2016年07月18日

Barry White『Sheet Music』

愛の伝道師の隠れた名盤?☆Barry White『Sheet Music』
Sheet Music
発表年:1980年
ez的ジャンル:愛の伝道師系ソウル/ディスコ
気分は... :邪道ですが・・・

今回は愛の伝道師として70〜80年代に大活躍した巨漢の男性R&Bシンガー/プロデューサーBarry White『Sheet Music』(1980年)です。

Barry White(1944-2003年)はテキサス州生まれ、L.A.育ちの男性R&Bシンガー/プロデューサー/コンポーザー。

10代の頃は少年院に入るなど非行に走りましたが、その後音楽の道を志すようになり、1960年代前半はヴォーカル・グループThe Atlanticsの一員として活動し、その後アレンジャー、セッション・ミュージシャンとして活動する傍らで、ソロ・シンガーとして活動するようになります。

60年代に後半に女性ソウル・グループLove Unlimitedを発掘し、プロデューサーとして彼女たちをブレイクさせたことで、Barry White自身への注目も高まりました。

そして、1973年にはBarry White自身の初ソロ・アルバム『I've Got So Much to Give』が大ヒットし、彼自身が人気アーティストの仲間入りをします。さらにLove Unlimitedと自身のバックバンドとして総勢40名のLove Unlimited Orchestraを結成しました。

こうして70年代から80年代初めにかけてソロ名義、Love Unlimited Orchestra名義で数多くの作品をリリースし、人気アーティスト地位を不動のものとしました。

その間「I'm Gonna Love You Just a Little More Baby」(全米チャート第3位)、Love Unlimited Orchestra「Love's Theme」(全米チャート第1位)、「Can't Get Enough of Your Love, Babe」(全米チャート第1位)、「You're the First, the Last, My Everything」(全米チャート第2位)、「It's Ecstasy When You Lay Down Next to Me」(全米チャート第4位)といったヒットを放っています。

2003年に58歳で逝去。

特に大意はなかったのですが、ブログ開設10年以上が過ぎて、ようやくBarry White作品の紹介に至りました。嫌いというわけではないけど、それ程積極的には聴いていなかった、というのが僕にとってのBarry Whiteです。

低音ヴォーカルの"愛の伝道師"巨漢シンガーとしてのインパクトは大だったし、洋楽など全く知らなかった子供時代に耳にしたLove Unlimited Orchestra「Love's Theme」に惹かれたことも事実ですが、何となくインパクト大の低音ヴォーカルを少し敬遠していたのも事実かもしれません。

数あるBarry Whiteのソロ作の中で最初に取り上げたのが『Sheet Music』(1980年)というのは少し邪道かもしれません。

Barry Whiteのディスコグラフィの中では地味な部類のアルバムかもしれませんが、僕が最も多く聴いているBarry White作品です。アルバム全体のアーバン&メロウな雰囲気と、ラテン/カリプソのエッセンスが散りばめられている点などが僕好みなのかもしれません。

爽快メロウ・グルーヴ「Sheet Music」、メロウ・ディスコ「I Believe In Love」、ラテン・フレイヴァーを楽しめる「Ghetto Letto」、愛の伝道師らしいラブ・ミュージック「Love Makin' Music」あたりが僕のおススメです。

お馴染みGene PageがBarryと共にアレンジを手掛けています。

案外、Barry Whiteが少し苦手な人にフィットするBarry White作品かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「Sheet Music」
Barry White/Paul Politi作。愛の伝道師らしいストリングスが栄えるダンサブルなオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=tPFMxCDc7Dc

「Lady, Sweet Lady」
Norman Sallitt作。僕の一番のお気に入り。アレンジの妙が冴える爽快メロウ・グルーヴ。Barryの低音ヴォーカルが軽やかに聴こえるのが僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=DWC9_sGdTcU

「I Believe In Love」
Austin Johnson/Barry White/Smeed Hudman作。このキャッチーなメロウ・ディスコを本作のハイライトに挙げる人も多いかもしれませんね。妖しげな女性コーラスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=QzR6FFZI4xs

「Ghetto Letto」
Barry White/Paul Politi/Vella M. Cameron作。ゲットーの騒音と共に始まるラテン/カリビアン・テイストのミディアム・グルーヴ。Warあたりと一緒に聴きたい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=j27xoSca4OM

「Rum And Coke」
カリプソの歴史に大きな足跡を残したLord Invader(1914-1962年)の代表曲「Rum and Coca-Cola」をカヴァー(Al Stillman/Jeri Sullivan/Morey Amsterdam/Paul Baron作)。開放的なカリプソ・サウンドをバックに、Barryの低音ヴォーカルにもリラックス感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=_vw40kNlkxc

「She's Everything To Me」
Barry White/Bernard Butler作。愛の伝道師の本領発揮!といった感じのラブ・ソングです。低音ヴォーカルでセクシーに迫ります。
https://www.youtube.com/watch?v=zK5kCtyugzE

Diamond D「Words」、Fure Boccamara feat. DJ Tech「Vivo L'hip Hop」のサンプリング・ソースとなっています。
Fure Boccamara feat. DJ Tech「Vivo L'hip Hop」
 https://www.youtube.com/watch?v=0ij_VPiQiUc

「Love Makin' Music」
Aaron Schroeder/Jerry Ragovoy作。ラストも愛の伝道師らしいラブ・ミュージックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2Rm_LG5TBRw

Barry Whiteの他作品もチェックを!

『I've Got So Much to Give』(1973年)
I've Got So Much to Give

『Stone Gon』(1973年)
Stone Gon

『Can't Get Enough』(1974年)
Can't Get Enough

The Love Unlimited Orchestra『Rhapsody in White』(1974年)
Rhapsody in White

Barry White, Love Unlimited & Love Unlimited Orchestra『Together Brothers』(1974年)
Together Bros

The Love Unlimited Orchestra『White Gold』(1974年)
White Gold

『Just Another Way to Say I Love』(1975年)
Just Another Way to Say I Love

『Let the Music Play』(1976年)
Let the Music Play

『Is This Watcha Want?』(1976年)
Is This Watcha Want?

『Sings for Someone You Love』(1977年)
Sings for Someone You Love

『The Man』(1978年)
Man

『The Message is Love』(1979年)
The Message Is Love

『Beware!』(1981年)
BEWARE!

The Love Unlimited Orchestra『Let 'Em Dance!』(1981年)
LET’EM DANCE

Barry & Glodean『Barry & Glodean』(1981年)
Baray&Glodean

『Change』(1982年)
CHANGE

『Dedicated』(1983年)
DEDICATED

『The Right Night & Barry White 』(1987年)
The Right Night

『The Man Is Back』(1989年)
The Man Is Back

『Put Me in Your Mix』(1991年)
Put Me In Your Mix by Barry White (2004-09-21) 【並行輸入品】

『The Icon Is Love』(1994年)
The Icon Is Love

『Staying Power』(1999年)
スティング・パワー
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2016年07月17日

Tristan『Lifestyle』

"オランダのIncognito"の3rdアルバム☆Tristan『Lifestyle』
Lifestyle
発表年:2016年
ez的ジャンル:オランダ産ジャズ・ファンク
気分は... :アシッド・ジャズ!

今回は"オランダのIncognito"とも称されるジャズ・ファンク・バンドTristanの最新作『Lifestyle』です。

Tristanについては、GWに注目の男性R&B/SoulシンガーHestonの最新作『Transparency』へのゲスト参加で紹介したことがありました。その中でタイミング良くTristanの新作がリリースされました。

Tristanはオランダ結成されたジャズ・ファンク・バンド(メンバーにはドイツ人も含まれますが)。これまで『Full Power』(2014年)、『2nd Phase』(2015年)という2枚のアルバムをリリースしています。

3rdアルバムとなる本作『Lifestyle』におけるメンバーはEvelyn Kallansee(vo)、Sebastiaan Cornelissen(ds)、Coen Molenaar(key)、Frans Vollink(b)、Guy Nikkels(g)の5名。

