発表年:2005年
ez的ジャンル:今ジャズ系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :アンニュイ・・・
今ジャズの歌姫Gretchen Parlatoのデビュー・アルバム『Gretchen Parlato』(2005年)です。
L.A.出身で現在はN.Y.を拠点に活躍する女性ジャズ・シンガーGretchen Parlatoに関して、当ブログでは以下の3枚のアルバムを紹介済みです。
『In a Dream』(2009年)
『The Lost And Found』(2011年)
『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
※日本独自企画コンピ
Gretchenのデビュー・アルバム『Gretchen Parlato』(2005年)が4月に国内盤再発CDがリリースされ、入手しやすくなりました。
Gretchenらしいコケティッシュ&アンニュイなウィスパー・ヴォイスと今ジャズ的なボッサ・ジャズ・サウンドがマッチした魅力的なデビュー・アルバムです。
プロデュースはGretchen Parlato本人とTor Hyams。
レコーディングにはGretchen Parlato(vo、per)、Lionel Loueke(g、vo)、Massimo Biolcati(b)、Aaron Parks(p)、Cafe(per)が参加しています。
特にベナン出身の今ジャズの人気ギタリストLionel Louekeの貢献が目立ちます。次作『In a Dream』(2009年)でも存在感を見せるLouekeですが、その相性の良さは本作でも確認できます。Louekeのギターが加わることで、Gretchenのヴォーカルの魅力が高まっているのは明らかですね。
また、ベースのMassimo BiolcatiはLionel LouekeらとのユニットGilfemaでの活動でも知られています。
収録曲のうち、「Skylark」、「Ela E Carioca」、「Juju/Footprints」の3曲は『The Gretchen Parlato Supreme Collection』のエントリーで既に紹介済みですが、オリジナルの流れで聴くと印象を新たにできます。
上記3曲以外にもDjavanの名曲カヴァー「Flor De Lis」、Bjorkのカヴァー「Come To Me」、
Jobimの名曲カヴァー「Chega De Saudade」、Lionel Loueke作の「Nonvignon」、「Benny's Tune」と魅力的な演奏が続きます。
Gretchenのプリミティブな魅力に触れることができる清々しい"今ジャズ"女性ジャズ・ヴォーカル作品です。
全曲紹介しときやす。
「Skylark」
Johnny Mercer/Hoagy Carmichael作のスタンダードをカヴァー。Gretchenらしいボッサなオープニングです。Gretchenのウィスパー・ヴォイス&スキャットとAaron Parksのピアノ、Lionel Louekeのギターの好バッキングがよくマッチしています。
「Flor De Lis」
Djavan作。Djavanのブラジリアン名曲を小粋なジャズ・サンバにのって、Gretchenらしいコケティッシュ・ヴォーカルが光り輝きます。ここでもGretchenのヴォーカルに寄り添うLionel Louekeのギターがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=014cMNPu9qM
「Come To Me」
Bjork作。オリジナルは『Debut』(1993年)に収録されています。ミステリアス&パーカッシヴなサウンドをバックに、Gretchenの少し憂いを帯びたヴォーカル&スキャットが浮遊します。
「Nonvignon」
Lionel Loueke作。GretchenとLouekeのデュエット・ヴォーカルを聴けますが、ここでの主役はLouekeのアフリカン・テイストの美しいギターです。Lionel Loueke名義のヴァージョンは『Karibu』(2008年)で聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=i5U1wYVNHv4
「Ela E Carioca」
Antonio Carlos Jobimのボサノヴァ名曲をカヴァー。GretchenのアンニュイでコケティッシュなヴォーカルはJobim作品によくマッチします。単に耳触りのいいボッサ・カヴァーではなく、今ジャズ的なボッサ・ジャズになっているのがいいですね。
「Chega De Saudade」
この曲もAntonio Carlos Jobim作のボサノヴァ名曲カヴァーです。Louekeの素晴らしいギターに先導され、Gretchenが素敵なウィスパー・ヴォーカル&スキャットを聴かせてくれます。
「Benny's Tune」
Lionel Loueke作。Louekeとの共演の色合いが強い演奏です。Gretchenのボッサ・フィーリングとLouekeのアフリカン・フィーリングがうまく融合しています。Loueke名義のヴァージョンは『Karibu』(2008年)で聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=0Hs4HIaQpK8
「Juju/Footprints」
Wayne Shorter作品に歌詞をつけてカヴァー。「Juju」は『The Lost And Found』でも再録しています。次作『In a Dream』以降でもスタジオ録音作では毎回Wayne Shorter作品を取り上げることとなりますが、このあたりにGretchenのジャズ・ミュージシャンとしてのこだわりを感じますね。特に中盤以降のLouekeのギターを中心に盛り上がるエキサイティングな演奏にグッときます。
Gretchen Parlatoの他作品もチェックを!
『In a Dream』(2009年)
『The Lost And Found』(2011年)
『Live In NYC』(2013年)
『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
※日本独自企画コンピ