayton(vo)、Gene Adler(p、el-p)、Tyronne Walker(ds)、Frank Clayton(b)、Milton Suggs(el-b)、Abu Sharif(ds)です。
クラブジャズ好きの人にとっては、「Sun Shower」と「Panamanian Aire」の2曲で決まり!のアルバムだと思います。
ただし、他の演奏もきちんと聴けば楽しめる要素はあります。
とは言いつつ、やはり「Sun Shower」と「Panamanian Aire」の2曲が突出したアルバムです。
全曲紹介しときやす。
「ERAA」
Byron Morris作。スピーディー&フリーキーな演奏を楽しめるオープニング。中盤からはJay Claytonのスキャットも加わり、アヴァンギャルドな雰囲気も漂います。
「Suite for Rahsaan, Mingus, & Lester Young」
「Theme For Rashaan」と「Goodbye Pork Pie Hat」の2曲のメドレー。偉大なジャズ・ミュージシャン3名に捧げられた演奏です。「Theme For Rashaan」はRahsaan Roland Kirkのために書かれたByron Morrisのオリジナル。Byronのフルートの響きが印象的なバップ作品であり、終盤はRoland Kirkっぽさが出ています。
「Goodbye Pork Pie Hat」はCharles MingusがLester Youngへの追悼で書いた曲であり、後にRoland Kirkもカヴァーしています。Joni Mitchell、Jeff Beckもカヴァーしたジャズの枠を超えたスタンダードですね。ここではJay Claytonのスキャットと共に落ち着きのある演奏を聴かせてくれます。
「Panamanian Aire」
Santanaのヒットで知られる「Evil Ways」の作者Clarence "Sonny" Henryの作品。「Sun Shower」と並ぶ本作のハイライトなのでは?Jay Claytonのスキャットが栄える歯切れのいいジャズ・ファンクはレア・グルーヴ好きの人であれば気に入るはず!エレクトリック・ベースが効いてします。
https://www.youtube.com/watch?v=pDx1tdARMlQ
「Sun Shower」
Kenny Barron作。Barronのオリジナルは『Innocence』(1978年)に収録。本ヴァージョンはJanice Jarrett が歌詞をつけています。前述のように本作のハイライト。スコールの音と共に始まるボッサ・テイストのブラジリアン・ジャズ。Jay Claytonのオトナのヴォーカルが華を添えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pWzszJ5XIks
「Eyewitness News Bluze」
Byron Morris作。テレビ・ニュースを皮肉ったイントロが印象的なブルージーでバップな演奏です。
「Like A Galaxy Of Stars」
Vincent McEwan作。前半はJay Claytonの歌声をフィーチャーしたドリーミー&スピリチュアルな前半から、リズミカルな演奏を楽しめる中盤以降へ・・・終盤の躍動感もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aIj0RmRgrQA
Byron Morrisの他作品もチェックを!
Byron Morris & Unity『Blow Thru Your Mind』(1974年)
Eloise Greenfield And Friends With Byron Morris『Honey, I Love』(1982年)