発表年:1971年
ez的ジャンル:シカゴ産ジャズ・ファンク
気分は... :EURO2016開幕!
今回はレア・グルーヴ人気作からPharaohs『Awakening』(1971年)です。
Pharaohsは1962年にシカゴで結成されたジャズ・ファンク・バンド。バンドにはかつてEarth, Wind & Fireのリーダーであった故Maurice Whiteも在籍していたことがあるようです。
1973年まで活動していたグループの唯一のオリジナル・アルバムが本作『Awakening』(1971年)です。
※未発表音源・シングルを集めた『In the Basement』(1996年)もあります。
アルバム参加メンバーはEalee Satterfield、(Big) Willie Woods、Oye Bisi Nalls、Shango Njoko、Black Herman (Waterford)、Don "Hippmo" (Myrick)、Yehudah Ben Israel*、Alious (Watkins)、Derf Reklaw Raheem (Fred Walker)、Aaron Ifad Dodd、 Ki (Charlesleesunnychuckkiyahuhandyki)という11名のPharaohたちです。
スリリングなアフロ・ファンク「Damballa」、EW&F「Getaway」を思わせるイントロの「Black Enuff」、ヴォーカル入りのキャッチーなファンク「Freedom Road」、ホーン・アンサンブルにグッとくる「Great House」といったレア・グルーヴ好きを歓喜させるファンク・チューンが並びます。
ジャケのアートワーク、Pharaohを名乗るメンバーたち、アフロを感じるジャズ・ファンク、EW&Fとの関係性などレア・グルーヴらしい要素の詰まった1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Damballa」
スリリングなイントロとアフロ・リズムに魅了されるアフロ・ファンク。ブラックスプロイテショーンのサントラにありそうな疾走感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=Y5401xxgzwI
「IBO」
アフロなトライバル感を打ち出したパーカッシヴな演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ZuamrXdl2GE
「Tracks Of My Tears」
Smokey Robinson & The Miracles、1965年のヒット曲をカヴァー。ここではヴォーカル重視のソウルフルな雰囲気で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RsiAhJl781s
「Black Enuff」
EW&Fの大ヒット「Getaway」を思わせるホーン・アンサンブルと共に始まるファンキー・グルーヴ。濃厚なブラック・フィーリングが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=e6VaxmRF5hg
「Somebody's Been Sleeping」
Holland-Dozier-Holland作となっていますが、Holland-Dozier-HollandのHot Waxからデビューしたデトロイトのソウル・グループ
100 Proof Aged In Soulのヒット・シングル「Somebody's Been Sleeping」(Angelo Bond/Angelo Bond/Greg Perry作)のカヴァーだと思います。パーカッシヴ&フリーキーな雰囲気のユニークなカヴァーに仕上がっています。
「Freedom Road」
個人的には一番のお気に入り。ヴォーカル入りのキャッチーなファンク・チューン。ブラック・パワーを感じさせるタイトルも含めてサムシングを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=xGyMNg-yMTk
「Great House」
スケール感のあるホーン・アンサンブルにグッとくるジャズ・ファンク。13分を超える長尺ですが、スリリングなアンサンブルであっという間に時が過ぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=UqRUIPZga5s
国内再発CDには『In the Basement』(1996年)からセレクトされた4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
「People Make The World Go 'Round」
The Stylistics、1971年のヒット曲をカヴァー。本編にはないソウルフル&スピリチュアルな雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=D7xUyxZC40E
「African Roots」
女性ヴォーカルの入ったスピリチュアルなバラード。
「Drum Suite」
タイトルの通り、パーカッション乱れ打ちのアンサンブルを楽しめます。
「Love And Happiness」
ボートラの目玉となる1972年のシングル曲。濃厚なブラック・フィーリングのある演奏がいいですね。あっけない最後が少し残念ですが。
https://www.youtube.com/watch?v=YTP-mXuzjZo
『In the Basement』(1996年)