2016年06月17日

Gretchen Parlato『Gretchen Parlato』

今ジャズの歌姫のデビュー・アルバム☆Gretchen Parlato『Gretchen Parlato』
グレッチェン・パーラト
発表年:2005年
ez的ジャンル:今ジャズ系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :アンニュイ・・・

今ジャズの歌姫Gretchen Parlatoのデビュー・アルバム『Gretchen Parlato』(2005年)です。

L.A.出身で現在はN.Y.を拠点に活躍する女性ジャズ・シンガーGretchen Parlatoに関して、当ブログでは以下の3枚のアルバムを紹介済みです。

 『In a Dream』(2009年)
 『The Lost And Found』(2011年)
 『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
 ※日本独自企画コンピ

Gretchenのデビュー・アルバム『Gretchen Parlato』(2005年)が4月に国内盤再発CDがリリースされ、入手しやすくなりました。

Gretchenらしいコケティッシュ&アンニュイなウィスパー・ヴォイスと今ジャズ的なボッサ・ジャズ・サウンドがマッチした魅力的なデビュー・アルバムです。

プロデュースはGretchen Parlato本人とTor Hyams

レコーディングにはGretchen Parlato(vo、per)、Lionel Loueke(g、vo)、Massimo Biolcati(b)、Aaron Parks(p)、Cafe(per)が参加しています。

特にベナン出身の今ジャズの人気ギタリストLionel Louekeの貢献が目立ちます。次作『In a Dream』(2009年)でも存在感を見せるLouekeですが、その相性の良さは本作でも確認できます。Louekeのギターが加わることで、Gretchenのヴォーカルの魅力が高まっているのは明らかですね。

また、ベースのMassimo BiolcatiはLionel LouekeらとのユニットGilfemaでの活動でも知られています。

収録曲のうち、「Skylark」「Ela E Carioca」「Juju/Footprints」の3曲は『The Gretchen Parlato Supreme Collection』のエントリーで既に紹介済みですが、オリジナルの流れで聴くと印象を新たにできます。

上記3曲以外にもDjavanの名曲カヴァー「Flor De Lis」Bjorkのカヴァー「Come To Me」
Jobimの名曲カヴァー「Chega De Saudade」Lionel Loueke作の「Nonvignon」「Benny's Tune」と魅力的な演奏が続きます。

Gretchenのプリミティブな魅力に触れることができる清々しい"今ジャズ"女性ジャズ・ヴォーカル作品です。

全曲紹介しときやす。

「Skylark」
Johnny Mercer/Hoagy Carmichael作のスタンダードをカヴァー。Gretchenらしいボッサなオープニングです。Gretchenのウィスパー・ヴォイス&スキャットとAaron Parksのピアノ、Lionel Louekeのギターの好バッキングがよくマッチしています。

「Flor De Lis」
Djavan作。Djavanのブラジリアン名曲を小粋なジャズ・サンバにのって、Gretchenらしいコケティッシュ・ヴォーカルが光り輝きます。ここでもGretchenのヴォーカルに寄り添うLionel Louekeのギターがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=014cMNPu9qM

「Come To Me」
Bjork作。オリジナルは『Debut』(1993年)に収録されています。ミステリアス&パーカッシヴなサウンドをバックに、Gretchenの少し憂いを帯びたヴォーカル&スキャットが浮遊します。

「Nonvignon」
Lionel Loueke作。GretchenとLouekeのデュエット・ヴォーカルを聴けますが、ここでの主役はLouekeのアフリカン・テイストの美しいギターです。Lionel Loueke名義のヴァージョンは『Karibu』(2008年)で聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=i5U1wYVNHv4

「Ela E Carioca」
Antonio Carlos Jobimのボサノヴァ名曲をカヴァー。GretchenのアンニュイでコケティッシュなヴォーカルはJobim作品によくマッチします。単に耳触りのいいボッサ・カヴァーではなく、今ジャズ的なボッサ・ジャズになっているのがいいですね。

「Chega De Saudade」
この曲もAntonio Carlos Jobim作のボサノヴァ名曲カヴァーです。Louekeの素晴らしいギターに先導され、Gretchenが素敵なウィスパー・ヴォーカル&スキャットを聴かせてくれます。

「Benny's Tune」
Lionel Loueke作。Louekeとの共演の色合いが強い演奏です。Gretchenのボッサ・フィーリングとLouekeのアフリカン・フィーリングがうまく融合しています。Loueke名義のヴァージョンは『Karibu』(2008年)で聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=0Hs4HIaQpK8

「Juju/Footprints」
Wayne Shorter作品に歌詞をつけてカヴァー。「Juju」は『The Lost And Found』でも再録しています。次作『In a Dream』以降でもスタジオ録音作では毎回Wayne Shorter作品を取り上げることとなりますが、このあたりにGretchenのジャズ・ミュージシャンとしてのこだわりを感じますね。特に中盤以降のLouekeのギターを中心に盛り上がるエキサイティングな演奏にグッときます。

Gretchen Parlatoの他作品もチェックを!

『In a Dream』(2009年)
In a Dream

『The Lost And Found』(2011年)
Lost & Found

『Live In NYC』(2013年)
ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ【CD+DVD】(仮)

『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
※日本独自企画コンピ
ザ・グレッチェン・パーラト シュプリーム・コレクション
posted by ez at 00:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする