2016年08月31日

Conya Doss『Love Rain Down』

実力派女性ネオ・ソウル・シンガーの3rd☆Conya Doss『Love Rain Down』
Love Rain Down by Conya Doss (2006-10-17) 【並行輸入品】
発表年:2006年
ez的ジャンル:Dome系ネオ・ソウル
気分は... :休みが欲しい(泣)

いよいよ8月も最終日。
今年は夏休みどころではなかった・・・忙しすぎる(泣)

今回は女性R&BシンガーConya Dossの3rdアルバム『Love Rain Down』(2006年)です。

Conya Dossは1972年クリーブランド生まれの女性R&Bシンガー。

これまで『A Poem About Ms. Doss』(2002年)、『Just Because』(2004年)、『Love Rain Down』(2006年)、『Still...』(2008年)、『Blu Transition』(2010年)、『A Pocketful of Purpose』(2012年)、『Seven: VII』(2015年)といった7枚のアルバムをリリースしています。

派手さはありませんが、コンスタントに作品をリリースしており、R&Bファンには実力派ネオ・ソウル・シンガーとして認知されているのでは?

特に1st『A Poem About Ms. Doss』から4th『Still...』まではUKの優良レーベルDome Recordsからも配給されていたので、そこで興味を持った方も多いと思います。僕もそんな一人です。

3rdアルバムとなる本作『Love Rain Down』(2006年)は、Conya Dossらしいメロウ&オーガニックなネオ・ソウルを楽しめる良盤だと思います。

メイン・プロデューサーは男性R&Bシンガー/ソングライターとしても活躍するMyron(Myron Davis)。彼は1st『A Poem About Ms. Doss』からプロデューサーとして関与しています。

シングルにもなった「Tell Me Why」、一番のお気に入りでもある素敵なメロウ「Only Be Me」、オーガニック&グルーヴィーな「Beautiful Thing」、温もりのあるアコースティック・メロウ「Nevermind」
ユルさが魅力の生音グルーヴ「Those Wur De Dayz」、ブラジリアン・フレイヴァーの「Why Did You」あたりがオススメです。

派手さはないけど、良いものは良い!僕好みのネオ・ソウル作品です。

全曲紹介しときやす。

「Tell Me Why」
オススメその1。シングルにもなったオープニング。アコースティックな質感と作り込みすぎない自然体な空気が心地よいオープニング。そんな中にもConyaのパッションを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=2Uk-1UGXjGU

「Find A Way」
オススメその2。インディR&Bならではの良質さを感じるメロウ・ミディアム。派手さはないもののキャッチーさもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=IL9kfU31olk

「Those Wur De Dayz」
オススメその3。生音グルーヴならではのリラックス・ムードがいいですね。少しユルい感じが逆にグッときます。

「Call Me」
派手さはありませんが、ネオ・ソウルらしいグルーヴで前のめり気味に疾走します。

「Only Be Me」
オススメその4。一番のお気に入り。ほっこり気分になる素敵なメロウ・チューン。僕がConya Dossに期待するのはこういう曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=PqYUsMcHHA4

「Love Rain Down」
タイトル曲はダンサブルな仕上がり。Dome好きの人はこういう感じも期待しちゃいますね。
https://www.youtube.com/watch?v=HdGil7dIMCU

「Let Ya Know」
この曲はConya Doss/Rodney Jones/JayShawn Smithプロデュース。ジワジワと盛り上がってくるネオ・ソウル。メロウ・エレピの音色が心地よいです。

「Sign」
アコースティック・ギターをバックに、しっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=eemvdPm3-QI

「Beautiful Thing」
オススメその5。この曲も大好き!アコギやハモンドのオーガニックな質感のグルーヴにグッときます。歌っているConya自身が楽しそうなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Q4FY_VFlx-c

「The One」
Conya Doss/Rodney Jonesプロデュース。少し憂いを帯びたヴォーカルが印象的なミディアム。少し揺らぎのあるサウンドも雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=0f1oDRK_GRU

「Nevermind」
オススメその6。シンプルながらもアコースティックな質感に温もりを感じるミディアム。こういう曲を聴くとホッとします。
https://www.youtube.com/watch?v=nZzhu7mxXsM

「Why Did You」
オススメその7。ラストはブラジリアン・フレイヴァーの効いたメロウ・グルーヴで締め括ってくれます。僕好みのサウンドです。

Conya Dossの他作品もチェックを!

