発表年:1977年
ez的ジャンル:AOR系男性シンガー・ソングライター
気分は... :あっという間に10年・・・
今日はメロウ・サウンドが聴きたい気分!
セレクトしたのはKenny Loggins『Celebrate Me Home』(1977年)です。
Jim MessinaとのデュオLoggins & Messinaとして活動し、ソロ転向後は「Footloose」(1984年)、「Danger Zone」(1986年)等のヒットを放った男性シンガー・ソングライターKenny Logginsの紹介は、2ndソロ・アルバム『Nightwatch』(1978年)に続き2回目です。
前回『Nightwatch』を取り上げたのが2006年だったので、10年ぶりのKenny Loggins作品の紹介です。『Nightwatch』を取り上げたとき、"次は『Celebrate Me Home』にしよう"とも思っていたら、あっという間に10年・・・時の流れの速さに驚くばかりです。
10年前も同じようなことを書きましたが、僕が今でも聴くKenny Loggins作品は『Celebrate Me Home』(1977年)、『Nightwatch』(1978年)というAOR的な2枚です。正直、それ以外のKenny Loggins作品は全く聴いていません。意外にこのパターンの方は多いのでは?
やはり、The Doobie Brothersのグラミー受賞曲「What A Fool Believes」の作者の一人(Michael McDonaldとの共作)であるKennyにはAOR的なものを求めてしまいます。
今回紹介する『Celebrate Me Home』(1977年)はLoggins & Messina解散後の1stソロ・アルバムです。
プロデュースはPhil RamoneとBob James。
こうしたプロデューサー陣の人脈でレコーディング・メンバーは超豪華です。Bob James(key)、Hiram Bullock(g)、Robben Ford(g)、Eric Gale(g)、Steve Khan(g)、Hugh McCracken(g)、Dean Parks(g)、Lee Ritenour(g)、George Hawkins(b、back vo)、Richard Tee(key)、Steve Gadd(ds)、Harvey Mason(ds)、Ralph MacDonald(ds)、Jon Clarke(per、woodwinds)、Laudir de Oliveira(per)、Tommy Tedesco(mandolin)、Patti Austin(back vo)、Vince Denham(back vo、woodwinds)、Lani Groves(back vo)、Gwen Guthrie(back vo)、(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
シングルにもなった「If You Be Wise」、Jimmy Webbdとの共作「If You Be Wise」、素敵なバラード「Set It Free」、さり気ないメロウネスがたまらない「Why Do People Lie」、Patti Austinとのデュエット「I've Got the Melody (Deep in My Heart)」、ゴスペル調のタイトル曲「Celebrate Me Home」、David Fosterもソングライティングに関与した「Daddy's Back」など聴き所満載です。
豪華ミュージシャンによる都会的メロウ・サウンドとKenny Logginsのジェントルな魅力がかみ合ったAOR作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Lady Luck」
Kenny Loggins/Jeffrey Townsend作。マンドリンの音色が印象的なエキゾチックな哀愁チューン。ただし、AOR的ではないので好き/嫌いが分かれるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=_4T4i6BmGuc
Memphis Bleek「All Types of Shit」 、Talib Kweli & Madlib「Time Is Right」のサンプリング・ソースとなっています。
Memphis Bleek「All Types of Shit」
https://www.youtube.com/watch?v=Rkttv7L-4SY
「If You Be Wise」
Kenny Loggins/Jimmy Webbd作。SSW作品らしくジェントリーなメロディをしっかり聴かせる1曲に仕上がっています。ストリングスやコーラスワークもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=xZgw1I2J-2o
「I Believe in Love」
Alan Bergman/Marilyn Bergman/Kenny Loggins作。映画『A Star Is Born』(1976年)の中でBarbra Streisandが歌っていた楽曲のセルフ・カヴァー。シングル・カットもされました。本作のハイライトとしてこの曲を挙げる人が多いのでは?僕も同意見です。Barbra Streisandヴァージョンとはかなり雰囲気が異なりますが、ブラジリアン・フュージョン調の爽快メロウ・チューンはサイコーです!
https://www.youtube.com/watch?v=1NQtpdfMs84
「Set It Free」
Eva Ein/Kenny Loggins作。メロウ・エレピをバックにKennyがしっとりと歌い上げる前半から、徐々に音が重なっていく素敵なバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=XvBP70kFQzU
このセッションに参加してたHarvey Masonが自身のアルバム『Funk in a Mason Jar』(1977年)でカヴァーしています。
Harvey Mason「Set It Free」
https://www.youtube.com/watch?v=93Fh3r9hHXY
「Why Do People Lie」
Eva Ein/Kenny Loggins作。さり気ないですが、都会派メロウ好きにはグッとくる1曲だと思います。適度にパーカッシヴなのが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=R_pCS9Wq6y4
「Enter My Dream」
Kenny Loggins作。タイトル通りドリーミーなイントロが印象的なメロウ・ミディアム。ウッドウィンズの音色が素敵ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_A6NIdlUYRY
「I've Got the Melody (Deep in My Heart)」
Patti Austin作。作者Patti Austinとのデュエット。都会的なメロウ・サウンドをバックに、二人が素敵なヴォーカルを聞かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Cbd5J5ceIYQ
「Celebrate Me Home」
Bob James/Kenny Loggins作。Bob Jamesのピアノをバックに、Kennyが歌い上げる感動バラード。Richard Teeのオルガンも加わったゴスペル調な感じは、Billy Joel「Everybody Has a Dream」あたりと一緒に聴きたくなりますね。
https://www.youtube.com/watch?v=hVIrAhv7WNs
Ruben StuddardやNorman Brownがカヴァーしています。また、Common「Celebrate」のサンプリング・ソースとなっています。
Ruben Studdard「Celebrate Me Home」
https://www.youtube.com/watch?v=r_KRHah4nbk
Norman Brown「Celebrate Me Home」
https://www.youtube.com/watch?v=hFnemTwW86A
「Daddy's Back」
Eva Ein/David Foster/Kenny Loggins作。メロウ好きにはDavid Fosterが関与した本曲も魅力的なのでは?中盤以降はポップに加速します。
https://www.youtube.com/watch?v=a5It0LsaEQI
「You Don't Know Me」
Eddy Arnold/Cindy Walker作。偉大なカントリー・シンガーEddy Arnold、1956年のヒット曲をカヴァー。数多くのアーティストがカヴァーしている名曲ですね。ここではBobのエレピとEric Galeのギターによるメロウ・サウンドをバックにしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=pSrhJae02Tk
未聴の方は『Nightwatch』(1978年)もセットでどうぞ!
『Nightwatch』(1978年)