2016年06月30日

Bobby Konders & Massive Sounds『Bobby Konders & Massive Sounds』

ヒップホップ/レゲエ/ハウスが融合した90年代N.Y.サウンド☆Bobby Konders & Massive Sounds『Bobby Konders & Massive Sounds』
Bobby Konders & Massive Sound
発表年:1992年
ez的ジャンル:N.Y.ラガ・ヒップホップ
気分は... :この時代ならではの面白さ!

今回は90年代作品からBobby Konders & Massive Sounds『Bobby Konders & Massive Sounds』(1992年)です。

Bobby Kondersは80年代後半からN.Y.を拠点に活躍するDJ/プロデューサー。現在は自身のレーベルMassive Bを主宰しています。

本作『Bobby Konders & Massive Sounds』は1992年に自身の名義でリリースしたアルバムであり、ヒップホップ、ラガ(レゲエ)、ハウスを融合した作品として当時人気を博しました。

僕も当時頻繁に聴いた1枚であり、ラガ・ヒップホップやダンスホール・レゲエの魅力に気づかされた1枚です。

基本はラガ・ヒップホップのアルバムですが、フツーにN.Y.アンダーグラウンドなハウスや、Hip-Hop/R&Bな楽曲も収録されており、1枚の中でレゲエ/ラガ、ハウス、Hip-Hop、R&Bを楽しめるのが、この時代らしくていいですね。今振り返っても80年代後半から90年代初めのジャンルの境界が低かった時代のサウンドは面白いですね。

アルバムの約1/3の曲を後の人気Hip-HopプロデューサーSalaam Remiが手掛けている点にも注目です。

アルバムの目玉はMikey Jarrettをフィーチャーしたラガ・ヒップホップ・クラシック「Mack Daddy」ですね。これぞラガ・ヒップホップ!って感じですね。それ以外であれば、akadaが小悪魔的ヴォーカルで挑発する「Bad Boy Dance」Keni Burkeの名曲カヴァー「Rising To The Top」、ディープなハウス・チューン「Where Is Our Future」、アッパーなラガ・ヒップホップ「Under Surveillance」あたりがお気に入りです。

アルバム全体に貫かれたアンダーグラウンドな空気も含めて僕の感性を大いに刺激してくれた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Heads」
Salaam Remiプロデュース。Marvin Gaye「"T" Plays It Cool」をサンプリングしたHip-Hop寄りのトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=laYxVwPwFcs

「Mack Daddy」
本作のハイライトはMikey Jarrettをフィーチャーしたラガ・ヒップホップ・クラシックとしてお馴染みですね。Stetsasonic「Go Stetsa I」の掛け声ネタとThe Emotions「Blind Alley」のドラム・ネタによるトラックにのせて、Mikey Jarrettがラガ・スタイルで捲し立てます。当時は♪マッタリ♪マッタリ♪に聴こえていましたが(笑)。ラガ・ヒップホップの魅力が凝縮された風格漂うクラシックですね。Esther Williams「Last Night Changed It All (I Really Had a Ball)」の電話ネタ、Lou Donaldson「Who's Making Love」のベース・ネタ、Bobby Bland「Sad Feeling」ネタも挿入されています。Salaam Remiプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=jMMZk-CZ0Sw

「Bad Boy Dance」
Makadaの女性ヴォーカルをフィーチャー。「Mack Daddy」に次いで当時よく聴いていたのがコレ。James Brown「I Don't Want Nobody To Give Me Nothing (Open Up The Door, I'll Get It Myself)」、Rufus Thomas「Do The Funky Penguin」、The Blackbyrds「Rock Creek Park」をサンプリングしたキャッチーなトラックにのって、Makadaが小悪魔的ヴォーカルで挑発します。
https://www.youtube.com/watch?v=pbWzICGarso

「The Poem '92」
ジャマイカン・ダブ・ポエットMutabarukaをフィーチャー。ハウス+ダブなサウンドがN.Y.アンダーグラウンドらしくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YtGDA8PCn-0

「Unity」
Raffの男性ヴォーカルをフィーチャー。Salaam Remiプロデュース。Hip-Hopトラックをバックにしたセクシー男性R&Bとして楽しめます。

「You Don't Know」
Connie Harveyの女性ヴォーカルをフィーチャー。アンダーグラウンドN.Y.ハウスな妖しげな雰囲気がたまりません。

「Rising To The Top」
Keni Burkeのクラブ・クラシックをカヴァー(Keni Burke/Norma Jean Wright作)。Raffの男性ヴォーカルをフィーチャーしたラガ調カヴァーで聴かせてくれます。このあたりのカヴァー・センスもなかなかですね。

「Blue Note Groove」
タイトルからしてジャズを感じるハウス・トラック。Mr. Fingers(Larry Heard)あたりと一緒に聴きたくなります。

「Where Is Our Future」
Connie Harveyの女性ヴォーカルをフィーチャー。Connie Harveyのソウルフル・ヴォーカルを活かしたディープ・ハウスです。

「I Love」
Red Foxをフィーチャー。ラガ・ヒップホップらしいダミ声で煽ります。ダミ声ラップと甘いヴォーカルのコントラストがグッド!

「Under Surveillance」
Mikey Jarrettをフィーチャー。サイレンの音とも始まるアッパーなラガ・ヒップホップ。リズミックなフロウに脳内が浸食されていきます。

「And The Road」
Salaam Remiプロデュース。Connie Harveyの女性ヴォーカルをフィーチャーしたダンサブル・チューンです。

「Mack Daddy Dancehall (Club Edit)」
「Mack Daddy」のリミックス。よりダンスホール感が強調された仕上がりです。

「Rising To The Top (Lovers Mix)」
「Rising To The Top」のリミックス。その名の通りラヴァーズなリミックスに仕上がっています。Keni Burkeのオリジナルがお好きな人はこのリミックスの方がしっくりくるかもしれませんね。

そういえば、当時はラガマフィン・ヒップホップって言い方していましたね。懐かしい!
posted by ez at 02:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする