発表年:2005年
ez的ジャンル:Schema系ボッサ
気分は... :たとえ泳いででも・・・
Schemaの歌姫Rosalia De Souzaの2ndアルバム『Brasil Precisa Balancar』(2005年)です。
マイスターNicola Conteの秘蔵っ子であるブラジルのリオ・デ・ジャネイロ生まれの女性シンガーRosalia De Souzaについて、当ブログで紹介した作品は以下の3枚。
Quintetto X『Novo Esquema Da Bossa』(1995年)
『Garota Moderna』(2003年)
『D'Improvviso』(2009年)
Nicola Conteのプロデュースでデビュー・アルバム『Garota Moderna』(2003年)をリリースし、クラブジャズ方面から絶賛されたRosalia De Souza。
2ndアルバムとなる『Brasil Precisa Balancar』では、ブラジル音楽の至宝Roberto Menescalをプロデューサー&アレンジャーに迎え、ボサノヴァ色を強めたブラジル人アーティストらしい1枚に仕上がっています。
Roberto Menescalが彼女のブラジリアンDNAをうまく引き出していますね。
レコーディングには、Roberto Menescal(g)、Adriano Souza(p)、Adriano Giffoni(b)、Marcio Bahia (ds)、Sidinho(per)、Roberto Rossi(tb)、Guta Menezes(tp、flh、harmonica)、Sergio Galvao (sax、fl)といったアーティストが参加しています。
また、大御所Marcos ValleとSchemaのレーベルメイトであるブラジル人男性シンガー・ソングライターTocoがゲスト参加しています。
特にTocoは楽曲提供面でも大きく貢献しています。僕の本作のお気に入りの2曲である「Nem Que Seja A Nado」、「Rio De Janeiro」の2曲は共にToco作品です。
Schema作品ですが、クラブジャズ・リスナーよりブラジル音楽リスナー向けの1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Onde Anda O Meu Amor」
Orlandivo/Roberto Jorge作。当ブログでは作者OrlandivoのヴァージョンやBossa Tresヴァージョンも紹介済みです。Orlandivoの名曲を洒脱なジャズ・サンバで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bnmhXY7QzzQ
「Voz Da Lapa」
Tocoをフィーチャー(Toco作)。Toco本人のヴァージョンはアルバム『Outro Lugar』(2006年)に収録されています。Rosaliaの憂いを帯びたヴォーカルとジェントルなTocoのヴォーカルの組み合わせがグッドな哀愁メロウ・ボッサ。
https://www.youtube.com/watch?v=NCK3-Kkm0U0
「Que Bandeira」
Paulo Sergio Valle/Marcos Valle作。Marcosのオリジナルは当ブログでも紹介した『Garra』(1971年)に収録されています。また、Osmar Militoのカヴァーも紹介済みです。Marcosのオリジナルも大好きですが、ここではMarcos Valle本人をフィーチャーし、オトナな落ち着きが心地好いメロウ・チューンで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eN3bOVrkHso
「Ao Amigo Tom」
Paulo Sergio Valle/Marcos Valle作。この曲もオリジナルは『Garra』に収録されています。Tom Jobim(Antonio Carlos Jobim)のことを歌ったこの曲を、サウダージ感たっぷりのボッサ・チューンで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZXMsYZKlHdc
「Brasil Precisa Balancar」
Paulo Cesar Pinheiro/Roberto Menescal作。タイトル曲はRoberto Menescal起用の狙いがよくわかるキャッチー&エレガントなボッサ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=N9ravvKgAiU
「Jogo De Roda」
Ruy Guerra/Edu Lobo作。Edu Loboのオリジナルは『Edu』(1967年)に収録されています。Edu Lobo作品らしいノルデスチのミステリアス感とスピードアップしたパーカッシヴな展開のとのコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Fx8zgv84PUk
「Agarradinho」
Roberto Menescal/Rosalia De Souza作。Menescalの素敵すぎるギターをバックに、Rosaliaがしっとりと歌い上げるジャジー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=NiYXUW-QmAA
「Nem Que Seja A Nado」
Tocoをフィーチャー(Toco作)。Toco本人のヴァージョンはアルバム『Outro Lugar』(2006年)に収録されています。再びTocoの登場です。軽快なアコースティックなの質感が僕好みの爽快メロウ。僕の一番のお気に入り曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=FdJJRyYij0k
「Rio De Janeiro」
Stefano Tirone/Toco作。オリジナルは『Instalacao Do Samba』(2004年)に収録されています。Toco作品が続きます。軽快なリズムと涼しげなフルートが心地好い素敵なメロ・チューン。「Nem Que Seja A Nado」と並ぶお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=bNfla4wsxfY
「Mar Amar」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。正統派ボッサ・チューンをRosaliaがキュートに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=H_JqS-qPWH8
「Um Novo Dia」
Toco作。恋の終わりをきっぱりと宣言するメロウなジャズ・サンバ。あっけらかんとしたRosaliaのヴォーカルが歌の内容と合っていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=P5dnc3is_ys
「Vivo Sonhando」
Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作。当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)、Diane Denoir/Eduardo Mateoのカヴァーを紹介済みです。Jobim作品をMenescalの小粋なアレンジで聴かせてくれます。Guta Menezesのハーモニカがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=t3izk6BOWxw
「O Que E Amar」
Johnny Alf作。Johnny Alfのオリジナルは『Nos』(1974年)に収録されています。ラストはMenescalのギターをバックに、Rosaliaがしっとりと歌い上げるロマンティック・ムードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=5pNM6NFmOwM
国内盤CDにはGerardo Frisinaによるリミックス「Que Bandeira(Gerardo Frisina Remix)」、The Five Corners Quintetが参加した「Adriana(Performed By The Five Corners Quintet)」という2曲のボーナス・トラックが追加収録されています。クラブジャズ好きの人には、これらボートラ収録の国内盤をオススメします。
他のRosalia De Souza作品もチェックを!
Quintetto X『Novo Esquema Da Bossa』(1995年)
『Garota Moderna』(2003年)
『D'Improvviso』(2009年)