発表年:1975年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ/フリー・ソウル系ソウル・グループ
気分は... :色々味わえます...
今回はL.A.を拠点に活動していた男性ソウル・グループSmoked Sugarの『Smoked Sugar』 (1975年)です。
Smoked SugarのメンバーはOliver Williams、James Conwell、James Curlings、Charlie Jonesの4名。メンバーはヴォーカルのみならず、自ら演奏も行います。
70年代初めから活動をスタートさせたSmoked Sugarの唯一のアルバムが本作『Smoked Sugar』 (1975年)です。プロデュースはHadley Murrell。
アルバム自体はヒットしませんでしたが、本作の収録曲「I'm A Winner」がフリー・ソウル方面で人気となり、さらに「Bump Me」や「Keeping Up My Front」といった曲がサンプリング・ソースとなったことで再評価を高めた1枚です。
ジャケの印象からは正統派の甘茶ソウル・ヴォーカル・グルーヴをイメージするかもしれませんが、アルバムの中身はファンク的なアプローチあり、ポップ・ソウルありでなかなかバラエティに富んだ1枚に仕上がっています。
ポップ・ソウルであれば、上記のフリー・ソウル人気曲「I'm A Winner」、「Keeping Up My Front」、「Loving You Coming Out Of A Brand New Bag」がおススメです。
ファンク的アプローチであれば、僕の一番のお気に入り「Bump Me」、Free Movementのカヴァー「I've Found Someone Of My Own」ががおススメです。
「My Eyes Search A Lonely Room For You」、「It's Funny Til I Crying」といったメロウ・ソウルにも捨て難い魅力があります。正統派ソウル・ヴォーカルという点では、ハモンド・オルガンの響きがいいソウル・バラード「Don't Let The Feeling Hit Me Again」もいいですよ。
1枚で色々味わえるお得感のある作品です。
全曲紹介しときやす。
「I've Found Someone Of My Own」
オープニングはFree Movement、1971年のヒット曲をカヴァー(Frank F. Robinson作)。ポップ・ソウルな魅力があったFree Movementのオリジナルに対して、なかなか骨太なファンク・ロック寄りのアプローチは少し意外かも?でもなかなかいいです!
https://www.youtube.com/watch?v=EGQzV8zQtZo
Free Movement「I've Found Someone Of My Own」
https://www.youtube.com/watch?v=GtXKCu9XQHM
「My Eyes Search A Lonely Room For You」
Ray Jackson作。伸びやかなテナー・ヴォーカルで歌い上げる素敵なメロウ・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=w-yaURo3uYQ
「Bump Me」
Frank F. Robinson/James Curlings/Oliver Williams作。ソウル・ヴォーカル・グループというよりファンク・バンド的なファンキー・グルーヴ。かなり格好良いですよ!僕の一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=mvBAe6NY0I0
Gang Starr「Sabotage」でサンプリングされています。さすがプリモ先生、目の付け所が違いますな。
Gang Starr「Sabotage」
https://www.youtube.com/watch?v=bv_vl9tq76o
「I'm A Blues Singer, Guitar Banger」
Jack White/James Conwell作。こちらはソウル・ヴォーカルらしいファンキー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=a5-HzjhAOVk
「Don't Let The Feeling Hit Me Again」
James Curlings作。ハモンド・オルガンの響きがいい感じのソウル・バラード。ヴォーカル・グループとしての彼らの魅力を存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=fpjFMZnCbHQ
「It's Funny Til I Crying」
James Curlings作。コレもかなり好き!格好良いバッキングとテナー・ヴォーカルのバランスが絶妙の哀愁メロウ・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=58Le4J3XTb4
「Loving You Coming Out Of A Brand New Bag」
Frank F. Robinson/James Curlings/Oliver Williams作。ポップ・ソウルな魅力を持った爽快ミディアム・グルーヴ。軽やかなギターなホーン・セクションも加わったアレンジが絶妙です。
「I Can't Get Enough」
Eddie Horan作。あのJackson 5もレコーディングした楽曲。ポップ・ソウルな曲調ですが、パンチの効いたヴォーカルで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xyTjGwyM7OA
「I'm A Winner」
Eddie Horan/Hadley Murrell作。前述の通り、本作が評価を高めるきっかけを作ったフリーソウル人気曲。爽快グルーヴィーなポップ・ソウルはジャケに写るメンバーの姿とはギャップがあるかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=urU-PMZxUhM
「Keeping Up My Front」
James Conwell/Oliver Williams作。アルバムに先駆けシングル・カットされた楽曲。哀愁バラードな前半から、中盤以降はファルセット・リードが栄えるスウィートなミディアムへ展開します。
https://www.youtube.com/watch?v=iip0zxwq6EU
The Alchemist feat. Maxwell & Twista「Smile」、Marciano「Hide My Tears」のサンプリング・ソースとなっています。
The Alchemist feat. Maxwell & Twista「Smile」
https://www.youtube.com/watch?v=snfTQA3F6mw
Marciano「Hide My Tears」
https://www.youtube.com/watch?v=eNDebkH73ts
CDにはボーナス・トラックとして、「My Eyes Search A Lonely Room For You」の別ヴァージョンが収録されています。
梅雨明けはまだ先なのか・・・