『A Poem About Ms. Doss』(2002年)
A Poem About Ms. Doss

『Just Because』(2004年)
Just Because

『Still...』(2008年)
Still

『Blu Transition』(2010年)
Blu Transition

『A Pocketful of Purpose』(2012年)
Pocket Full of Purpose

『Seven: VII』(2015年)
VII
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2016年08月30日

音楽の園〜番外編『昔はJ-POPも聴いていました』

昨日、記事の中でブッダ・ブランド「天運我に有り(撃つ用意)」に触れたら、急にJ-POPが聴きたくなりました。

ということで、僕がかつて愛聴していたJ-POP作品をCD棚から取り出しながら、10曲セレクトしました。

当ブログでJ-POPを記事にするのは2009年の音楽の園〜番外編『たまにはJ-POPも聴くんです!』以来2回目です。
※2016.8.30追記:この記事のリンク切れ修正しました。

結局、僕は今でも"渋谷系"が好きみたいです(笑)

ピチカート・ファイブ「万事快調(tout va bien)」
https://www.youtube.com/watch?v=_PAcA564m1Q
From Album『SWEET PIZZICATO FIVE』(1992年)
スウィート・ピチカート・ファイヴ

カヒミ・カリィ「Elastic Girl」
https://www.youtube.com/watch?v=ug3SXDtYavI
From Mini Album『My First Karie』(1995年)
MY FIRST KARIE

paris blue「会いに行くよ」
https://www.youtube.com/watch?v=g0ZR3JespZI
From Album『going to a go-go(それゆけPB)』(1994年)
paris blue going to a go-go.pg.jpg

Monday満ちる「You Make Me」
https://www.youtube.com/watch?v=X5mMWGvtEZE
From Single『You Make Me』(1998年)
You Make Me

Soul Bossa Trio「Bayu Bayu」
https://www.youtube.com/watch?v=csFQdKms5jg
From Album『A Taste Of Soul Bossa』(1994年)
A TASTE OF SOUL BOSSA

ラヴ・タンバリンズ「Cherish Our Love」
https://www.youtube.com/watch?v=t9naOWB4aAg
From Album『Alive』(1995年)
ALIVE

GREAT 3「玉突き」
https://www.youtube.com/watch?v=Fnl4UYEOqEM
From Album『Romance』(1997年)
Romance

フィッシュマンズ「ナイトクルージング」
https://www.youtube.com/watch?v=FL7xO92hRDI
From Album『空中キャンプ』(1996年)
空中キャンプ

TOKYO No.1 SOUL SET「黄昏'95〜太陽の季節」
https://www.youtube.com/watch?v=f0Q1dpobHus
From Album『TRIPLE BARREL』(1995年)
TRIPLE BARREL

ブッダ・ブランド「天運我に有り(撃つ用意)」
 https://www.youtube.com/watch?v=AfbDBoQuyaY
From Album『病める無限のブッダの世界 ― BEST OF THE BEST (金字塔)』(2000年)
病める無限のブッダの世界 ― BEST OF THE BEST (金字塔)
posted by ez at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月29日

Webster Lewis『On The Town』

ブッダ・ブランド・ネタ「Do It With Style」収録☆Webster Lewis『On The Town』
On the Town
発表年:1976年
ez的ジャンル:ディスコ・オーケストラ系ジャズ・ファンク/フュージョン
気分は... :8月も残り僅か・・・

Seesaaブログの障害で少しイラっと状態・・・

今回はジャズ・ファンク/フュージョン作品からWebster Lewis『On The Town』(1976年)です。

1970〜80年代に活躍したフュージョン系のキーボード奏者/プロデューサーWebster Lewis(1943-2002年)の紹介は、『Touch My Love』(1978年)、『Let Me Be the One』(1981年)に続き3回目となります。

Epicからの第1弾アルバムとなる本作の正式な名義はWebster Lewis & The Post-Pop Space-Rock Be-Bop Gospel Tabernacle Orchestra And Chorusという長いものです。

アルバム全体としては、メロウなジャズ・ファンク/フュージョンに加え、ディスコ・オーケストラ的なダンサブル・サウンドが印象的な1枚に仕上がっています。

プロデュースはWebster Lewis David Horowitz

レコーディングにはWebster Lewis (key)、David Horowitz(syn)、Cornell Dupree(g)、Joe Beck(g)、Lance Quinn(g)、Richie Resnicoff(g)、Carl Lynch(g)、Cliff Morris(g)、Freddie Harris(g、steel drums)、Keith Loving(g)、Anthony Jackson(b)、Bob Babbitt(b)、Herb Bushler(b)、Grady Tate(ds)、Victor Lewis(ds)、Alyrio Lima(per)、Richie Crooks(per)Harold Vick(ts)等が参加しています。

ブッダ・ブランド「天運我に有り(撃つ用意)」のサンプリング・ソースとしても有名な「Do It With Style」、本作らしいディスコ・サウンドを楽しめる「On The Town」「Saturday Night Steppin' Out」、ダンサブルなメロウ・フュージョン「Love Is The Way」あたりが僕のオススメです。

都会的なジャケもいいですね。

全曲紹介しときやす。

「On The Town」
Bruce Gray/T.G. Conway/Webster Lewis作。華やかなオーケストレーションをバックにしたブラジリアンなフュージョン・ディスコでアルバムは幕を開けます。
https://www.youtube.com/watch?v=cXjAfcnOC7M

「Saturday Night Steppin' Out」
David Horowitz/Webster Lewis作。ブラック・フィーリングに溢れたディスコ・チューン。土曜の夜遊びモードって雰囲気ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sCXlN1iRoVw

「Since I've Been Gone」
The Spinnersのカヴァー(Bruce Hawes/Charles Simmons/Joseph Jefferson作)。オリジナルは『Mighty Love』(1974年)に収録されています。しっとりとしたメロウ・チューンで落ち着かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Dbc-RubdUj4

「Love Is The Way」
Bruce Gray/T.G. Conway/Webster Lewis作。シングルにもなったダンサブルなメロウ・フュージョン。華やかな女性コーラスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=AfpvAsGyjgA

「Do It With Style」
Bruce Gray/Coleridge-Taylor Perkinson/T.G. Conway作。今日、本作のハイライトといえば、このヴォーカル入りアーバン・ダンサーでしょうね。印象的なベースラインが格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kTLbyJFNw_g

この曲といえば、Brothers By Choice「She Puts The Ease Back Into Easy (Part 1)」と並びブッダ・ブランド「天運我に有り(撃つ用意)」のサンプリング・ソースとしても有名ですね。DEV LARGEの逝去が惜しまれます。
ブッダ・ブランド「天運我に有り(撃つ用意)」
 https://www.youtube.com/watch?v=AfbDBoQuyaY
Brothers By Choice「She Puts The Ease Back Into Easy (Part 1)」
 https://www.youtube.com/watch?v=0yFsI1QHgWw

Lucas Secon「Wau Wau Wau」のサンプリング・ソースにもなっています。
Lucas Secon「Wau Wau Wau」
 https://www.youtube.com/watch?v=CZXnY9JbOq8

「Song Of Joy」
David Horowitz作。リラックスした夏向けインスト・フュージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=cpxxFwZOlsY

「Goodnight Baby Girl」
Webster Lewis作。本編のラストはWebster Lewisのメロウ・キーボードで締め括ってくれます。

CDにはボーナス・トラックとして、Curtis Mayfieldが音楽を手掛け、The Staple Singersが歌ったサントラ『Let's Do It Again (Original Soundtrack) 』(1975年)のタイトル曲「Let's Do It Again」のカヴァーが収録されています。

Webster Lewis Epic時代の他作品もチェックを!

『Touch My Love』(1978年)
Touch My Love

『Eight for the Eighties』(1980年)
8 for the 80s

『Let Me Be the One』(1981年)
Let Me Be the One
posted by ez at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月28日

General Roots『Walk Tall』

Dennis Bovellが強力バックアップ!UKレゲエの新星☆General Roots『Walk Tall』
ウォーク・トール
発表年:2016年
ez的ジャンル:UKレゲエ
気分は... :まだ夏は終わらない・・・

新作からUKレゲエの新星General Rootsのデビュー・アルバム『Walk Tall』です。

General Rootsは2008年にロンドンで結成されたレゲエ・グループ。メンバーはJames Mckone(b)、Ben Mckone(ds)というMckone兄弟を中心に、Freddy Badoo(Field Marshal Fred)(vo)、The Minister(vo、vibes controller)、Joe Price(g)という5名。さらにSam Ross(key)も準メンバー的な扱いのようです。

2013年に1stEP「The First Attack」をリリース。

これに注目したのがUKレゲエ/ダブの重鎮であり、The Pop GroupThe Slitsを手掛けたことでも知られるプロデューサー/エンジニア/ミュージシャンDennis Bovell。そして彼のバックアップで2014年に「Sufferer」「Special」という2枚のシングルを制作しています。この2曲のエンジニアリング/ミックスを担当したのは Prince Fatty

そして、満を持して制作されたデビュー・アルバムが本作『Walk Tall』です。

アルバムにはDennis Bovell、UKダンスホールのレジェンドTop Cat、80年代からUKレゲエ・シーンで活躍するドラマー/DJのHorsemanThe Slits再結成(2005-2010年)時のメンバーでもあったUKの女性レゲエ・シンガーHollie Cook(元Sex PistolsのPaul Cookと元Belle StarsのJennie Matthiasの娘)等がゲスト参加しています。ちなみにGeneral RootsHollie Cookのバック・バンドも務めています。Dennis Bovellは4曲のソングライティングにも関与しています。

国内盤にはボーナス・トラック「The Joker」が収録されています。そう、Steve Miller Bandの大ヒット曲のレゲエ・カヴァーです。結果的に、このボーナス・トラックはアルバムのキラー・チューンになっています。

ちなみに「The Joker」のカヴァーを提案したのはIncognitoのリーダーJean-Paul "Bluey" Maunick

アルバム全体としては、ラヴァーズ、ダンスホール、ダブが程良くブレンドされた気負いのない自然体のレゲエ・サウンドを楽しめます。

たまにレゲエを聴くならば、こんなアルバムがいいのでは?

『Walk Tall』〜Full Album Minimix
https://www.youtube.com/watch?v=adbv8hFNveQ

全曲紹介しときやす。

「The Joker」
いきなり国内盤ボーナス・トラックがオープニング。前述のようにSteve Miller Bandの大ヒット曲のレゲエ・カヴァー。発案者のJean-Paul "Bluey" Maunickがエグゼクティブ・プロデューサーとして関与し、心地よいアイランド・レゲエに仕上がっています。

「Freedom」
Top Catをフィーチャー。少しダークなコンシャス・レゲエに仕上がっています。Top Catがさすがのトースティングで盛り上げてくれます。終盤のダビーな展開もいいですね。

「Little Sun」
開放的な雰囲気が心地よい1曲に仕上がっています。特別なことをやっているわけではないけど、気負わずレゲエ道をまい進しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mAy1AqW6khc

「Fight For Ya Lovin'」
自然体のレゲエ・サウンドに、思わず体を揺らしてしまいます。レゲエ好き以外も楽しめるキャッチーさがあります。

「Special」
2014年にシングル・リリースされていた曲。サマー・モードにピッタリなサンシャイン・レゲエなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=_8BpGSrYHxo

「Wrong Road」
Dennis Bovellをフィーチャー。ダビーなコンシャス・レゲエに、Dennis Bovellの激シブのトースティングが絡みます。後半のダブ全開な感じもグッときます。

「Walk Tall」
タイトル曲は素敵なラヴァーズです。Freddy Badooの甘い語り口のヴォーカルがいいですね。ラヴァーズ

「Sufferer」
この曲も2014年のシングル・リリース曲。王道的なルーツ・ロックにDennis Bovellがダビーなアクセントを加え、メリハリのある1曲に仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=jrWrsvTc_e8

「Out Of Love (Love's End)」
哀愁モードの仕上がり。ロッキン・ギターが哀愁感も増大させます。

「Raver's Delight」
Dennis Bovellをフィーチャー。タイトルだけ見ると「Rapper's Delight」を意識したのかな?なんて思ってしまいました。軽快なリズムにのったDennis Bovellがトースティングがいい感じです。

「Movie Show」
ラストはHorsemanをフィーチャー。このバンドらしいラヴァーズ、ダンスホール、ダブが違和感なく調和している感じがいいですね。

僕の場合、Dennis Bovellの名を聞くと、ついThe Pop GroupThe Slitsが聴きたくなってしまいます。ご興味がある方はチェックを!

The Pop Group『Y』(1979年)
Y(最後の警告)

The Slits『Cut』(1979年)
カット
posted by ez at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月27日

Nara Leao『Com Acucar Com Afeto』

深い友情で結ばれたChico Buarque作品集☆Nara Leao『Com Acucar Com Afeto』
お砂糖と愛情で
発表年:1980年
ez的ジャンル:友情系女性MPB
気分は... :お砂糖と愛情で・・・

ブラジルを代表する女性シンガーNara Leaoが1980年にリリースした『Com Acucar Com Afeto(邦題:お砂糖と愛情で)』(1980年)です。

これまで当ブログで紹介したNara Leao作品は以下の5枚。

 『Nara』(1964年)
 『O Canto Livre De Nara』(1965年)
 『Vento De Maio』(1967年)
 『Dez Anos Depois』(1971年)
 『Os Meus Amigos Sao Um Barato』(1977年)

本作『Com Acucar Com Afeto』は、ブラジルを代表する男性SSWの一人であるChico Buarqueの作品集です。

NaraとChicoはChicoがデビューする前からの知り合いであり、これまでもNaraは数多くのChico Buarque作品を歌ってきました。また、一時期は2人でTV番組の司会を務めたこともあります。本作のタイトルもアルバム『Vento De Maio』(1967年)に収録されたChico作品「Com Acucar E Com Afeto」からとったものです。

そんな深い友情で結ばれたChicoの作品集を作りたい思いを実現させたのが本作『Com Acucar Com Afeto』です。Chico Buarque本人も参加し、3曲でデュエットしています。

Octavio Burnierがプロデュース/アレンジを手掛け、Antonio AdolfoAzymuthJose Roberto Bertrami等がレコーディングに参加しています。

本作らしいコンテンポラリーなアレンジの「A Rita」「Onde E Que Voce Estava」「Homenagem Ao Malandro」、哀愁サンバの「Ela Desatinou」「Samba E Amor」、Chicoとのデュエット「Vence Na Vida Quem Diz Sim」あたりがオススメです。

Chico作品を知り尽くしたNaraだからこそ歌えるChico Buarqueワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「A Rita」
Chicoのデビュー・アルバム『Chico Buarque De Hollanda』(1966年)に収録された名曲を1980年らしいコンテンポラリーなアレンジで歌い上げます。軽やかなメロウネスがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=EIhuZYUmqOA

「Onde E Que Voce Estava」
歌詞の内容はプロテスト・ソングですが、そんな曲を爽快メロウに歌い上げます。Octavio Burnierのアレンジの妙が冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=JkUsKRjlBhY

「Ela Desatinou」
オリジナルは『Chico Buarque De Hollanda Volume 3』(1968年)に収録されています。哀愁サンバを憂いを帯びたヴォーカルで歌い上げます。軽快なのに寂しげな感じがいいですね。

「Trocando Em Miudos」
Francis HimeとChicoの共作曲。オリジナルは『Chico Buarque』(1978年)に収録されています。別れた恋人に向けたこの曲を、寂しげな情感で歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=4rwDxNCtkoE

「O Que Sera (A Flor Da Pele)」
ブラジル映画『Dona Flor and Her Two Husbands』(1976年)のためにChicoが書いた楽曲。Milton Nascimento『Geraes』(1976年)にMiltonとChicoのデュエットが収録されています。Willie Colonのカヴァーも紹介済です。ここではAntonio Adolfoのピアノをバックに、しっとりと歌い上げます。

「Baioque」
Chicoが脚本を書いた映画『Quando O Carnaval Chegar』(1972年)のサントラ収録曲。同サントラにNaraはMaria Bethaniaと共に参加していました。ちなに同サントラで本曲はMaria Bethaniaが歌っていました。ここでは軽快なアレンジで弾けています。

「Dueto」
Chico本人とのデュエット1曲目。元々は映画『O Rei de Ramos』(1979年)のために書かれた楽曲。シンプルながらも息の合ったデュエットを聴かせてくれます。

「Vence Na Vida Quem Diz Sim」
Chico本人とのデュエット2曲目。オリジナルは映画『Calabar』(1973年)のために書かれた楽曲。Chicoとのデュエット3曲の中ではこれが一番好き!

「Samba E Amor」
オリジナルは『Chico Buarque De Hollanda No.4』(1970年)に収録されています。少し気怠い哀愁サンバって感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=P5fL_Lo5ewc

「Homenagem Ao Malandro」
映画『Opera Do Malandro』のために書かれた曲。『Chico Buarque』(1978年)にも収録されています。爽快メロウ&ポップな雰囲気が心地よい1曲に仕上がっています。本作らしいらしいコンテンポラリー感を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=t7EhHg8usL8

「Olhos Nos Olhos」
オリジナルは『Meus Caros Amigos』(1976年)に収録されています。味わい深い郷愁感がジワジワきます。
https://www.youtube.com/watch?v=84uK4Bvssvg

「Mambembe」
Chico本人とのデュエット3曲目。ラストは前述の映画『Quando O Carnaval Chegar』(1972年)のサントラ収録曲を軽やかにデュエットして締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=h2jjXcymcPA

Nara Leaoの過去記事もご参照下さい。

『Nara』(1964年)
ナラ

『O Canto Livre De Nara』(1965年)
ナラ自由を歌う+2

『Vento De Maio』(1967年)
5月の風+1

『Dez Anos Depois』(1971年)
美しきボサノヴァのミューズ

『Os Meus Amigos Sao Um Barato』(1977年)
ナラと素晴らしき仲間たち
posted by ez at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする