2016年06月03日

Gino Cunico『Gino Cunico』

シドニー出身の男性シンガーによる素敵なAOR作品☆Gino Cunico『Gino Cunico』
ジノ・クニコ(生産限定紙ジャケット仕様)
発表年:1976年
ez的ジャンル:魅惑のヴォーカル系AOR
気分は... :痔の邦子?

今回はAOR作品が聴きたい気分!
セレクトしたのはGino Cunico『Gino Cunico』(1976年)です。

Gino Cunicoは1949年オーストラリア、シドニー生まれの男性シンガー/ギタリスト。

60年代にオージー・ロック・バンドThe Executivesのメンバーとして活躍し、バンド解散後はThe Executivesの同僚であったRay BurtonとのデュオBurton & Cunicoを結成し、アルバム『Strive, Seek, Find』(1971年)をリリースしています。

しかしながら、Burton & Cunicoは短命に終わり、ソロ活動へ転身します。そして、1974年にKama Sutraから1stソロ・アルバム『Gino Cunico』をリリースしています。

その後Aristaとの契約に成功し、リリースされたのが本作『Gino Cunico』(1976年)です。

プロデュースはAnders & Ponciaでお馴染みのVini Poncia。また、後にThe Heatを結成するサックス奏者Tom Savianoがホーン・アレンジを手掛けています。

レコーディングにはJames Newton Howard (key)、Kevin Crossly(key)、David Wolfert(g)、Caleb Quaye(g)、Jim Keltner(ds)、Lenny Castro (per)、Tom Saviano(sax)、Vini Poncia(back vo)、Melissa Manchester(back vo)、The Faragher Brothers(back vo)等が参加しています。

アルバム全体は声質がいいGino Cunicoのヴォーカルの魅力が栄えるAOR作品に仕上がっています。

ソングライターでもあるGinoですが、ここではあえてカヴァー曲や外部ライターの曲も織り交ぜ、良い楽曲を揃えてGinoのヴォーカルを引き立てることを徹底しています。

David Cassidyのカヴァー「Daydreamer」、Barry Manilowのカヴァーでお馴染みの「Can't Smile Without You」「When I Wanted You」あたりが有名かもしれませんが、僕のイチオシはBee Geesのカヴァー「Fanny (Be Tender With My Love) 」とハイトーン・ヴォーカルが栄える「Don't Get Around Much Anymore」、躍動感と素敵なヴォーカル・ワークを楽しめる「Can't Hold On Any Longer」あたりもオススメです。

AOR作品として勿論のこと、楽曲、ヴォーカル・ワークもいいので極上のポップ・アルバムとしても存分に楽しめます。

全曲紹介しときやす。

「Daydreamer」
Terry Dempsey作。David Cassidy、1973年のヒット曲をカヴァー。甘酸っぱいメロウネスにグッとくる1曲。Tom Savianoのサックス・ソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=uw_wbdb0DnQ

「She's Sweet, She's Somebody」
Gino Cunico & James Calvert作。1stアルバムにも収録されていた楽曲の再演です。Ginoの素晴らしい歌声を堪能できるメロウ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=ffomb3QNeVs

「Can't Hold On Any Longer」
オススメその1。Kenny Moore & Ron Wilkins作。躍動するサウンドと素晴らしいヴォーカル・ワークが心地好い高揚感を届けてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SJUxlZnVyiU

「When I Wanted You」
Gino Cunico作。1979年にBarry Manilowがカヴァーし、シングル・リリースもしているビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=h14Fqmo-UXM

この曲に関して、ライナーノーツに類似曲の存在が指摘され、Gino自身も憤慨していると書かれていましたが、多分Chris Christian「I Want You,I Need You」(1981年)のことだと思います。
Chris Christian「I Want You,I Need You」
 https://www.youtube.com/watch?v=v0_QD-rrWuo

「Fanny (Be Tender With My Love) 」
オススメその2。Bee Geesのヒット曲をカヴァー(Barry, Robin & Maurice Gibb作)。Bee Geesのオリジナルは『Main Course』(1975年)に収録されています。僕の一番のお気に入り。サマー・モードの爽快メロウ・グルーヴはBee Geesのオリジナル以上の出来栄えだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=joPELMFVyO4

Bee Gees「Fanny (Be Tender With My Love) 」
 https://www.youtube.com/watch?v=G4qrEOCNr3g

「Can't Smile Without You」
オススメその3。Chris Arnold, David Martin & Geoff Morrow作。同時にCarpentersもレコーディングしています(アルバム『A Kind of Hush』収録)。本ヴァージョンを手本にBarry Manilowがカヴァーし、大ヒットさせています。Barryヴァージョンはアルバム『Even Now』(1978年)に収録されています。Barryヴァージョンで聴き慣れているせいか、聴いていてホッとする素敵なポップ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=cCrcKcLCjjk

「Don't Throw It All Away」
オススメその4。Benson & Mindell作。同時期にOlivia Newton-Johnもレコーディングしています(アルバム『Come On Over』収録)。美しくも切ないバラードに胸を打たれます。

「Don't Get Around Much Anymore」
オススメその5。Gino Cunico & Tom Saviano作。Ginoのハイトーン・ヴォーカルが栄えるサマー・モードの爽快メロウ・チューン。共作者のTom Savianoがサックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BE9wawr5nNw

「Emptiness」
David Castle作。正統派のバラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=Q-KcaHvJSDg

「Can't Hold On Any Longer (Reprise)」
「Can't Hold On Any Longer」のリプライズ。

こんな素晴らしいアルバムをリリースしながら、本作を最後に表舞台から姿を消してしまったのは残念な限りです。
posted by ez at 03:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする