発表年:2008年
ez的ジャンル:UKネオAOR
気分は... :思わずニンマリ!
今回はロンドンのネオAORユニットTalcの2ndアルバム『Licensed Premises Lifestyle』(2008年)です。
Dr.FunことJames KnightsとThe GiftことNichol Thomsonの二人組Talc("Talking and Laughing Company"の略)の紹介は、デビュー・アルバム『Sit Down Think』(2006年)に続き2回目となります。
2ndアルバムとなる『Licensed Premises Lifestyle』でもデビュー・アルバム『Sit Down Think』と同様に、Steely Danを思わせるヒネリの効いたAOR的エッセンスを2008年に相応しくアップデートさせ、UKならではのスパイスを効かせたネオAORを聴かせてくれます。前作同様にヴォコーダーを用いた曲もいくつか散りばめられています。
ポップ、ロック、ソウル、ジャズ、ジャズ・ファンク、ディスコ、ラテン/ブラジルといった様々な音楽のエッセンスを巧みに組み合わせる、マルチ・ミュージシャンである二人のサウンド・センスに脱帽です。同時にサウンドのみならず、楽曲(全て彼らのオリジナル)やヴォーカルワークも素晴らしいのが彼らの魅力だと思います。まさに21世紀のSteely Danって感じですね。
21世紀シティ・ポップ的な「Wonderbar」、ヴォコーダーを用いたアーバン・グルーヴ「Robots Return (Modern Sleepover Part 2)」、メロウ・グルーヴ+エレクトリック・ファンクな「Sambuca Chaser」、Steely Dan調の「How About That Smoking Ban?」、フリーソウル好きの人が歓喜しそうな「Closing Time Pt 2」あたりが僕のオススメです。
『Sit Down Think』と同じくWah Wah 45sからのリリースです。
聴くたびに思わずニンマリする1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Wonderbar」
オススメその1。このユニットの小粋なポップ・センスを実感できるネオAORチューン。ヒネリの効いた21世紀シティ・ポップといった感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RVyluE1YKcE
「Dancing, Laughing, Shouting, Pointing」
タイトルの通り、ダンサブルなディスコ調の仕上がりながら、ポップな色合いも併せ持っています。
https://www.youtube.com/watch?v=GvH7IbGnIjk
「The Out Of Work Clown」
オススメその2。80年代ネオアコ的な雰囲気や哀愁メロディに60年代の香りも感じますが、それでもAORしているのが"ネオAOR"たる所以なのか。
https://www.youtube.com/watch?v=jIddRVohnTA
「Rhyming Man」
アコースティックな質感が心地好いメロウ・チューン。パーカッシヴなリズムとSteely Danになりそうでならない感じに心くすぐられます。
https://www.youtube.com/watch?v=vWaCgEahwaE
「Robots Return (Modern Sleepover Part 2)」
オススメその3。シングル・カット曲。タイトルにあるように、『Sit Down Think』収録の「Modern Sleepover」のパート2という位置づけです。ヴォコーダーを用いたアーバンなミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=KOM0LeRc7PM
「Sambuca Chaser」
オススメその4。ギター・カッティングが心地好いメロウ・グルーヴとヴォコーダーを用いたエレクトリック・ファンクのミックス感が面白いです。一緒にDayton「The Sound Of Music」が聴きたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=ZNzgLr0wh2M
「How About That Smoking Ban?」
オススメその5。素敵なコーラスワークと共に始まるビューティフルAOR。ストリングも配したドリーミー・サウンド!と思っていると、気づけばSteely Dan調のメロディ&サウンドに・・・というのが彼ららしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=y67U3wVSvG8
「Sandra's Song (I Felt The Care)」
素敵なヴォーカルワークが印象的なメロウ・バラードですが、一筋縄ではいかない彼ららしいスパイスが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=dHj9IJBkDvA
「Jukebox」
この曲もシングルになりました。80年代AORをTalc風に21世紀にアップデートさせたような雰囲気の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=cvUpM_3Kz4c
「Closing Time Pt 1」
次のパート2の序曲的な雰囲気のパート1です。
https://www.youtube.com/watch?v=l-k5g0MuI4g
「Closing Time Pt 2」
オススメその6。フリーソウル好きの人が歓喜しそうなアーバンなメロウ・グルーヴ。彼ららしいヒネリが薄いですが、モロに僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=IHchy83u6sM
国内盤には「Dancing, Laughing, Shouting, Pointing (Remix)」、「Modern Sleep Over (Remix)」という2曲のリミックスがボーナス・トラックとして追加収録されています。
『Sit Down Think』(2006年)