プロデュース、ソングライティング、アレンジはCoen MolenaarSebastiaan CornelissenFrans Vollinkの3名。そう言えば、CoenはHeston『Transparency』でも2曲をプロデュースしていました。

アルバムにはそのHestonをはじめ、イタリア人男性シンガーFrancesco Cottone、オランダの若手男性シンガーKasperといったゲスト・シンガーが参加しています。

確かに"オランダのIncognito"と呼びたくなるのが頷けるアシッド・ジャズ調のキャッチーなヴォーカル入りジャズ・ファンクを存分に楽しめます。流行りのディスコ調やレゲエ、AOR調の曲もあり、アルバムの構成的にも楽しめます。

特にオープニング「I'll Be Around」からFrancesco Cottoneをフィーチャーした「Rendez-vous」までの前半5曲の出来栄えが秀逸です。

上記に示したのは国内盤ジャケであり、輸入盤のオリジナル・ジャケはこんな感じです。

『Lifestyle』 ※輸入盤
Lifestyle

これからの季節でも重宝しそうな1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「I'll Be Around」
このオープニングを聴けば、彼らが"オランダのIncognito"と称されるのも納得です。ホーン・サウンドの効いた爽快ジャズ・ファンクをバックに、Evelynのヴォーカルが躍動します。フュージョン・テイストのエレピ&ギター・ソロもグッド!

「Feet Back on the Ground」
Hestonをフィーチャー。サマー・モードにピッタリなメロウ・ミディアム・グルーヴに仕上がっています。TristanサウンドとHestonのヴォーカルの相性はピッタリですね。
https://www.youtube.com/watch?v=djfMJv2D2VI

「Admiration」
開放的なホーン・アンサンブルと軽快なギター・カッティングと共に疾走するサマー・モードのアップ・チューン。Incognito好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=GO2ApNEOXhI

「Let Me Breathe」
Kasperをフィーチャー。70年代スウェイ・ビートをジャズ・ファンク仕立てにしたダンサブルな仕上がりです。

「Rendez-vous」
Francesco Cottoneをフィーチャー。パーカッシヴなリズムとヴィヴィドなシンセ・サウンドが印象的なAORテイストのフュージョン・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=VCEfQJu9qu8

「2 Skip This」
1stの「Skip This」、2ndの「Skip This 2」の続編。なぜ「Skip This 3」じゃないのでしょうか?

「Lifestyle」
タイトル曲はディスコ調。このあたりのディスコ路線は、同じオランダのクラブジャズ・コンボThe Jazzinvadersの最新作『Find the Love』あたりと符合するものであり、セットで聴くのもいいかもしれませんね。

「Love Leads the Way」
再びHestonをフィーチャー。ドミニカ国出身のHestonのもう1つの顔であるカリビアンDNAを実感できるレゲエ・チューン。サンセット・モードにフィットします。

「Trouble」
ジャズ・ファンク・バンドの本領発揮といった演奏です。豪快なホーン・サウンドも含めてアシッド・ジャズ好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=JFxwaMwiPtI ※ライブ音源

「Take Me to the River」
哀愁モードのミディアムで少し落ち着かせてくれます。哀愁シンセの音色が印象的です。

「Group Up」
Francesco Cottoneをフィーチャー。Donald Fagenに通じるFrancesco Cottoneのヴォーカルを活かしたアーバンなAORフュージョンに仕上がっています。

「Spirit, One」
ミュージカル出演の経験を持つEvelynがミュージカルの一場面かのように、優しく歌い上げます。

「Don't Wanna Stop」
Kasperをフィーチャー。Kasperのハイトーン・ヴォーカルが映えるブルーアイド・ソウル的な魅力のあるAORチューンです。

「Aftermath」
ジャズ・ファンク・バンドらしいグルーヴ感とEvelynの持つミュージカル的なエッセンスが融合したビューティフル・グルーヴ。

「Night Time」
本編のラストはミュージカル調の小曲でドリーミーに締め括ってくれます。

国内盤にはボーナス・トラックとして、「Take me to the River (Captain One-eye Oldskool Mix)」「Supersize My Sunshine (1984 Remix)」「Running (1999 Remix)」という3曲のリミックスが追加収録されています。ディスコ/ブギー調、トライバル・ハウス調のリミックスはクラブミュージック好きの人は気に入るはず!

ご興味がある方は1stアルバム『Full Power』、2ndアルバム『2nd Phase』もチェックを!

『Full Power』(2014年)
Full Power

『2nd Phase』(2015年)
2nd Phase
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2016年07月16日

Miles Davis『Live Evil』

邪悪な声が囁く?電化マイルスのライブ盤☆Miles Davis『Live Evil』
ライヴ・イヴル
録音年:1970年
ez的ジャンル:エレクトリック・マイルス
気分は... :カオスの先に見えるものは・・・

久々にジャズ界の帝王Miles Davisのオリジナル・アルバム『Live Evil』(1970年)です。

ジャズ界の帝王Miles Davisに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の16枚。

 『Bag's Groove』(1954年)
 『'Round About Midnight』(1955、56年)
 『Cookin'』(1956年)
 『Miles Ahead』(1957年)
 『Milestones』(1958年)
 『Someday My Prince Will Come』(1961年)
 『E.S.P.』(1965年)
 『Miles Smiles』(1966年)
 『Nefertiti』(1967年)
 『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
 『In A Silent Way』(1969年)
 『On The Corner』(1972年)
 『Get Up With It』(1970、72、73、74年)
 『Dark Magus』(1974年)
 『Agharta』(1975年)
 『The Man With The Horn』(1981年)

少し前にMiles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』を紹介しましたが、記事にも書いた通り、あのアルバムは僕の中で"Robert Glasperが総指揮をとったMiles音源の再構築コンピレーション"という位置づけなので、上記のMiles作品のリストには加えません。

そんなモヤモヤ感も含めて、ここ数か月Milesのオリジナル・アルバムを取り上げたい思いが強くなっていました。

『Live Evil』は電化マイルス時代の変則2枚組ライブ・アルバムです。全8曲中の半分が1970年12月19日ワシントンD.C.のThe Cellar Doorで行われたライブ録音、残りの4曲が同年N.Y.で行われたスタジオ録音となっています。これをプロデューサーTeo Maceroが驚異の編集テクニックで仕上げた1枚です。ライブ録音4曲もTeo Maceroによる編集が施されています。リリースは1971年。

The Cellar DoorでのライブはMiles Davis(el-tp)、Gary Bartz(ss、as)、John McLaughlin(el-g)、Keith Jarrett(el-p、org)、Michael Henderson(el-b)、Jack DeJohnette(ds)、Airto Moreira(per)というライン・ナップです。

スタジオ録音は上記メンバーに加え、Steve Grossman(ss)、Wayne Shorter(ss)、Herbie Hancock(el-p)、Chick Corea(el-p)、Joe Zawinul(el-p)、Hermeto Pascoal(ds、whistling、vo、el-p)、Khalil Balakrishna(el-g)、Dave Holland(b)、Ron Carter(b)、Billy Cobham(ds)、Conrad Roberts(narration、poem)がレコーディングに参加しています。

特に「Sivad」「What I Say」「Funky Tonk」「Inamorata and Narration by Conrad Roberts」というライブ録音4曲はエレクトリック・マイルスらしいハイテンションの演奏を存分に楽しめます。そんな動のライブ録音と対を成すようにスタジオ録音の4曲は静寂に包まれます。

あと今回聞き直して感じたのは、Airto Moreiraの全面参加、スタジオ録音の3曲で奇才Hermeto Pascoalをフィーチャリングしており、ブラジリアン・エッセンスが意外に効いているなぁ、という点です。

衝撃作『Bitches Brew』と同じAbdul Mati Klarweinがアートワークを手掛けたジャケットも秀逸です。

全曲紹介しときやす。

「Sivad」
Mile Davis作。タイトルは"Davis"を逆さに綴ったものです。実態は「Directions」と「Honky Tonk」の合体。前半はHendersonとDeJohnetteによる強力リズム隊をバックに、Milesのワウ・トランペットがロッキン・ギターのような唸りを上げます。中盤以降は邪悪なムードの気怠さが印象的です。Airtoが随所でいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=eSpDfuIuftU

「Little Church」
Hermeto Pascoal作。ブラジルの奇才Hermeto Pascoalをフィーチャーしたスタジオ録音。演奏面でMilesは殆ど目立っていませんが、こうした奇才ミュージシャンを抜擢する行為自体がMilesですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_Hk9L6lfo2s

「Medley: Gemini/Double Image」
Mile Davis作の「Gemini」、Joe Zawinul作の「Double Image」のメドレー。ブルージーな雰囲気の中でのJohn McLaughlinのギターとMilesのトランペットの掛け合いが聴き所です。
https://www.youtube.com/watch?v=oe1tHhQR6vY

「What I Say」
Mile Davis作。HendersonとDeJohnetteのリズム隊が最高に格好良い本作のハイライト。Keith Jarrettのエレピ&オルガンもグッド!そんなハイテンションのサウンドと共にMilesも絶好調のプレイで応えます。電化マイルスの魅力が詰まった演奏だと思います。ラストはDeJohnetteの圧巻のドラム・ソロで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Lb-jR8OSXaY

「Nem Um Talvez」
Hermeto Pascoal作。Hermeto Pascoalをフィーチャーした2曲目。サウダージな郷愁感が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=TWs7cY-fEn0

「Selim」
Hermeto Pascoal作。Hermeto Pascoalをフィーチャーした3曲目。タイトルは"Miles"を逆さに綴ったものです。PascoalのヴォーカルとMilesのトランペットが寄り添う哀愁モードの小曲です。

「Funky Tonk」
前半は再びMilesのワウ・トランペットが唸りを上げ、電化マイルスならではの邪悪なブラック・グルーヴを存分に楽しめます。ここではGary Bartzのソプラノ・ソロも印象的です。それに続くMcLaughlinのギターあたりからカオス・モードが一気に加速します。最後は悪魔の囁きのようなJarrettのエレピで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xW3T0dD35PY

「Inamorata and Narration by Conrad Roberts」
ラストも「Funky Tonk」の流れを受け継ぐハイテンションのライブ演奏です。各プレイヤーが見せ場を作ってくれます。特に中盤でのMilesのワウ・トランペットは圧巻です。最後はConrad Robertsのナレーションと共にエンディングを迎えます。
https://www.youtube.com/watch?v=GzM4_Lf_dSc

Miles Davisの過去記事もご参照下さい。

『Bag's Groove』(1954年)
バグズ・グルーヴ

『'Round About Midnight』(1955、56年)
'Round About Midnight

『Cookin'』(1956年)
クッキン

『Miles Ahead』(1957年)
Miles Ahead

『Milestones』(1958年)
マイルストーンズ+3

『Someday My Prince Will Come』(1961年)
Someday My Prince Will Come

『E.S.P.』(1965年)
E.S.P.

『Miles Smiles』(1966年)
マイルス・スマイルズ

『Nefertiti』(1967年)
ネフェルティティ + 4

『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
キリマンジャロの娘

『In A Silent Way』(1969年)
In a Silent Way (Dlx)

『On The Corner』(1972年)
Blu-spec CD オン・ザ・コーナー

『Get Up With It』(1970、72、73、74年)
ゲット・アップ・ウィズ・イット

『Dark Magus』(1974年)
ダーク・メイガス

『Agharta』(1975年)
Agharta

『The Man With The Horn』(1981年)
The Man with the Horn
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2016年07月14日

Lalo Schifrin『There's A Whole Lalo Schifrin Goin' On』

架空サントラの玉手箱や!☆Lalo Schifrin『There's A Whole Lalo Schifrin Goin' On』
lalo schifrin there's a whole lalo schifrin goin' on.jpg
発表年:1968年
ez的ジャンル:サントラの巨匠系架空サントラ
気分は... :架空サントラの玉手箱や!

今回はサントラの巨匠Lalo Schifrinが1968年にリリースした『There's A Whole Lalo Schifrin Goin' On』です。

アルゼンチン出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー/アレンジャーLalo Schifrinの紹介は人気サントラ『Music From Mission: Impossible』(1967年)に続き2回目となります。

本作『There's A Whole Lalo Schifrin Goin' On』はサントラの巨匠Schifrinの全盛期にレコーディングされた架空のサントラ作品です。様々なタイプの楽曲が収録されており、サントラ曲のオムニバス的な面白さがあります。架空サントラの玉手箱や!

曲を聴きながら、"この曲ならば、●●なサントラが似合いそう"と妄想しながら聴くと楽しいと思います。

タブラ・ビートの「Secret Code」、ロマンチックな「Bride Of The Wind」モッドな格好良さがある「Life Insurance」、幻想的なビューティフル・チューン「How To Open At Will The Most Beautiful Window」、ラブ・コメディが似合いそうなボッサ「Two Petals, A Flower And A Young Girl」あたりが僕のお気に入りです。

Lalo Schifrinのサントラ好きの人は満足できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Secret Code」
タブラ・ビートに妖しげなフルート、さらにはSchifrinのアナログ・シンセが絡むミステリアスな疾走感が魅力のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=hM6DNJzZaoM

「Dissolving」
ストリングを配した美しくも悲しいムードの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=rqF5y6QAWLk

「Machinations」
アクション映画のサントラにありそうな雰囲気の1曲。これから作戦開始!といった感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=okQEA9tMTLQ

「Bride Of The Wind」
この演奏は実にロマンチックです。女性の囁きも挿入され、恋愛映画のサントラといった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=O4e9bA94K0M

「Life Insurance」
モッドな格好良さがあるグルーヴィーなオルガン曲。スウィンギング・ロンドンが好きな方は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=eaAcfhRdJtE

「How To Open At Will The Most Beautiful Window」
幻想的なビューティフル・チューン。美しいギターとフルートの調べがいいですね。フランス映画のサントラに似合いそう!
https://www.youtube.com/watch?v=MeQJ3t7dZcQ

「Vaccinated Mushrooms」
爽快サウンドの中にも茶目っ気のある弾けたピアノで楽しませてくれる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=9B1ZZ3GwJ3Y

「Two Petals, A Flower And A Young Girl」
ラブ・コメディのサントラが似合いそうな小粋なボッサ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=_fovD3CWL88

「Wheat Germ Landscapes」
タブラ・ビートにのったスパイ映画のサントラって雰囲気です。下手くそだけどノリノリの男性スキャットはSchifrin本人なのでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=62HxasJelh4

「Gentle Earthquake」
派手さはありませんが、ビート感のあるサウンドはなかなかキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Wc_-80dYyU4

「Hawks Versus Doves」
ラストは壮大な歴史大作のサントラといった雰囲気ですが、ブラジルのエッセンスも散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=bHhYRQpvwjk

Lalo Schifrinの60年代の他作品もチェックを!

『Piano, Strings and Bossa Nova』(1962年)
Piano Strings & Bossa Nova (Dig)

『New Fantasy』(1964年)
ニュー・ファンタジー

『The Cincinnati Kid』(1965年)
Cincinnati Kid

『The Liquidator』(1965年)
Ost: the Liquidator

『Music From Mission: Impossible』(1967年)
Music From Mission: Impossible (1966-1973 Television Series)

『Cool Hand Luke』(1967年)
Cool Hand Luke

『Mannix』(1967年)
Mannix (TV Soundtrack)

『Bullitt』(1968年)
ブリット(Bullitt)

『More Mission: Impossible』(1968年)
Mission: Impossible...and More! by Schifrin, Lalo (1997-01-17) 【並行輸入品】

『The Fox』(1968年)
The Fox by Lalo Schifrin (2000-06-06) 【並行輸入品】

『Che!』(1969年)
Che!
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2016年07月13日

Banda Favela『O Ritmo Misturado』

イタリアのブラジリアン・ユニット☆Banda Favela『O Ritmo Misturado』
O Ritmo Misturado
発表年:2002年
ez的ジャンル:Irma系ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :妄想バカンス!

今回はイタリアのブラジリアン・グルーヴ作品Banda Favela『O Ritmo Misturado』(2002年)です。

Banda Favelaはイタリアで結成されたブラジリアン・ユニット。

イタリアの人気レーベルIrmaからリリースされたグループ唯一のアルバムが『O Ritmo Misturado』(2002年)です。

本作におけるメンバーはブラジル、セアラー州フォルタレーザ出身の紅一点Maruca Rodrigues De Lima(vo)、Roberto Rossi(per、vibes、ds、el-p、key、vo)、Stefano Girotti(g、sitar、key、back vo)、Angelo Campagna(per、back vo)の4名。

それ以外にBarbara Casini(vo)、Silvia Donati(vo)、Dimitri Sillato(el-p)、Christian Lisi(b)、Massimo Tagliata(accordion)、Luigi Mosso(b)、Max Gardini(key)、Alessandro Garofalo(key)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースはBanda FavelaThe Groove Factory Team

「Raiha Do Mar」「Neguinho」「Samba 2150」「Samba De Ile」「Samba 2150」といった各種コンピの人気曲が多数収録されているように、Irmaらしいスタイリッシュな曲に満ちています。

各種コンピの人気曲以外に「Annunciacao」「Jungle Minas」「Agua Santa」といったトライバル感のある楽曲も僕のお気に入りです。

多少、後半はダレている部分もありますが、これからの季節に重宝する1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Samba De Ile」
オープニングはスピリチュアル感のあるサンバ・チューンです。この独特の雰囲気がウケるのか各種コンピでも人気です。

「Raiha Do Mar」
各種コンピに収録された人気曲。ブラジリアン&Irma好きにはたまらない軽快かつオシャレなサンバ・グルーヴ。リード・ヴォーカルをとるBarbara Casiniの躍動するヴォーカルもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=DW0EGhWFT60

「Cuiquinha」
この時期のブラジリアン作品らしくブラジリアン・ビートとエレクトロのバランスが絶妙です。

「Annunciacao」
アフロ・ブラジリアンなトライバル感が心地好い1曲。グルーヴィーなオルガンもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9rtmkGvAQ9M

「Neguinho」
Silvia Donatiがリード・ヴォーカルをとるキャッチーなサンバ・グルーヴ。この曲も各種コンピで人気です。夏に重宝しそうな1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=9of7ORCj-8k

「Jungle Minas」
アッパーなブラジリアン・ジャングル・ビートがなかなか刺激的です。ミナスの森林を勝手に妄想してしまいます。

「Grao De Trigo」
溌剌としたブラジリアン・ビートが実に爽快です。涼しげなフルートもいいですね。

「Samba 2150」
Irmaらしいスタイリッシュ感のあるボッサ・グルーヴ。小粋なラップも含めて近未来カフェ・ミュージックって感じですね。各種コンピでも人気です。

「Agua Santa」
ドラムンベース+アフロ・ブラジリアン+インドといった感じのアッパーなトライバル・ビートが不思議な世界へと誘ってくれます。

「Forro De Pe」
この曲はブラジルというより無国籍なエスニック感が魅力です。

「Candieiro」
アヴァンギャルドな雰囲気が漂う摩訶不思議な曲。

「Pu Dop」
この曲も実験的に攻めてみました!って感じですね。

「Berimbau Viola」
タイトルの通り、ビリンバウとヴィオランを楽しんでみました!という演奏です。

「O Amanhecer Do Novo Dia」
ラストはバレアリックなアフロ・ブラジリアンで神秘的に締め括ってくれます。

そろそろ夏モードのセレクトを強化しなくてはいけませんね。
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